ブラックバーン バッカニア S.2C 1/48 エアフィックス 製作記

2025.7.4初出

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最終更新日 3Dパーツ




■ はじめに

 展示会が終わり、新作に着手する。お題はバッカニアだ。新発売時の海軍型は買い逃したが(某〇ビーサーチのせいだ)、次の空軍型をタイムセールでお安く購入。製作コンセプトは「外面 (外形)重視」で、@ キャノピはヒートプレスでΩ断面を再現 A 翼とインテイク前縁の無塗装部をアルミ板で再現 B 一部小物は3DP C あとはキットなりに。脚庫、コクピットには凝らない。

 塗装で悩む。キット指定だとRAFのグリーン/グレイ迷彩と湾岸戦争デザートピンクの二択。しかし、私の中でのバッカニアは、FAAのエクストラダークシーグレイなのだよね。両型式には若干の外形的違いがあるが、何とかなるだろう。つうことで、こっちに決定。違いのことは後で考えよう。

 ところで「Buccaneer」は「バッカニア」と表記されるが、発音は「バカーア」あるいは「バカャー」(「ニ」にアクセントがある)に近いようだ。そんな馬鹿にゃ。


■ キャノピ木型

 初手は木型の3DP設計。可動部キャノピは、サーフェスモードのロフトで半身を作り、ミラーして、開口部をロフト(底)とパッチ(前後)とで塞ぎ立体化。風防は単純な円錐形とし、これもロフト。正面窓を平面で切り取る。

 風防とキャノピとは、別物として作り、モデル上では両者の面は完全には連続せず微かな折れ線が入る。実機がこのあたりどう処理しているかは不明。模型的には、表面処理の段階で面はスムーズになるだろう。



キャノピはΩ断面なのがよく分かる。一方、風防の裾の絞りは、わずか。

キットのキャノピパーツ。それほどかけ離れてはいない。裾を削ってもいいかも。絞りが上手くいかなかったらそうしよう。

外形イメージの確認のため、まずジャストサイズで設計する。胴体も一緒に作るのがミソ。

プリントして外形チェック。細部を調整する。


 シーハリアーの風防は先細りのない単純な円筒形としたが、本機の場合、そうすると胴体との取り合いの辻褄が合わない。その分割ラインが実機写真らしくなるように先をやや狭める。


■ コクピット

 並行でコクピットを進める。計器盤、サイドコンソールは、キットパーツだけでも十分ゴチャゴチャ感が出る。ただし前後席間の隔壁が省略されていて、これが外からも丸見え。プラバンで塞ぐ。



内部はC13ニュートラルグレイで塗装。黒い部分は白30%のダークグレイ。C333でドライブラシ。後席計器盤の裏をプラバンで塞ぐ。

計器のデカールはご覧のとおり。ちょっとこれはオモチャっぽいよね。計器盤上部の突起は、邪魔なので切り飛ばす。


 計器のデカールは、白いフチが悪目立ちする。貼り付けて気づいたので、後から面相筆で黒く上塗りする。ポンチ等でくり抜いて貼るを推奨。スイッチ類を塗装し、フラットクリアを全体に吹く。計器にはフューチャーを垂らしてガラスを表現。ウェザマスの黒、茶でウォッシング。

 計器盤の赤、黄は、ほぼフィクション。英軍機のコクピットって色味に乏しいので、あまり賑やかにしない。レーダースクリーンはC526茶色で塗る。もっとオレンジっぽいかも。



これでコクピット出来上がりとする。前後間の隔壁にはディテールをでっちアップ。

それ以外は、全くキットそのまま。計器盤から生えている操縦桿は後付けする。

側壁に取り付けられる計器類もパーツ化されている。ご覧の密度感だ。

エジェクションシートは、いつもの3DPかなあ。


 バッカニアの座席って、前は左に、後ろは右に寄っているんだね。初めて知ったよ。やっぱ英軍機って変。


■ 脚庫 7/11追加

 モデリンクの準備と並行で、バカニャーも進める。早く胴体をカタチにしたいので、手早く脚収容部を片付ける。キットはアッサリした出来。実機は配管がゴチャゴチャしており、完全再現するなら大変だ。内部には凝らない主義なので、そこはテキトーに手を抜く。

 機体内部の塗色について。キットインストでは、機体内部のうち前後脚庫、エンジンインテイク内部、前後脚柱は、FS36375ライトコンパスグレイの指示。これ、F/A-18などの迷彩色(C308)で青味がある。実機は、脚柱など青味があるように見える写真もあるが、そうでない写真も多数。

