チャーチル AVRE Mk.IV タミヤ 1/48 製作記

2019.7.5初出



最終更新日



■ はじめに 

 チャーチルの本命、AVREを開始する。タミヤのMk.VIIをベースに、砲塔、砲、車体前面、側面を3Dプリンタで新造して置き換えるのだ。さて、AVREとは、Assault Vehicle Royal Engineer の略で和訳すれば戦闘工兵車。英陸軍の工兵って「女王の技術者」と呼称されるのだね。ちなみに、古来エンジニアとは軍事技術のことであり、18世紀にそこから民生技術が派生し、Civil Engineerと呼ばれる。ちなみに、現在ではCivil Engineerとは土木技術をさす。機械工学、電子工学が生まれるのはもっと後の時代。

 話を戻す。AVREは、チャーチルMk.IIIおよびMk.IVの車両をベースに、主砲を290mm迫撃砲に換装(ペタード臼砲とも呼ばれる。しかし、なんでミリ単位?)、工兵車両としての各種アタッチメントを取り付けたもの。記録写真を見ると、そのブラケットや履帯などにバリエーションがある。ここで、チャーチル各型の違いをwikiでざっとおさらい。

Mk.I:小型の鋳造砲塔に2ポンド砲を搭載。砲塔正面の縦3本のスリットが特徴。車体左舷に3インチ榴弾砲。
Mk.II:砲塔と主砲はMk.Iと同じ。榴弾砲を機銃に換装(資料により、2ポンド砲と3インチ榴弾砲の搭載位置を交換したとするものあり)。
Mk.III:大型の鋼板溶接砲塔に6ポンド砲を搭載。この砲はマズルブレーキがないことで見分けられる。
Mk.IV:鋳造砲塔に変更。他はMk.IIIと同じ。一部の車両は、鋳造砲塔の下部にカラーをつけて装甲を強化した(資料によってはこれをMk.VIとするものあり)。北アフリカではシャーマンの75mm砲に防盾ごと交換したものもあり、チャーチルNA75と呼ばれた。
Mk.V:鋳造砲塔に95mm榴弾砲を装備。砲塔はMk.IV/VIに似ているが、正面開口部の形状が異なるらしい。
Mk.VI:Mk.IVの鋳造砲塔に英国製75mm砲(オードナンスQF75mm砲とも呼ばれる。マズルブレーキあり)を搭載した。車体形状は基本的にMk.IからVIまで同じ。
Mk.VII:タミヤがモデライズ。装甲が強化された新型鋳造砲塔にQF75mm砲を搭載。車体装甲も強化され、車体前面、側面装甲板や脱出ハッチなどのデザインが変更された。
Mk.VIII:VIIの車体、砲塔に95mm榴弾砲を装備。


■ 3D設計

 まず、砲塔から設計。鋳造砲塔の基本形は、側面形と平面形を押し出して交差し、角をフィレットで丸める。各部のフレットの直径など厳密には違うかもしれないが、これ以外の作り方は思いつかない。砲塔の基本形状、寸法は、文献-5の製造図転載と思しき図面をベースとして実車写真で検証する。下面の円形断面につながる部分は、実物と形が少々違うが、私の設計スキルでは再現不可能。ま、パテでも盛ってやれば簡単に再現できるので、実用上は問題なかろう。設計するにあたって、1/35キットもネットで調べたけど、一部のキットは砲塔の基本形状が似てないな。前面が平ら過ぎる。

 迫撃砲に関しては、やや斜めの写真から寸法を起こしており、精度は甘い。ま、気になる人は、尺度コマンドでちょうどいい大きさにしてくだされ。



押し出して、交差する。このあとフィレットで面取りして、内部はシェルで1mm厚さにくり抜く。

設計では若干クドめにした方が、出来上がりの印象がよい気がする。ハッチのスジボリは幅0.35mm深さ0.5mm。

できあがり。バリエーション違い(後述)は、タイムラインで遡って変更可能だ。

後から。荷物箱はキットを使う。


 ここまでの作業量をざっと数えると、約300工程。これは、タイムラインで表示されるアイコンを1工程と数えたもの。「1.スケッチ」して「2.押し出す」と2工程となる。プラモデルの金型設計の大変さがよく分かるよ。


