カーチス H-75A-2 ホーク アルマホビー 1/72 製作記

2025.4.28初出




最終更新日




■ はじめに

 話は二週間ほど遡る4月16日、ポーランドからFedexが届く。中を開けると同社最新作のH-75の箱。ありがとう、グジェコシさん。そう、私が描いた図面のキット化第三弾だ。これはソッコーで作らねばならぬ。ハリケーンの復帰はもう少し先延ばしだ。

 とはいえ、シーハリアーの完成が最優先。それが先日「一応」完成となり、こちらに本格着手したのが一週間前。ある程度工作が進み、記事も書きーので、いよいよ製作記開始なのだ。






 さて、キットはフランス空軍のマーキング。でも天邪鬼な私は小改造してフィンランド空軍にする。どこがどう違うかは、追々製作記事で。


■ キット評


総論

 基本的外形に関しては、私の図面を正確に立体化してくれている。これには感謝と敬意を表したい。というのも、最近の新キットでも、せっかく図面を描いたのに使ってもらえず、結果的に外形再現度イマイチのものが散見されるのだよね(M社のP-47とか)。

 部品分割も適切で評価できる。特筆したいのは風防パーツで、その前方の胴体上部と一体。また後方固定窓も枠部分まで一体。これによって、窓ガラスの境に接着面が見えることがなくなった。主翼が単純な上下分割というのもよい。タミヤには早くあの分割を・・(←ヤメレ)

 小物、モールドについては、同社通例。前作隼とよく似た印象。カウルは上下左右の4分割。隼同様に丁寧に組めば全く問題ない。動翼の表現は隼から進化した。リブは細い凸スジで、大変好ましい。インレタのリブテープを用意したのだけど、不要であったな。


バリエーション

 キットはフランス軍が使用したH-75A1/A2で、主翼機銃は片側一挺だ。片側二挺のモデルとは、給弾パネルのラインが異なる。パーツ分割やランナー構成から見て、二挺装備タイプはリリースされないと思われる。ま、もし再現するなら、スジボリを彫り直せばよい。

 風防前方のスリットはモールドされており、スリットの無い機体にする場合は削り落とす。この割り切りは非常に適切だと思う。国産キットだと別パーツで差し替え式にするんだろうけど、合わせ目の段差隙間を整形するのが手間だったりして、この方式の方がかえって製作が楽。


気になる点

 ということで、総体的には同社通例の優良キットだ。とはいえ、外形に関して気になる点が2つある。1つ目はコクピット付近の胴体が横に膨らんでいることだ(※)。ファストバックのキャノピは、開けると後部胴体に重なるため、パーツの厚みだけサイズ大となる。閉じれば胴体より外にはみだす。それを目立たなくするために、胴体を膨らませたのだろう。

 これ、設計者の苦渋の決断だろうけど、私が設計するなら、キャノピを閉じた状態での外形を実機どおりにして、キャノピを開いたときの一回り大きなパーツと選択式にする。もし必要なら胴体の取り合い部分にも開閉両方のパーツを用意してもいい(同社疾風の方式)。

 気になる人はこの膨らみを削ってやれば簡単に修正可能。気にならない人はそのまま作ればいい。ちなみに、風防および固定窓付近の外形は正確。

※ 後日追記。当該部分は改修されている。詳細はこちら。  



コクピットの開口部が左右に0.5mmほど広がっているのが分かるかな? バックは1/72にした拙作図面。

角度を変えて。フィレットの部分は膨らんでいないので、削って修正は難しくない。胴体機銃のスリットや後方窓の分割に着目。

可動キャノピはやや大きめ。左舷側で図面に合わせると右舷は1mmほどはみだす。

図面に重ねる。風防の幅は実機どおりである。


 2つ目は、胴体下面のラインだ。キットなりに組むと、下腹(主翼下面のフェアリング)が1mmほど垂れ下がる。下面なので完成すればよく分からないから、気にしないことにしよう。


■ 図面

 P-36の側面図と上面図を掲載しておく。下面、断面、正面図は頁末のリンクから。図面解説はP-40B製作記に記載。P-36/H-75の各型式解説もあるので、ぜひご一読くだされ。


