BACライトニング(1/48エアフィックス)製作記

2005.5.20初出

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 はじめに


■ 女王陛下の鯉のぼり

 グリフォンスピットが、なんとか静岡でお披露目できたところで、次作はヴィンテージジェット。この時代の飛行機も、結構好きなんだよね。という訳で、予定機リストの中から、「英国王室御用達鯉のぼり」BACライトニングを選び出す。イギリス流ヘンテコパワー炸裂の同機だが、シンプルなラインは研ぎ澄まされて美しく、またカッコイイ。
 前作で切った貼ったモデリングに疲れたので、今回は無修正お気楽モデリング。リベット打ち銀塗装で、大向こうの歓心を買おうという魂胆。偶然にもエアフィックス続きだね。

 エアのキットは前期型、後期型の2種類があるけど、どうせ作るなら大型垂直尾翼と大型ベリータンクが模型映えする後期型でしょ。ところが、前期型のキットはそこそこ見かけるが、後期型は人気があると見えて品薄。春日部のキーストーンで棚の奥に埋もれていたやつを発見、購入しておいたのだ。デカールは、あちこち捜してやっと入手したカッティングエッジ。エジェクション・シートには、アイリス製マーチンベイカーMk.4を投入して、手抜き。

デカールの中から後期型で全面NMF(ナチュラル・メタル・フィニッシュ)を選ぶと、92sqnのF.2Aとなる。垂直尾翼のラウンデルブルーが銀地に映える。



カッティングエッジCED48075と、数少ない手持ち資料(愛情の度合いが分かってしまう?)。

■ キット評

 今回は無修正モデリングで、シビアなプロポーションチェックは行わないが、仮組みした限りイメージばっちり。主翼前縁の二段折れ曲がりも抜かりなく再現されてる。さすがはエアフィクス。まあ、製作中に気付いた点があれば、その都度指摘したい。

 細部に目を転じれば、モールドや小物もシャープ。キットはF.6ベースで、F.2Aとするにはパネルライン等が少々異なるが、まあ重箱の隅。キャノピは少々厚いが、閉める分には関係なし。パーツのフィッティングもバッチリだ。このテイストで48ハンターが欲しいな。なんといってもアカデミーのはスカタンだからねえ。



 組み立て


■ インテイク

 機首インテイクは、ダクトが奥まで再現されていて嬉しい。一点気になるのは、リップからキャノピに至る鼻筋のライン。実機は一直線だがキットはリップとのパーツ境で折れ曲がる。「ヒコーキの顔」だから、ここだけはぜひ修正したい。

 さて、一般的にこういう場合、パテを盛ったりプラバンを貼ったりするのだが、リベット作業を考えると、これらは後々表面処理が面倒になる。そこで得意の「切って曲げ」方式、名称改め「カット&シム」方式だ。インテイクリップのパーツは上部をカット、指で曲げグセをつけてからプラバンのシムを挟んで再接着。胴体パーツは曲げるだけ。ノーズコーンがインテイクの真ん中になるように慎重に削り合わせて接着する。インテイク内に段差が生じるが、上側で目立たないから、瞬間パテで適当に処理する。まあここは無視してもよいだろう。



キットの鼻筋。中ほどで下に凹んでいる。

インテイクリップのパーツ上部に切り込みを入れる。

パーツを指で上方に曲げ、切り込みにシムを挟んだところ。

一直線に修正した機首ライン。大差ない?まあそれは人それぞれで・・

■ コクピット

 キットのパーツはかなりアッサリ。キャノピを開けるなら、レジンパーツに置き換えるのが手っ取り早いかも(NEOMEGAというメーカーから出ている)。今回はキャノピを閉めるのでそのままで妥協。シートだけレジンに置き換える。入手できたのはF3Hデモン用M.B.4 BSで、細部が異なるが、そんなのどうでもよろし。なお、キットのパーツもベルトを追加すれば十分見られる。

 計器盤は、いつものとおりデカールからメーターを切り取って貼り付ける。手元の写真とはメーター類の配置が少々異なるが、私にとっては許容範囲。というより、計器盤自体が完成後に外からほとんど見えない。ということで、これは極めて精神性の高い(=ムダな)作業だなあ。ジェット機とは思えない簡素なサイドコンソールは、もちろん実機どおりではない。



