スーパーホーネット(ハセガワ1:72)製作記

 

■ はじめに

 現代の最新鋭機、スーパーホーネット。実は私は現用機も嫌いではないのだ。ハセガワからのキット発売と同時に、新宿YSでトゥーボブズのデカールを発見、衝動買い。自らの禁を破っての3機同時進行

 家に帰って、早速仮り組み。ホーネットの機首って随分と細いんだなとか、ストレーキは結構大きいんだなとか、言いながら、エンジン部を見ると・・・。何だ、この壁は!!! これを見ると、一切のDアップをする気が失せ、とにかく素組みで形にすることに。

■ キットの印象

 全体の印象は、ハセガワのナナニイ現用スタンダード。つまり繊細なスジ彫り(これは高く評価する)、やや甘の合わせ、超アッサリ小物。
 プロポーションは、特にシビアなチェックはしていないが、良い印象。特にΩ型のキャノピはgood。写真では変な菱形インテイクも、立体で見るとなかなかの格好良さ。


インストのコピー。こういう部品分割なので、インテイク直後に壁ができる。

 

 その他、水平尾翼先端がダルい。きちんと作るなら、尖らせるべし。ノズルのモールドが甘い。脚カバーはエッジも薄く、そのままでもかなりシャープ。脚はアッサリで、省略されている部材もあるが、そこはモデラー次第。こういうメーカーの姿勢は、好きである。

■ 基本形の組み立て

 パテとヤスリを最小限にするため、以下の順序で組む。
 まず、胴体上部に主翼上下を接着。合わせはぴったりとはいかず、若干のパテが必要で、ストレスを感じる。一体パーツにして欲しいところ。これに胴体下部を接着。コクピットフロアは胴体上部に接着。

 これと別に、機首側面と下部とを接合しておく。しかる後に、胴体と合体するが、余計な削りやパテが必要ないように、十分すり合わせるのがポイント。最後にインテイク部と垂直尾翼を取り付ける。

 コクピットは、どうせ手を入れても無駄なので、素組み。キャノピも厚くレンズ状だから、塗り分けすら無意味。ダークグレー単色で塗りつぶす。シートベルトは論外。HUD、何それ。

■ 表面処理

 やや甘の合わせは、溶きパテで処理する。機首等は、接合部と凸モールドが近接しており、厄介。モールド無視してガンガン削る。消えたスジ彫りを、エッチング・ノコで再生。主要なスジ彫りも、これでさらっておく。
 表面のヒケやウネリは、#600ペーパーで均す。これをサボると、塗装後の研ぎ出しで泣きを見るのだ。

■ キャノピ接着

 ヒコーキ模型のキモなので、ここだけはきちんと処理したいが、別パーツになっている後方胴体との合わせが全くダメ。パテヤスリ大会になる。消えた窓枠モールドをエッチング・ノコで再生し、コンパウンド。


キャノピはすり合わせを十分に。前後パーツを先に接着するのがセオリー。後部胴体も接着してから、胴体に取り付けるとよいかも。写真はセロテープでマスキングしたところ。

 

■ 塗装

 ロービジ2色迷彩は特色ベース。下面はビン生。上面は黒を微量混ぜ、コントラストをつける。
 基本色を吹いてから、脚部に1番白。隠蔽力が低く、いつまでもエッジに色が乗らないが、まあいいや。主脚庫の複雑な形状は、セロテープ&ナイフで簡単にマスクできる。

 航空ファンなどの実機写真では、真っさら新品、綺麗な姿だが、ある程度使い込まれた状態を想定し、汚しをかける。まず、パネルラインやストレーキ上面に、基本色+微量黒を吹く。


色の差が少ないため、ボケ幅が大きいと単色に見えてしまう。境界は型紙できっちり。
パネルラインなどに暗色を吹く。モデルで見るともっとハッキリしているが、写真ではよく分からない。

 

 機首の銃口付近とジェットノズルはスーパー・ステンレスの吹きっぱなし。ノズル先端はそれにつや消し黒を混ぜる。翼後端などのグレイッシュ・ブルーは上面色に黒を混ぜ筆塗り。垂直尾翼先端の赤がアクセント。いつものサンダーバーズ・カラーだが、下塗り省略で発色が悪い。

■ ウェザリング

 グレーのパステルで、部分的にパネルライン沿いなどをぼかす。今度はその中に白の色鉛筆でタッチアップの状態を再現。色鉛筆はそこそこ使えるが、やや色のノリが悪い。


グレーのパステルでスミ入れまでしたところ。

白色鉛筆の効果は、この程度。

 

 白の色鉛筆だけでは弱いので、再度ベース色を面相筆でパネルライン沿いに塗る。

■ デカール 2/12追加

 トゥーボブズ72-023からVFA−41のCAG機を選択。ここのデカールは、フィルムが薄く、かつ貼りやすい。インストに実機写真があるのも親切。多色部は2枚重ね。版ズレはないが厚くなるのが欠点。データ類は色が薄く、貼るとほとんど見えない。イタレリ推奨のためか、パネルライトの大きさが合わないので要注意。

 今回は手抜きで、余白カットや下地クリアー吹きは省略だが、マイクロセットの使用で、シルバリングは全くない。乾燥後、スーパークリアを吹き、軽く研ぐ。2枚重ねのところは、なかなか段差が消えず、途中で妥協。仕上げにフラットクリア。

■ とりあえず完成

 製作中、大チョンボの連発。修正する気力も萎え、小物パーツや細部塗装が未完だが、ここで打ち切り。完成と見なす。ホーネット・ファンには申し訳ない。ロービジの汚しも、もう少し追求したいところ。いやあ、下手な料理で恥ずかしい。あんまり恥ずかしくて、チョンボの中身は言えず、写真からも隠す。

 作品は不出来だが、モデリングで超蜂の魅力の虜に。このカッコよさ、写真では分からないよ。文句なし21世紀のスーパースター。食わず嫌いの人にも一作お薦めする。ファンになること間違いなし。
 いつかまたリベンジしたい。その時はハセガワ48ってか。  

■ 参考資料

 航空ファン2004年2月号 文林堂


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