ホーカー ハリケーンIIC 製作記 その2

2011.1.3初出

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■ 細部 4/26追加

 ちまちま作業が続く。このあたり、一番かったるいところだ。早く塗装に進みたいのだが、手を抜くと仕上がりにモロに影響するし、頑張るしかないね。

 で、面倒な着陸灯をやっつける。中にライトを仕込みたいのでプラバンをヒートプレス。ライトカバーの接着部をスッキリ仕上げるため、カバー枠の外側をパーツ分割線にする。実機の着陸灯は翼前縁に直角に切り欠かかれているようで、翼の切り欠きを広げるついでに角度も調整。



着陸灯カバーは0.2mmクリアープラバン絞り。割り箸で木型を作り、絞っては現物合わせで型を微修正していく。

凹ませたアルミ板を2.0mmポンチでくり抜く。透明カバーの中なのでレンズのガラスは再現せず。

できあがり。水洗いすると密閉したはずの内部に水滴が・・(その後、乾いて無事透明度回復)。20mmカノンはキットパーツ。

翼端灯はクリアーランナー。端部が尖るように気をつけて削る。


 続いて小突起を再生する。数が多く、結構大変。スピナ直後のオイルフェンスは、キットは9時から3時までだが、実機は8時から4時まで。



オイルフェンスを0.3mmプラバンで追加。左フィレット、カウル右上の小エアインテイクもプラの端材から。

オイルフェンス下方にあるインテイクもプラ材で追加する。

コクピットのエア排出スリットは延ばしランナー。断面を90°の扇形に削り、所定の長さに切り出し、接着後に端部を丸める。

左舷にもスリット。防弾板は0.3mmプラバン。


 エレベータの端部だけは羽布が凹面になっている。ここのリブが湾曲しているため、布の張力で表面が平らにならないのだ。ここは水平安定板とのギャップがあり、クラシカルなハリらしさに溢れている。実機写真を見ながら、彫刻刀などで彫り込む。



水平尾翼を接着。エレベータ端部を彫り込んでるのが分かるかな? 尾灯の基部もプラロッドで追加。

後部胴体下方の小穴をあけ、フィンの厚みを削ぐ。キットはフィンがやや短く、その前方のパネルラインの位置も違うが未修正。


 スピナはアカデミー。先端をやや丸め、スジボリ。そのあと、Mk.IIの尖んがりスピナには、中程のパネルラインの有無のバリエーションがあるのに気づく。もしかすると、形状にも微妙な差異があるのかも知れないが、よくわからん。



プロペラをスピナに接着。熱帯型のスピナはパネルラインなしが主流のような気もするが、このままで行っちゃう。

脚収容部のディティールを追加。



■ サフェーサ

 ディティール工作が大体終了したところで、表面の不具合箇所発見のため、サフを吹く。金属部分には下地にメタルプライマーを薄く吹いておく。予想通り、羽布表現のパテ部に気泡が表れる。溶きパテで埋めてサンディング。不具合のない部分は、ここで吹いたサフがそのまま塗装の下地になる。



一発目のサフェーサを吹く。キャノピをやっつければ本塗装だが・・・

エレベータの端部が布張りらしく見えてくれてるかな?



■ キャノピ 5/6追加

 ハセのキャノピは全体的に幅が狭く、とくに風防正面窓の狭さが、ここにきて気になって仕方ない。ただ、全体幅は後部胴体との関係で今さら修正不可。風防正面の幅は、両サイドからの絞り込みを緩くすれば多少広げることは可能だが、木型削って、絞って、スジボリして・・だと静岡HS完成が危うい。ということで、キットパーツで行っちゃう。本格的に修正するなら、後部胴体上部もプラバンでも挟んで幅を広げる必要あり。

 キットのキャノピパーツで、もう一つ気になるのが、窓枠の太さ。ただでさえ小振りなキャノピが、枠の太さによってさらに小さく見えるので、ここだけは修正してやろう。狭い平行線のスジボリは、ハイテクマスキングテープをガイドに、P-40Lで使った自作のダブル針でけがく。また、実機は風防前下端が垂直に切り落とされているが、キットは表現されてなく、これもヤスリでちょこっと削る。

 また、ハセのキットは、風防と胴体との合わせがイマイチで、胴体の方が広い。原因は、キャノピ幅が狭いだけでなく、胴体断面形の1時、11時方向が張って「怒り肩」になっているせいもある。 話が前後するが、ここは胴体製作時に断面を「なで肩」に削って調整してある。



