Bf109F 製作記(その2)



 

 塗装



■ 塗装考証

 さて、シートと補強板から、#2か#3とまでは早々に決めていたが、さて、どちらにするか、随分と悩む。#2は、週間ドイツニュースの動画がポイント高い。問題は、W.Nrのデカールが無く、尾翼付近の塗り分け線がイレギュラー。ということで、#3即ち、70機撃墜の紋章入りW.Nr10137に決定。

 胴体上下の塗り分けは、工場塗装なので、基本的に各機同じと考えられる。サンド迷彩のカラー写真が何点か残っており、特にエアインテイク付近の塗り分けは参考になる。#2の塗り分け線は尾翼付近で上に湾曲している。単なる汚れか、何らかの理由で現地で再塗装したのか。その場合、右側はどうなっているのか。悩み出すとキリがない。#3はノーマルのようだ。
 ラダーは両機ともサンド単色に見える。#3では尾燈付近両側にタッチアップ跡があるが、さて、その色調は?

 スピナの「塗り分け」は、2/3黄色という説もあるが、工場塗装の2/3黒、1/3白に白をオーバースプレーが正しい。この塗り分けは#2ではっきり確認できる。#3も同様と考える。機首下面の黄色は、両機とも下2/3のみ。左側に注意書きが塗り残されている。
 主翼端上下は2機とも白。タイヤの白帯なし。機番14の書体は、4の角が鋭角で、#1ではここが直角である。#2、#3の2機は良く似た書体だが、数字の間隔に違いがある。
 ネット上には、#2のスコアマークが白いカラー写真があるが、白黒写真に着色したもので信用できないそうである。#3は、周囲との明度差を比較すれば、黄色が妥当。


左側は大体写真から判明している。

右側の14の位置は推定。#1では酸素供給口(水色の円)が完全に見えるが、それでは左側とのバランスが狂う。

 細部塗装の考証は他力本願。情報提供各位に感謝。で、主脚柱、カバー内側、脚収容部は、全面78か、脚柱&カバー裏が02の両方が存在した可能性。どちらもカラー写真が存在する。収容部側壁のキャンバス?のみ暗色。ちなみに、東部戦線や北欧に行った機体(trop)も、熱帯向け塗装に現地に合わせた塗装を上掛けしているとのこと。
 Fのホイル裏表は黒、プロペラは70グリーン。プロペラ裏側の先1/2ほどは、砂のため塗装がはがれて金属地が出ている。
 スラットの内側は不明だが、74/75迷彩機に、そこで迷彩が途切れている写真がある。スラットを閉じて迷彩塗装しているならば、プライマーの02グレイが塗り残されている可能性がある。斜め後方からの写真で、主翼付根付近の歩行禁止線が確認できる。

 ここで、残る2機も見ていこう。#1(赤ラダー)は翼端の白塗装がない。ラダーの赤は、プライマーと言われている。フォッケのネジ頭などに塗られたものと同じなら、くすんだ暗い赤である。主翼左上面の国籍マークに一部はがれがある。このシール説については真偽の議論があるが、じっくり写真を見ると、はがれ方がシールのように見える。機首下面は全面黄色。注意書きのみ塗り残され、その下地は78ブルー。

 #4では、右側のアフリカマークが、デカールインストより4〜5mm後ろが正しい。左は、マークの存在は確かだが、位置は手元に写真がなく不明。機番14の黒縁は正しいが、デカールのサイズは過大。数字の下端は、バルケンクロイツの横棒下端と同じ高さになる。撃墜マークは100の数字のみ白。
 ところで、この機体のみ迷彩の塗り分けが胴体下部だが、この理由はサンドが現地塗装だと考えられるというご意見をメールでいただいたので、ご指摘に感謝しつつその旨記載する。

■ 実機写真

 以下、手元の実機写真から確認できる情報。私の製作上のメモ。

#3 (W.Nr10137)
当機の実機写真は、左側面やや後ろから(14の字体と位置、タイヤ帯なし、窓の赤線)、後ろやや左から(翼端上面の白、左ラダー、ペラ裏側)、コクピット左側アップ、右斜め前方離陸中(右ラダーに撃墜マークなし、ラダーのリペイント)、同駐機中(黄色の塗り分け、機首上下塗り分け、右側4の位置、主翼下面の白)、左尾翼アップ101機(撃墜マークの詳細、ラダー塗り分け線なし、最下段左から記入)、左機首下面(注意書きと下地の白)、81機(最下段左から)