■ 製作開始

 まず最初は、気になるコクピット部分の膨らみを削る。内側にはプラバンで裏打ちをしておく。コクピットのディテールが一部失われるが、止むを得ない。納得いく外形になったら、コクピット内部を仕上げる。裏打ちで失われた一部のディテールをテキトー再現。後日追記。裏打ちはなくても大丈夫。

 内部の塗色が悩ましい。インストではインテリアグリーンとなっている(Mrカラーだと枯草色だけど何故?)。ネットで調べると(※注)、輸出型のH-75の内部はグリーン系のようで、現存機のカラー写真でも、まあインテリアグリーンの範疇かな(経年変化は当然あるので)。

 ということで、真相は不明だが、米軍向けP-40と同じカーチス社のインテリアグリーンとする。この色は他社のものより黄色味が強い。C351インテリアグリーンとC352ジンクロイエローを半々に混ぜる。細部はインストのとおりに塗り分け、デカールを貼る。EDSGでドライブラシしてウェザマス黒・茶でウォッシュ。

※ https://www.britmodeller.com/forums/index.php?/topic/235118822-question-interior-color-finnish-h-75-hawks/



右舷側(向かって左)を裏打ちしてざっと削ったところ。左舷はそのまま。最終的にはもう少し削る。

機体内部を塗装。カウルの内側はよく分からんのでEDSGで塗っておく。

コクピットフロアは一部が銀色とのこと。セロテープでマスクする。貼ってナイフで切るだけなので楽。

計器盤にはデカール。計器盤は2種類のパーツがセットされるので、バリエーションが出るのは間違いない。

両サイド。上端3mmほどに裏打ちとして0.3mmプラバンを接着してある。

アルマ社純正の3DPシート。今回はこちらを使う。バルクヘッドと一体だが、そこはプラパーツを使うので、シートのみ切り出す。


 製作はもう少し進んでいるが、長くなったので、今回ここまで。


■ 胴体下部フェアリング(別名下腹) 5/2追加

 前回はコクピットの塗装まで。そのあと、計器盤とバルクヘッドを挟んで胴体左右を接着したら(←すまん、写真撮ってないんじゃ)、主翼の接着だ。

 前回記事で、下腹が垂れてるが気にしないと書いた。が、やはり気になるのでライザップでダイエットだ。完璧にやろうとすると大ごとになるので(理由は後述)、出来る範囲内でやる。こりゃチョコザップじゃな。

 さて、下腹。説明しよう(byヤッターマン)。キットなりに組むと、防火壁付近で胴体高さが1mm過大。上面ラインは正確で、腹だけが垂れ下がる。そもそもの設計でのラインが違うのか、合わせの問題なのか、原因はよく分からないが、私の印象は、主翼取り付け位置が0.3mm低く、付け根の翼厚が0.3mm厚く、フェアリングが0.3mm出っ張り過ぎで、それぞれ単体では問題ないレベルなのが、トータルでは1mmになってしまったのではないかな。

 チョコザップ計画は、主翼と胴体の合わせ、主翼上下の合わせ、フェアリングの3本柱で、それぞれで少しずつ高さを減らす。そして、下翼パーツを上に押し上げるように(翼厚さをつぶすように)接着する。単純に押し上げると胴体に押されて上反角が減るので、内側に真鍮線を入れて正しい上反角をキープする。



主翼パーツの内側に真鍮線をがっちり接着。脚庫の壁の高さを0.3mm削る。

カウルからつながるフェアリングを引っ込めるため、矢印位置に切込みを入れ、少し曲げる。

主翼とフィレットの接着線(矢印)をノミで0.3mmほど削る。元々表面に0.3mmほどの段差があるので、これで段差なしとなる。

主翼上面を先に胴体に接着する。上面側の合わせを優先するので、主翼下面はまだ接着しない。



■ 主翼機銃4挺化計画

 私の作る機体は、主翼機銃が4挺である。型式でいうとH-75A-2ということになるのかな。ちなみに、フィン空でも2挺の機体があるが少数派。キットとは弾倉パネルが違うので、主翼下面を接着する前に、キットのスジボリを埋めて彫り直す。



