デファイアント Mk.I エアフィックス 1/72 製作記
2015.10.13初出
![]() |
さてエア・デファイアント、シリーズ通例で外形イメージは大変良好。とりわけ、いかにもマーリン・インサイドってな機首形状は素晴らしい。じつはソードフィッシュと同時着手だけど、あっちが先に出来てしまったのは何故?
|
![]() 事後変形を修正する。手で曲げてから、脚庫パーツとプラバンで戻りを抑え込む。 |
![]() コクピットはストレート。あっという間に「二」の字 |
![]() キャノピ枠を削り落とす。キットはリトラクタブル・フードの上げ下げが選択式。 |
![]() テープをガイドに手製のダブル針(間隔0.3mm)でスジボリ。失敗して余りパーツでテイク2なのだ。 |
窓枠を削ったせいもあり、キャノピがやや低い感じ。キャノピパーツの胴体接合面に0.4mm透明プラバンを流し込み系で接着して嵩上げ。リトラクタブル部は切り離し、ここは嵩上げしない。結果的にスライドフードとの段差も再現できる。
|
![]() 前後桁間のストリンガーは9本が正。確信犯で7本に。これだと半分の半分の半分で位置決め出来るから楽なのだ。 |
![]() ややこしい形状のテンプレートはロボ君が助けてくれる。同じ型でマスキングもできて一石二鳥。 |
|
![]() 風防&スライドフードは嵩上げ済み。この角度から見ると、後部胴体がスッと長くて、案外美人なんだよね。 |
側面図と平面図を準備中。パネルライン、リベットラインの正解はそちらを参照されたし。
さて、デファ。基本は素組みだけど、図面作成でいろいろ調べていると、少々イジリたくなる。以下画像。 |
![]() 修正前。キットは銃塔の少し後ろに胴体最大幅があって、そこで折れ曲がっている(矢印)。 |
![]() 修正後。確証はないけど、最大幅をもう少し前にして、折れ曲がりを緩くする。 |
![]() ムクのクリアパーツだった着陸灯を、プラバンヒートプレス+アルミ板ライトに取り換える。ライトは中央でなく機体中心寄りが正解。残念。 |
![]() 胴体下面のモールドを移動。大楕円、小丸とも後方へ。画像で濃い方がキットのモールド。 |
正面図と断面図を追加。限られた資料で、寸法、形状は推定の部分が多い。レイアウトが苦しいなあ。←最初から考えとけよ
|
![]() 計器盤はキットデカール。一部の白枠線の上に黒を塗ってトーンを落とすけど、まだ目立つな。防弾板後方に斜めフレームを追加。 |
![]() 銃塔内部はキットストレート。銃身は0.8mm真鍮線をロータリーツールで回して金ヤスリでラッパ状に削る。 |
![]() キットのシートにファインモールドのシートベルト。マニュアルの写真では、シートに操縦桿基部がくっついている。 |
![]() これら細部パーツを胴体に組んでみる。クリアパーツも少々磨きを加える。 |
次は塗装だ。
|
![]() 最後方排気管と胴体との離れに注目。 |
![]() 左、スピットMk.I、右、デファイアント。同一縮尺。 |
![]() Cは銃塔回転軸、AC<BCである。ということはAとBの断面はAの方が幅広。 |
![]() 黒線は今回の線。赤線はマニュアルの図をベースにしたときの胴体。排気管との関係に注目。キットは赤線に近い。 |
以上2点を中心に図面を修正してver.2.1とする。表紙の側面図も差し替え。
塗装の詳細。この時期、デファイアントの昼間温帯迷彩は、A、B両スキームが存在し、当機の場合、主翼の塗り分けでBスキームであることが分かる。パターンの詳細は逆光で分からず、他機を参考にする。胴体ラウンデルは40インチのタイプA(青白赤)に3.5インチ程度の黄色フチ。主翼上面は56インチ、下面はおそらく「なし」。ただし同隊で下面ありに見える写真もある(エース本p6、時期違いか?)。フィンフラッシュは横27インチ。同隊のレターは機体によってサイズ、書体が異なる。本機は写真から読み取って高さ27インチ弱。スピナは白/ナイトで、同隊共通。 塗装作業の便を考えカラー図にする。迷彩パターンは他機から大体こんな感じ。Aスキームは左右反転すればよろし。一般的な胴体ラウンデルは42インチA-1タイプである。 |
![]() |
さらにもう一つ。40年8月頃といえば、下面迷彩色「スカイ」の色調が混乱していた時期とビミョーに重なる。ということは、デファイアントのスカイも実は公式なスカイとは違う可能性ありか? 264sqn機の写真の印象ではわりと明るい。とすれば公式スカイかなあ。スカイグレイ(FAA迷彩色)だったりして?? 塗り分け線はわずかに乱れがあって、現地塗装を覗わせる。