#1 (W.Nr8693)
主輪は白帯なし、尾輪は白帯、コクピット後部に小物入れ、撃墜マークは48本(最下段左から)、50本、52本(最下段は右から)が確認、主翼上下の白なし。

#2 (W.Nr10059)
左機首下面の注意書きなし、尾翼部の塗り分けが跳ね上がる、コクピットのアップで赤線がある、左尾翼上面付け根前縁に四角い暗色、60本+8?状態が確認、主翼下面白。

#4 (W.Nr8673)
主翼端部は白(少なくとも上面は確認できる)、タイヤは未確認(ただし、尾輪には細い白帯、トルクリンクあり)、右側数字は不鮮明、機首下面は全面黄色かブルー、少なくとも2/3塗り分けではない。本機は、信号弾発射口が円形の暗色、G型タイプの幅広ペラ、136機(最下段左側から)、150機、158機(最下段左から)。なお、インテイクとオイルクーラーは4機とも共通。


■ チョーキング

 塗装面が紫外線や酸化などで粉を吹いたように劣化することである。古い鉄橋や橋桁などのペンキを観察するとよく分る。チョーキングによって、オリジナルより「相当」白っぽく変色する。これは想像以上で、普段目にする鋼構造物の色は、塗装直後とは別物と考えてよい。当然、濃い色ほど変化が著しい。
 チョーキングのミソは、布などで表面を擦ると下の新鮮な色が現れることで、これを考慮したウェザリングも面白いのでは?

■ 調色 6/1追加

 RLM78/79の砂漠迷彩のオリジナル・カラー写真は何点か残されている。特に文献−12の米軍撮影のものは、色調の再現性で貴重。同文献には、窓枠のみ79の機体がある。ここだけ残して現地で再塗装されたものだろうか。また−32のイタリア機オールカラー写真集にも、伊軍の109Fの写真がある。ブルーの色調から、独軍オリジナル迷彩と考えられる。伊軍にこんな下面色はない。

 これらの現存カラー写真の総合的な印象は、Mrカラーの79サンドより、明るく黄味が強い。実際の明度は78に近く、モノクロ写真では境界が分らないほど(ただしフィルム、フィルタの影響もありうる)。勿論、砂漠の太陽光線による退色とチョーキングの要素も。

 そこで、79にダークイエロー、白を混ぜる。比率は2:1:1ぐらい。78ブルーはビン生。黄色は04イエローをベースに79で赤味を加え、白で明度調整。いずれにしろ、ドイツの黄色は他国のものより赤味が少ない。

 バルケンクロイツは手描きするので、黒の色調にも細心の注意を払う。白を3割程混ぜ、66グレイより少しだけ暗いグレーにする。これでも模型に塗ると不思議と黒に見える。デカールを使うなら、79も暗めに調合し、最後に極薄の白をオーバースプレーする。

■ 塗装

 機首の黄色の塗り分け線は、#3と#2で異なり、前者は排気管に平行で境界がシャープ、後者は後ろ下がりでぼかし入り。
 手順をあれこれ考えた結果、マーキングを先に塗っていく。順序は、下塗り→白→黒→黄→78→79。今回初めてキャラクターホワイトを購入、使用する。若干青味、灰味の入った白である。それだけでは青が強すぎ、#62白と半々に。隠ぺい力は強い。
 細かいテクは、他の製作記を参照願う。では、以下シーケンス写真で。