2挺タイプの上面。キットはこれ。弾薬は上から補給する。

4挺タイプがこちら。弾薬は下から補給するので弾倉パネルがなく、点検パネルのみとなる。

2挺タイプの下面。

4挺タイプがこちら。弾倉パネルは下面側にある。



■ フィン空のホーク

 機銃の話が出たところで、フィン空のH-75ホークについて解説。ネットで調べると(※)、フィンランドはドイツがフランスから鹵獲した5種類のサブタイプ、合計44機を購入し、第32飛行隊で運用した。

 当初は4挺または6挺の7.5 mm機関銃であったが、ソ連軍には威力不足で、1942年から胴体の機関銃を1挺または2挺のブローニングM2 12.7 mmに交換し、各翼に2挺または4挺のブローニング7.7 mmを装備した。機体により、ソ連製12.7 mmベレジンUBまたはフィンランド製12.7mm LKk/42も使用された。

 模型的には、おそらく機銃の換装による外面の変化はないと思われる。照準器は、ドイツ製のRevi 3DまたはC/12Dが装備された。ここは仏軍とは異なるだろうね。

 胴体機銃のスリットは、写真を見ると「あり」と「なし」と両方。スピナは、砲弾型が多数。ただし凸型もあり。アンテナ柱は短い。ピトー管はクランク。外翼の小爆弾ラックは残されている。脚カバーは、車輪部分が外されている(雪が詰まるのかな?)。以上、個々の機体は写真で確認するが吉。

 迷彩塗装は、上面緑単色のものと、黒と緑の2色雲形迷彩の2種類がある。前者は、ドイツで塗装されたとのことで、上面RLM71ダークグリーン、下面RLM65ライトブルーとする資料もある。じゃあ黄色はRLM04かな? 今回は後者の塗装の予定。その解説は塗装の項で。

※ https://www.ww2incolor.com/gallery/finnish-forces/36360/finnish-curtiss-p-36-hawk


■ 主翼スジボリ

 つうことで、スジボリ。



上面をスジボリ。話は前後するが、胴体左右接着の際は、風防との合わせに注意。そのままだと狭くなるのでプラバンを挟む。

下面。キットの薬莢排出穴は残し、新たに開口。リンク排出穴は瞬間パテで塞ぐ。

主翼付け根の凸モールドが整形の邪魔なので削り落とす。これは削る前の状態。

削ったところ。あとで細切りデカールか何かで再生する予定。



■ 主翼下面接着

 主翼下面と上面を入念に擦り合わせ、上下を接着する。後縁は内側から少し厚みを削いでおく。前縁は瞬間、後縁は流し込み。接着後、フェアリングを少々削って高さを低くする。カウル下面パーツは、カウル後端で切り離し、後半部分を翼下面に接着して削り合わせる。

 各部で厚みを削いだ結果、防火壁で測ると1mm低くなり、図面どおりとなる。



主翼下面、カウル下面パーツの後半を接着し削り合わせたところ。カウルと胴体とは仮組み。

防火壁での高さ(矢印)は図面どおり。でもカウル前端から胴体下面に至るラインが図面と違うような・・・


 どうやら、カウルの高さが少々足りないみたい(幅は図面どおり)。だから本格的にやるなら、カウルの接着面にプラバンを挟んで高くする必要がある。今回はキットを活かすという意味もあって、カウルはいじらない。


■ ツインワスプ R-1830エンジン

 お約束?の3DP。これまで作ったダブルワスプや栄エンジンなどの設計資産を利用して、ちゃちゃっと設計する。細部は違うところがあるが、まあ雰囲気ということで。サイズや胴体接合部はキットにジャストで合わせる。小加工で他の機体にも使えるだろう。



シリンダーヘッドの造形(正面からの見た目のみ)と、プラグコードの取り回し調整が主な変更作業。

プリントして塗装。ダークシルバーはエアブラシ、あとは筆塗り。



■ 尾翼 5/7追加

 GW終了。空晴れ渡り、風が爽やかで、アウトドアには絶好の日よりだが、毎年この時期は部屋に籠って模型なのじゃ。姫sや息子の来襲の合間を縫って、ホークを進める。

 さて、尾翼のパーツ割は、アルマのいつものパターン。これはこれでいいが、私個人としては、動翼と安定板を一体化して欲しいところ。いちいちピンを打って接着するのは面倒くさい。さりとてピンなしだと、すぐに壊れるし。



