デファイアント Mk.I エアフィックス 1/72 製作記

2015.10.13初出

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完成画像






■ はじめに

 飽きもせずエア赤箱。なぜこればっか続くのか自分でも分からない。あえて言うなら、マニアックな機種選択と低価格で思わず購入、仮り組みで「らしさ」にグッときて、気が付きゃ組み始めてるんだな。ユルい細部も逆に「お気楽でいいや」という安心感の誘い込みで。
 さてエア・デファイアント、シリーズ通例で外形イメージは大変良好。とりわけ、いかにもマーリン・インサイドってな機首形状は素晴らしい。じつはソードフィッシュと同時着手だけど、あっちが先に出来てしまったのは何故?  


■ 組み立て

 基本は素組み。購入したキットは翼下面中央部が事後変形しており、1mmプラバンを貼って矯正。主翼フィレットが主翼パーツ側にあって、ちょっと変わった設計だけど、胴体との合わせはそれほど悪くない。フィレットが胴体より幅広になるよう、擦り合わせに気を使うと後の作業が楽になる。フィレット後半のボリューム感がやや不足で、胴体との分割ラインも下にズレてるが修正しない。主翼後縁はかなり厚く、モールドを無視して180番ペーパーで削り、ついでに全体を一皮剥くようにサンディングしてスジ彫りを細くする。クリアパーツは例によりヌルいモールド。削り落とす。



事後変形を修正する。手で曲げてから、脚庫パーツとプラバンで戻りを抑え込む。

コクピットはストレート。あっという間に「二」の字

キャノピ枠を削り落とす。キットはリトラクタブル・フードの上げ下げが選択式。

テープをガイドに手製のダブル針(間隔0.3mm)でスジボリ。失敗して余りパーツでテイク2なのだ。


 窓枠を削ったせいもあり、キャノピがやや低い感じ。キャノピパーツの胴体接合面に0.4mm透明プラバンを流し込み系で接着して嵩上げ。リトラクタブル部は切り離し、ここは嵩上げしない。結果的にスライドフードとの段差も再現できる。


■ スジボリ&リベット

 十の字の前に、消えたスジボリの再生とリベット打ち。パネルラインの位置はキット任せ。足りないラインは追加。一部ラインの位置がビミョーに違うところは無視。リベットラインは手抜きで密なストリンガーを間引く。胴体のダブルラインはダブル針0.6mm。手数半分で間隔も揃う。



前後桁間のストリンガーは9本が正。確信犯で7本に。これだと半分の半分の半分で位置決め出来るから楽なのだ。

ややこしい形状のテンプレートはロボ君が助けてくれる。同じ型でマスキングもできて一石二鳥。



■ 士の字

 ここで、胴体と主尾翼を接着。合わせ目を溶きパテ処理。



風防&スライドフードは嵩上げ済み。この角度から見ると、後部胴体がスッと長くて、案外美人なんだよね。


 側面図と平面図を準備中。パネルライン、リベットラインの正解はそちらを参照されたし。


■ 図面 10/19追加

 リベット打ちのために図面を描くうち、だんだん本気になってくるという、サーブB-17と同じパターン。とはいえ、機体寸法は確証なし。ステーション・ダイヤグラムは不明で、文献-2に全長がMk.Iで35ft3.9in、Mk.IIで35ft10.3in、全幅39ft4in(両型とも)との記述があるのみ。この手のデータがあてにならないことは、当頁の読者なら先刻ご承知のとおりだが、他に頼るものはなく一応これに従う。ちなみにキットもこの寸法。


  • 側面形は一応実機写真をトレース。ただし、遠方・真横・鮮明という好条件の写真がなく、全体形は遠方真横だけど不鮮明という空撮写真。現存機写真は博物館で近距離から撮影されたもののみで、外形把握には使えない。細かい位置決めは、近いか斜めかでパースのついた写真を適当に組み合わせ、ディテールは現存実機のクローズアップ。 こうして図形を起こし、側面・平面・断面の辻褄を合わせるように微修正していくと、最終的に1つの形に収束していく。まあ、この程度の精度と思って見ていただければ幸い。

  • Mk.IIはマーリンXX換装に伴い機首が延長される。このあたりハリケーンMk.IIとよく似た経緯。その他II型はプロペラがロートル製金属(そうでない機体もありか?)になりスピナも延長(たぶん)ペラ直径増大(デハとも直径の数値は不明)。また、キャブレターインテイクとラジエータが大型化、フィッシュテイル排気管(スピットのそれとは微妙に形が違う)へ変更。インテイクはさらに下方に拡大したバリエーションあり。