窓枠には66グレイ。サフを吹くたびアラが見つかり、3回くらい吹いたり削ったり。最後に#1500で平滑にして白を吹く。

デカールを下敷きにテープを切り出し、ちまちま貼っていく。ひたすら面倒くさいが、中央の+から貼っていけば、何とかなる。サイズは文献−5による。

デザイン・ナイフで丁寧に境界をなぞり、テープをはがす。なんだか、冬季迷彩のメッサーを作りたくなってきた。

黄色を吹き、機番をマスク。十字のマスクも8枚の小長方形で簡単。直角さえ正確ならサイズ問わず。


■ カッティング・シートとインレタ

 今回は反則ワザを使う。機番14とスコアのバーを、Ike氏のご厚意でカッティング・マシーンでマスキング・シートを切り抜いて頂く。バーは、サフェーサーのリブ表現が、デカールの厚みに負けそうなので。デカールのサイズは正確だから念のため。
 機番は、実機写真から0.1mm単位でサイズを割り出す。文献−12にほぼ真横から撮影したものがある。写真解説では#2とされているが、間違い。#3が正しい。#2の機番とよーく見比べて欲しい。その他、燃料口の汚れも識別ポイント。#3の場合、機番全体のサイズは13×18mmとなる。

 シートが届き、いざ使おうとしたところ、粘着力が強力で数日間貼りっぱなしにするのが怖く、結局これを下敷きに、いつものタミヤ製テープを切り出す。なお、デカールも概ね正しいから、これをベースにするのも、十分可能だ。

 インレタは「ホビーデカール」という韓国の新興メーカーのものを、これも氏に取り寄せていただいた。細部ステンシルがデカール並に細かい。これまで伊東屋で1枚5千円で自作していたものより、質、価格とも優れる。


「特製」カッティング・シートをベースにマスキング・テープを切り出したところ。わざわざシートを作って頂いたのに、本当に申し訳ない。

ホビーデカール製インレタ。かなり細かい文字も鮮明。しかも多色刷りである。


 お忙しい中、お助け頂いたIke氏に、改めて感謝々々。

■ 小物

 脚まわり。マルセイユ機は、写真が不鮮明でよく分からないが、タイヤのトレッドが無いように見える。溶きパテで埋める。実機で2分割になっている主脚カバーの上方部はプラ板で。タイヤと脚の間隔が広く、これでは薄い主翼に納まるように見えてくれない。脚が長く、腰高感があるので、主翼側基部を削り、1mmほど短縮。尾脚柱にはブーツを再現。真鍮線に、クラシックギター6弦の巻線をかぶせる。


ブレーキ・ラインは太さ2種の伸ばしランナー。固定バンドは紙。接着は普通のプラ用。水を使う汚しで紙がフニャフニャになって、ちょっと焦る。

6/11追加マスバランスの支柱は真鍮帯金。プラの支柱を残しておくと、作業時の持ち手に便利。


■ 続、塗装、デカール

 反則ワザの特製マスキング・シートを貼り、黄色を吹き、マスクをはがしたときに大失敗。黄色を厚く吹いたのが敗因で、バーの黄色がシートと一緒にはがれてトホホ・・・
 人に甘えず自力でやるべし、と模型の神様の怒りに触れたか。もう、悔しいやら、情けないやら、申し訳ないやらで意気消沈。リベンジする気力なくデカールに逃げる。その他、尾翼のカギ十字、製造番号、機首の注意書きはデカール。

 折角いただいたシートは結局1枚も活用できず。申し訳ない。


下面と上面の境は型紙でぼかす。青味のある白とサンドの相性が悪く、この後、白の上から極薄のタンを吹いて馴染ませる。

スペシャル・マスキング・シート。粘着力が強く、伸縮性のある素材のため、貼り直しが難しい。失敗して、予備を使う。


 ホビーデカールのインレタを試す。非常によい。お奨めできる。これまで伊東屋に発注していたマックスラボ(P−47レザーバック、スピットファイア、コルセア−5N、彩雲などで使用、クロマテックもほぼ同様でこちらは97艦攻)と比べ、小さい文字がシャープで、塗料の厚みが薄い。多色刷りの部分に若干色ずれがあるが、これは別々のものもセットされており問題ない。作品では歩行禁止ライン、ステンシル・データに使用。


結局デカール。これも黄色の発色は良好。このあと白を薄く吹いて黒のトーンを下げる。W.Nr.の字体がパソコンのフォントそのままで不満。

マックスラボは白の上に各色が印刷されているため厚みがあるが、こちらは1色刷りで薄い。WEの文字もこのとおり。


■ 続、細部マーキング 6/17追加

 重箱の隅をつつく。機首左の潤滑油給入口のマークは、マルセイユ機では三角の中に白抜きで文字が入るタイプ。イーグルストライク48144に含まれず、エアロマスターのE型用シートから持ってくる。また、胴体右後部の機銃用空気入口もサイズが合わず、同様Eから。