水平安定板とエレベータを、真鍮線を介して接着する。エレベータ、ラダーのリブのモールドは残す。

水平尾翼を胴体に接着、垂直安定板を接着し、ラダーも同様に真鍮線を介して接着する。



■ 脚接着用ジグ

 これを紹介するのを忘れてた。アルマ社純正の隼の脚接着ジグだ。3DP製(FDM)で、パカパカと組み立てられる。脚を主翼に接着し、このジグの上に置くと、角度がピタリと決まるようになっている。試しに完成したモデルを置いてみると、ピッタリはまる。これはナイスアイデアだ。



このように使う。タイヤの凹みがあるので、位置が決まる。脚の角度が違ってるとダサいからねえ。



■ 調色

 工程的には、次は風防と後方窓を接着したい。そのためには、内側の胴体を塗装する必要があるので調色だ。フィン空の迷彩色を、いつものIPMSストックホルムのサイトで調べると、緑(オリーブグリーン)はFS34096、黒はFS37038、下面のライトグレイはFS36492とのこと。手持ちのカラー写真のイメージに合致してるし、ストックホルムは地理的にフィンランド近いから、信じていいかな。

 FS34096は、同じサイトのRAFのページではダークスレートグレイとされている。灰色味の強い緑ってことだね。なるべく2色の混色で作りたいので(3色以上は同じ色味を再現するのが難しくなる)、いろいろ試してC340 FS34097とC13 ニュートラルグレイを半々に黒少量で明度調整(この黒は致し方なし)とする。

 黒はC92と半艶白が6:4。ライトグレイはF-4Cで使ったもので、C335ミディアムシーグレイと白が2:1。先のサイトの一覧では黄色がない。私の思い込みかもしれないが、北欧国スウェーデンとフィンランドの黄色は、赤味が少ない寒色系の黄色。寒い国だから。てことで、C113 RLM04ビン生とする。



後方窓の内側を自作オリーブグリーンで塗装する。



■ カウル接着

 エンジンを仕込んでカウルを接着する。排気管&フェアリングは、プラパーツも悪くないがアルマ純正3DPを使う。これを取り付け、カウル下のインテイクを開くと、カウルから胴体下面へのラインが分断され、腹ボテが気にならなくなってくる。



エンジンを胴体に接着。カウルも胴体に接着。エンジンとカウルは接着してない。

下腹は、陰になるし、排気管でラインが分断されるから、ポッテリが目立たない。



■ 風防の接着

 風防を接着する。胴体側面を削ったりしてるので、少々擦り合わせが必要。風防の後端は、胴体より外にはみ出す。実機がこうなっている。この段差を風防下のフェアリングでつないでいるのだ。フェアリングは0.14mmと0.5mmのプラバンで作る。



風防パーツを胴体に接着。透明だと見づらいのでサフを塗っておく。風防後端と胴体とは段差がある。

前方胴体と削り合わせ、プラバンのフェアリングを接着したところ。


 フェアリングは、溶剤系で胴体横に接着する。そのままだと段差が残るが、接着剤でプラが柔らかくなったところで、ケガキ針を突っ込んで接着面の上側を少しはがして横に広げる。下側は胴体に着いたまま。この微妙なねじれで段差が埋まる。穴はプラ材で埋めておく。


■ 後方窓の接着

 続いて後方窓。キットパーツの合わせは良い。右舷側は溶剤系で接着すると、段差、隙間が全くなし。左舷は擦り合わせが悪かったか、若干の隙間。こちらは瞬間で隙間を埋め、一旦表面をサンディングしてスジボリする。



右舷側はこのとおりピッタンコ。

左舷側。隙間を瞬間で埋め、ツライチにサンディング、ざっと磨いたところ。

カッティングマシンでテンプレートを切る。

スジボリしてコンパウンドで磨く。


 可動キャノピはオープン固定にする予定。後方窓の前半はキャノピに隠れて目立たないので、合わせ処理もテキトーでよいかな。燃料キャップは、旧作H-81の流れで赤にしたけど、あとでインストをよく見たら銀か黒の指定。ま、いいか。アクセントになるし。窓の穴は自分で開ける。断面を薄めたグレイで塗ると目立たない。


■ 窓のマスキング

 本番塗装に向け、窓のマスキングだ。キット付属のマスクシールを使う。さすがにそのままではピッタリとならないが、いくつかにカットすれば問題ない。最初から自分で切るより断然楽。切れ目はマスキングゾルで塞ぐ。左舷後方窓は、スジボリがあるので、セロテープを使う。