キットのシートとアイリス製レジンシート。これにエッチングのベルトが付属する。

基本的にエアのパーツそのまま。先端に異物侵入防止のプラ板を接着。

このアッサリ感、○○戦隊△△レンジャーのメカのコクピットといい勝負。

NEOMEGA製レジンパーツ。つーても私の持ち物ではなくて、写真だけ拝借。

■ 機銃口

 F.2Aは、機首上部に機銃口が開いている。キットのパーツは、曖昧な形状をしている。ここはプラだけで再現するのは難しく、外径1.7mmの真鍮パイプを使う。別パーツとなっているパネルを接着後、パイプの通る穴を開け、竹ヤリ状に削ったパイプを接着する。実機ではパネル幅いっぱいに銃口が開いているが、そのとおりに再現するのは難しく(後で考えると竹槍状のパイプの先端を少し削ればなんとかなりそう)、雰囲気だけ再現して了とする。

 F.2Aは、機体によって機首下部にも機銃口が開口している(あるいは楕円形に塞いだ状態の場合もあり)。作品の機体がどうなっているかは、写真が不鮮明で不明。で、安直に「なし」とする。



隙間は瞬間+アルテコのプラ粉で塞ぐ。左右の位置や長さを揃えるため、パイプの位置を慎重に決める。

がっちり接着してからツライチに削る。開口部の形状は針やすりで微修正。

■ 胴体接着

 ジェットノズルのパーツは、モールドが甘いが、奥まった位置だし後ろ側なので、そのまま使用する。スタビレーター基部の胴体内部には、あらかじめプラバンと瞬間パテで受けを作っておく。ベリータンク前部はF.6とのコンバチで別パーツ。このパーツの合わせとモールドが、他の水準に比べて甘い。
 で、内部の詰め物を入れて胴体左右をがっちり接着。コクピットはインテイクパーツに接着しておくのが簡単。オモリは、コクピット後方のスペースに後付けできるのを確認済み。



リベット作業を考え、胴体内部に補強(つっかい棒)を入れる。これは現物合わせのプラ板。

上から見るとスマートな機首。

■ 主翼 5/31追加

 別パーツとなっているフラップは、上げた状態で組むので、あらかじめ主翼パーツに接着する。正しい位置関係にすると、隙間が生じるので、ここは瞬間パテを接着剤がわりに使う。ゼリー状瞬間でもいいと思うが、常用してないので使おうと思ったら固まってカチカチ。
 主翼上下の接着の際には、要所にポリパテを点状に挟んで補強する。特に下面前縁が前後期コンバチのため別パーツとなっており、未処置ではリベット作業で折れそうだ。

 キットの主翼パーツは、なかなか良い形状をしており、そのままでも特に問題ないが、気付いた点をいくつか。まず、前縁が少々丸い。マッハ2の戦闘機らしくもう少しシャープに整形する。その際、前縁の二段折れ曲がりを少し強調する。
 前縁から1センチくらいのところにあるパネルラインは、前から見ると途中で折れ曲がっているが、実機ではこんな具合には曲がっていない。これは、F.2のストレートな前縁の主翼から、前縁だけを改修した経緯を考えれば理解できよう。修正は大変だし苦労の割に見栄えがしないので、そのままとする。

 実機のエルロンの後端は、厚みがある。これを模型としてどう処理するかは悩ましいところ。実機そのままに再現すると、見た人は「手抜き」と思うだろうね。コンテストに出品するなら審査員も知らないだろうから、薄く仕上げるのが正解だろう。私なら、実機どおりに仕上げて薀蓄を語りたいところだが。

 翼端後部の平面形状が、微妙に違う。修正するにはプラ板でも貼らないといけないので、パス。パネルラインは手持ちの図面と比べるといくらか省略がある。残念ながら手持ちの写真では、図面が正しい確証はない。エルロンのヒンジが凸モールドとなっているが、整形の邪魔だし実機でもこんなにゴツくないから、平らに削ってしまう。