 識者に尋ねるも、資料により諸説あるようだ。写真のイメージでは、BS381C No.627 ライトエアクラフトグレイが近いそうな(情報感謝)。クレオスだとC332だ。ハリアーなど英国製ジェット多数に使われているね。ただ、手持ちの同色はやや色味が濃く、しかも艶消しが強い。そこでC325 FS26440で代用する。



キットの前脚庫には何のディテールもない。テキトーに金属線を這わす。マステの細切りで要所を押さえる。

塗装し、ウェザマスでウォッシング。実機も天井はアッサリしている。←そこだけは実機どおりに再現。


 次は主脚庫。キットはフチの厚さが1mmあり、いかにも模型然としている。こういう所は気になるので、0.3mmプラバンの細切りでフチをつける。



フチに細切りプラバンを流し込み系で接着していく。完全硬化後に「段差ノミ」(シーハリア製作記3参照)で整形する。

キットオリジナルの脚庫の状態。さすがの私でも、このままではチョット・・ 右上が前方。

はんだ、糸はんだ、鉛線などでパイピングを追加。ウェザマスで強めに汚す。赤矢印のパイプはキットパーツ。左下が前方。

下面パーツを合わせると、こんな具合。エンジンの筒は銀などドライブラシ。焼けをクリアの赤、青などの筆塗りで。右上が前方。


 赤いパイプがいいアクセントだ。←塗装が汚いけどな。実機写真と見比べると全然違うけど、気にしないことにして先に進む。次はキャノピかな。


■ 胴体接着 7/28追加

 猛暑でバテ気味。だらけてしまって、なかなか進まず。

 さて、次は胴体上下の接着だ。胴体中央下面パーツは、事後変形で歪みがある。そこで、脚庫パーツに真鍮線をがっちり接着して歪みを矯正する。



まず真鍮線を脚庫に接着し、それを基準に胴体パーツを接着する。

エンジンのファン中央部を白く塗装する。インストには書かれてない。

インテイクダクトを挟んで胴体上下を接着し、整形する。インストとは手順を変え、外翼とのつなぎパーツを先に内翼側につける。

尾部も接着。ノズル周りは別パーツとなっている。ノズルのフチを薄く削る。


 パーツの合わせは、基本的には良い。しかし、事後変形等ありで、微小な隙間や段差ができる。瞬間で埋めて、板に貼った240番ペーパーで整形する。プラが固いので、かなりの重労働。このクソ暑いのに・・・


■ 翼前縁

 翼前縁に仕込むアルミ板を試作する。翼パーツの前縁を、アルミ板の厚さ分だけ削り、そこに曲げ加工したアルミ板を接着・・・なんて方法は、工作が大変だし精度が期待できない。そこで別の方法を考える。

 キットの翼前縁をスパッと切り落とす。曲げ加工したアルミ板の内側には、芯を接着する。それを翼前縁に接着すれば、工作は楽そうだ。アルミ板の曲げ加工は、3DPで雄型雌型を作り、そこにアルミ板を挟んでプレスする。



3DPの型に焼きなました0.3mmアルミ板を挟み、クランプで締め上げる。芯も別途3DPで作っておく。

こんな具合に翼前縁に接着する算段。


 雄型と雌型の隙間はアルミ板の板厚分だけ開けておく。これは面の押し出しで簡単。こんなの手では無理。基本となる翼前縁は、翼断面形をスケッチしてスイープ。

 なお、外翼と内翼では、前縁の翼断面形が異なる。内外翼境から外は、前縁が下に垂れ下がる断面形。内翼内端はこれが上下対称で、内外翼境から内端まででリニアに変化する。従って、前から見ると内外翼境で前縁が折れ曲がる。



翼前縁の折れ曲がりに注意。キットはちゃんと表現されているので、心配ない。



■ 風防、キャノピの試作

 写真を見返し、キャノピの型を修正する。 



風防後端では下端はあまり絞られていないが、キャノピ中央部だと下端がしっかり絞られている。これがバッカニアのキャノピだ。

そのため、木型としては中央部の底幅が狭くなる。くびれが分かるかな?


