ホーカー ハンター F.6 エアフィックス 1/48 製作記その2
2020.11.20初出
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機首下面のアウトレットがヘタレでやり直す。キットモールドを削り落としてプラ材で新造する。 |
燃料タンクも工作。フィンを0.3mmプラバンに置き換える。写真撮ってなくてこれは塗装途中のもの。 |
ほとんどグレイに見える銀は、まあまあ狙い通り。もうちょい「銀色塗装」に見えると嬉しいが、いいレシピが分からない。 |
下面をマスクして上面のミディアムシーグレイを塗装。ロボでカッティングシートを切ってダークグリーンのためのマスキング。 |
ラウンデル、フィンフラッシュ、後部胴体のチェッカーは突合せで塗るのでマスクしておく。 |
マスキングを全部はがしたところ。ラウンデルの下地はサフ。 |
この方式、元のデータさえあれば、あとの切り出し、貼り付け作業はかなり楽。塗装図の段階で迷彩パターンを気の済むまで修正できるというメリットもある。今回はぼかしがないから直接マスキングシートを切って貼ればよい。ぼかしありなら紙を切ってMr.ペタリで貼るのがいいかな。では、お持ち帰りファイルをご提供。2/3倍すれば1/72にも使える。ダウンロードはページ末尾で。
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まず、青のためのマスキング。これらの同心円はサークルカッターで切る。 |
デザインナイフの刃をボルトに瞬間で固定。針の基部もギリギリまで削り、半径1mm強の円まで切れるように改造してある。 |
ラウンデル、フィンフラッシュまで終了。胴体のチェッカーの下地はマスクしてあり、上面迷彩色とは突合せ塗装とする。 |
チェッカーのサイズに切ったテープをガイドに周囲を貼り、最後にガイドのテープをはがす。このあと白を吹く。 |
チェッカー全体の高さの1/2に切ったテープをガイドにして、個々の四角のテープを貼る。端から順番に3枚貼って真ん中をはがす。 |
上の四角は下の四角を位置のガイドとする。こうすれば、チェッカーがきれいに並ぶ。 |
最後にチェッカーとラウンデルの間に見える迷彩色を塗装。別塗装にした方が、マスキングが断然楽。 |
チェッカー終了。翼端の白、黒と銀も終了。水平尾翼は仮止め。このあと、全体にセミグロスクリアを厚めに吹いて磨く。 |
マーキングのマスク境での滲みだし防止のため、いつものとおり先にクリアを薄く吹いておく。チェッカーは白の上に青を重ねたが、青のエッジに白が見えてしまう。ここも突合せで塗るべきだったな。ハリアーのときもそうだったけど、スマホだとダークシーグレイが明るく写る。実物はもっと暗い。 改造サークルカッター補足。小さい円を切るには、刃先の位置が重要。刃より針を1mm突出させ、カッターマットに針を1mm突き刺すと安定して円を描ける。横位置は針の真横に刃先。つまり、刃先と針を結んだ線と刃の向きが直角となる。これがズレると円が渦巻きになる。位置決めが微妙過ぎて頻繁に刃を交換するのが面倒。切れ味が落ちたらペーパーで研ぐ。
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こちら工作前(再掲)。 |
工作後。銀色部分はキットの不要胴体パーツをベースに加工。 |
タンクの右舷側にある丸3つのパッチは、230ガロンタンクにあるのは確実だが、100ガロンタンクにもあるかどうかは自信なし。あるように見える写真もあったのだが・・
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当機のオーバーヘッド・エジェクション・ハンドルは、ファントムなどとは形が違うようだ。 |
この微妙なカーブは、平面形と正面形を押し出して作る。まずは立方体を平面形で押し出し。 |
さらに正面形で押し出す。真正面でなく、少し斜めにするのがポイント。次にエッジのパスにそって円をスイープする。 |
お試しプリントしてざっと銀を塗る。リベットもなんとか再現される。 |
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ご覧のように青のフチに白が見えている。これは、白の上に青を吹いたのが原因(前回記事参照)。 |
筆塗りでタッチアップ。ビンにはシンナーが入っており、筆先をちょんとつけて濃度を調整する。 |
機銃口は8番銀+クリアに黒を少量混ぜた自作ガンメタを吹く。プラバンで再生したアウトレット(右上)はこんな出来具合。 |
実機を見ると、脚、脚庫、フラップ内部は下面色のスピードシルバーとは違う感じ。8銀+クリアで金属感強めにする。 |
機銃口や脚庫のマスキングは、セロテープをナイフでカットするのが楽。手脂で粘着力を少し落としておく。デカールの前に、ガイアのセミグロスクリアを軽く吹き、しかる後、塗装境の段差をラプロスで磨き落とす。クリアを吹く前に磨くと、削られた赤、青の顔料で白が染まる。
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レターとシリアルはインレタ。黄色いフックはキットデカール。 |
