デファイアント Mk.I エアフィックス 1/72 製作記 その2

2015.10.13初出

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■ 脚とプロペラ 12/6追加

 このキット、車輪が小さい。レジンパーツも出ているようだが、手元になくサイズは不明。ケミウッドをミニルータで削って自作する。実機写真から計算すると、1/72実寸で直径11mm弱、厚さ4mm弱。やり方はシーファイア47で紹介したとおり。ケミウッドに2mmの穴をあけ、真鍮棒を接着。おおまかな形はノコギリ、ナイフで。ルータにかませて#180ペーパーで寸法出し。スプレーブースの前で作業して盛大に出る粉を排出。ホイルなどのディテールは、ノミやケガキ針の出番。左手でルータをしっかり持ち、右手を左手に乗せてブレないよう固定。ノミ等は回転体に垂直に当てる。最後に#600程度のペーパーで表面を均す。

 脚柱も自作。丁度よい太さのプラ材を探して、ファインモールドのシートベルトのABS樹脂ランナーを使う。これもルータで削ってディテール表現。



切削終了。タイヤに比してホイルの直径が小さいのが特徴。ホイールのディテールが左右で違うな・・(汗)。手前はキットパーツ。

タイヤに刺した0.6mm真鍮線に、フォーク(キット)、オレオ、脚柱を通していく。右はキットパーツ。

ディテールを追加。トルクリンクは0.3mmプラバンと延ばしランナー。他はキット。左が左舷主脚。右が右舷主脚。

プロペラは平面形(画像左)はよいが、正面形(というのか知らんが)の前縁カーブの形が悪い。画像右は修正済み。



■ お絵かき講座 その3

 講座の3回目は光と影のグラデーションで立体的に見せる。CGイラストというと聞こえはいいが、やってることは極めてアナログ。光と影のメカニズムについては、FM2ワイルドキャットの項に記載しているので、参照されたし。


・陰影づけ

 胴体断面の丸みを表現するため、胴体下半に黒のグラデーションをかける。矩形を黒く塗り、「フィル」→「線形グラデーション」を指定。Aノードツールをクリックすると、グラデーションの始点(□)と終点(○)が現れるので、ドラッグして調整。不透明度を40%にする。スピナは別オブジェクトにする。機首の陰影がイマイチだが、一方向の直線的なグラデーションしか設定できないので仕方ない。

 次に、影をつける。機体の左舷上方60度やや前方寄りに光源があると想定したときの影を描く。光源が真上だと、排気管の影が下まで伸びて絵として不自然になるのだ。境界をややぼかし、不透明度40%とする。

 さらに、-30〜-60°の面(以下、面に垂直な線が水平面となす角度で表す。)および90〜80°の面に黒をぼかす。

・ハイライトづけ

 上半は白のぼかしを薄く3層重ねて、45°が最も明るく、90°と0°に向かって暗くなっていくグラデーションをかける。そのためまず、80〜10°の面に白をぼかす。下画像は見やすいように背景をダークグレイとしたもの。ぼかし、不透明度の数値は画像参照。

 次に2層目の65〜25°に白ぼかし。また、-80〜-90°に薄くぼかしをいれて、下端の丸みを強調する。

 さらに50〜40°にハイライトを加える。曲率が小さいところは面積は狭いがハイライトは強い。逆に曲率が大きいところは面積は広くハイライトが弱い。これらを考慮して、各オブジェクトの不透明度とぼかしを調整する。アッパーカウルがシリンダーヘッド前端に向かって角が立ってくる部分は、本機の外形上のポイント。しっかり表現したい。ここを強調するハイライトのオブジェクトを追加作成して被せる(下画像では明示されてないけど)。

 また、このハイライトのぼかし具合で、塗装のツヤが表現できる。大きくぼかすと艶消し。小さくしていくと光沢度が上がってくる。

・フィレット

 主翼フィレットが胴体から突き出ているように見せるには、ちょっと工夫が必要だ。フィレットの形のオブジェクトを用意し、1つは画像黄色のように前端をグラデーションでフェードアウトさせ不透明度5%で薄く被せる。これは胴体とフィレットの境界の折れ線の表現となる。黄色は説明のためで、もちろんイラストでは白。もう1つは後縁エッジを表現するため、青のようにグラデーションをかける。この不透明度は20%。境界をぼかさないことでエッジを表現する。