 その他データ類はインレタ。写真で確認・類推できるもの、即ち、コクピット周囲のWE、胴体フレーム番号、胴体後部の手掛け、足掛け、赤十字、酸素供給口のみを貼る。エルロン、ラダーのタブの赤点線、タイヤサイズは確認できない。これら生の黒のものは、上から基本色を吹いてトーンを弱める。インレタは、特に小さい文字など、触っただけでズレることがあるので、要注意。薄めたフラットクリアをたっぷり吹くのも定着法の1つだが、完全ではない。

■ ウェザリング

 今回のポイントは、ずばり「チョーキング」。基本色は相当明るめに調合してある。これだけでは全体にぼんやりした仕上がりになるので、「締め」が必要。そこで、エッジにビン生の79サンド、78ブルーでフレッシュな塗料の露出を描き込む。さらにその中にライトグレーを入れ、これで「はがれ」を表現。まあ、ドイツ機の場合、下地の金属が露出する程にはならないが、そこは所謂「模型的表現」ってことで。
 実際の塗装工程は知らないが、ブルーの上にサンドを吹いたという想定で、サンドの下にブルーが顔を出す演出も加える。

 今回、巷で流行の「パネルライン暗色ぼかし」は、全くしてない。最近みんなコレばっかなので、新たな方向性を探るのだ。基本塗装直後の状態を見て頂きたいが、これに面相筆で描き込んでいく。それだけでどこまで実機に迫れるか、を追求したつもり。でも結局パネルライン・コンシャスな汚しの域を出られないんだなあ。実機写真を見ると、リベットはおろか、パネルラインもほとんど判別できないんだけどね。


軽いウォッシングを行った状態。ここから面相筆で描き込む。この段階での排気汚れはパステル。

塗料の「はがれ」は、ミディアム・シー・グレイ。排気はエナメル各色を吹く。インレタのウォーク・ウェイは、ご覧のとおり。

ビン生の79サンドで、エッジの「こすれ」を表現。リブには指で茶のパステルを薄くなすりつける。

機首上面も同様。チョーキングで粉っぽくなった塗装面が感じていただければ成功。

 自分ではまあまあ成功したと思ったところが、これを見たカミさんの一言、「今まで作った中で一番下手ねえ。ここ汚れてるし。(そこは、ワザとなんだよ。)」。素人は正直だからなあ。嗚呼、トーシロ、ガキんちょにウケる模型の難しさよ。

 #3の実機写真では、随分と排気で汚れている。このイメージで汚したが、少々やり過ぎで反省。タイヤには、砂がこびりついている。これはセールカラー+ブラックグレイのドライブラシで。プロペラの裏は、下地に#8銀を塗っておき、#400ペーパーでこする。プラが出たところは銀ドライブラシで補修。

 その他、特に触れないが定番のテクはいつものとおり。詳しくはスピットUあたりを参照願う。

■ その他あれこれ

 アンテナ柱は、作業中に引っ掛けて基部がぐらぐら。補修するものの接着強度が低く、アンテナ線にテンションを掛けられない。尾翼側に開けた穴のおかげで、なんとか見られる程度に真っ直ぐにはなる。渓流釣り用の極細ラインは腰が強く、引込み線は胴体に刺した真鍮パイプに差し込むだけなので、直線にならず。

 ピトー管はFモールド。工作は楽だし形状は正確で、1本500円の価値あり。最後にフラットクリアを吹いてとりあえず完成。

■ 追加作業

 さらに若干手を加える。

 尾翼の鍵十字は、デカールにサンドをオーバースプレーだが、少々やりすぎで色がボケてしまっている。そこで、あらかじめサンドを吹いて、色合わせを完璧にしたデカールを貼り直すことで、修正を試みる。
 ところが、クリアコートしたデカールが全然はがれない。それなら上から塗ってしまえ、と黒い部分のみ残してマスキング、慎重に色合わせしたダークグレーを再度吹く。

