コンベア F−102A デルタ・ダガー
Convair F-102A-80-CO Delta Dagger

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F-102A-80-CO (s/n56-1450) of the 64th FIS, 1968 South Vietnam.









作品は、1968年南ベトナムにおける64FIS(戦闘迎撃航空隊)所属のF-102A-80-CO (s/n56-1450)である。

F−102が初めて南ベトナム方面に配備されたのは、インドシナ半島がきな臭くなった1962年3月、519FISであった。その後、PACAF各部隊の分遣隊がサイゴン、ダナン、ウドンなどで防空任務に就いたが、ベトナム戦争の終結を待たず、70年までに撤退した。

F−102は本来、自陣を攻撃する戦略爆撃機を、ファルコン・ミサイルで迎撃する機体だが、想定した事態は発生せず、その派遣期間中、1発のミサイルも発射されなかった。そもそも共産軍に戦略爆撃の発想は無かったであろう一方で、想定外のベトコン・ゲリラにより地上にて損失を出した。これはこの戦争の本質的部分を象徴的に現しているといえる。

64FIS(通称:SCORPIONS)は1940年に64PS(Pursuit Squadron)としてニューヨークで開隊。第2次大戦中は中近東、地中海方面で戦った。戦後はアラスカ防空隊を経て、57年にADC(防空軍団)に所属し、ワシントン州に移動、F−89からF−102に転換し、米本土への戦略爆撃に対する防空任務に就いた。
66年12月、F−102と共にフィリピンのクラーク空軍基地に本拠地を移動、前線に分遣隊を派遣し、69年までベトナム戦争への支援を行った。69年に一旦解隊したが、その後F−16を装備し64AS(Aggressor Squadron)としてネバダ州ネリス空軍基地にて復活した。



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