 そして、フィレットが胴体から主翼に凹カーブしている表現として、主翼境付近に白をぼかす。  

 以上の作業を重ね合わせると、このようになる。レイヤーの順番は、下から色塗り、影、ハイライト&フィレット、マスキング、ファスナ、リベット、外形&パネルライン。これだけの作業でも、なんとなく立体的に見えてくれる。ただ、よく見るとターレット、排気管の立体感に乏しく、垂直尾翼は平板、ラジエータ後方も変な感じ。

 今回ここまで。次回は3D表現の深化。


■ 小物取り付け 12/16追加

 キャノピ、脚、プロペラなどを塗装して接着していく。脚部の塗装がよく分からない。主脚収容部は手元資料では全く不明で、素直にインストに従い銀とする。脚柱は、インストでは黒。ナイト塗装機で黒に見えるものもあるが、264Sqn機の写真では操作ロッドを含め銀に見える。脚カバー内側が悩ましく、銀の可能性もありうるが、前述写真で外側と同じ色に見えるのでスカイとする。ホイルは銀でよいだろう。プロペラはスピナで使ったナイト。



脚引き込みロッドは、中央の三角をキットから切り出し、中をくり抜く。あとは延ばしランナー。ブレーキラインも追加。

タイヤカバーはタイヤに、脚柱カバーはタイヤカバーと主翼に接着。1/72だから、こういう作りでいいのだ。

プロペラ先端は例により作り置きインレタ。排気管はキット。機首幅が広いため、スピナが小さく見える。

0.6mm洋白線をルーターで削ってピトー管。無塗装。



■ ウェザリング

 いつもの水溶きウェザマスでウォッシング。チッピングは、文献-1にあるナイト塗装機を真似する。写真を見ながら、面相筆でミディアムシーグレイの点をチョンチョンと置く。点描とワンセットでその付近を暗色で汚すのがミソ。今回はタミヤエナメルをぺトロールで薄く溶いてエアブラシ。他のパネルラインにも細く吹き、部分的に綿棒で落とす。汚しの定着と最終的な艶の調整を兼ね、ガイアのフラットクリア+フラットベースを半々にして極薄く吹く。



下面は、さらにウェザマスを綿棒でこすりつけ、強めに汚す。アンテナ線は黒ナイロン糸。

主翼付け根、コクピット周囲などにチッピングを施す。



■ 完成・・(一応)

 以上で完成・・・と思ったら、胴体上部の航法灯を忘れてる。まあ、とりあえず一応完成としておこう。そのうち航法灯を付けて写真もきちんと取り直すつもり。

 エアのキットは、重箱の隅をつつけば多少あるけど、基本的な外形は実機の特徴をよく捉えており、気持ちよく製作できる。タイヤの大型化とキャノピのかさ上げは効果大。タイヤは自作せずとも、ジャンクパーツから似たサイズをもってくればいいだろう。

 以下重箱の隅。機首が若干幅が広く、スピナからの線がぎこちない。カウル全体の幅を狭め、マーリンの存在感を残しつつ先端5o程度をスピナからスムーズにつながるように削ってやると良くなると思う。完璧を期すならフィレットまわりも要修正点。側面形、平面形とも小振り。下面もフラップ部に変な曲面が入っている。











■ お絵かき講座 その4

 ハイライトと影の描画オブジェクトを追加して、細部の3D表現を詰めていく。


・垂直尾翼

 垂直尾翼は、まだ上手い描き方を見つけてなく試行錯誤中。「今回こうしてみた」ということで。さておき、垂直安定板の翼型断面の丸み、ヒンジの凹み、ラダーのリブを表現する。翼断面は、胴体の丸み付けの考え方を90度回転させたもの基本的に同じ。正面を0°、前端を90°とすると、0〜10°付近が最も明るく、端にいくに従い暗くなり、前端は胴体下端と同様にわずかに明るさが復活する。

 ヒンジ部の凹みは黒のグラデーション。ラダー前端の丸みに、ほんのり白のハイライト。ラダーは、私の模型と同様に、羽布はピンと張っていてリブとリブテープ部のみ盛り上がっているように表現。これは白、黒の細線を2本ずつ置くだけ。また、水平尾翼のフィレットには、主翼フィレット同様な白ぼかしを入れる。