フラップは、テープで正しい位置に固定した後、隙間に瞬間パテを埋める。

プラ板で補強板を接着し、さらにポリパテをはさんで上下を接着。これでかなり剛性の高い翼となる。

分かりづらい写真だが、修正前の前縁。その後方のパネルラインにも注目。

前縁を削って薄く整形する。これは修正後の写真。

■ 続、レジンパーツ

 その後さらにディティールアップパーツ情報を頂いた。KMCは、コクピットだけでなく、前後の脚庫や脚カバーもある。ただし現在流通しているかどうかは未確認。
 アエロクラブのメタル部品は、機首先端のリング、ショックコーンとその背後、いずれもムクのメタルで、ウェイトも兼ねている。リングはぴかぴかに磨くといいかも。これらも、私の所有物でないのが残念。情報提供の皆様、多謝多謝。

 ミサイルの翼のエッチングパーツがないかと模型屋で探したが、エデュアルドのライトニング用には含まれていない。これまた、残念。



KMCのレジンパーツ。

手前カッティングエッジ社のディティールセット。背後の銀色2袋は アエロクラブのメタル部品。

 今(2008年)ならアイリスからコクピットはじめ各種レジンパーツが発売されている。

■ 整形、スジ彫り

 ここらで、整形スジ彫りし、次のリベット作業に備える。F.2AとF.6の違いは、また後ほど。それにしても、主翼のリベットライン、パネルラインが確認できる写真資料がない。



インテイクリップをすっきり仕上げるのが、ライトニング製作上のキモ。スジ彫りはこんなやり方で。

機首下方のパネルラインを消す。ただし一部間違い(後述)。

脚庫内に隙間ができるので、配管をでっちあげて隠す。

胴体背部のアウトレットは、型抜きの都合で形が不完全。プラ材で作り直し、ついでに位置も直す。

■ リベット 6/11追加

 前々作のP−47Nでは「たまぐり」&「ハイブリッド銀」を試したので、今回は「針リベット」&「ハイブリ銀」でいってみよう。両者の比較もまた一興かな。

 さて、問題はリベットラインの資料。特に主翼はラインが分る実機写真が手元にない。当初はびっしりとリベットの描き込まれたウォーペイント添付の図面と心中するつもりであったが、主翼で実機写真の印象と異なる部分があったり、パネルラインとリベットラインが一致してなかったりして、全面的な信頼性に疑問符が。主翼のパネルラインも図面とキットで異なっており、気になりだすと気になるもので、手が止まる。

 そこで、またまた協力依頼したところ、SAM Publications No.7 BAE Lightningにある主翼の骨組みの写真を入手し、それを元にラインを推測する。これとて、わからない部分があるのだが、そこは割り切って大胆な「想像」で。やの字の旦那、いつもお世話になりやす。



写真をもとに、主翼骨組みをほぼ忠実に再現したところ。リベットラインが桁やリブの位置となる。×印は間違ったスジ彫り。我が家のモニターでは、ほぼ原寸大。

さらに補間して、リベットを打ち終えた状態。こちらの方は、パネルラインを含め、かなり推定の部分がある。

 細かく見ると、キットのスジ彫りがリベットラインと合っていない部分がある。上側エンジンのアクセスパネルのファスナは、胴体のフレーム(すなわちリベットライン)と同じ位置になる。従って、下写真の赤点で示した位置が正しく、リベットラインも水色の線の位置が正。これならアクセスパネルとの辻褄も合う。しかし、ファスナをきれいにスジ彫りし直すのは難しく、ここは無修正として、パネルラインを適当にずらしてお茶を濁す。


エンジンアクセスパネルのファスナは赤点の位置が正しい。数は合ってるんだけどね。

水平尾翼のリベットラインが分かる写真がなく、図面を参考にでっちあげ。これも一応原寸大。

■ F.2Aへの改修

 手元の写真から読み取れる範囲でF.2Aの相違点を改修する。なお、前回更新で指摘した機首側面パネルラインの修正は間違い。実は、下写真で赤線を埋め、青線の部分を残すのが正しい。右側も多分同様。機首側は前回指摘のとおり。以上、お詫びして訂正したい。作品はリベットを打ってしまったので、もうそのままで行くかあ?。


機銃ガス排出口(紫)、スリット(ピンク)、小アクセスハッチ(緑)、小円形パネル(黄)を追加。

右側も同様に、機銃ガス排出口(紫)、小アクセスハッチ(緑)を追加。

■ 続リベット 6/20追加

 機首は、小パネルがいくつかあるが、キットのスジ彫りモールドは微妙にリベットラインと整合しない。厳密に正確なリベットを打つならば、まずリベットラインを決め、それに合わせてスジ彫りを彫りなおす必要がある。今回はそこまで追及しないので、辻褄が合ってない部分があるけど、今回は「ぬるめ」の考証でご勘弁願う。