■ お持ち帰りその1

 では、お持ち帰りコーナー。迫撃砲は、別ロットにして、立てて出力する方が結果がよいと思う。砲塔は普通に水平がいいかな。ハッチ表面がきれいに仕上がる。側面や上面前半には積層跡が出るけど、鋳造肌をパテで再現すれば、必然的に消えるから、これも実用上は大丈夫だろう。

チャーチルAVRE砲塔 ダウンロード


■ 砲塔の考察

 3D設計するために、実車写真をよく観察すると、各部にバリエーションがある。まず、砲塔下部のカラーに形状違いがあり、これは上述のIVとVIの違いか。砲塔上部のベンチレータの位置は、拙作は真ん中付近だが、左端直近、それよりやや内側寄りの3種類がある。時期によって変化するという気もするが、詳細不明。車長ハッチの形状は、長方形のものと、台形っぽいものと2種類。これも使い分けの法則は不明。

 上面後部のアンテナもいくつかのバリエーションがある。拙作はVIIと同じ配置だが、これは後期の少数。リング付き柱が右舷にあり、中央にアンテナなしが多数。ハッチの固定具もバリエーション。言葉では説明困難なので、気になる人は写真を見てくれ。キットはただの四角いカタマリだし。鋳造のパーティングライン(というのかな?)も下寄りとやや上寄りとあるが、製造工場の違いなのか? 迫撃砲もバリエあるけど、そもそも細部がよく分からないし。


■ 砲塔プリント 7/15追加

 データが出来たので出力する。まず砲塔。テストショットは水平配置で0.05mmピッチ。砲塔側面や前半上面に積層跡ができるが、鋳造表現することを考えれば、ほぼ実用レベルの仕上がり。若干気になるのが、キューポラ外周のリングやペリスコープで、斜めになっているため積層跡が目立つ。そこで、0.02mmピッチとしてみる。キューポラ等の積層跡は改善されるが、砲塔側面の積層跡がさらに目立ち、側面ハッチの再現性も劣る。結果として、0.05mmにしてキューポラ等はペーパーで積層跡を削り落とす方がいいかな。砲身は垂直に立てて0.05mmピッチがよさそう。横状態では発射筒に歪みが生じる。



層厚0.05mm、照射時間10秒にて出力したもの。写真だと積層跡は見えないが・・・

砲身。どちらも立てて出力したもの。歩留まり等を考慮して余分に作るのが吉。



■ 車体側面の3D設計

 続いて車体側面の変更部分を設計する。正確な形状、寸法を出すため、キットの側面図を下絵とし、実車写真をトレースして、Inkscapeで概略図を描く。それが下図。青線はMk.VII。話は前後するが、砲塔&砲身も同様の手順を踏んでいる。3D設計は、概略図さえ出来上がれば、とくに難しいところはない。




 車体側面は、装甲板ごと一体で設計することも可能。しかし、薄い板状のパーツは、出力すると湾曲してしまうことが多い。そこで、ハッチ、アタッチメント基部などパーツごとに分けて出力し、側面装甲板そのものはキットをベースに変更部分をプラバンで製作することにする。出力方向は、側面が上になるようにした方がよいかな。

 さて、実車写真を調べると、砲塔同様にバリエーションがある。側面に装甲板が追加されたタイプも多く見受けられる。これもカッコイイが、上述の湾曲問題の懸念あり。ということで、追加装甲板なし。また、アタッチメントのボルトについても、周囲が筒状になっているものがある。



設計した各パーツ。マッドシュート(左端)も設計するが、プラバンで作った方がいいだろうな。

左画像の拡大。ボルト周囲の凹みなど、設計するのは簡単だが、出力すると再現されず、ただの自己満足。



■ お持ち帰りその2

 では、恒例。

チャーチルAVRE側面 ダウンロード


■ 側面プリント 7/27追加

 側面ハッチその他を出力。側面が上になるように配置する。ハッチは上下の装甲板も一体として、そっくり置き換える算段。



十分実用に耐える出来具合。このくらいのサイズであれば、湾曲もほとんど目立たない。



■ 車体前面の3D設計&出力

 続いて車体前面の設計。キットを採寸し、実車写真を元にInkscapeで作図。それをFusion360に取り込んで設計する。当初、基本的形状、寸法はMk.VIIと同じだと思って設計したものの、よくよく写真を見るとちょっと違うみたい。正面上部が縦に長く、その分だけ上面の傾斜が緩い。で、この傾斜と車体側面装甲板の前上部の傾斜とが一致するようだ。