  • 主尾翼平面形は、文献-3にあるほぼ真上からの空撮写真で確認すると、キットや既存図面の形状で正しいようだ。胴体平面形に関しては、少なくともマーリンエンジンと銃塔の幅はクリティカルポイント。排気管の位置・幅やペラとの間隔は、寸法的な確度の高いスピットMk.Iをコピー。

  • 翼型は「The Incomplete Guide to Airfoil Usage」というサイトによれば、NACA M-6 modとのこと。modなしのNACA M-6の形状をWebで調べると、クラークY(ハリケーン、Yak1〜9など)とよく似た形。mod(改変)がどの程度かは不明。図面はmodなしで。翼厚比も不明で、図面は単なる写真の印象から付け根16%、翼端10%とする。取り付け角も不明。キットは概ねゼロで、写真の印象にも合ってるから、図面も0°とする。ねじり下げも同様の理由で「なし」とする。

  • 胴体側面、主尾翼上面のパネルライン、リベットラインは現存機写真からほぼ明らか。一方、下面のパネルライン、リベットラインはほとんど不明。文献-1、2の図面を「参考」にする。ただし、フラップのリブは訂正している。

  • カウル側面及び下面のファスナの数と配置は概ね実機どおり。ただし上部は確証なし。フィレットのファスナとリブは、あるのは確かだけど数は不明で図面はかなりテキトー。乗降ステップ、足踏板、胴体側面の手掛けは左舷のみ。

  • 文献-2にMk.IIはラダー面積がわずかに増えたという記述があるが、写真ではその差が確認できず。

  • 後方キャノピの窓は左右で異なることに注意。スライドキャノピの窓は、Bf109のように前側ガラスがスライドして開く。天井の窓も同じ模様。

  • 銃塔後方の胴体上部は羽布張りのようだ。リブは大体こんな感じ。航法灯基部とその前方の四角パネルは金属の模様。





■ あちこち修正 11/1追加

 はや11月。先月は東西の展覧会にお邪魔して、刺激とパワーと「おみやげ」を頂いた。感謝。名人秘伝の技も教えていただき、そのうち当頁でもご披露したい。

 さて、デファ。基本は素組みだけど、図面作成でいろいろ調べていると、少々イジリたくなる。以下画像。



修正前。キットは銃塔の少し後ろに胴体最大幅があって、そこで折れ曲がっている(矢印)。

修正後。確証はないけど、最大幅をもう少し前にして、折れ曲がりを緩くする。

ムクのクリアパーツだった着陸灯を、プラバンヒートプレス+アルミ板ライトに取り換える。ライトは中央でなく機体中心寄りが正解。残念。

胴体下面のモールドを移動。大楕円、小丸とも後方へ。画像で濃い方がキットのモールド。



■ 図面修正&追加

 さる方面のご厚意により、デファイアントIIの全般的マニュアルとI及びII型共通の補修マニュアルを入手(毎度感謝)。マニュアルの図がどこまで実物の形状を正確に表しているかがやや疑問だが、かなりの程度正しいものとして(もちろん、実機写真等の他ソースからマニュアル図の違いが分かったものについてはその限りでない)、図面を全面的に改修しver.2.0とする。


  • 全長はマニュアルの数値、機首、キャノピ、銃座、主翼、尾翼のバランスは遠方横のWW2実機写真(PS◎A)に合わせる。

  • 胴体長(防火壁から垂直安定板後端まで)もII型マニュアルの数値、、フレーム位置はマニュアルの図を前述胴体長に合わせてトレース。ターレットの回転中心も同図に記入されており、これに従う。ただし、Iの胴体長は不明で、IとIIで違う可能性もある。

  • スピナ、キャノピ、銃座等の形状、サイズは様々な実機写真の寄せ集め。スラストライン、スピナ後端、排気管の位置関係はスピットMk.Iと同じとする。

  • 主翼内外翼のスパン、コード、水平尾翼のスパン、コードはマニュアルの数値。また、主翼、水平・垂直尾翼のフレーム配置はマニュアルの構造図をトレース(この図にインチ表示はない)。

