駆逐戦車 ヘッツァー タミヤ 1/48 製作記
2015.8.10初出
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![]() 足回りと車体下部をざっと塗っておいてからシェルツェンを接着し、足回りをマスクしてサフを吹く。 |
![]() 続いてダークグリーン+白20%を吹く。 |
![]() クレオスのマスキングゾルでダークグリーン部分をマスク。先の丸い筆で大小の点をポツポツと置いていく感じ。 |
![]() レッドブラウン+白20%を吹く。 |
![]() 同様にマスキングゾルでマスク。 |
![]() ダークイエローは白を多めに混ぜる。 |
![]() マスクをはがすとこんな具合。真似たつもりが実車とは随分違う。パターンが気に入らない個所は筆で修正。 |
![]() 右舷や上面のパターンは手持ち資料では分からなく、全く空想の産物。だから左舷だけ忠実に再現してもしょうがないわけで。←言い訳かよ |
このマスキングゾル方式、意外と簡単に迷彩パターンが決まるので、オススメである。ただしゾルを剥がすのにちょいと手間取るかな。隅にこびりついたゾルは、しばらく水に漬けてから歯ブラシで落とすといいかも。クレオス社のは水溶性なのだ。さて次は、迷彩の斑点と細部を筆塗り。
ヘッツァーはマーダーIIIの後継として1944年4月から生産。終戦までにチェコのBMM社で2047両、スコダ社(44年7月から開始)で780両。初期生産型は防楯が中期以降と異なり、下側ラインに段がある。遊動輪は12穴タイプ。8月から軽量防楯(キットのタイプ)に変更、誘導輪は8穴、6穴、4穴タイプが導入される(旧来の12穴も一部継続)。転輪の金属部分のリムが細くなり、ボルトも32本から16本に(キットと同じ細リムで32本も少数あり)。9月からシェルツェンの前後端が内側に曲げられ、10月(9月という資料もあり)から、操縦手ペリスコープの装甲カバーを撤去して、前面装甲板のスリットからペリスコープを出し、雨よけのカバーを設置。また排気管を消炎型に。 以上より、キットと全く同じ12穴遊動輪、軽量防楯、細リブ転輪、ペリスコープ装甲カバーの組み合わせは少数派のようだ。タミヤ指定塗装Aと全く同じ迷彩パターンの実車写真があり、インストはこれを参照したと推測するが、当該車両は幅広リム、8穴遊動輪という違いがある。マチルダや8輪装甲車でも感じたんだけど、独り善がりというか考証のツメが甘いというか。バリエーションパーツを用意してくれるとモデリングの幅が広がるんだけどなあ。 ともあれ、WEBで拾った画像を見ていただこう。 |
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初期生産型。防楯の形状が中期以降と違う。よく見ると後ろの固定部の形も違う。 | 同じく初期生産型。防楯の側面形が分かる。幅広リム転輪、12穴遊動輪。迷彩塗装はダークイエローベース。 |
![]() タミヤ指定塗装Aと全く同じ迷彩パターンの中期生産型。文献-1より8月BMM社製。遊動輪は8穴。履帯の幅にも注意。 |
![]() 確信ないけど多分中期生産型。幅広リム、小6穴遊動輪。排気管は消炎でない初〜中期型タイプ。ペリスコープは装甲カバーつきか? |
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これも中期生産型。文献-1より9月スコダ社製。ペリスコープの装甲カバー、12穴遊動輪など、キットにかなり近い。細リムだけどボルトは16本か。作品はこの迷彩を「参考」にする。 | 左画像より少し遅い10月(←文献-1から推察)のBMM社製。ペリスコープはスリット+雨除けタイプ。欺瞞スリットが描かれる。オリジナル画像から遊動輪は4穴を確認。 |
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右上と同時期、同工場の生産。左の車両の4穴遊動輪に注目。オリジナル画像では左右の車両の排気管は初〜中期タイプ。 | これも同じ迷彩パターンで同時期、同工場と思われるが、遊動輪は12穴。左と上の画像は防楯と基部がダークイエロー単色なのに対し、こちらは暗色。一方で転輪等はダークイエローとなっている。 |
![]() こちらは12穴遊動輪だが、排気管は消炎タイプ。広リム転輪。迷彩はダークイエローベース。ペリスコープはスリット型だろう。 |
![]() これも消炎タイプ排気管。大6穴遊動輪に注意。遊動輪は他にリブありの6穴、リブあり8穴と少なくとも7種類がある。 |
![]() 斑点とOVM、履帯の塗装が終了。 |
![]() ウェザリングが概ね終了。このあと、チッピングと雨だれを少々追加。 |
しかし、迷彩パターンをよく見ると、イエローの上にグリーンとブラウンを塗っていったと考えるほうが自然だし、OVMがイエローらしき明色に見えたり、転輪が全てイエローの車両もあったりで、やはり中〜後期もイエローベースかなあ。逆の方が塗装の手間もペンキの量も少なくて済むのに。同じ敗戦国の日本では物資欠乏でペンキにも事欠いたが、ドイツ(生産はチェコ)ではペンキは潤沢だったのか(でも飛行機は下面無塗装があるね)。総統のご下命でイエロー先塗りが墨守されたのか??
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![]() こちら植林前の状態。詳しくはファイアフライ製作記をどぞ。 |
![]() ファンドのかわりにエポパテ(軽量ミリプット)+タミヤ情景テクスチャーペイントを使う。使用感は良好。すぐ固まるので勝負が早くていい。 |
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1 | Osprey New Vangard 36 Jagdpanzer 38 'Hetzer' 1944-1945 | 0-841756-135-4 | Osprey Publishing |
2 | Waffen-Arsenal 53 Hetzer JgPz 38(t) und G-13 |
実車写真はhetzerで画像検索すれば結構出てくる。World War Photosはオススメ。 |