 出力が厄介。光造形プリンターの宿命として、モノが大きくなると完全なる平面に主力するのが難しくなる。完全硬化させると湾曲してしまうのだ。そこで、下画像のような補強枠を付け、硬化後に切り取る。この枠が、曲がろうとする内部応力に抵抗してくれるわけ。



修正後の車体前部。前面上部は一旦設計したものを縦に10%程拡大し、ボルト類を再配置。

積層痕を出なくするため、出力はこのように各面を上にする。補強枠はこのくらいの高さが必要。

裏側はこんな感じ。天井は、「面の移動」(←fusion用語)で、わずかに傾斜させると、サポート不要となる。

出力して、不要部を切り取り、表面を軽く磨いたところ。



■ お持ち帰りその3

 出力時の補強枠はつけてないので、各自出力条件に合わせて取り付けられたし。←後日壁ありに変更。タイムラインを確認されたし。

チャーチルAVRE前面 ダウンロード


■ 組み立て開始 8/3追加

 スピ1は、胴体リベッティング中で特段記事にすることもなし。リベットに飽きて、チャーチルの組み立てを始める。



3Dパーツはジャストサイズで設計してるので、キットの干渉する凸部分を切り取る。

IV型あたりでは、車外電話の取り付け位置、形状が異なるので、切り取ってプラバンで埋める。電話はあとで3Dプリントする予定。

3Dパーツ自体も、干渉部分を削って調整し、慎重に位置決め。瞬間で接着する。

車体上部と砲塔を仮り組み。ハッチ前方のペリスコープ、ベンチレーターの配置が異なるので、切り取ってプラバンで置き換える。



■ 履帯の3D設計&出力

 3Dはまだまだ続く。次は履帯だ。一応キットの履帯でも十分に用は足るのだが、折角なので自作する。キットと全く同じでは芸がない。IV型などに多く見られる接地面の凹溝が短いタイプにする。実車写真で履帯が正面から撮影されたものを背景に取り込み、これをベースに設計。ピッチなどはキットに合わせる。でないと起動輪がはまらなくなるからねえ。



設計出来上がり。サポートを呼び込むピンもつけてある。

裏側。接地面の裏側の凹みがポイント。パーツの厚みは0.3mmで設計。転輪が乗る部分の違いにも注目。左右平行が正解。

出力した状態。プリンタ(orスライサ?)のバグで一部出力不良がある。ディテールの彫りの深さがキットとの差別ポイント。

裏側の凹みがいい感じだ。キットは全く再現されない。中央の穴も開いてないし。


 そういや、シーフュリとMe262の完成写真がほったらかし。夏休みの宿題にしよう。もひとつお知らせ。機体外形検証+図面作成プロジェクトに着手。あの超メジャードイツ機だ。乞うご期待。


■ 車体側面 8/21追加

 こちらも、のんびり進行中。車体側面パーツは、切り刻んでプラバン細工。図面が出来ているので、これを写しとれば簡単に自分のイメージどおりになる。そこに3Dプリントしたパーツを取り付ける。脱出ハッチはキットパーツを四角く切り取ってはめ込む。起動輪の後方、上下履帯に挟まれる車体部分は、Mk.VI以前の型ではVIIと形状が異なる。これも1mmプラバンで工作。位置、角度は、車体側面装甲板の斜めのカット部に一致する。



3Dプリントのパーツは、裏面の凸凹を削る。広い面の接着は流し込み系。側面パーツはまだ車体には接着しない。

車体上面、砲塔と組み合わせてみる。あとは履帯を取り付ければ基本工作終了だ。



■ お持ち帰りその4

 車外電話、携行燃料(オイル?)缶、履帯レール、車幅灯、アンテナマストを設計。アンテナ、車幅灯は、一応普通のレジンでもなんとか出力できるが、かなり折れやすい。タフレジンを使うとよいだろう(と書きつつ、買ったのにまだ試してない)。