風防と右舷後方窓をマスク。こんな具合にカットして、各小片をモールドに合わせて貼っていく。

こちらはセロテープ方式。スジボリに沿ってカットして、一部をはがした状態。


 画像はないけど、可動キャノピは、内側を削って薄くして磨き、付属シールでマスクする。セロテープのカットはデザインナイフ。その前にケガキ針でスジボリをなぞっておくと、脱線しづらくなる。

 次は迷彩塗装。静岡まであと10日。


■ 塗装考証 5/11追加

 破竹の勢いで塗装に進む。私が塗りたいのは黒/緑の雲形迷彩。この塗装で主翼MGが2挺の機体があればいいのだが、手持ち資料では確実にそれと分かる機体がない(←後日CU577とCU578の情報をいただく。ただし後者は機首と胴体の黄色塗装なし)。だから、わざわざスジボリして4挺にしたのだ。その中から、CU580 黄の0を選ぶ。理由は、鮮明な写真があり細部の考証が確かなこと、機番にフチがなくインレタ1枚分節約できることの2つ。

 折角なので、調べた結果をリストにする。参考にしてくだされ。複数の文献で違うことを書いてたりと、疑問点もあるが、そのまま記載する。見てのとおり、シリアルの並びと型式に規則性はない。五月雨式に購入したのかな。H-75の場合、シリアルの末尾が尾翼の機番になる。他機種では一致しないものもある。色が違うのは中隊別なのかな?



・リスト中で断定的に書いているのは、写真から確実に分かるもの。曖昧な表現は写真で確認できないもの。
・型式の推定は、MGの数とスリット。A-2の途中から4挺になり、スリットはA-3以降。
・オスプレイ本は、Osprey Aircraft of the Aces 86 P-36 Hawk Aces of World War 2
・スコドロ本は、Squadron Signal 6073 Finnish Air Force 1939-45
・その他に、Soumen Ilmavoimien Historia 11 Finnish Fighter Acesなどを参照
・機番の白と黄色は写真では判別が難しい。文献の記載に従うが正しい保証はない。
・後方固定窓の内側は、明色(おそらく無塗装)と迷彩色の2通りがある。写真ではハッキリしないものも多い。



■ 迷彩塗装

 では塗装作業開始。以下画像で。



前回書き忘れ。主翼付け根のウォークウェイのフチを細切りデカールで再生する。フィレットにはたまぐり#2。

全体にサフを吹き、細部の最終チェック。見つかる不具合を直したら本番塗装だ。

今回、白と黄は先塗り方式とする。まず半艶白(GX1+C62)を吹き、国籍マークをマスク。グレイはオラマスク810。

続いてRLM04を塗装。黄色は厚塗りしないと赤が発色しない。まずオレンジイエローを薄く吹いて赤味を乗せてから04で戻す感覚。

黄色をマスクしたら、発色のため再度サフを乗せる。機番のマスクはマシンカットのオラマスク。

下面色を吹き、マスキング。胴体はポストイットの糊のついた部分を使用。

オリーブグリーンを塗装。最近マイブームの「もやもや塗り」。

黒のためのマスクはMrペタリ。パターンは原寸の図面に描き込んでおく。

黒を吹き、窓以外のすべてのマスクをはがす。

下面はこのとおり。


 ハカリスティはマシンカットのフィルムでマスクしようと思ったら、いまいち精度が低い。そこで、切ったフィルムを位置決めの目安として、手切りのマスクテープを貼る作戦に変更する。そろそろマシンを買い替えようか。



マスクフィルムを貼って位置決め。しかーし、この画像なんか変なのだ。分かるかな?(答えはのちほど)

四角の中に短い帯が4つ。最初に中央に十字に帯を貼って、それをガイドに短い帯を貼る。

トゥルーブルーを塗装。レシピはGX5スージーブルーとC37 RLM75が半々に白少量。ここで全体にセミグロスクリアを吹く。

下面。


 答え合わせ。ハカリスティの向きが逆(鏡像反転)。あの画像だけ見て一瞬で分かった人=神眼力の持ち主。30秒以内の人=相当なフィン空通。右の画像と比べて分かった人=凡人。分からなかった人=私と同じレベル。