  • エルロン、ラダー、エレベータの形状、リブ配置はマニュアル構造図。主翼取付角は1.25度。内翼上反角1度8分、外翼上反角5度20分(いずれも翼基準線)。

  • 外翼付け根の翼厚は、マニュアルに数値がなく悩ましい。正面からの写真の印象で内翼は翼厚比一定、外翼で初めて翼厚比が変化するという翼にする。

  • フィレットが悩ましく、現存機では以前の図面のように後端がパネルラインを越えるのだが、当時の記録写真ではラインのところまで。まあ、現存機もバリエーションの一部なのかも。ともかく、キットはかなり短い。作品は知らんぷりを決め込む。




 正面図と断面図を追加。限られた資料で、寸法、形状は推定の部分が多い。レイアウトが苦しいなあ。←最初から考えとけよ


  • 胴体断面形はマニュアルにある様々な図や写真をトレース。同じ断面で形状が違う図面もあり、 どこまで信用できるかはやや疑問。そのあたり作者の推測も入る。さらに前後方向から撮影した実機写真で修正。

  • 胴体最大幅はマニュアルより43.5"で、これは側面写真の銃塔直径からも間違いない。機首断面Bの寸法・形状は文献-2の写真トレースで精度がよい。

  • 防火壁(断面図C)の幅が悩ましい。実機写真の印象や排気管の見え方の辻褄が合う幅を平面図上で試行錯誤で推測する。マニュアルの図面とは少々異なるが、逆にマニュアル図の幅で作図すると写真の印象と異なる。断面形状は写真のトレース。まあ、こういう決め方なので精度はそれなり。

  • 機首上面は単純な円弧でなく、わりと平たい。コクピット付近の肩の面も平たい。後部胴体断面I、Jの下半分はマニュアルの写真・図から。上半分は実機写真を参考にする。断面Lは確証ないものの、I、Jの幅と高さを平面図、側面図に合わせたもの。LからMにかけて、スピットのように幅が絞り込まれる。←キットもちゃんと再現。





■ 細部 11/14追加

 塗装前に済ませておきたい細部工作を終わらせる。以下画像で。



計器盤はキットデカール。一部の白枠線の上に黒を塗ってトーンを落とすけど、まだ目立つな。防弾板後方に斜めフレームを追加。

銃塔内部はキットストレート。銃身は0.8mm真鍮線をロータリーツールで回して金ヤスリでラッパ状に削る。

キットのシートにファインモールドのシートベルト。マニュアルの写真では、シートに操縦桿基部がくっついている。

これら細部パーツを胴体に組んでみる。クリアパーツも少々磨きを加える。


 次は塗装だ。


■ 図面再修正

 どうにも排気管の見え方、胴体との離れに依然として違和感。スピットMk.Iの排気管を改めて検証し、再度胴体平面形を見直す。その結果、前回修正よりさらに防火壁付近の幅を狭める。また、銃塔の胴体への食い込み具合をよく見ると、銃塔中心より食い込みラインの方がやや後方にある。これはすなわち、銃塔付近では胴体が前広がり→銃塔より前で胴体の尾部への絞り込みが始まる、ということ。



最後方排気管と胴体との離れに注目。

左、スピットMk.I、右、デファイアント。同一縮尺。

Cは銃塔回転軸、AC<BCである。ということはAとBの断面はAの方が幅広。

黒線は今回の線。赤線はマニュアルの図をベースにしたときの胴体。排気管との関係に注目。キットは赤線に近い。


以上2点を中心に図面を修正してver.2.1とする。表紙の側面図も差し替え。

  • 後部胴体斜め下方(5時7時)を前後に走るパネルライン。マニュアルの写真を見ると、この場所にはストリンガーがなく、外板の継ぎ目だけがある。ストリンガー自体はほぼ等間隔に並んでいる。

  • 後部胴体真下のパネルラインは左右別々に作られる後部胴体側板の接合ラインでもある。ストリンガーは片側9本(上下端を除く)。





■ 塗装考証 11/19追加

 昼間迷彩にすることは製作開始から決めてある。しかし、どの塗りも似たり寄ったり。あまり人とカブらないのがいいかな。実機写真はあった方がいいな。ということで、イレギュラーなラウンデルが面白い第264スコードロン所属、D.ホイットレイ少尉のPS-H/L7021を選択する。エース本p27に、バトルオブブリテンさ中の1940年8月、ホーンチャーチにおける右舷後方からの写真がある。