 ぬるめといえば、予定しているマーキングのF.2Aは、機首下側の機銃口が開口している。いまさらパイプを仕込むのも大変なので、気付かなかったフリ。「その後、他の機体のように塞がれたかもしれないじゃないか」という逃げのセリフは用意しておく。
 主翼のリベットラインは、資料入手前に下面を作業したので、実は上下面でラインが違う。いや全く、お恥ずかしい限りだが、知り得た情報は今後もこのページで紹介していくつもりである。少しでも、これから作る方の参考になれば幸いということで。



垂直尾翼とフィンは、実機写真からほぼ正確なラインが判る。垂直尾翼の縦のラインと胴体隔壁ラインとを一致させる。

機首も実機写真でリベットラインが大体判るが、パネルラインとの辻褄が合っていないのが残念。

■ 十の字

 リベット作業が9割方終了したところで、主翼を接着する。残るリベットは、ラインがよく判らないので、注文中の資料が届いてから打つ予定だが、待っていてもしょうがない。

 主翼には僅かに下反角が付く。後方から見るとエルロン後縁のラインが僅かに「へ」の字形になっている。キットはそのままでは水平に取り付くので、接合部を微調整する。主翼の接合強度を増すため、左右のパーツを真鍮線でつなぐ。真鍮線の接着には固着時間に余裕のある瞬間パテを使い、プラパーツどうしの接着は溶剤系。

 ここらで、バラストとして釣り用の鉛球をコクピット後方の空間に詰め込む。重心位置に近いのでちょっと不利(やじろべえの原理で、尻餅防止に、より多くのバラストが必要となるということ)だが、ノーズコーンの空間はリザーブに取っておくのだ。インストの指示は20gだが主翼の補強による重量増なども考慮して少し多めに。

 ところで、これらオモリは、たとえ機首に詰めたとしても、その荷重はすべて主脚にかかってくる。やじろべえの原理だからね。やじろべえの軸が主脚と考えればよい。模型誌などで「機首に入れた大量のオモリで前脚の負担が心配だ・・」なんてのを見るけどこれは間違い。補強すべきは主脚
(ただし、これは静的荷重、つまり静かに置いた状態での話。動的荷重、つまり「ぶつける」とか「落とす」なんてときは、衝撃力は重量(と速度)に比例するので、オモリがそのままプラスアルファの衝撃力となって前脚が折れるなんて場合があるけどね。)

 ところが、キットの主脚のフォーク部分がこれまた華奢で、とてもこの重量に経年的に耐えられそうもない。フォーク部を金属で作りかえるのがベストだが、大変。そこでタイヤと脚柱とを真鍮線で連結し、フォークにかかる荷重を受けることにする。正面から見れば真鍮線が見えてしまうが、暗く着色すれば目立たないだろう。それよりタイヤが曲がってしまってはカッコ悪い。



主翼左右を真鍮線で連結して強度を上げる。

水平尾翼やフィン、ミサイルパイロンも真鍮線を介して取り付ける。

全体形が見えてきた。垂直尾翼の合わせは完璧。

主脚はこのように真鍮線で補強する。


■ エジェクションシート 6/29追加

 アイリスのマーチンベイカーMk.4は、シートベルトがエッチングだが、インストは取り付け位置の指示が曖昧。手持ちの写真ではよく分らずgoogle検索だ。エジェクションシート専門のサイト「The Ejection Site」が役に立つ。次は色だ。サイトのMk.4は、クッションやベルトがオリジナルかどうか怪しい。ここはライトニング実機のカラー写真を参照する。

 それに従えば、外から見える金属部分は黒かメタリックグレイ。クッションはかなり茶の強い緑、すなわちカーキドラブ。ベルトは明色でキャンバス地のように見え、バフ〜ライトタンといったところ。黄黒のハーネスの直下に四角い頭当てのようなものがあり、これは明るい茶色。

 シート後方は、完成後もガラス越しによく見える。キットはわりとアッサリ表現なので、延ばしランナーなどででっちあげ。


黒黄の塗り分けに目が追いつかない。そろそろ眼鏡かルーペが必要だなあ。

シート後方にはパイプ類をデッチアップ。P−47のパーツを使っているけど、何を何処だか解るかな?