イナズマと部隊マークはXtradecal。青が赤味がかってるけど小さいから許そう。ラウンデルは塗装だから問題なし。 |
翼下のシリアルも自作インレタ。キットデカールと見比べるとサイズ間違ったカモ。 |
キャノピに黄点線。ベタデカール(タミスピ1のラウンデル)を小短冊に切って1つずつ貼っていく。肩は凝り、脳は沸騰。 |
デカールとインレタの周囲を中心に、セミグロスクリアをしっかり吹いて、再度ラプロス磨き。今作は基本リベットなしなので、少々厚めに吹いても問題ない。リベットのあるエルロンはマスクしておく(ラダーとエレベータはデカールありなのでマスクなし)。それでも完全に段差を消すまでは吹かない。磨いたら再度セミグロスクリア。
中央の「く」の字の上側の部材は、上端断面は円、下側の断面は角丸四角形。完全に形状を再現するならポリゴン系の3Dソフトしかないが、私には手に負えない。円と四角を結んで急角度で曲がる形状は、ロフト君では多分無理。押し出し、フィレットでどこまで似せるかが頭の使い処だね。それと、光硬化レジンは硬いがモロく衝撃に弱いから、強度をどう確保するかも必須課題。 |
できあがり。折角だからタイヤの溝も再現。強度の都合上、上半分の柱状部分(青)はキットを使う。 |
「く」の字部材は、押し出しとフィレットで少しでも似せる方法を考え、まず側面形を押し出し。 |
後ろ側は平面形(1/4円)をストレートに押し出してカット。左右対称なモノは半分作って最後にミラー。 |
前側は、上端の円を40度の角度で押し出して交差。このあと各エッジをフィレットで丸める。下端の円筒断面は改めて円を押し出す。 |
フォーク内側に突起を作り、タイヤとは4か所で接着する。完成後は見えない。ちなみに出力方向はこれがベストだろう。 |
ハンターの前脚は、2本の細いフォークに荷重が集中する構造。目立たないところに金属線で補強するための穴を開ける。 |
補足。タイヤと「く」の字は一体で出力すると形状再現性がイマイチ(お試し済み)。金属線を仕込むためにも分割出力がいいだろう。レジンは硬くモロいのでピンバイスでの穿孔が難しく、細い部材などでは割れたり欠けたりする。そこでモデルの状態で穴を開けておくのだ。上部のプラ材との接続部も金属線を入れる。
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プラバンのリブに穴をあけてパイプを通すなんて、考えただけでも面倒くさい・・ その点3Dはちょいちょいっと簡単。 |
リブ横のボルトはインジェクションでは再現不可能。手作りも大変だ。こういうのも3Dならでは。 |
脚柱上部の主翼取付部は、キットパーツを切り取ってくっつける。これで主翼との取り合い調整が不要になる。 |
トルクリンクに沿ったブレーキラインも設計する。実機は一部がダブルだけど、そこは省略。 |
脚柱中心には0.8mm真鍮線を通すように穴をあける。フォーク部分には真鍮線がはみ出すがタイヤをつければ見えない。 |
タイヤには溝を彫る。出力すると溝はもっと細く浅くなる。 |
内面のディテールは不明でキットを参考にする。真鍮線が干渉する部分には凹みをつけておく。後日内側は穴なしに変更。 |
出力して塗装。脚柱、ホイルはスーパーファインシルバー。フラップ内側は8番銀+クリア。 |
胴体後端には、内側にジェットノズルの筒が見える。キットは再現されないから、これも3Dプリントする。 |
出力時間短縮のため2分割。下端のフチは、キットのノズル内筒にピッタリはまるように設計。 |
補足。フラップは内側面を上(スライサーで)にして出力するのがよい。外側面は、サポートによる表面の凸凹を削り落とす分を見込んで厚めに設計する。同様に、内側の穴あきパネルも積層跡を削る分だけ厚く、その穴は薄板に見えるようにフチを段差状に薄くする。トルクリンクは左右対称ではなく、左右同形。したがって、脚柱はミラーで反転するが、リンクはコピーして移動するわけ。ノズル断面は、キットを何も考えずに組むと真円ではなく、ちょっとつぶれた楕円形になる。作品もよく見たら楕円だ。3Dデータもそのように作るが、真円にするなら尺度のコマンドを削除されたし。 お持ち帰りはページ末のリンク一覧から。。
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脚など接着。アクチュエータはキット。フラップは仮止め。汚しはまだしてない。 |
自立。キャノピのマスクもはがしてテンション上がる。 |
後日追記。開いたフラップの天井は内張りがしてあるから、キットのままでOK。追加工作するにしても、せいぜいリベットを打つ程度。してないけど。フラップ取付部のステーは0.8mm真鍮線で補強できるように穴と凹みをつけてある。
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3Dのエジェクションシートに追加工作して塗装。トラ模様がキビシイ。 |
ガンサイトもアイリスのセットから。必要部分をエッチングソーで切り取り、0.2mm透明プラバンのガラス2枚を立てる。 |
主脚には、ドア開閉リンクとブレーキラインを延ばしランナーで追加。しかし、燃タンの影でほとんど目立たない。 |