 塗装の詳細。この時期、デファイアントの昼間温帯迷彩は、A、B両スキームが存在し、当機の場合、主翼の塗り分けでBスキームであることが分かる。パターンの詳細は逆光で分からず、他機を参考にする。胴体ラウンデルは40インチのタイプA(青白赤)に3.5インチ程度の黄色フチ。主翼上面は56インチ、下面はおそらく「なし」。ただし同隊で下面ありに見える写真もある(エース本p6、時期違いか?)。フィンフラッシュは横27インチ。同隊のレターは機体によってサイズ、書体が異なる。本機は写真から読み取って高さ27インチ弱。スピナは白/ナイトで、同隊共通。

 塗装作業の便を考えカラー図にする。迷彩パターンは他機から大体こんな感じ。Aスキームは左右反転すればよろし。一般的な胴体ラウンデルは42インチA-1タイプである。  






■ 迷彩の謎

 左右鏡像の迷彩スキーム、264スコードロン所属機ではシリアル末尾偶数がAスキーム、奇数がBスキとなっている。悩ましいのがPS-X機で、キノコ本ではL7006のAスキ、オスプレ本ではL7005でAスキ。写真ではどっちか分かりづらいが、主翼上面や尾翼付近の印象ではAスキかな。ということはシリアルはL7006の可能性大。ただし、N3333でAスキ、N1564でBスキというのがあって、ある時期から反対になったのか?(264sqnで確認できたのはL7006からN1536まで)

 さらにもう一つ。40年8月頃といえば、下面迷彩色「スカイ」の色調が混乱していた時期とビミョーに重なる。ということは、デファイアントのスカイも実は公式なスカイとは違う可能性ありか? 264sqn機の写真の印象ではわりと明るい。とすれば公式スカイかなあ。スカイグレイ(FAA迷彩色)だったりして?? 塗り分け線はわずかに乱れがあって、現地塗装を覗わせる。


■ 塗装準備

 いざ塗装に進む。小物は後回しじゃ。以下画像で。



窓枠のマスキングはセロテープで。内側もテープでマスクして木工ボンドで胴体に仮止め。

極薄サフを吹いて表面チェック。キットのでかい凹穴ファスナは、ラッカーパテで埋め#5たまぐりを打っている。

スピナは後端に0.3mmプラバンを貼って一回り大きく。寸法的にはそのままでもセーフだが、キットのちょい太めの機首にバランスさせるのだ。

エルロンとエレベータのリブはインレタ。当機専用のは作ってなくて、長いのを一本ずつ貼っていく。鉛筆の下描きを丁寧にするのが揃えるコツ。


 ここで、塗装の下地としてのサフを吹き、本番塗装。ダークアースはスピットMk.1やP-40Lと同じレシピ。ビン生#22に黄色2〜3割プラス。ダークグリーンは#330ビン生。



ダークアースを吹いて、Mrペタリで迷彩のマスキング。ダークグリーンを吹いたところ。

マスクをはがす。ダークアースの色味がちょっと不満。スピ1とビミョーに違うんだよな。調合ミスったか?

インレタのエルロンリブはこのとおり。リベット穴が大き過ぎて、ちょいとウルサイ感じ。

エレベータはキットのモールドの上にインレタで、なかなかよろし。



■ お絵かき講座 11/24追加

 当頁のカラーイラスト、とても人に語れるレベルではないのは重々承知してるけど、これから描いてみようという方の何かの足しになれば幸いということで、私の描き方を紹介したい。ま、あくまで「私はこうしている」というだけで「こうすべき」ではないので、軽く読み流してほしい。また、かなり端折った説明で分かりづらいだろうから、適宜使い方解説サイトなどを参照されたい。「Inkscapeの使い方」などで検索すれば多数ヒットする。

 さて、私が愛用するInkscape、このソフトの最大の魅力は無料ということ。タダでこんだけ遊べるなんて、いい世の中になったもんだ。もっとも、本格的に描くならフォトショップが最適だと思う。そういう方は最初からそちらを使う方がいいかも。


・基本画面

 では、早速Inkscapeを立ち上げよう。アイコンが沢山あるけど、私がよく使うのはこんなもん。他には「保存」や「やり直し」アイコンも頻繁に使うぞ。

・ページ設定、画像の取り込み

 以下、デファイアントのカラープロファイルを題材に、図面描き→色塗り→立体表現という流れで進む。最初のステップは、ページの設定。作成する図面はパソコン上で描かれるので、どんな大きさで描いてもいいけど、私の場合はプリンター出力して模型製作に使うことを考え、通常1/48サイズで描いている。デファイアントならA4横に収まるから、「ファイル」→「ドキュメントの設定」でページサイズをA4横に設定する。