■ 翼端

 このあたりになると、かなりマニアック。お閑な方はお付き合いの程を。

 キットの翼端は少々厚い。実機は尖ってる程ではないが、かなり薄い。ところが、翼端燈のバルジが邪魔だ。これを残しつつ翼端を薄くなんて出来っこないので、ここは潔く削ってしまう。でないと、正しい「面」が出せない。

 翼の表面は翼端にかけて湾曲してない。だから、翼端にかけて翼全体が薄くなっていくのが正しい形だが、すでにリベットを打っているので、下面側から削ぎ上げるように整形し、お茶を濁す。


Before。クリアパーツと翼との合せもいまいち。

After。バルジのことは後で考えよう。


 ここで、翼端燈の詳細がよくわからない。白黒のクローズアップ写真では、カバー全体が着色ガラスのように見えるものもあるが、カラー写真では(こっちは小さくて詳細不明)バルジ部分のみ赤く光り、他は機体と同色のようにも見える。カバー全体が着色ガラスなら、なんでバルジになるの?という疑問もあるし。

 しかしまあ、それは置いといて、バルジを再現する。一旦薄く整形したクリアーパーツの外側半分を切り取り、クリアーランナーを接着。その後方にはプラ板を接着し、正面から見て円形、上から見て紡錘形に削っていく。実機はもう少しダルなシェイプだが、それはそれでさらに整形が難しいのでパス。



翼端燈のバルジを追加。削るには、結構めんどくさい形だナー。

■ 補足

 主翼前縁近くのパネルラインが、実機と異なることは前に書いた。これはパネルラインの問題ではなく、主翼厚さが違っているため。これを正確に再現するためには、むしろF.2の主翼をベースに、前縁パーツなどをF.2Aから移植するのが正解かも。でも、高いキットが2つも必要だし、これはこれで大変そうだなあ。
 キットの垂直/水平尾翼前縁は、少々ダルいので尖らせるべし。

■ 最後のリベット 7/9追加

 胴体後部は横に密にリベットラインが入るが、実機写真により位置とピッチがほぼ判明。分らない部分も残るが、そこは模型としての見栄えを優先しつつ推測する。主翼前縁のリベットラインは適当。


後部胴体のリベットラインは、ほぼ実機どおり。

少々判りづらくて申し訳ないが、主車輪カバー。


■ キャノピ接着

 いよいよ、前半戦の山場、キャノピ接着である。私の場合、組み立ての最後にキャノピを接着し、接合部の処理をしたら塗装に入る、という手順なので、この行程は一つの区切りとなるのだ。作業性を考え、まず、キャノピの前後パーツを接着し、接合線をスジ彫りしておく。

 エアのパーツは枠のモールドが若干甘いので、境界をスジ彫りして枠を少し削る。ガラス面は微細な凹凸があるので、まず裏側を#2000ペーパーとコンパウンドで磨く。胴体への接着は流し込み系でしっかりと。合せは良いので、大きな隙間は生じない。小さな隙間は溶きパテで埋める。ほんとはホルツの黒色パテを使いたいところ。

 パテが固まったら整形。特に最前方ガラス部はヒコーキの「顔」だから念入りに。風防前方の胴体部とはツライチになるように削り込む。両脇の窓枠も削ってエッジを出す。



照準器はキットパーツ。頼りない形だが実機もこんな形。キットの計器盤上部はF.6を再現しており、F.2Aとは少々異なるが、詳細が不明なのでそのまま使用。

内側には、いつものとおりハセガワ・コーティング・ポリマーと静電気防止スプレーを塗布。

溶きパテがキャノピ内側から見えないようにするためと、窓枠の削り具合を確認するため、先に窓枠を黒く筆塗りしておく。

クリアパーツと胴体パーツとがツライチになるように削る。窓枠はあらかじめスジ彫りしておく。

■ 小物

 並行して、少しずつ小物も作っていく。


ピトー管は真鍮棒をピンバイスにくわえて削る。空中給油プローブは1.5mm真鍮棒。

ファイアーストリークのフィンは0.2mmプラ板。





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