前縁の強い白は、大半がマスクのレイヤーで隠れ、縁のぼかし部のみが垂直尾翼にかかる。

ラダーのリブ、リブテープのアップ。


・胴体の影の強調

 前回までの胴体3D表現でもまあまあ丸く見えるが、デファイアントの特徴である逆オムスビ形断面を強調したい。そこで、胴体のハイライト付けと同じ考えかたで影をつける。-20〜-80°に一層(下画像では青で示す)、-40〜-60°にもう一層(赤)の黒ぼかしを重ねる。  また、ガラスの表現として、黒のグラデーションを上から下にかける(緑)。

・細部

 細部を描き込んでいく。まず、ターレットの円筒感、ラジエータと後方胴体との離れ感を影のグラデーションで表現する。「ぼかし」を使うと描画オブジェクトの全ての境界がぼけてしまうから、グラデーション機能を使う。これらはハイライトの上のレイヤーに置く。



垂直な円筒は、前後2つのグラデーションで。風防、キャノピが胴体からクッキリと立ち上がっているように、窓枠のグラデーション。さらにターレットのガラス表現。

ラジエータ後方の胴体に影をつける。ラジエータとフィレット後端をクッキリ、胴体部はグラデーション。


 オイルクーラー、ラジエータの側面が暗すぎるので、明るくしたい。単純に白ぼかしをかけると、既に影のグラデーションがかかっているから、色が濁ってくる。さてどうするか。



そこで、グラデーションの矩形オブジェクトから当該部を切り取る(下画像の赤)。切り抜いただけでは明るくなりすぎて、切り抜きと同じ形のオブジェクトで薄く影をつける(緑)。

ガラスのピカピカ感も描き加える。ガラス部の40〜50°にハイライト。エッジはあまりぼかさない。ガラスの黒グラデーションは、このハイライトを目立たせるためなのだ。


 機銃、プロペラ、排気管など、突出している物体は、それぞれ単独に描いて一番上のレイヤーに置く。したがって、塗り絵、ぼかし等の描画はアウトラインからはみ出さないのが原則。



銃身は80%黒のベース、白ハイライト、黒長円の放熱穴と3つのオブジェクトだけ。モノが小さいからこれで十分。ターレットのスリットの側面も。

プロペラと排気管は、ベースの塗り絵、白黒のぼかし、アウトラインの線画の3層で。背景が白ならペラの白ぼかしははみ出してもOK。排気管の黒ぼかしも、下の胴体の影に紛れ込むからはみ出しOK。


 実は、最近知ったのだが、ぼかしのオブジェクトをシャープな境界で切り抜くワザがある。切り抜きたいオブジェクトの上に切り抜く形の白ベタのオブジェクトを置き、両者を選択してから、オブジェクト→マスク→設定とクリックする。テクの詳細は「インクスケープ、マスク」などで検索されたし。この機能を使えば、双発機のエンジンなんかも描けるぞ。

 さて次は、パネルとリベットの立体表現。これらは、図面の黒線をコピー、色を白に変え、不透明度を30%にして、図面の線から0.2pxほど斜めにずらして置く。アップだと立体的に見えないが、1/20スケールくらいのサイズに出力すると結構いい感じに見えてくれる。ずらす方向は機体の特徴と気分次第で。上にずらすとパネルの重なりが表現され、下にずらすと突合せパネルっぽくなる。窓枠や小アクセスパネルなどは一般のパネルとずらす方向を違えている。

 リベットの場合、凸リベなら左上、凹なら右下へ。当機は凹なので右下だ。ファスナは図面の線より大きくしてやや右下にずらすると、ファスナ周囲の凹みの感じが出る。これらレイヤーは塗り絵の上に置く。



 下手くそな絵を、少しでも本物らしく見せるため、汚しでごまかす。発想が模型と同じだなあ。排気汚れは極薄のサンドを広くぼかし、中央に暗褐色のぼかしを2層ほど。パネルライン、リベットラインにもシャドウ吹き、もといシャドウ描き。汚しレイヤーは塗り絵レイヤーの上、光と影のレイヤーの下に置く。





