M4シャーマン履帯 1/48 3Dスクラッチ 製作記
2019.7.5初出
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チャーチル製作記と並行で記述していたM4シャーマン3D設計をまとめてこちらに記載する。ダウンロードリンクはページ末尾にまとめて掲載。(2020.6編集、2021/12リンク復旧に伴い再編集)
引き続き、ダックビル付きT48(記録写真でもこのタイプはよく見る)、T51(T62のディテールを取るだけ・・でもない)、シャーマンV用のT54E1(5コマ長い)くらいは作ろうかな。 |
シャーマンT54E1履帯。滑り止めの形状などは、実物写真をトレースする。 |
上部の垂れ下がりも再現する。好みで、ちょい緩めに。 |
裏側はこんな感じ。さらにフィレットで角を丸める余地はあるが、データが重くなるのでこの程度とする。それでも十分重いけど。 |
こちらはT62履帯。丸三つのポチがポイント。提供データには画像左側のサポートを呼ぶ「足」をつけている(T54E1も同様)。 |
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苦労の果てに出来たヤツ。 |
今回はこんな感じで一体出力なのじゃ。車体はアキリーズ。ダイキャストでないのが嬉しい。 |
以下、使用上の注意。T51などは、ダックビル無しが通例でファイルもそうしているが、もしダックビルを付けるなら、今回掲載のダックビル単体のファイルをデザインに挿入し、リンクを解除、ダックビルのボディをエンドコネクターのボディに結合(しかるべきタイムライン上にて)すれば可能となる。Fusion360の基礎知識があれば難しくないと思う。 一方、ダックビルを取り外す場合には、タイムライン上でダックビルを結合しているコマンドを削除、その後にディテールを追加している3か所のスケッチ+押し出しを削除すればOKだ。ただし、これら改修は履歴をキャプチャしているファイルでのみ可能。お持ち帰り版では不可(必要な方はメールされたし)。 シャーマンV(あるいはM4A4)は、ハルが延長され履帯が5コマ長くなる。これもモデル化する。上部履帯の垂れ下がりがあるし、遊動輪は半コマ分ズレるので、各コマを並べ直すのはそれなりに手間がかかる。一応、最もポピュラーと思われるT54E1をモデル化。ダックビル消去は上述の方法で(取る方が簡単との判断で付けとくのだ)。それ以外のタイプへの変更も、実は案外簡単。基本のパーツ(シュー+エンドコネクター)が出来上がった時点で、変更したいタイプのシューをデザインに挿入し、元のシューと入れ替える(まず交差して、つぎに同じもの(コピぺ)を結合)だけ。説明端折って分かりづらいと思うが、不明点はメール等で問い合わせされたし。 起動輪は、内外パーツ同士を接着する前に履帯にはめ込むべし。ダックビル付きの場合、外側の起動輪を組み込むのが大変。ほとんど知恵の輪状態、ていうか相当高難易度。でも、やれば出来るので頑張ってね(ただしレジンの質にもよるかな)。一応、外側起動輪を一体出力できるような配慮はしてある。(後述) |
T48はタミヤと同じだけど、ダックビル付きは記録写真でもM10系含め多数見られるよね。 |
ゴム製T51。他タイプのディテールを消去するだけでなく、ゴム部の厚みを表現する。 |
T54E2。シェブロンの形状はT62と同じ。ベースの部分がちょいと異なる。 |
横バーのT49。模型的にはインパクトあるよね。記録写真では、次のT56と同じに見えて、違いが分からない。 |
同じく横バータイプのT56。T49と比べてどちらが一般的なのかは、よく分からん。1/48なら、どっちでも一緒という気もするな。 |
HVSSのT80とゴム製T84も修正する。足も取り付ける。修正箇所は後述。 |
再掲。T54E1ダックビル付き。 |
再掲。T62ダックビル付き。ただし、お持ち帰りファイルはダックビルなし。 |
T80については、シェブロンの断面を拡大、エンドコネクターのディテールを改修、各コマの配置を全体的に修正(とくにアイドラーホイル付近)。T84も同じ。また、下記リンクの不具合あればお知らせ願う。なにせ大量なのでチェック漏れあるやもしれず。
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初期のギザギザ型。M3と同じタイプ。 |
後期のギザギザ型。 |
後期に見られるリング型。 |
裏側はキットと同じ形にする。内側の起動輪はキットを使う想定なので。 |
T54E1にギザギザ型を挿入したところ。 |
T48には丸型が似合うかな。この辺はお好みで。各自好きなタイプに差し替えられたし。 |
12/5追記。各起動輪のボルトのディテールを修正してファイル差し替え。イージーエイト用のT80とT84を修正して差し替え。シューのサイズをやや拡大、全体の配置も見直し、ピンと張った状態にする。 12/24追記。VVSSの各履帯も下側の弛みを修正してHVSS同様にピンと張った状態に変更する。なお、記事のサンプル画像は古いまま。 12/26追記。ダックビルなしのファイルを修正した際のバグを発見。逐次修正予定。
さて、シャーマン履帯の落ち穂拾い。ダックビルの形状バリエーションとゴム製WE210だ。前者は、記録写真では初期に多く見られる印象。一応T54E1との組み合わせで設計する。ダックビル単体でもファイル化してあるので、任意のタイプの履帯にも装着可能。後者は英連邦軍で使用されたM3グラントやシャーマンIII(M4A2)などに見られる。いずれも、お試しプリントはしてない。悪しからず。 |
シンプルな形状だけど、エッジのカーブの再現にはワザがいる。便宜上こちらをBタイプと呼び、角型をAタイプと呼ぶ。 |
WE210。結構模型映えすると思うが。 |
あと残るは、M3タイプVVSSの履帯とボギーかな。ライトガードも作成中。
お題はライトガード。これ、別売りエッチングパーツもあるだろうし(←よく知らないが)、真鍮帯金はんだ付け工作も難しくないけど、プリンター持っている人には3Dデータがあれば便利だろうなと。ヘッドライトのガードは、三次元曲線からなるやや難易度高めの形状。いろんな設計方法があるだろうが、正面形と側面形のそれぞれを押し出したブロックをシェルでくり抜き交差する。これは、お試しプリントの結果によって、パーツの厚さを変えたいときに、シェルのパラメーター値を変更するだけで済む、との発想(←後で、これだけで済まないことが判明するが・・)。 設計ができたら、お試しプリントして細部を詰める。通常のレジンでは、すぐに折れてしまうが、SK本舗のタフレジンを使えば大丈夫。だから設計はタフレジンで最適なように調整する。結果、パーツ厚さは設計で0.35mmを基本とする。これを出力すると、パラメータにもよるが0.25mm程度になる。ただし、ガード頂部の水平に近い部分は厚く、逆に装甲板から立ち上がる部分は細く出力される。このあたりは、タイムラインにスケッチを挿入して調整。基部の四角錐もポイントで、これがないとタフレジンでは上手く出力されない。 |
こちら最終形。ヘッドライトガードは2タイプ(装甲板の角度違いで)。サイレンのガードは、たぶん両者同じ(確証なし)。 |
何度か試行錯誤した結果がこれ。なお、層厚0.03mm、時間15秒である。 |
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