チャーチル小物パーツ ダウンロード




■ 履帯出力&組み立て 9/2追加

 3D設計した履帯を出力し、車体に組み込む。フォトン君が働いてくれれば、寝ている間に作業の大半が終了するハズなんだけど、これがナカナカどうして、相当手強い。以下、その顛末。まず、以前書いた出力時のバグ問題だが、どうやらこれはデジタル的なバグではなく、突如大きな平面が出現する際に特有の物理現象であるらしいことが判明。対策として、出力方向を1°傾け、またサポートを呼ぶ「足」を2本にしてさらに太くする。

 問題その2は、それでも歩留まりが極端に悪いこと。ある層から上が出力されないという「スピリチュアル現象」(←3Dプリント界の一部でそう呼ばれている)が頻発するのだ。これはデジタル的なバグなので、この現象が現れたら、スライサーでサポートを付けるところからやり直す必要がある。また、感覚的だけど、STLファイルのデータが重いと出現頻度が高いみたい。

 問題その3は、出来た履帯に起動輪がうまくはまらない。キットの起動輪の内外の歯の間隔に対し、履帯の穴がちょっと狭いのだ。写真をトレースしたハズなんだけどなあ。キットの間隔が広いのか、私の設計が違うのか・・・ ともかく、キットに合わせて幅を拡大して出力すると(これも苦労の果てに)、こんどは転輪がキツくてはまらない。仕方ないから、起動輪、遊動輪を加工することにして幅を戻す。

 などなど調整して、まだ不満は残るが面倒臭くなってこの辺で妥協。やってるうち、レジンが足りなくなって新たに注文する。グレイが欲しかったけど、密林でAnycubic 1000mlのボトルの在庫が水色しかない。



再掲。従前品。向かって左側の接地部分がクランク状になっている。これは、ちょうどここで側壁の平面が出現するわけ。

こちら新規出力品。苦労の果てに、最終的に採用となったもの。なお、履帯は、前、下、後と三分割で出力する。

起動輪、遊動輪は、このように接合部を0.5mmほど削る。

車体組み込み完了。レール(グレイ)は、どういうわけかサイズが合わず(設計時の勘違い?)テキトーに切って合わせる。

案の定、後部の起動輪は履帯の設計ミスで位置が合わず、ピンを切って取り付ける。

車体上部、側面も接着し、車体の基本形完成。あー疲れた。


 補足。前述起動輪の位置のズレは、履帯が1コマ弱余る程度(3mmほど後寄り)。そこで下側の履帯を1コマ切り取る。結果、起動輪はキットより1mm前寄りになるが、これで妥協。履帯のレールは、内外2本が正解だが、よく見えない部分なので外側だけで手抜き。形状サイズも違うけど、再設計、再出力する元気なし。

 なお、ずっと今まで書き忘れてたが、やや透明感のあるグレイのレジン(上段左画像など)は、オーバーテック社 MIRACLPミラク光造形プリンタ x120専用レジン (灰色, xABS)というもの。xABSとあるが柔軟性はなく、パリンと割れるのはAnycubic純正レジンと同じ。割と安価で、臭いが少なく、粘度が低いのは魅力。強度も純正より高い気がする。パラメータは純正と同じでいいみたい。←厳密に追及してないのじゃ。


■ 3Dデータ差し替え

 履帯のデータについて、上述の問題個所を訂正し、データファイルを差し替える。下側履帯の長さ・数も修正済み。また、歯の入る穴のうち小さい方を左右0.1mmずつ大きくして、起動輪、遊動輪との密着性を高める。差し替え版では、左右履帯を1つのファイルに含める。一応、フォトンのサイズ内に納まってるはず。ただし重いので、このままうまく出力できるか保証の限りでない。その時は、パーツのいくつかを非表示にしてSTLファイルにするなど工夫されたし。





