THE COMPLETE FUTURE 抄訳








The Complete Future 抄訳

クリアパーツをフューチャーに浸すか筆塗りして乾かすだけで、細かい傷を隠すことができる。キャノピパーツをフューチャーに浸し、ホコリよけのカバーをかけ、ティッシュペーパーかペーパータオルの上に置いて、下に溜まる余分な液を吸い取る。さらにマスキングするときは、テープで剥がれないよう48時間後にする。パーツをランナーに付けたままフューチャーに浸し、乾いた後にランナーから切り離すと、ヒビなどを防止できるという報告があるが、試したことはない。

同様に、デカール前後のコートとして有効である。フューチャーを塗布する前に、塗装(とくにエナメル)は24〜48時間十分に乾燥させ、油脂や指紋をよく洗浄することが大事である。フューチャーコートはデカールを貼る24〜48時間前に行い、十分に乾燥させる。デカール貼り付け後24〜48時間十分に乾燥させ、テスター・ダル・コート・ラッカーやポリスケール・クリアーフラットなどを塗装する。

デカール貼り付けにフューチャーを使うモデラーもいる。普通に水にデカールを浸けてから、フューチャーに浸けモデルに貼る。シルバリングは皆無となり、マイクロ・ゾル/セットなどは不要である。欠点は、すぐにくっつくので、位置決めの時間が限られる。

白色塗装に使用した場合、黄変するという少数の報告があるが、私の調べたところでは、フューチャーが原因ではなく塗料のせいと思われる。

フューチャーを使用する際に、希釈する必要はない。原液のままエアブラシ(圧力15〜20psi)または筆を使う。用具の掃除はアンモニアペースの窓クリーナー(商品名:Windex)を使う。ただし、タミヤフラットベースを使ったときはこの窓クリーナーと反応してゴム状になるので使えない。

モデルに塗るには、柔らかい広筆かエアブラシを使う。筆の場合、筆にゴミがつかないように注意する。泡が発生しないように、ゆっくりと連続したストロークで塗る。塗布後、乾燥する間に、表面が自然に平滑になる。エアブラシの場合、圧力15psiとし、モデルから6インチ離す。私はエアブラシで1、2回たっぷりと吹くのを好む。フューチャー3に対しイソプロピル・アルコール1を混ぜてもよい。軽く吹くのを好むモデラーもいるが、表面がぶつぶつになることがある。たっぷり吹いた際に液だれが生じたら、ティッシュの端で吸い取る。乾燥後に液だれを発見したら、アンモニアペースの窓クリーナーをつけた綿棒でこすり取る。

フューチャーは非揮発性のコンパウンドで磨くことができる。

もし最終コートで艶消しにしたいときは、下記の割合でタミヤ・フラット・ベース(訳注:水性アクリル)を混ぜる。希釈は不要で、よく混ぜること。フラットベースとフューチャーが
1:3=かなり艶消し
1:10=艶消し
1:15=サテン

モデル・マスター・アクリルペイントにフューチャーを混ぜ、20%〜25%のマットクリアを混ぜると、セミグロスのリアルな仕上がりとなる。このようにフューチャーをアクリル塗料(訳注:これも水性アクリル塗料と思われる)の希釈剤として使用(エアブラシ推奨)すると、塗膜の耐性が向上する。また、十分な量のフューチャーを混ぜれば、デカール前のクリアコートが不要となる。ポリスケール、モデルマスター、グンゼサンギョー、ミスターキットのアクリル塗料に有効だ。タミヤアクリルに混ぜた結果は良くないので推奨しない。通常は25%フューチャーに75%塗料が良い結果だが、目的によりフューチャーを増してもよい。例えば、80%フューチャーとして半透明塗料として退色表現などに使うなど。

もし失敗して乾燥後のフューチャーを取り除くときは、アンモニアペースの窓クリーナーを使うか、フューチャーに一晩浸す。フューチャー前に油脂や指紋を取り除くことが重要で、これらにより不満足な結果となる。