主車輪ドアのアクチュエータは、0.6mm洋白線と0.9mm真鍮パイプ。こちらは目立つ場所で、キラリと光って効果大。 |
特徴的なピトー管は真鍮工作。取り付けようとしたら翼端灯がポロリ・・・ |
外れたパーツを再接着して筆塗りで修復。ピトー管はグロスブラックの下地にスーパーファインシルバーをエアブラシ。 |
3Dの前脚はこんな具合。タイヤのトレッドに注目。ドアにはレターを記入。 |
ブレードアンテナはキットパーツ。プラバンの基部をつけて真鍮線を打って接着。 |
補足。ピトー管は1.5mm真鍮棒をテーパーに削り、先端を凸形に削って0.8mm真鍮パイプをハンダづけ。さらに0.5mm真鍮パイプを挿す。主翼に取り付けようと穴を開けたら、翼端灯のクリア部分がポロリと外れる。ショック! 今更クリアパーツを削り出すなんて出来ないから、外れたパーツを再利用。若干の隙間が生じて、白を厚く盛るように塗って翌日ペーパーで均す。最後はラプロスで磨いてセミグロスクリア。応急的処置で仕上がりは完璧でないが、妥協。 改めて資料本を眺めていると、この時代のRAFハンターは、前脚ドアにレターを記入している例が多い。19Sqnでは不明だが、「あり」の可能性大。これまで気づかずインレタは用意してない。ということで、キットのデカールを16インチサイズの「X」に切り出して貼り付ける(翼下シリアルのXを利用)。簡単な字体でヨカッタよ。
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燃料排出ベントを付け忘れ。基部側は真鍮線を残して取り付けピンとする。 |
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さて、今作は、キットの良さを活かしつつ、ぬるい部分をシャープにすっきり仕上げることが目標。スジボリを細く彫り直し、出来の甘い部分は3Dで置き換え、なんとか達成かな。動翼のリベットは写真ではよく見えないが、そこは狙いどおり。翼端の白は予定外だったけど、見慣れると逆にいいアクセントかも。図面と3Dパーツはがんばって作ったので、活用していただければ幸い。 |
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反省点。尾翼後方のフェアリングには、後端に尾灯があるのが正解。気づいたのが塗装後だったのでスルー。図面は訂正。あと、胴体上面のホイップアンテナを付け忘れ。どこか展示会に行くときには取り付けよう。
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実は掲載にあたって、一部作品を手直し。ドーラはモットリングを一部修正し、ウェザマス拭き残し(クリア上掛けでもう落ちない)を地色でタッチアップ。グラは掃除中に張線を切ってしまい、アンテナ線ともども張り替え。でも、苦労の甲斐あったよ。次号ウェザリング特集にも過去作登場の予定。お楽しみに。特集タイトルからどの作品か分かるかな? さらに、その次には新作大物が予定されている。そう、アレだ。しばらくは、それにかかりっきりだな。残念ながら経過は当頁ではお見せできない。雑誌を買ってくだされ。
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1 | Hunter F Mk.6 & 6A Aircraft Servicing Manual | Ministry of Difence |
2 | Hunter F Mk.6 General and Technical Information | Ministry of Difence |
3 | Hunter F4,F6,FGA9,FR10,GA11 & PR11 Aircraft Repair Manual | Ministry of Difence |
4 | 新版 世界の傑作機 No.66 ホーカーハンター | 文林堂 |
5 | Hawker Hunter In Action aircraft no.121 | Squadron/Signal Publications |
6 | Fighting Colors Hawker Hunter | Squadron/Signal Publications |
7 | Warpaint 08 Hawker Hunter | Hall Park Books |
8 | From the Cockpit 11 Hunter | Ad Hoc Publications |
9 | Aeroguide 09 Hunter F Mk 6/T Mk 7 | Aeolus Publishing Ltd |
10 | Modellers Datafile 16 Hawker Hunter | SAM Publications |
11 | Hunter The Hawker Hunter in British Military Service | Sutton Publishing |
12 | The Design And Development Of The Hawker Hunter | History Press |