 いやこれ、サイズを合わせるのにInkscapeに実機写真を取り込んでトレースしたんだけど、その写真を左右反転して使ってたのを忘れてたのだ。あほやなー。テープまで貼っていざ塗装という時に、嫌な予感がして資料本を見て、ようやく逆なのに気付く。でも、気付いてヨカッタよ。

 模型は完成しているが、長くなったのでここまで。


■ 続、塗装 5/14追加

 前回更新の書き残し。可動キャノピのマスクも、キット付属のカット済みシール。ビミョーに合わないところはカットして合わせる。キットのキャノピパーツは、開状態にすると胴体との合わせがきつい。内側を削って薄くする。その際、力を入れ過ぎて上部にクラックを入れてしまう。角度によってちりめん状のヒビが見えてしまう。うぬう・・。

 当機の写真は右舷のみ。左舷の迷彩パターンは、既存塗装図や他機からの類推。しかしこれらは、水平尾翼の下の胴体は下面色。一方、右舷は緑が下に回り込んでいる。同一機体で左右の下面塗り分けラインが大きく違うのはどうかと思い、左舷にも緑が回り込むと推測する。他機は機体ごとのバラツキではないかと。真相は定かではない。さらにいえば、上面パターンも既存塗装図から。手持ち写真でパターンが分かるものは持っていない。

 迷彩塗装のマスクを剥がしたら、はみ出し、塗り残しを筆でタッチアップ。右舷の下面色塗り分けラインがイマイチ似てなくて、これも筆でタッチアップ。境界のぼかしは面相筆。2色を混ぜて境に細い線を描く。アップで見ると線が分かってしまうな。精進が必要だ。


■ 小物

 プロペラはキットパーツ。出来はよい。先端を薄く削る。砲弾形のスピナは、キットにもセットされるが、整形が面倒で3DP。ブレード先端の黄色い警戒塗装は、機体によって有無がある。製作中はいい写真がなくてよく分からず、推測で「あり」にするが、その後頂いた写真では「なし」のように見える。もっとも、飛行中でブレードがブレているので「あり」の可能性も排除できない。シリアルが近い機体は「あり」だし、あった方が模型的には見栄えがするので、そのままにしておく。

 シートは、アルマ純正3DP。これは仏軍使用機を模したものだと思うが、5点式のシートベルトだ。ドイツが鹵獲しフィンランドに売っぱらった機体が同じベルトかどうか知らないが、そこはそのまま使う。色も不明。デカールが明るい茶色なので、C526茶色とセールカラーを混ぜて塗る。



プロペラ出来上がり。スピナは迷彩色のダークグレイ、ブレードは白20%混の半艶黒。先端の黄色については本文参照。

シートを塗装してウェザマスでウォッシュ。ベルトの色は推測。



■ 翼MG2挺の黒/緑迷彩機

 前回更新で、大戦中の黒/緑迷彩機で翼MGが2挺と確定できる機体がない旨書いた。しかし、その後あるとの情報を頂く(情報感謝)。それはCU577で、Soumen Ilmavoimien Historia 5に写真がある(←私は持ってない)。ほぼ正面からの撮影で、機番の7、機首の黄色、2挺のMGが確認できる。リストも訂正しておく。機体の塗装は、CU580と機番とシリアルのみが違い、あとは同じだろう。


■ 逆ハカリスティ

 前回更新で、ハカリスティを逆に間違えたと書いたが、実機でも逆があるとのこと。それがCU556で、なるほど写真をよくみると主翼は逆。別写真により上下とも逆。胴体は正しい。私と同じレベルの人は80年前のフィンランドにもいたのだね。


■ インレタ

 シリアルは自作インレタ。いつもは黒にするところ、明るめの黒の迷彩色に合わせ、黒に近いグレイのT215にする。折角なのでデータをお裾分け。そのままでもアドマにメールで送ればCU577ができるよ。その他の機体は、数字インレタを切り貼りされたし。これはできればInkscape上で並べ替えるのがベター。さらにMS406とBf109用のローマ字もセットでお値段0円。ただし両機種に関してはサイズは未確認。