チャーチル履帯 ダウンロード




■ サフ吹き 9/24追加

 組み立て完了後一気に塗装、というのが「正統的」AFVの製作法という気がするが、邪道派なので、ここらでサフを吹いて様子を見る。いや、単にスピにサフを吹くついで。



足回りは黒サフを加えたダークグレイ、上の方は普通のサフで。別にカラーモジュ・・ではない(私はあれは好きでない)。

この砲塔を見て、「あれ?」と思った人は、観察力が高いか相当のチャーチルマニアかどっちか(後述)。

ディテールの再現具合はまずまず。履帯の凹みが自慢のポイント。今気づいたけど、一部のボルトが隣の壁に「溶融」している。

車体前面もいい感じじゃ。操縦手ハッチの水平溝がちょい甘いな。


 補足。ボルトの溶融とか溝の甘さとかは、LCDプリンタ特有の現象。データではちゃんとなってるのに、漏れた光によって膨らんで造形されてしまうのだ。だから本当はそれを見込んでデータを作る必要がある。つまりボルトは壁から離し、溝は余分に広くする。再設計、再出力すればベストだが、面倒くさいからそのまま行っちゃう。お持ち帰りデータは一応修正しておく。ただし出力確認はしてない。。


■ 砲塔

 前述の砲塔、裾にカフが付いたタイプに変更してるのだ。また、上面のベンチレータとアンテナ基部の配置も変更。従前のカフなし砲塔もこれら配置を変更する。なお、途中写真を撮り忘れてるけど、裾など3D設計で再現不能な部分にラッカーパテを使い、さらに積層跡を削り落とし、サフで鋳造肌を表現。



後半部分のカフを追加。下側のリング状の部分につながる箇所(左右の赤矢部分)が実車どおりでない。写真見てパテを盛るべし。


 ということで、お持ち帰りコーナー。なお、以前は当HPのサーバにアップして、そこから直接ダウンロードする方式だったが、新たにFusion360のクラウドを利用する。下記から開いたリンク先の右上のダウンロードをクリックし、お好みのファイル形式をクリック(Fusion360であれば一番上)すると、ダウンロードリンクが指定メルアドに送られる。STLファイルも可能。以前掲載の他ファイルも順次この方式に変更する。手続きが面倒になるけど、画面上で360°回転させて見れるよ。

チャーチルIVカフ付き砲塔 ダウンロード




■ 初期型履帯

 さらに初期型の履帯も設計しちゃう。私自身は当面使う予定がないけど。ぜひ、どなたか活用して欲しいなあ。






チャーチル初期型履帯 ダウンロード




■ タフレジン

 アンテナ基部に、以前紹介したSK本舗のタフレジンを使ってみる。これはいい。お薦め。下画像でお分かりのとおり、弾力があって曲げても割れない(当然、思いっきり曲げると割れるが)。これで、細いパーツも3D出力できるぞ。ただし、ディテールの再現性は純正より劣るか?(サンプル数が少なくて確かではないが) あと、値段がお高め。細いパーツ専用とするのがよいだろう。

 なお、SK本舗のサイトでは推奨パラメータとして露光時間9-10秒となっているが、今回のアンテナでは、Anycubic社純正レジンでは10秒で成形できたのに成形不良となる。15秒にしたところ今度は成功。



見よこの弾力性。アンテナ基部自体も強度ばっちり。ちなみに、出力時は底板は平ら。

クローズアップ。この細さで、強度的にも実用に耐えるのは画期的。


 長くなったので、今回更新ここまで。


■ 細部工作 10/3追加

 ディテールを追加していく。AVREの迫撃砲は、車内から装填できない。機銃手席ハッチを潰し、スライド式のドアが設置された。戦闘中もここから手を伸ばして装填したらしい。



迫撃砲装填ドアはプラバン細工。ハッチのモールドはパテで埋める。ベンチレーターや機銃などは、キットから持ってくる。

車外電話はこの位置。予備燃料缶、予備履帯など3Dプリント。

迫撃砲はプラバンを介してイモ付け。砲塔の隅の丸みが少し足りない気がして、ペーパーで丸める。

削ったあとは溶きパテで鋳造表現。鋳造のパーティングラインは延ばしランナーと溶きパテで表現する。

マッドシュートはプラバン細工。ワイヤーロープ、円錐状リベット、側面吸気口の吊り下げ金具など追加。

クローズアップ。ワイヤーロープは、家庭用電気コードの銅線をよじったもの。


 補足。砲塔のペリスコープの日除け?は、そのままでは高すぎるので、3Dパーツ側を削って調整。つうか、これも一体で設計すべきだな。ロープは、最初はタコ糸を使ったんだけど、実感イマイチでやりなおす。電気コードのビニール被覆を切って中の銅線を取り出し、7本ほどを使う。ある程度手でよじったら、ピンバイスとペンチで両端を挟み、テンションかけながら捻じる。何本か作るとコツも分かってきて上手く出来るよ。