 ここまでの作業を重ねると下の画像となる。






 お絵かき講座、ひとまず終了。


■ お絵かき 2/14追加

 久しぶりのデファイアント更新。完成写真の前フリに、お絵かきをいくつか。まず作品の機体、1940年8月、第264スコードロン、D.Whitley少尉搭乗機 PS-H/L7021から。主尾翼の描画も基本は胴体と同じで、グラデーションやぼかしの機能を駆使して翼断面の丸みを表現する。本物の写真っぽく描くなら、翼下面はもっと暗くするべきだろうが、私の場合はいわゆる”カラー塗装図”っぽさを出したくて、ディテールが分かるように明るめにしている。上画像の完成した胴体の上に重ねるので、はみ出しはNG。普段はリベットは省略するところ、本機の場合は前後桁間が間延びするので、ストリンガーのリベットのみを描画する。



 続いて同じ264Sqn、Thorn軍曹のPS-X/L7006。こちらはAスキームとなる。あまりに1枚目と変わり映えしないので、背中のフェアリングを下ろしてみる。駐機中のデファって、銃手の乗降でターレットを回転させるため、フェアリングを下げていることが多いんだよね。



 次はナイト塗装の夜戦。キット指定塗装にもなっているデファ唯一のシャークマウス機、1941年2月の151スコードロン H.Bodien軍曹のDZ-Z/N3328は、鮫口好きとしては外せない。文献-3、4に右舷前方からの実機写真(どちらも同一)があり、右舷レターはDZ-Z。黒(赤?)目の位置・色は資料により様々。というのは丁度ハイライトがかかってしまい、かろうじて白目のサイズ等が分かるのみなのだ。本機は後方アンテナ柱がない。無線システムが変更になったか。もっとも、スピットでアンテナ線がなくなるのは1941年夏頃と思われ、ちょっと早い気がする。

 描画テクとしては、単色塗装機の常套手段でベースの塗り絵を明暗2色にする。ナイトはやや青くしてるけど、分かるかな? ナイトとダルブルーの明度差も注意したいところで、ナイトを明るめにしているため、ダルブルーも昼間迷彩機より明るめ。また、単調な単色塗装、絵としての密度感を出したくてチッピングを加える。



 本機はまた、資料によりレターの色も異なる。モノクロ写真ではレターがかなり明るめで、ミディアム・シー・グレイとする説も否定できない。そこで、イラストの赤もかなり退色風味にする。これをモノクロ変換して明度とコントラストをちょいといじってみると、まあ実機写真の雰囲気はあるかな。ということで、赤かグレイかの判断(と黒目)は読者諸兄にお任せする。



 最後は機首の伸びたMk.II。同じく151スコードロン所属 DZ-V/AA435、搭乗員は不明。文献-3に左舷やや後方からの写真あり。排気管は主翼の陰で見えずレーダーアンテナの有無も写真不鮮明で不明。イラストは想像で。また、後方のリトラクタブルアンテナ柱がなく(つまりアンテナ線もなしか)、胴体下部に正体不明の丸突起。想像力を最大限に働かせてIFFアンテナとする。スピットファイアはそんな発展経過を辿ったよね。

 作画技術的には、写真の艶消し風味に合わせ、ハイライトのぼかしを大きく、塗り絵のナイトを明るめに。レーダーアンテナの絵は文献-1の図面の受け売りなので悪しからず。

 さて、完成写真撮らなきゃ。


■ デファの脚 2/25追加

 主脚引き込みロッドにある三角の部材。これが何なのか気になって、脚引込機構を考えてみる。以下、連続画像で。



青の脚と斜材は一体となり、水色点線を軸として回転する。ピンクと紫は地上で脚が内側に曲がらないよう「つっぱり」となる。 緑三角の各頂点は、オレンジと紫にピン結合、ピンクとの結合部はスライドする。



オレンジの油圧アクチュエータが縮むと、それが緑に伝わり、ピンクを持ち上げ「つっぱり」が折れ曲がる。



さらにオレンジが縮む。ピンクはただの棒なので縮まない。したがって、紫との折れ角が大きくなり、紫が脚を引っ張り上げる



紫の「ト」の字は変形しないから、オレンジの引っ張り力が脚を引き上げる力になる。青の斜材は伸びているように見えるが、それは見かけの長さで実際には伸びない。

「ト」の字状の小枝がミソで、格納直前の段階でも、まだ「ト」を反時計回りに回転させる余力を残す。

オレンジの右端位置も重要で、低いと格納時にタイヤと干渉してしまう。赤のドアは脚柱にロッドで結合され、脚につられて引っ張り上げられる。




 各図は位置を揃えて描いているので、取り込んでスライドショーで見ると面白いよ。なお、実際には回転に伴い脚柱の見かけの長さやタイヤの向きなども微妙に変化するけど、図では無視する。それでも、各部材の位置・サイズを実機写真から起こしているので、まあそれなりにアニメが動いてくれる。