シリアルのインレタ。生の黒でないので、周囲に馴染む。


データお持ち帰りはこちら


■ ウェザリング

 記録写真で見ると、緑単色の機体はドロデロに汚れているが、黒/緑迷彩の機体はそこまで汚くない。そのイメージでライトな汚しにする。パネルラインのシェーディングは極控えめに。最近流行りのあのクドいやつには食傷気味なのだ。そのかわり、面相筆で暗色を点描。ウォッシングはいつもの水溶きウェザマス。

 翼付け根のチッピングが悩ましい。モデルはウォークウェイに何か貼って、フチをストリップで押さえている状態を再現している(実機がどうかはさておき。←写真不鮮明でよく分からんのじゃ)。では何を貼るだろう? と考え、ゴムを想定して黒でチッピング。フィレットは金属だからライトグレイで。チッピングは面相筆と色鉛筆と両方使い。

 もう少しだけクドさが欲しくなり、タミヤエナメルの黒と茶を混ぜ、ぺトロールで薄く希釈して要所に吹きつける。やり過ぎは、筆にぺトロールをつけて気流方向に払うように拭き取る。筆塗りやエナメル吹きは艶が出る。フラットクリアに極少量のフラットベースを混ぜ、全体にスプレー。ここで窓のマスクをはがす。



翼付け根にチッピング。

窓のマスクをはがす。マスクシールなので、剥がす前に境目にナイフでスジを入れる。それでも持っていかれた所はタッチアップ。



■ 脚

 脚回りは、すべてキットパーツ。出来はよい。フィン空のH-75は、カバーの車輪部分が撤去されている。キットにはこのパーツも付属する。ということは、フィン空バージョンが出るのは間違いない。ただしキットの翼機銃は2挺なので、マーキングは限られる。(機銃回りを差し替え式にしない割り切りは高く評価する。差し替え式は、接着部が汚くなって、結局作品のクォリティが下がる。)

 脚部の塗色については、以前作ったフライングタイガースのH-81と同じにする。すなわち、脚柱、斜めロッド、ホイルは銀(C8+クリア)、ホイルキャップ、脚カバー内外、脚柱収容部内面は迷彩色である。同じような時期に同じ工場で造られたから、それでいいのではないかな。

 しかし、アメリカで造られ、フランスで使い、ドイツが奪い、フィンランドに売った機体の脚回りの「迷彩色」が何かは、はっきりいって謎だ。でもまあそこは深く考えず、フィンランドの工廠でフィンランド制定色にきっちり塗り直した、と解釈しておく。



丁寧に整形し、0.2mm鉛線でブレーキライン。オレオにメタルフィニッシュ。インストと手順を変え、先に翼に脚柱を接着する。

その次に、カバーや車輪を取り付ける。ホイルは、キャップのみ迷彩色でリムはアルミ地のままだと思う。

トルクリンクと斜めロッドはナイフでこそげて細くする。

尾輪もキットパーツ。取り付け部の布の色は不明。そういうときはグレイで塗っておく。


 カバー取り付けには、若干の擦り合わせが必要。ということは、先に脚柱につけると翼への接着に難儀するかもだ。


■ 金属細工

 クランク状のピトー管は、0.6mm、0.3mmの洋白線、0.3×0.5の洋白帯金をはんだ付け。金ヤスリで0.6mm線の先端を半円断面に削り、そこに帯金をはめこむ。



こんな具合に組んで、フラックスを垂らし、接合部にはんだの小片を置き、ポケトーチで炙る。台はホームセンターで買った石板。

余分をカット。このあとヤスリで整える。洋白なので、塗装する必要がないのがいい。

機銃スリーブを0.6mm真鍮パイプで再現。実機はさておき模型的表現で。

翼機銃も0.6mm真鍮パイプ。



■ アンテナ線

 アンテナ線は、ちょっと複雑。胴体のアンテナ柱から尾翼に1本張られ、その線から胴体内に引き込み線が分岐する。位置はアンテナ柱の直後。さらに尾翼付近から両翼端にも線が貼られる。文章だとややこしいので、下左の画像を見てもらう方が早いかな。

 では、どう貼るか。アンテナ柱から尾翼に至るテグスをA、翼端からAに接続し反対の翼端に至るテグスをBとする。AをBに結びつける。逆は不可。Aの一端を尾翼に接着する。尾翼から結び目までは5mm程度。Aのもう一端をアンテナ柱に接着。両翼端には0.2mmの穴を下面まで貫通させる。