 それと、VI型以前の後方側ロープ取付位置は、VIIより7、8mmほど前方になる。最上段右側画像は修正前のVIIの位置。多分ロープの長さは同じで、VIIの前側取付位置が後方に移動したためかと。



その他、フェンダー前縁とか追加して、細部工作終了。



■ III型砲塔

 さらにさらに、Mk.IIIの鋼板溶接砲塔も設計。ぜひぜひ、どなたか活用して欲しいなあ。上面の斜面は積層跡が不可避。一旦削り落として、別出力のディテールを追加する方がいいかも。また側面ディテールはプラバンなどで追加されたし。





チャーチルMk.III溶接砲塔 ダウンロード



 以上で、予定しているチャーチル関係の3D設計は終了。ぜひご活用いただければ幸い。なお、チャーチルに限らず、当サイトで公開している3Dデータは、個人使用、商業使用にかかわらず、誰でも、自由に、無料で使用可能である。また、他所での紹介、リンク等も可。さらにデータを加工(改良、修正、追加、改造)して使用することも可。ま、いわゆるフリー素材として使ってもらえればよい。ただし、商業使用する場合には連絡くださるようお願いする。また、加工された場合は、それを私同様に無償公開していただけるとありがたい。


■ 塗装&ウェザリング 11/2追加

 基本的には前作Mk.VIIと同じ。シリコンバリアして、アルコール落としして、ウェザマス、エアブラシで仕上げ。前作より下手なのは何故? 以下備忘録。



下地は黒サフ+レッドブラウン。シリコンは落とすべきエッジを主体とする。

基本塗装はC330+白2割。Mk.VIIより白少な目。

タミヤアクリルのバフを水で溶いてエアブラシ。この後、アルコールをティッシュにつけてバフを落とす。

ズルムケをタッチアップ。エッジをカリカリ。水溶きウェザマスのライトサンドでウォッシング。写真だと、この感じも悪くないが。

定着にフラットクリアを上吹き。これでトーンが落ち着く。さらにサンドなどのウォッシュ。埃感のため車体上部にはセールカラーをエアブラシ。エッジや隅部にはダークグレイをエアブラシ。履帯はC22ダークアースで筆塗り。サンド系ウェザマスでウォッシュ。エッジに鉛筆粉を擦りつける。装備品などは筆塗り。


 補足。アルコール落としでは、ズルムケしないよう、あまり強くこすらない。そのせいか、思った仕上がりにならない。ライトサンドのウォッシングは失敗で、エッジの拭き残しが白くなり過ぎる。足回りはサンド+マッドのウォッシュ。

 以上で、塗装と汚しは概ね終了。もう少し、錆系などを加えたい。残るはマーキング。砲塔上面の白星は是非加えたいところだが、これはインレタにする予定。シリコンバリアがあるので、マスキングは非常にリスキーなのだ。


■ シャーマン鋼製履帯3D設計

 最近ちょっと戦車の3Dモデリングに熱中している。AVREの次のお題は独IV号系列のつもりだったけど、世の中の需要はシャーマンの鋼製履帯かなあと。つうことで、まずT54E1をモデリング。折角なのでダックビル付きにする。モデル上で取り外すのは割と簡単(タイムライン上で、ダックビルをエンドコネクタと結合するコマンドを削除し、結合後に追加しているディテールの押し出し2回を削除する)。

 引き続き、ダックビル付きT48(記録写真でもこのタイプはよく見る)、T51(T62のディテールを取るだけ・・でもない)、シャーマンV用のT54E1(5コマ長い)くらいは作ろうかな。