 説明しよう。@ キャノピはレールで前後にスライドし、そのレール(=フレーム下端)は左右平行。A キャノピガラスの下端も左右平行。B ガラス部分は外に膨らむ。C したがって、フレームとガラスの境には谷折り線がある。D ヒートプレスでは谷折りは不可能 E 木型としては、底にくびれが必要となる。

 修正した木型をプリントして、0.4mm透明プラバンをヒートプレスする。しかし、このサイズになると難易度が急激に上がる。というのは、加熱でプラバンが縮むのだが、パーツとして使える「有効部分」とキャノピのサイズはほぼ同じ。有効部分をジャストに木型に当てないと上手く絞れない。これ以上のサイズは、アクリル板を使うしかないだろう。



とりあえず、お試しで絞る。キャノピ下端のフレームはプラバンを接着して削る。

後端はこんな具合。ここは外側からフチを薄く削る。



■ 続、翼前縁 8/7追加

 お試しのアルミ前縁が上手くいったので、本番。まず、主翼を胴体に接着する。



上面の合わせを最優先するため、、先に上面パーツを接着する。基本は溶剤系を使い、段差、隙間に瞬間。

しかーし、翌日右翼に歪みが入っているのに気づき、一旦下面をはがして再接着。ヘタレや。

左右上下の翼パーツの接着が終了。右翼は前縁をカットし、段差も整形。

アルミ板の接着、整形も終了。途中写真は撮り忘れ。


 補足。前縁アルミは、内翼と外翼を分けて工作する。しかし、後から思うと一体の方が精度が上がったかも。もうやり直しはしないが。


■ インテイク前縁

 次にインテイクリップのアルミ工作だ。ここはリング状なので、翼前縁より難易度が高い。なぜなら、アルミ板は延びるが縮まない。だから、単純に雄型と雌型に挟んでプレスすると、外側には「しわ」ができてしまう。また、内側は延びきれずに割れてしまう。これをどう解決するかが成功のカギとなる。

 ちなみに、以前アルミ貼りで製作したテュナンのインテイクは、リングに絞れなかったため、C字形で絞り、1か所継ぎ目がある。今回も上手くできなければ、次善の策としてそうするつもりだが、果たして結果は・・



雄型、雌型とアルミ板。加工が容易な0.2mmを使う。雄雌型の隙間はデータ上で0.2mmの隙間にする。こんなのは手作業では不可能。

中央に穴をあけ、手絞りで大まかな形を作っていく。穴は丸棒で慎重にシゴいて広げるが、気を抜くと割れてしまう。

峰ができたら、型に挟んでプレスする。すると、このように外側のフチには波状に「しわ」が寄ってしまう。

そこで、しわを延ばし(これが秘伝の技)、フチの境(矢印)をヘラでシゴいて、アルミ板を画像下方向に延ばしていく。

シゴいて少し延ばす→型でプレス→外してシゴく、を繰り返して延ばしていく。最後に余分なフチをカットし整形する。

形が出来たら、大まかにカットし、内側に3DPの芯を瞬間で接着、後端の余分を削り落とす。

キットパーツは前後方向に少し長いので、そのままでは機体に取りつかない。ギャップを埋める3DPのスペーサーをつける。

何個も作って、ようやくギリギリ合格水準のが出来上がる。

表面を少し磨き、機体に仮組みしたところ。まずまずじゃな。3Dパーツは、キットを採寸して設計してるから、合わせはばっちり。

雄雌型と芯、スペーサーはこんな構成。雌型とスペーサーは外形サイズ、芯と雄型は、外形から0.2mmインセットしたサイズ。


 需要があるとは思えないので、データファイルはアップしない。関心のある方はメールで。


■ 続、インテイク 8/18追加

 暑いので、ゆるゆる進行。インテイクリップを接着する。キットを採寸して3DPを設計しているので、ピッタリ合うハズなのだが、ビミョーに合わない。削り合わせて、それでも残る段差に瞬間を盛る。アルミを傷つけないようにするから、削るのも大変。

 内側の段差はポリパテで埋める。瞬間系は硬くて削るのが大変だし、ラッカーパテは後でヒケるから、必然の選択。普段ポリパテを使わないから、手持ちは10年以上前に買ったやつ。これが2日経っても固まらない。主剤は大丈夫そうなので、硬化剤だけ買ってくる。未固結のパテを綿棒などできれいに掃除して、やり直し。はあ。



リップを接着し、外側の整形が終了したところ。アルミ部分は、接着・整形時にはセロテープで養生しておく。

内側にポリパテを盛る。表面を平らにするためにセロテープを貼る。



■ 海軍型コンバージョン

 空軍型のキットを海軍型にするため、一番手っ取り早い手段を敢行。海軍型を持っているクラブメンバーにお願いして、パーツとデカールを交換していただく(感謝)。実はランナー1枚を交換するだけで済むのだ。それまで未接着だったパーツを取り付ける。