|
![]() 窓枠のマスキングはセロテープで。内側もテープでマスクして木工ボンドで胴体に仮止め。 |
![]() 極薄サフを吹いて表面チェック。キットのでかい凹穴ファスナは、ラッカーパテで埋め#5たまぐりを打っている。 |
![]() スピナは後端に0.3mmプラバンを貼って一回り大きく。寸法的にはそのままでもセーフだが、キットのちょい太めの機首にバランスさせるのだ。 |
![]() エルロンとエレベータのリブはインレタ。当機専用のは作ってなくて、長いのを一本ずつ貼っていく。鉛筆の下描きを丁寧にするのが揃えるコツ。 |
ここで、塗装の下地としてのサフを吹き、本番塗装。ダークアースはスピットMk.1やP-40Lと同じレシピ。ビン生#22に黄色2〜3割プラス。ダークグリーンは#330ビン生。 |
![]() ダークアースを吹いて、Mrペタリで迷彩のマスキング。ダークグリーンを吹いたところ。 |
![]() マスクをはがす。ダークアースの色味がちょっと不満。スピ1とビミョーに違うんだよな。調合ミスったか? |
![]() インレタのエルロンリブはこのとおり。リベット穴が大き過ぎて、ちょいとウルサイ感じ。 |
![]() エレベータはキットのモールドの上にインレタで、なかなかよろし。 |
さて、私が愛用するInkscape、このソフトの最大の魅力は無料ということ。タダでこんだけ遊べるなんて、いい世の中になったもんだ。もっとも、本格的に描くならフォトショップが最適だと思う。そういう方は最初からそちらを使う方がいいかも。 |
・基本画面 では、早速Inkscapeを立ち上げよう。アイコンが沢山あるけど、私がよく使うのはこんなもん。他には「保存」や「やり直し」アイコンも頻繁に使うぞ。
・ページ設定、画像の取り込み 以下、デファイアントのカラープロファイルを題材に、図面描き→色塗り→立体表現という流れで進む。最初のステップは、ページの設定。作成する図面はパソコン上で描かれるので、どんな大きさで描いてもいいけど、私の場合はプリンター出力して模型製作に使うことを考え、通常1/48サイズで描いている。デファイアントならA4横に収まるから、「ファイル」→「ドキュメントの設定」でページサイズをA4横に設定する。続いて、図面を描くためのベースとなる画像(写真/図面)の取り込みだ。ここでは自分のイラストを「画像」として取り込み、それをトレースするという設定で話を進める。←変な設定だけど。 取り込みは、「ファイル」→「インポート」で目的の画像ファイルを選択する。下画像は取り込んだところで、画面の下方に表示されたようにLayer1というレイヤー上に画像が置かれている。「目」のアイコンをクリックすると、このレイヤーが非表示になって、画像も表示されない。
・画像の縮小 取り込んだ画像は大きいので、正しい1/48サイズに縮小する。「@選択ツール」で画像をクリックし、点線で囲まれた状態(下画像参照)にして、「オブジェクト」→「変形」→「拡大縮小」とクリック。取り込んだイラストの背後の四角がA4ページである。
・レイヤーの設定 図面を描くレイヤーを設定する。「Pレイヤー」アイコンで、レイヤーのウィンドウを表示。取り込み画像のあるLayer1をロック(鍵アイコンをクリック)、「+」アイコンで側面図を描くレイヤー「side」を新規作成し、アクティブ状態(青表示)にする。
・アウトラインの入力 次に、ペンツールを選択。アウトラインの始点(下画像の「□」)で左クリック。次の点でまたクリックし、順次折れ線をつないでいく。ぐるっと一回りして始点の□をクリックすると、線が閉じて多角形の図形ができる。後で編集できるからテキトーでいい。閉じていない線分/折れ線にする場合は、終点でダブルクリック。なお、下画像は分かりやすくするため、取り込み画像レイヤーを50%透明にしている。※ もし図形が塗りつぶされた状態なら、図形を「選択」して「Nオブジェクトの線/塗りの編集」で「フィル」→「×(塗りなし)」、「ストロークの塗り」→「単一色」とクリックすれば、外形線だけの図形になる。同じ作業は、shiftを押しながら「Fパレット」の任意の色をクリック、shiftを押さずにパレットの×をクリックでも可能。