シャーマンT54E1履帯。滑り止めの形状などは、実物写真をトレースする。

上部の垂れ下がりも再現する。好みで、ちょい緩めに。ピンと張ったのは、あまり好みでないので。

裏側はこんな感じ。さらにフィレットで角を丸める余地はあるが、データが重くなるのでこの程度とする。それでも十分重いけど。

こちらはT62履帯。丸三つのポチがポイント。提供データには画像左側のサポートを呼ぶ「足」をつけている(T54E1も同様)。



■ プリント

 LCDプリンタでは、実際に出力すると、設計どおりにならない。そこでお試しプリント→微修正は、必須工程となる。今回はこれが大変。慣れてくると設計と出力の差が予想できるので、設計自体は微修正で済むのだが、Photonスライサがポンコツで最悪(怒)。サポートが少ないと、全体が歪んで出力される。そこで補強のサポートを付けるとスピリチュアル現象が出現。まともな物ができるまで、何回出力したことか。しかもその度サポートの付け替え。ChiTuBoxがいいらしいのだが、私の低スペックPCでは動いてくれない。



苦労の果てに出来たヤツ。

今回はこんな感じで一体出力なのじゃ。車体はアキリーズ。ダイキャストでないのが嬉しい。



■ お持ち帰りコーナー

 ダウンロードリンクは次回更新記事に移動。


■ シャーマン履帯シリーズ 11/20追加

 一旦出来上がると、バリエーション展開は割とラク。面白くて、ついついハマってしまう。つうことで、お持ち帰りファイル一挙掲載なのだ。大体主要なタイプは揃えたつもり。T74はT62のイボを非結合にされたし。

 以下、使用上の注意。まず、一部のタイプは左舷側のみとなっている。右舷側は、タイムラインでサポートの「足」を結合する手前で反対側に足を移動し(ミラーが楽かな)、そこで結合すれば出来上がる。このときターゲット・ボディにエンドコネクター、ツール・ボディに足を指定すること。逆だと、タイムラインがぐちゃぐちゃになるから要注意。ま、そのまま足を切り取れば十分使用可能ではある。

 また、T51などは、ダックビル無しが通例でファイルもそうしているが、もしダックビルを付けるなら、今回掲載のダックビル単体のファイルをデザインに挿入し、リンクを解除、ダックビルのボディをエンドコネクターのボディに結合(しかるべきタイムライン上にて)すれば可能となる。Fusion360の基礎知識があれば難しくないと思う。一方、ダックビルを取り外す場合には、タイムライン上でダックビルを結合しているコマンドを削除、その後にディテールを追加している2か所のスケッチ+押し出しを削除すればOKだ。

 シャーマンV(あるいはM4A4)は、ハルが延長され履帯が5コマ長くなる。これもモデル化する。上部履帯の垂れ下がりがあるし、遊動輪は半コマ分ズレるので、各コマを並べ直すのはそれなりに手間がかかる。一応、最もポピュラーと思われるT54E1をモデル化。ダックビル消去は上述の方法で(取る方が簡単との判断で付けとくのだ)。それ以外の、T62などへのタイプへの変更も、実は案外簡単。基本のパーツ(シュー+エンドコネクター)が出来上がった時点で、変更したいタイプのシューをデザインに挿入し、元のシューと入れ替える(まず交差して、つぎに同じもの(コピぺ)を結合)だけ。説明端折って分かりづらいと思うが、不明点はメール等で問い合わせされたし。

 そのほかの留意点として、ダックビル付きの場合、外側の起動輪を組み込むのが大変。ほとんど知恵の輪状態、ていうか相当無理矢理。でも、やれば出来るので頑張ってね(前回更新画像参照、ただしレジンの質にもよるかな)。



T48はタミヤと同じだけど、ダックビル付きは記録写真でもM10系含め多数見られるよね。

ゴム製T51。他タイプのディテールを消去するだけでなく、ゴム部の厚みを表現する。

T54E2。シェブロンの形状はT62と同じ。ベースの部分がちょいと異なる。

横バーのT49。模型的にはインパクトあるよね。記録写真では、次のT56と同じに見えて、違いが分からない。

同じく横バータイプのT56。T49と比べてどちらが一般的なのかは、よく分からん。1/48なら、どっちでも一緒という気もするな。

HVSSのT80とゴム製T84も修正する。足も取り付ける。修正箇所は後述。

再掲。T54E1ダックビル付き。

再掲。T62ダックビル付き。


 T80については、シェブロンの断面を拡大、エンドコネクターのディテールを改修、各コマの配置を全体的に修正(とくにアイドラーホイル付近)。T84も同じ。また、下記リンクの不具合あればお知らせ願う。なにせ大量なのでチェック漏れあるやもしれず。