機体では、下面の一部パーツが変更対象となる。あとはパイロン、スリッパタンク、ウェポンベイのフタ。

一部の太いスジボリは、一皮剥くように削って細くする。それでもダメなやつは瞬間で埋めて彫りなおす。



■ エアブレーキ

 左右にパカッと開くエアブレーキは、バッカニアの見せ場の一つ。ここは開いて作りたい。その基部は、キットパーツの出来がちょっと淋しい。ならば3DPに置き換えよう。



こちらキットパーツ。実機は箱型の中空構造なのだが、一枚板になっている。

これもキットパーツ。ディテール一切なし。ちなみに右上が前方。

キットにチマチマ手を入れるより、3DPが手っ取り早い。凸リベットは全部で1000個以上あるから、手打ちじゃ大変。

3DPなら箱型構造の後端の穴も、中空構造も再現できる。ただし、内部のディテールは雰囲気再現で、完全に実機どおりではない。

ついでに、エアブレーキ本体も作っちゃう。リベットラインも実機どおりに再現する。

開いた後面のディテールは、現存機によってバリエーションがある。よく分からないので、そのあたりはテキトーに。


 実機のこの部分、建設現場のようなゴツさだね。ブラックバーン鉄工所とでも言おうか。さて、このタケノコ。問題はどう歪まずにプリントするか。現在、試行錯誤中。


■ エルロン、フラップ 9/3追加

 3DPのエアブレーキは、一応プリントまで終了。ただ、事後変形が気になるので、暴露試験中。ということで、エルロンとフラップを取り付ける。



このように、真鍮線を介して接着する。フラップと主翼には、ご覧のようなチョット大味な凹リベットが打たれている。

接着後、表面をツライチに削るついでに、表面を一皮むいて、リベットも削り落とす。


 リベットはわずかに消え残る。これを目安にたまぐりのリベットを打つ予定。スジボリ再生と合わせて9月中には終えたいな。


■ 水平尾翼

 水平尾翼の前縁に、アルミ板を仕込む。単純な形なので、3DPの型は作らない。0.3mmアルミ板をクサビ形に折り曲げ、切り出し、プラ材の芯を接着し、尾翼前縁に貼る。文章で書くと簡単そうだが、実際はそうでもない。細長い板を鋭角に折るのは、結構難しいぞ。

 まず幅5mmの短冊を180度折り曲げ、ハサミで切り出し、折り目を広げる。広げるには、合わせ目に切り出し刀を押し込む。開いたら、プラバンの雄型に被せ、ヘラでしごいて整形。



アルミ板を接着。これにて全アルミ作業が終了。残る高難易度工作はキャノピ自作のみ。

エレベータも、同様に真鍮線を介して接着。凹リベットは削り落とす。翼端はプラバン。


 今回更新はこれだけ。生存報告みたいな。このあともリベット打ちなので、しばらく水面下で作業が続く。


■ リベット 9/25追加

 3週間ぶりの生存報告。たまぐり作業が9割方終了。キットの凹リベットは大味なので、削り落として〇リベットを打つ。



キットオリジナルの主翼リベット。大きい凹穴で、精密感がイマイチ。

穴がほとんど消える程度まで表面を削り、たまぐり#1でリベットを打ったところ。左翼上面。左が前。矢印は後述。


 できれば、キットのリベットが100%消えるまで表面を削り、新たにたまぐりを打つのが望ましいが、それはそれで大変なので、部分的に小さい穴が残る状態でたまぐりを打つ。必然的に、キットのリベットラインをなぞる形になる。小さい穴は、その上にたまぐりを打つと消えるのだ。

 しかーし、作業が大分進んでから気づいたのだが、キットのリベットラインは、リブ相互の間隔などがあまり正確でない。しかも、上面と下面でリブの位置がズレててスットコドッコイだ。もう打ってしまったので直さないが。

 上画像で赤矢印のパネルラインは、キットでは省略されているので、追加する。また青矢印のパネルラインは、キットではエルロン分割線に近すぎる。このラインは、海軍型の場合、黄色い塗装の塗分け線となるので重要。正しい位置に彫りなおす。空軍型を作る場合は無視して構わないだろう。

 スジボリtipsをひとつ。下画像のような複雑でコーナーが丸いパネルの彫り方。下画像参照。コーナーを先に彫って、間をつなぐのがイイかな。



直線部分にガイドのテープを貼る。

コーナーはエッチングテンプレートで彫る。こんな具合にセロテープでしっかり固定する。


 そろそろ、キャノピに取り掛かるか。







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