 さて当機、主桁の後ろ側にタイヤを納めるので、格納時には脚柱に前進角がつく。これを実現するため、斜材の翼への取付を脚柱より外側かつ低い位置にして回転軸を斜めにしている。同じようなハリケンは斜材と脚柱が機軸平行で斜材が折れ曲がる機構。また、ピンク、紫、オレンジの脚操作ロッドはこの回転軸に直交する平面上にあり、そのためこれら部材と脚とは単純な1軸回転のピンとなっている。他の部材も緑とピンクのスライドを除き、あとは全てピン結合。部材自体が変形(伸縮)するのはオレンジのアクチュエータのみ。という、シンプルでよく考えられた機構だと思うが如何だろうか。(でも他に真似した機体は無いね)

 次に、脚のカタチについて。上画像に示すように、脚柱と車輪軸は直交しない(←もしかしてアクチュエータから逃げるため?)。タイヤが地面に対して逆ハの字になっている既存図面もあるが、実機写真よりタイヤは概ね地面に垂直で、脚柱がハの字だと思われる。2分割の脚柱カバーはそれぞれ脚柱とほぼ平行で、したがって、タイヤとは平行にならない。というのは、完成後に気付いたので、作品はすべて地面に垂直。ぢぐじぉ〜(泣。これから作る方は気を付けられたし。

 で、正面図にも脚を描き入れる。


■ 完成

 積み残しの航法灯を取り付け、晴れて完成、写真撮影。航法灯一つに2か月もかかっちまったぜ。
























■ 第264スコードロン戦歴

 264 Sqnは、1939年10月にデファイアントを最初に装備する部隊として再設立された。1940年3月から作戦を開始し、当初は船団パトロールを任務とした。5月のダンケルクの撤退では、1日で37機のJu88、Ju87、Bf110、Bf109を撃墜し、味方の損失0など、一時の輝きを見せた。しかし前方攻撃からの脆弱性を独軍に発見されてからは損失が増え、1940年5月末には昼間戦闘から撤退した。バトルオブブリテンの激化により再び昼間戦闘に復帰したものの、度重なる損失を受けて同年8月、再び夜間任務に戻った。1941年9月からデファイアントMk.IIを使用。1942年5月にモスキートNF Mk.IIに改変し(デファイアントは7月まで)、以後モスキートVI、同XIIIに機種変更しつつ、終戦まで夜間戦闘任務についた。

 D.Whitley少尉は、作品のPS-Hにて1940年8月24日にJu88を撃墜する。しかし、同月28日に別機(N1574)にて撃墜され、銃手のTurner軍曹とともに戦死した。PS-Hもまた同日に搭乗のP.Kenner少尉とともに失われ、その日以降、264スコードロンは昼間戦闘から撤退することとなった。




■ 参考文献

 文献はごくわずか。活躍度からしてこんなもんか。ブラックバーン・ロックよりはまだまし? 文献-1、2とも有用で役に立つ。-3は、当機がメインでなかなかのボリューム。キット指定塗装のシャークマウス夜戦の写真もあり。逆にロックは物足りない。-4も当機の比重が高く他文献にない写真もあって入手価値あり。そのほか、昔ネットで拾った細部写真を参考にする。URL失念で検索しても行方不明。消失したか。

1 Warpaint No.42 Boulton Paul Defiant - Hall Park Books
2 Yellow series Boulton Paul Defiant 83-89450-19-4 Mushroom Model
3 The Turret Fighters Defiant and Roc 1-86126-497-6 Crowood Press
4 Osprey Aircraft of the Aces 105 Defiant, Blenheim and Havoc Aces 1-84908-666-4 Osprey Publishing
5 On Target Special 9 The Battle of Britain Comouflage & Markings 1940 97-81904-643364 The aviation Workshop Publications


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