 Bを翼端の穴に通す。伸ばしランナーの先を斜めに切り、瞬間をつけて穴に突っ込む。反対側も同様。その際テグスを少し引っ張ってテンションをかける。余分なテグスとランナーを切ってタッチアップすれば出来上がり。意外と簡単。使用テグスは、モノスレッド エボリューション0.2号。



線Aと線Bを取り付けたところ。無線機への引き込み線は確信犯で省略。AとBと張れば十分かと。

翼端はこの位置。翼端灯はクリアランナーで。


 出来た!と思って写真を見返して、取り付け位置の間違いに気付く。H-81と同じように尾翼前縁の小片から張られてると思い込んでたけど、フィン空機は尾翼上端に柱を立て、そこから張られるのだな。いやあ、あれだけ写真を見ていて、何で気付かなかったんだろう。



間違えたアンテナ線を撤去して、同じ手順を繰り返す。碍子は白塗料。引き込み線は相変わらず省略。

なんちゃってレヴィを取り付け工作終了。本体とステーはキットパーツ。ガラスは0.2mmプラバン。ステーのみ先に付けておく。


 フィン空機の碍子は2個ずつある。しかもデカい。写真では黒っぽいけど、模型なので白で。塗料を盛ると、球形にはならず紡錘形。でも、両端を黒く塗ると球形に見えてくれる。

 クラックの入ったキャノピは、内側にフューチャーを塗ってみる。たっぷり塗って、ティッシュの上に置いて垂れを吸わせながら放置する。と、クラックが目立たなくなる。割れ目の隙間にフューチャーが浸透したのかな。乾燥したら木工ボンドで胴体に固定。これにて完成。工作のヘタレや手抜き、実機と違う箇所があちこちあるが、気にしないことにしよう。


■ 追補

 胴体の膨らみは裏打ちして削ったが、最終的に裏打ち分を削ってフチを薄くする。ということは、裏打ちなしでも大丈夫そう。そういう想定で設計しているのかも。ただしかなり薄くなるから、リベット打つ場合は要注意。

 可動キャノピは、開状態だと内側を削れば上手く収まるが、閉だと少々過大。熱湯に漬けて幅を狭めるといいだろう。やり方は1/48ハリケーン製作記など参照されたし。また、その場合は胴体側も合わせを調整する。

 全てのスジボリは、ラインチゼルやケガキ針などで彫り返し、表面を一皮剥くように削る。この一手間でスジボリがシャープになる。後日、翼機銃口の小パネルのスジボリ忘れに気付く。うぬぬぬ。でももう修正しない。


■ 完成

 では、完成写真。製作したキットは、発売前の製品版のファーストロット。日本での発売より先に完成だ。世界最早ではないが、日本最早だろうね(←ちょっと嬉しい)。それをキットストレートに作らないのが、私の天邪鬼たる所。製作期間はちょうど3週間。ここ10年間での最短記録だ。

 製作中は少々文句を垂れたが、完成写真でお分かりのように、出来上がると雰囲気バッチリ最高のH-75になる。いやあ、何しろ元図がいいからねえ、はっはっはっ。アルマは高いと思っている人も多いが、通販サイトでは3000円台。今やヘタなエア赤箱より安い(しかも出来は上←シーハリのことか?)。ぜひ、購入をお勧めする。フィン空版も多分出る。



















 ハリケーンに戻ろうか。


■ 胴体の膨らみ 7/16追加

 7月11日、アルマホビーから小包が届く。中を開けるとH-75のランナーが入っている。その胴体パーツをよく見ると、コクピット部の膨らみが改修されているではないか。膨らみの解消は100%完全ではないが、ほとんど気にならないレベル。気になる人も、ちょっとサンディングすれば済む。

 これは朗報である。メーカーの姿勢には敬意を表したい。どの製品から改修された胴体となっているのか、詳しい情報はまだないが、少なくとも、次にリリース予定の米軍版P-36Aでは改修されているのではないだろうか。



改修後の胴体。コクピット横の膨らみが解消された。

再掲。改修前の胴体。







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■ 図面

 解説は
こちらに記載。

側面図上面図下面図断面図正面図





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■ 参考文献

 P-40B製作記に記載する。5/11フィン空関連を追加。



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