 続いて、図面を描くためのベースとなる画像(写真/図面)の取り込みだ。ここでは自分のイラストを「画像」として取り込み、それをトレースするという設定で話を進める。←変な設定だけど。 取り込みは、「ファイル」→「インポート」で目的の画像ファイルを選択する。下画像は取り込んだところで、画面の下方に表示されたようにLayer1というレイヤー上に画像が置かれている。「目」のアイコンをクリックすると、このレイヤーが非表示になって、画像も表示されない。

・画像の縮小

 取り込んだ画像は大きいので、正しい1/48サイズに縮小する。「@選択ツール」で画像をクリックし、点線で囲まれた状態(下画像参照)にして、「オブジェクト」→「変形」→「拡大縮小」とクリック。取り込んだイラストの背後の四角がA4ページである。

・レイヤーの設定

 図面を描くレイヤーを設定する。「Pレイヤー」アイコンで、レイヤーのウィンドウを表示。取り込み画像のあるLayer1をロック(鍵アイコンをクリック)、「+」アイコンで側面図を描くレイヤー「side」を新規作成し、アクティブ状態(青表示)にする。

・アウトラインの入力

 次に、ペンツールを選択。アウトラインの始点(下画像の「□」)で左クリック。次の点でまたクリックし、順次折れ線をつないでいく。ぐるっと一回りして始点の□をクリックすると、線が閉じて多角形の図形ができる。後で編集できるからテキトーでいい。閉じていない線分/折れ線にする場合は、終点でダブルクリック。なお、下画像は分かりやすくするため、取り込み画像レイヤーを50%透明にしている。

※ もし図形が塗りつぶされた状態なら、図形を「選択」して「Nオブジェクトの線/塗りの編集」で「フィル」→「×(塗りなし)」、「ストロークの塗り」→「単一色」とクリックすれば、外形線だけの図形になる。同じ作業は、shiftを押しながら「Fパレット」の任意の色をクリック、shiftを押さずにパレットの×をクリックでも可能。

 折れ線の図形の形を整える。「Aノードツール」(下画像赤丸)で線の中間をドラッグすると直線が曲線になる(これをベジェ曲線という)。形の調整はノードから出たハンドルをドラッグ。ノードそのものをドラッグするとノード位置が変わる。下画像@ノードの編集はノードの追加・削除・接合・分離。Aノードの属性は、シャープに折れ曲がるかスムーズに曲がるか。B線の属性は直線か曲線か。

※ 「I画面の拡大/縮小」で適宜画面サイズを変更すると作業しやすい。ctrlキー+マウスのスクロールでも可能。このように、ショートカットを覚えると作業が早くなる。

 こうして出来たのが下画像。各ノードの配置、シャープ(◇)/スムーズ(□)などを見ていただきたい。コツは、ノードは出来る限り少なくすること。下画像もオイルクーラー中央の◇は不要だな。線の太さ、種類は右の「オブジェクトの線/塗りの編集」ウィンドウで変更できる。

 窓などは、B矩形ツールが便利。下画像のように1枚ずつ描いてもいいし、大きな四角形から窓枠の部分を「パス」→「差分」 で抜いてもいいね。窓の位置を揃えるなんてときは、Qオブジェクト/ノードの整列で。ノード表示にすればノードも整列できる。

※ 差分は下にある図形から上にある図形を切り取る(Kオブジェクトの順序で変更する)。一度に2つの図形は切り抜けない。など、使い方にはクセがあるけど、慣れると「統合」とあわせて便利な機能だ。

 線画ができたら、レイヤーを変えてリベット、さらに別レイヤーでファスナも描く。レイヤーを変えるのはその方が後で便利だから。点線はおなじみ「Nオブジェクトの線/塗りの編集」で。

※ 「Rインクスケープの設定」→ツールの左の「+」→ペン(パス)で「最後に使用したスタイル」にしておくと、いちいち点線に変更しなくて済む。あるいはコピペして変形するか。



 今回ここまで。次回は色塗り。


■ マーキング 11/30追加

 明日は師走か。早いのう。

 マーキングの前に、左翼端の塗り分けの形が気に入らず修正。塗膜の段差をペーパーで均して、ダークアース→ダークグリーンと吹き直す。次に下面。スカイはシーファ47で使ったもの。レシピは#26ダックエッググリーンと#128灰緑色を3:1。シーファの時は狙ったとおりの色味と思ったけど、緑/茶迷彩とペアになるとまだ黄緑味が強い感じがする。色って難しい。