クリアパーツ内側にフューチャーを塗布することで、瞬間接着剤による白化現象を防止する効果がある。

エッチングパーツ、真鍮パーツ、あるいはキャノピパーツの接着にフューチャーを使うモデラーもいる。ただし接着力は低い。

ダイオラマでは、水たまりの表現に使える。エポキシよりは厚くならないが使いやすい。パステル粉で着色してもよい。

計器板のガラス表現に使える。

ダイオラマベースに塗ったり、水表現の素材に塗ると、本当に濡れたように見える。

タルカムパウダーをフューチャーに混ぜると、硬いが切削性のよい速乾性パテとなる。

食品用色素を混ぜることでクリアーカラーのコートができる。タミヤクリアーカラーを混ぜてもよい。

現用機の金色がかったキャノピには、タミヤアクリルのゴールドをフューチャーに加えるとよい。

フューチャーでコートするとテレピンで溶いた油絵の具などから塗装面を保護するので、ペーパータオルなどで拭き取りながら好みの表現にできる。

レジンキャスティングの際に、原型あるいは型に塗布する。

SNJパウダー(注:商品名か?)を混ぜると、硬い艶ありの銀となる。4 "blobs"(blob=塊という意味)のSNJに1/2 oz(=約15ml)のフューチャーをよく混ぜ、8〜10psiの低圧で軽く2、3回吹き付け、最後の1回はたっぷりと吹く。45分待ち、さらにSNJパウダーでバフ磨きすると、アルミニウムそっくりの表面となる。1晩乾かすと、非常に強い塗膜となる。

フューチャーはスチロールをラッカー塗料から守るバリアともなる。アルクラッドのようなラッカーの下地に使うモデラーもいる。

フューチャーによくあるトラブルに「オレンジピール」がある。つまり、表面に微少な凹みが生じ、オレンジの皮のような状態となることである。これはフューチャーの飛沫同士が合体して平滑になる前に乾燥することによって生じる。これを防ぐために、
1.下地やトップコートを十分に乾燥させる。
2.温度、湿度に注意する。
3.適正な吹き付け圧など
4.十分な乾燥時間。換気扇(ドライヤーか?)を使わない。

「オレンジピール」が発生した場合、ひどくないときは、さらにフューチャーを吹くか、コンパウンドなどで軽く磨くと改善する。ひどいときはフューチャーを除去し、再コートする。

別の解決策としては、
1.食器用洗剤を数滴たらしてフューチャーをスプレーする。表面張力が小さくなり、より早く平滑になる。あるいはポリスケール・エアブラシ・シンナーを15〜20%混ぜる。
2.アンモニアペースの窓クリーナーを数滴混ぜる。同様に表面張力が小さくなる。
3.#3200〜6000のサンドペーパーで磨く。
4.80%濃度の消毒用アルコールで希釈し、15〜20psiの圧力で吹く。

ただし、この凸凹はデカール貼りには問題なく、大部分の場合はその後のフューチャーの艶消しコートで問題が解決する。なお、私は長いことフューチャーを使っているが、「オレンジピール」の経験はない。

蛇皮:もしエナメル塗料が乾燥不十分だと「蛇皮」となる。十分な乾燥と油脂、指紋の除去が重要である。フューチャー前に薄めた合成洗剤に沈め、よくすすぎ、完全に乾かす。

艶消し塗装の上に塗る場合は、艶あり塗装の上よりも多量のフューチャーが必要である。

デカール軟化剤:マイクロ・ゾルのような強力な軟化剤は、乾燥が不十分だとフューチャーと反応して曇りが発生することがある。しかしその上からフューチャーを塗ると曇りが消える。

フューチャーの除去
キャノピのフューチャーの除去は、いくつかの方法がある。
1.アンモニアペースの窓クリーナー
2.フューチャーに一晩浸ける
3.Chameleon Paint Stripper(商品名か?)
4.アンモニア

ハンブロールのマスキング・リキッドは要注意である。これはアンモニアベースなので、フューチャーを侵す。したがって使ってはいけない。逆に、フューチャーを除去する目的には使える。

フューチャーをエアブラシした際、用具の掃除にはアンモニアペースの窓クリーナーを使う。アンモニアを直接ブラシで吹いて掃除するモデラーもいる。しかし牛舎のような強烈な臭いがする。

家庭用アンモニアに浸すと30秒でクリアープラスティックを侵すことなくフューチャーは除去できる。窓枠を塗ってからフューチャー処理した場合、アンモニアに浸すと、窓枠を残したままフューチャーが除去できる。

最近、フューチャーの組成が変わったという話がフォーラムに載ることがあるが、これは誤りである。1992年から変わっていない。黄変した製品があるという報告があるが、輸送条件などのせいではないか。ともかく新しい商品を使い、不要パーツで試すことを推奨する。

シンプル・グリーン(Simple Green)という家庭/工業用クリーナーを混ぜると素晴らしい効果が得られる。フューチャー3に対しシンプル・グリーン1で混ぜ、15〜18psiで4〜6インチ離して吹き付ける。表面が濡れた状態になったら直ちにモデルを大きなボウルかきれいな箱に入れる。なぜならゴミ磁石となっているからだ。一晩乾かし覆いをとると、まさに「まだ濡れているような」艶となる。2回目のコートをしてもよい。ただし、ハイグロスなため指紋がつきやすい。





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