 完成後にスジ彫り忘れに気づき、焦る。Fのコクピット右側の胴体側面には、排出口の小パネルがある。Eも同様。大きさは3×2.5mm程度。普段の私なら気づいてもバックレるのだが、某御大氏の顔が目に浮かび、一大決心。ドーラ以来久々に、完成品にエッチング・ノコを入れる。
 失敗は許されないので、事前の準備は完璧に。0.2mmプラ板でテンプレートを作り、プラ板でリハーサル。実は、もう1箇所スジ彫り忘れがあるが、ここはリスクが大きいのでパス。場所は秘密。

 その他、下面を中心にウェザリングを追加。


修正前の状態。

修正後。画像ソフト使ったみたい?



 完成



雑感を少々。

■ コクとキレ

 ビールの話みたいだが、最近これを意識している。私が目指すのはキレのある作品。ところが、コクとキレとはトレードオフの関係にあって、コクを出そうとこねくり回すと、キレが失われていく。今回の作品はまさにそのワナにはまってしまい、少々不本意。
 手元のハセGの素組みと並べると、確かにプロポーションはいいんだけど、モールドのキレは完全に負けている。コクだけなら手間に比例して深まっていくが、同時にキレを出すのは至難の技。

■ 足し算と引き算

 どこかで「AFVモデルは足し算である」というのを読んだが、それなら「ヒコーキは引き算」と言える。何を引くかというと不純物。プロポーションのミスとか、翼後縁の厚みなどだ。これをどんどん取り除き、磨き上げていくと100%ピュアなモデルとなるわけ。
 で、これらを関連付けると、こうも言えよう。「コクは足し算、キレは引き算。」

■ 妄想モデリング

 今度は、エアのFをベースに、FかG−2を作ってみたい。そこで、妄想が始まる。

 胴体はエア。側面形はいじらない。後部胴体の断面形改修が第1のポイント。ハセGを手元に置いて同じように削る。コクピット付近の断面形も直す。ここは六角形のイメージ。フィレットが邪魔だから削り落とす。キャノピはハセ。エアの胴体とは十分な調整が必要だ。コクピットはレジンとハセの合体。

 各部をハセから移植することで、シャープさを出すのが第2のポイント。脚回り、小物だけでなく、機銃溝、フィレット、ラジエータ全体、オイルクーラー、水平尾翼の基部までも移植。
 ここで、スジ彫り。後部胴体輪切りラインの平行と、特徴的な円形ハッチの再現が第3のポイント。

 主尾翼もエア。ただし、主翼下面はハセを使ったほうが早いかも。主翼スラットは、地上でも閉じた状態が多く見られるから、ここは「閉」。ラジエータフラップも「閉」

 その他小物は今回作品に準じる。ハセベースと、どっちが簡単かな?

■ 妄想モデリングその2

 もうちょっとお手軽に量産したいときはこっち、ハセGベースだ。

 胴体はハセG。別パーツになっている機首機銃部のみハセFから移植。スピナはエア。これは必須。垂直尾翼は、上縁にプラ板を接着して気持ち高くしてもいいかな。やりすぎると細い胴体とのバランスが悪くなるけど。あとはスジ彫り、小突起類をフォローする。

 防火壁前方を、フィレットごとそっくりハセFと交換という手もあるが、細身のGの胴体後部には、短いGの機首の方がバランスがよいだろう。

■ おまけ

 写真撮影用セットは、60×90の板に、との粉(赤と黄のブレンド)+木工ボンド+水のペーストを塗ってみたが、平板すぎて実感に欠ける。撮影用と割り切り、シナリーサンドなるものをこの上にばら撒く。大きい粒子はザルでふるって取り除き、色調の補正にとの粉(赤)、こげ茶の粉末状パステルを混ぜている。

 キューベルワーゲンはタミヤ48。自作の幌の作り方など、別項を参照願う。その他小物は、エバーグリーンのプラパイプやプラ板、伸ばしランナー等で自作。

■ 62年後の完成

 ウェザリングをもう少し追求したいところだが、以上でとりあえずの完成とする。例によって気合だけが空回り。それでも、一応それなりのFをものにすることが出来た。
 考証に関しては、多くの方々からのご協力を頂き、最新のものを反映できたと自負している。これは私一人では到底無理なことで、ここに改めて、ご支援ご協力頂いた皆様に、深く感謝申し上げる次第である。