※ 「I画面の拡大/縮小」で適宜画面サイズを変更すると作業しやすい。ctrlキー+マウスのスクロールでも可能。このように、ショートカットを覚えると作業が早くなる。
※ 差分は下にある図形から上にある図形を切り取る(Kオブジェクトの順序で変更する)。一度に2つの図形は切り抜けない。など、使い方にはクセがあるけど、慣れると「統合」とあわせて便利な機能だ。
※ 「Rインクスケープの設定」→ツールの左の「+」→ペン(パス)で「最後に使用したスタイル」にしておくと、いちいち点線に変更しなくて済む。あるいはコピペして変形するか。
|
今回ここまで。次回は色塗り。
マーキングの前に、左翼端の塗り分けの形が気に入らず修正。塗膜の段差をペーパーで均して、ダークアース→ダークグリーンと吹き直す。次に下面。スカイはシーファ47で使ったもの。レシピは#26ダックエッググリーンと#128灰緑色を3:1。シーファの時は狙ったとおりの色味と思ったけど、緑/茶迷彩とペアになるとまだ黄緑味が強い感じがする。色って難しい。 引き続きマーキング。今回は白→黄→青→赤→灰(レター)の順番。使用色はスピIaと同じ。各色塗る毎に十分な乾燥時間をおくのが望ましいが、お気楽モードなのでドライヤーで強制乾燥させてサクサク進める。胴体ラウンデルは、赤丸とパネルラインの関係を基準に位置決めして塗る。ところが、塗り終わってよくよく図面と見比べると、キットのパネルラインの位置が図面とズレていて、その結果ラウンデルも・・・。黄色もちょい幅が広過ぎたかな。ううむ、気付かなかったことにしよう。 ラウンデル各色塗り終えたら、ガイアのフラットクリアをしっかり吹き、マスク境の段差をペーパーで均す。案の定、黄色のエッジに下地の白が出てきて、再びマスクして面相筆タッチアップ。レターはカッティングマシーン。例により微妙に歪むので、試し切りを見ながらデータを補正する。始点と終点を離すのがミソ。胴体の赤丸と主翼の毒ガス検知シートのみデカール。乾燥後、再びフラットクリア。 |
![]() 上面をマスクして下面にスカイ。そして全体にフラットクリア。これは後の研ぎ出しで迷彩塗装を防護するため。 |
![]() 白のマスキング。主翼ラウンデルには白は塗らず、直接青赤を塗る。にじみ出し防止にマスク境にフラットクリア。 |
![]() 胴体と尾翼にGX1クールホワイト。白をマスクして白の上に黄色。 |
![]() 黄と白をマスクして青。胴体の黄と青、主翼の青赤、尾翼の赤白青は突合せ塗装とする。 |
![]() 最後に赤。胴体の赤丸はデカールにする。スピナ、ターレットも合間に塗装。左翼端部のパターンは修正済み。 |
![]() レターはカッティングシートでマスク。まず、位置決め。 |
![]() 位置決めのシートに合わせて本チャンのシートを貼ってフラットクリア。 |
![]() マーキング塗装終了。デカールも貼る。 |
|
・迷彩塗装 色塗りレイヤーを新規作成し、着色したオブジェクトを置いていく。1つのオブジェクトに色は1つだけ。上面迷彩はどっちが上でもいいんだけど、ベタのダークグリーンの上にダークアースを乗せる。ダークアースのオブジェクトは、「パス」→「統合」で一つにまとめると、後の調整作業が楽になるね。Nオブジェクトの線/塗りの編集ウィンドウを開き、境界をわずかにぼかす。色味はHSL(色相、彩度、明度)の数字をいじくって調整する。カラーチャート等のサイトから欲しい色を画像として取り込み、スポイトツールで取り込む(または16進数のRGB値を直接入力)という手もあるぞ。※ 画像は、外形&パネルライン、リベット、ファスナのレイヤーを「ロックして表示」している。
・マーキング ラウンデルは、円/弧ツール。「オブジェクト」→「変形」でサイズを合わせる。40インチなら、40×25.4÷48で21.17mmだから、幅と高さに21.47mmを入力。逆に、写真をトレースしてサイズを測ることもできる。
・マスキング 迷彩の描画オブジェクトは、思いっきりはみ出してる。ぼかしが入ってないオブジェクトなら、外形ピッタリにしてもいいけど(ターレットや尾輪)、ぼかしがあると境界に下地が表れてしまうからだ。これはその上にはみ出しを隠すレイヤーを置くことで解決。下画像のように、黄長方形から赤図形を差分で切り抜くと、はみ出しを隠すオブジェクト(黄色)ができる。もちろん、最終的に黄色を白(あるいは好みの背景色)に変える。赤図形はアウトライン線図のオブジェクトをコピーし、アンテナや尾輪などを統合したもの。
|
今回ここまで。次回は光と影による3D表現。
|