 引き続きマーキング。今回は白→黄→青→赤→灰(レター)の順番。使用色はスピIaと同じ。各色塗る毎に十分な乾燥時間をおくのが望ましいが、お気楽モードなのでドライヤーで強制乾燥させてサクサク進める。胴体ラウンデルは、赤丸とパネルラインの関係を基準に位置決めして塗る。ところが、塗り終わってよくよく図面と見比べると、キットのパネルラインの位置が図面とズレていて、その結果ラウンデルも・・・。黄色もちょい幅が広過ぎたかな。ううむ、気付かなかったことにしよう。

 ラウンデル各色塗り終えたら、ガイアのフラットクリアをしっかり吹き、マスク境の段差をペーパーで均す。案の定、黄色のエッジに下地の白が出てきて、再びマスクして面相筆タッチアップ。レターはカッティングマシーン。例により微妙に歪むので、試し切りを見ながらデータを補正する。始点と終点を離すのがミソ。胴体の赤丸と主翼の毒ガス検知シートのみデカール。乾燥後、再びフラットクリア。



上面をマスクして下面にスカイ。そして全体にフラットクリア。これは後の研ぎ出しで迷彩塗装を防護するため。

白のマスキング。主翼ラウンデルには白は塗らず、直接青赤を塗る。にじみ出し防止にマスク境にフラットクリア。

胴体と尾翼にGX1クールホワイト。白をマスクして白の上に黄色。

黄と白をマスクして青。胴体の黄と青、主翼の青赤、尾翼の赤白青は突合せ塗装とする。

最後に赤。胴体の赤丸はデカールにする。スピナ、ターレットも合間に塗装。左翼端部のパターンは修正済み。

レターはカッティングシートでマスク。まず、位置決め。

位置決めのシートに合わせて本チャンのシートを貼ってフラットクリア。

マーキング塗装終了。デカールも貼る。



■ お絵かき講座 その2

 講座の2回目は色塗り。


・迷彩塗装

 色塗りレイヤーを新規作成し、着色したオブジェクトを置いていく。1つのオブジェクトに色は1つだけ。上面迷彩はどっちが上でもいいんだけど、ベタのダークグリーンの上にダークアースを乗せる。ダークアースのオブジェクトは、「パス」→「統合」で一つにまとめると、後の調整作業が楽になるね。Nオブジェクトの線/塗りの編集ウィンドウを開き、境界をわずかにぼかす。色味はHSL(色相、彩度、明度)の数字をいじくって調整する。カラーチャート等のサイトから欲しい色を画像として取り込み、スポイトツールで取り込む(または16進数のRGB値を直接入力)という手もあるぞ。

※ 画像は、外形&パネルライン、リベット、ファスナのレイヤーを「ロックして表示」している。

・マーキング

 ラウンデルは、円/弧ツール。「オブジェクト」→「変形」でサイズを合わせる。40インチなら、40×25.4÷48で21.17mmだから、幅と高さに21.47mmを入力。逆に、写真をトレースしてサイズを測ることもできる。

 レター作成は、矩形ツールが便利。「H」なら同じ幅の長方形3つの位置を揃えて統合。「S」はこんな具合に角丸長方形2つと長方形1つの差分でSの片割れを作り、コピーして回転して統合する。揃えるにはQオブジェクトの整列が便利。また、矢印キー、あるいはshift+矢印キーで微調整もできる。

 その他、窓、排気管、機銃などの細部も作る。図面で作成した線画を、コピー(Ctrl+C)→同じ位置に貼り付け(Ctrl+Alt+V)、場合により統合、差分などして、うまく活用すると楽だ。こうして出来た色塗りレイヤーが下画像。このレイヤーは一番下に置く。

・マスキング

 迷彩の描画オブジェクトは、思いっきりはみ出してる。ぼかしが入ってないオブジェクトなら、外形ピッタリにしてもいいけど(ターレットや尾輪)、ぼかしがあると境界に下地が表れてしまうからだ。これはその上にはみ出しを隠すレイヤーを置くことで解決。下画像のように、黄長方形から赤図形を差分で切り抜くと、はみ出しを隠すオブジェクト(黄色)ができる。もちろん、最終的に黄色を白(あるいは好みの背景色)に変える。赤図形はアウトライン線図のオブジェクトをコピーし、アンテナや尾輪などを統合したもの。

 以上の作業成果を重ねると下のような状態になる。

 今回ここまで。次回は光と影による3D表現。



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