 「黄の14」は、子供の頃からやりたかったテーマで、長い長い宿題をやり終えた気分。完成した今日6月17日は、作品が再現している101機撃墜のその日。62年前のことである。

 机上の美しい機体を眺めながら、遠いサハラに想いを巡らせる。


 熱暑の昼下がり。砂塵を巻き上げ着陸する機体。湧き上がる歓声。尾翼に描き加えられる6本の小さな黄色い棒。その1本1本に、連合軍パイロットの運命 −その幾つかは「死」であろう− が刻まれている。栄光と悲劇。そのわずか3ヶ月半の後、彼自身にも「運命」が訪れることを予期していたのだろうか・・・


 参考資料 

 

■ 参考文献

 図面、データに関しては、文献−11のものが最も信頼性が高いと言われている。マルセイユの機体は、文献−5、8、12、15、18などにある。26〜8は、実機のオリジナルカラー写真が塗装の参考になる。特に27、28は米軍撮影のため発色が良く、日、独軍機ファンでも購入価値あり。
 30、31は、レストア機の空撮写真集。30は新しいからアマゾンなどでも入手可能。惚れ惚れするようなメッサーの空撮写真がある。お勧めの1冊。32はイタリア軍のオールカラー写真集。ドイツ機も多数。発色はやや劣る。

1 旧版世界の傑作機 文林堂
2 航空ファン別冊「BF109、FW190」 文林堂
3 航空ファン別冊「ドイツ軍用機」 文林堂
4 モデルアート臨時増刊「メッサーシュミットBF109B-E」 モデルアート社
5 モデルアート臨時増刊「メッサーシュミットBF109F」 モデルアート社
6 モデルアート臨時増刊「メッサーシュミットBF109G-K」 モデルアート社
7 モデルアート臨時増刊「ドイツ軍用機の塗装とマーキング(昼間戦闘機編)」 モデルアート社
8 モデルアート臨時増刊「エクスパルテン」 モデルアート社
9 エアロディティール「BF109E」 大日本絵画
10 エアロディティール「BF109G」 大日本絵画
11 Scale Aviation Vol.9 大日本絵画
12 ミリタリーエアクラフト1995年1月「メッサーシュミットBf109」 デルタ出版
13 ミリタリーエアクラフト「ドイツ戦闘機」 デルタ出版
14 ドイツ軍用機写真集vol.1〜6 デルタ出版
15 W.W.U ルフトバッフェのエースたち 戦車マガジン
16 ドイツ軍用機 エアワールド
17 ドイツ軍用機U エアワールド
18 ドイツ空軍エース列伝 グリーンアロー出版
19 ホビージャパン別冊「ドイツ軍用機」 ホビージャパン
20 BF109 in action part-1 Squadron/Signal Publication
21 BF109 in action part-2 Squadron/Signal Publication
22 Broken Eagles 2 Bf109G/K part-1 Fighter Pictorials
23 Broken Eagles 3 Bf109G/K part-2 Fighter Pictorials
24 Close-Up 6 Gustav part-1 Monogram
25 Close-Up 9 Bf109F Monogram
26 The official monogram painting guide to german aircraft 1935-1945 Monogram
27 WWII WAR EAGLES Global Air War in ORIGINAL COLOR Widewing Publications
28 FIGHTER COMMAND American Fighters in Original WWII Color Motorbooks International
29 航空ファン別冊エアコンバット No.1、17 文林堂
30 WARBIRD Legends MBI Publishing Company
31 Spirits in the sky Smithmark Publishers Inc.
32 WINGS OF ITALY Giorgio Apostolo Editore


■ 参考サイト

○伝記、ポートレイト、機体写真など。一部ドイツ語。

バイオグラフィー 
同上 
同上 
ポートレイト 
写真多数とカラー図(間違いあり) 
写真多数 
DAKのカラー写真多数 
JG27部隊史 

〇インレタ

hobbydecal


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