キューベルワーゲン(1/48タミヤ)製作記









■ 車体組み立て

 前書きはギャラリーページに書いたので、早速組み立てに入る。アフリカ軍団の写真を見ながら、初期型の特徴をフォローする。ホーンはドアの直前。方向指示器はウインドウ・フレームに直接取り付く。スコップは外れていたり、取り付け金具すら無い車も。ジェリカンを搭載した車が多い。新発売のジェリカン、ドラムカンセットを使えば再現可能だ。ケッテンクラートもおまけに付いてくる。
 トレッドパターン、ホイールキャップもキットと異なるが、修正不可能。バンダイのキューベルからトレードするしかないが、どこで入手する? どっかからレジンパーツを出して欲しいが、出ないだろうなあ。

   基本はストレート。ナンバープレートのみプラ板で作り直す。製作中、誤って床に落とし、牽引フックが「ポキッ」。マンマミーア!!! 仕方なく0.3mm真鍮線でつなぐ。
 タイヤの断面形がソロバンの珠のようでカッコ悪い。スペアタイヤなど目立つ部分は、断面を丸く削り、消えたトレッドをスジ彫り。飛行機モデラーにとっちゃあ楽勝だぜ。

■ 幌の製作

 キットの幌パーツは、少々実感に欠ける。どうしようかと思案するうち、この方法を思いついた。まあ、既にやってる方もいらっしゃると思うが、記憶の限り、模型誌等では未発表。キャンバス・カバー、毛布、旗、その他の布関係に広く使えると思うよ。少なくともティッシュよりは実感が高い。

 タミヤの0.2mm厚プラペーパーを用意する。適当な大きさに切り、流し込み系接着剤(またはラッカーシンナー)に浸す。引き上げて適当な金属板の上にしばらく放置。これがポイント。シンナーが効いてくると、だんだん軟らかくなってくる。作業し易い状態になったら、カッターで切り出し、ヒダやシワなどちょいちょいと加工し、所定の位置に貼り付ける。
 0.1mmのプラペーパーの場合は、溶け過ぎて使い物にならないので、シンナーに浸すのではなく筆で塗るくらいが丁度よいかも。

 モデルは、キットの幌パーツをアンコに、プラペーパーを貼り付けたので、全体的に形状が不正確だが、裾が車体に被さっているところは、自分でも気に入っている。端部は、ヘラなどで適当に周囲に馴染ませるか、溶きパテなどを盛る。この辺の使い勝手の良さが「売り」。

 この方法、ランナーをシンナーで溶かしたランナーパテで、驚異的なフィギュアを製作される降下猟兵氏の作品にヒントを得たもの。そこでは、袖口などの布の表現に、薄板状に伸ばしたランナーパテが使われている。パテを板上に薄く延ばし、布状にしてモデルに巻きつけるそうだ。

 また、飛行機などのアウトライン修正時に、パテ代わりに使えるかも。三次元曲面には、よく馴染む。その際は、0.3mmプラ板に代えるとよい。ただし、切削作業が出来るまでに数日待たないといけない。





■ 塗装考証

 文献Dに米軍捕獲のバルーン・キューベルが写っており、カラーリングの参考度が高い。色調はいわゆる「サンド」。退色か埃か、かなり明るい。幌の色も車体色とよく似ている。文献Eの全く別のソフトスキン車両のカラー写真でも幌はサンド。ところでこれらの写真、AFV系モデラーにも知られているんだろうね?。

 現地迷彩の場合、サンドの色調は不明。オリーブ説もあるが真偽には諸説あり。作品では普通のダークイエローとする。

■ 塗装

 塗料は全てMrカラー。ダークシーグレーで全体を塗装。Mrのダークイエローは青みが強いのでRLM79サンドで赤味を加え、たっぷりの白で退色とチョーキングを加味。ところが、グレーの上に塗装したところ、出来上がりがオリーブっぽい。黄色系は厚塗りしないと赤味が乗らない、黄色に黒を混ぜると緑色になる、というのを忘れてた。シートは不明なので、インストに従いカーキ。これはRLM02グレイで代用。幌は、ダークイエロー+セールカラー+02グレイ。タイヤもダークシーグレー。
 基本塗装は全てエアブラシのフリーハンド。タイヤもこの方が実感がある。窓のマスキングはエアモデル流。セロテープを貼りデザインナイフで切り抜く。





■ デカール

 キット付属のものをそのまま使用。貼ってみると、このデカールよく出来ている。文字が黒でなくグレーで、白もオフホワイトなのが良い。そのまま貼って違和感がない。エアモデルのデカールもこうであって欲しいなあ。特に黒。

■ ウェザリング

 こげ茶のパステル粉を石鹸水で溶いて全体にウォッシング。キットの足回りは華奢だから、エナメルシンナーは使わないほうが良い。明色のドライブラシはしない。部分的にグレーをドライブラシ気味にエッジに乗せ、塗料のはがれの表現。その周囲に生のダークイエローを置き、フレッシュな塗料を表現したつもりだが、まだ理屈倒れ。
 今回の汚しのポイントはドア。特に運転手側。その他、擦れそうな部分にポイントを絞る。ドアのエッジなど金属地肌の露出は鉛筆。

■ 完成

 メッサーの合間にちょいちょいと完成。バルーンが発売されたら、シンナープラペーパーで、もう少しまともな幌のリベンジだ。

■ 参考資料

 参考文献

@ 航空ファンイラストレイテッド No.66 ロンメル戦車軍団DAK 文林堂
A グラフィック第2次大戦アクション(旧版)25 激戦!北アフリカ戦線の情景 文林堂
B 第2次大戦最大の激戦No.2 熱砂の死闘北アフリカ−1 戦車マガジン
C ミリタリーエアクラフト1995年1月「メッサーシュミットBf109」 デルタ出版
D P-40 WARHAWK in World War II Color Motorbook
E WINGS OF ITALY Giorgio Apostolo Editore

 参考サイト

http://www.autogallery.org.ru/m/kdf82.htm
http://cosmos.oninetspeed.pt/dak/dak/dakmenu.htm 



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