■ お持ち帰り

 つうことで、ぜひご活用頂ければ嬉しい限り。なお、各リンクからは直接stlファイルで出力可能。よって、Fusion360は知らなくとも、3Dプリンタさえあれば出力できる。3Dプリンタが無ければ、そのまま3Dプリントサービスのショップに持ち込めばよし。一部再掲あり。

T48ダックビル 左 ダウンロード

T48ダックビル 右 ダウンロード

T49(横バー) 左 ダウンロード

T51(ゴム製) 左 ダウンロード

T51(ゴム製) 右 ダウンロード

T54E1 左 ダウンロード

T54E1 右 ダウンロード

T54E1 シャーマンV 左 ダウンロード

T54E1 シャーマンV 右 ダウンロード

T54E2 左 ダウンロード

T54E2 右 ダウンロード

T56(横バー) 左 ダウンロード

T62 左 ダウンロード

T62 右 ダウンロード

T80(HVSS) 左 ダウンロード

T80(HVSS) 右 ダウンロード

T84(HVSS) 左 ダウンロード

T84(HVSS) 右 ダウンロード

ダックビル単体 ダウンロード



 ※使用上の注意(追加)

  • 起動輪は、内外パーツ同士を接着する前に履帯にはめ込むべし。
  • それでも、ダックビル付きは難易度が高いが、擦り合わせて、履帯を上下に広げると何とかはまる。
  • 予備履帯は、最低数のみなので、Fusion360にてコピペやパターンなどにより、各自必要数を追加されたし。
  • エンドコネクター付き予備履帯は、接地面を接着面とする想定につきモールドなしとなっている。
  • なお、予備履帯はFusion360でパターンのフューチャー編集により数を調整可能。


■ 起動輪 12/4追加

 T54E1とT48に起動輪(外側)を追加し、お持ち帰りファイルを差し替える。というのも、ダックビル付きの場合、起動輪をはめ込むのが相当難しい。それなら、一体で出力しちゃえばいいよね。不要な場合はFusion360にて非表示にされたし。また、起動輪単体のファイルも提供。これ、そのまま任意の履帯のファイルに挿入できる(右舷側はミラーで反転してちょ)。なお、起動輪データは、まだ作成途中であり、お試しプリントもしていない。今後、修正する可能性大(とくにリベット)。



初期のギザギザ型。M3と同じタイプ。

後期のギザギザ型。

後期に見られるリング型。

裏側はキットと同じ形にする。内側の起動輪はキットを使う想定なので。

T54E1にはデフォでギザギザ型を挿入。

T48には丸型。この辺は私の好みで。ま、各自好きなタイプに差し替えられたし。


初期ギザギザ起動輪 ダウンロード

後期ギザギザ起動輪 ダウンロード

リング型起動輪 ダウンロード



 12/5追記。各起動輪のボルトのディテールを修正してファイル差し替え。イージーエイト用のT80とT84を修正して差し替え。シューのサイズをやや拡大、全体の配置も見直し、ピンと張った状態にする。




■ 参考文献

 シャーマンに比べると少ないかな。調べればまだあるかも。文献-5は、割と信頼できそうな三面図や細部図があったり内容充実。


1 Armor At War 7002 D-day tank warfare Concord
2 Armor At War 7027 British Tanks of WW2 (1) France & Belgium 1944 Concord
3 Armor At War 7028 British Tanks of WW2 (2) Holland & Germany 1944-1945 Concord
4 Armor At War 7068 British Armor in Sicily and Italy Concord
5 Mr.Churchill's Tanks The British Infantry Tank Mark IV Schiffer
6 New Vanguard 4 Churchill Infantry Tank 1941-51 Osprey
7 New Vanguard 136 Churchill Crocodile Flamethrower Osprey
8 Wydawnictwo Militaria 315 Churchill Warszawa







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