一旦、全面を削ってスジボリを消し、新たに彫り直す。

コンパウンドで磨く。よく見ると前の線が残っているなあ。前端を削り落としたため、スジボリと位置が合わない。


 いつものとおりセロテープでマスキングしたら、塗装準備終了。今回はキャノピを接着せず、仮止めした状態で塗装する。そのため内側もマスクする。


■ 塗装考証

 1942年北アフリカにおける英空軍第94スコードロン所属、コードレター GO@J、シリアル BP387とする。世傑等に本機がマクロバート献納機とともに編隊飛行している有名な空撮写真がある。激しい退色と汚れがモデラー心をくすぐるね。文献-6には右舷からの写真もあり、こちらもGO@Jとなる。ダークアース(DE)とミドルストーン(MS)の砂漠迷彩は、編隊の他の4機と反転している。下面色は、上面との明度比較からエイザーブルー(AB)と思われる。キャノピ下にペナントと文字らしきものがあるが、ただの汚れかも知れない。同隊は20mmカノンを2門に減らしている機も多いが、本機は4門。

 胴体のDEは退色著しくMSと区別がつかないほどで、垂直尾翼や後方のマクロバート献納機とはハッキリと明度が異なる。胴体ラウンデルはくっきりとしており、塗り直されたか。スピナは、他の砂漠迷彩機のカラー写真を見ても、純粋な赤ではなくダルレッドと考えて間違いない。キャノピ内部の後部胴体につながる部分の塗色が悩ましい。これも文献-6にある砂漠迷彩IIDのオリジナルカラー写真では、当該部分はグリーングレイの機体内部色には見えない。他のカラー写真でも当該部分は迷彩色に見えるものが主。ただしGO@JについてはMSより暗く写っており、機体内部色のように見える。



複数文献に出ている有名写真なので掲載しちゃう。



■ 調色

 迷彩色は基本色としてP-40Lで自家調合したもの(注)を使う。これ自体、ビン生より相当退色風味だが、さらにDE(退色)としてDE(基本):MS(基本)=2:1、MS(退)としてMS(基):セールカラー=2:1を新たに調合する。DE(退)はビン生MSとほとんど同じ明度。下面色は、P-40のABが青味の少ないデュポン社製近似色をイメージして調色しており、これに微量の青を加えたものを基本のABとする。ダルブルーはいつもの自作ダルブルーにMSを少量加えて退色表現。場所により加える量を加減する。

 ダルレッドが難しい。上画像や前述のカラー写真から、それほど退色が進んでなく比較的鮮やかに赤味が残っているイメージ。ところがそうすると退色した他の迷彩色とのバランスが悪くなる。試行錯誤の結果、P-40でスピナに使った自作ダルレッドにMSを1/3程度加えたものとし、翼上面はさらにMSを多く加える。

 排気の汚れにも気を使いたい。生の黒を吹いたのではぶち壊しだ。DEと自作タイヤグレイ(明度はエクストラダークシーグレイ程度)を半々に混ぜる。そのままではかなり明るいが、退色した迷彩色の上に塗ると、黒く見える。



立体色見本として、長谷川寿比人君に登場していただく。


(注)P-40L、RAFラウンデルの調色レシピ
  • ミドルストーン:#21ミドルストーン、#62白を4:1に#22ダークアースを少量加える。
  • ダークアース:#22ダークアース、#4黄を3:1にオリーブドラブ少量を隠し味に。
  • 下面色:#335ミディアムシーグレイ、#62白を3:1に青を少量加える。
  • スピナ:#327サンダーバーズレッド、#114RLM23、#4黄、#13ニュートラルグレイを1:1:1:1。
  • ダルブルー:#326サンダーバーズブルー、#331ダークシーグレイを3:1に黄微量で赤味を補正。
  • ダルレッド:#327サンダーバーズレッド、#4黄、#331ダークシーグレイを2:1:1


■ 迷彩〜マーキング塗装

 以下画像で。



下塗り。垂直尾翼、胴体の下側にはDEとMSの基本色、翼と胴体上側は退色したものを使用。

表面をラプロスで軽く磨き、Mrペタリでマスキング。はがすと下塗りのDEがはみ出している箇所があり、MSでタッチアップする。

迷彩終了。チョコクリームかキャラメルか、なんか美味しそうな色合い(とくに背中が・・)。

マーキングは手描き。ラウンデルは、黄(白の下塗りあり)→青→白→赤の順で塗り重ねる。

胴体羽布表現がデリケートなので、境目の段差がなるべく生じないよう、発色は二の次にして極力薄く吹くことを心がける。

胴体と下面ラウンデルの赤丸のみAMDデカールのスピット&ハリ用ラウンデルシートから持ってくる。

下面も終了。基本のABにP-40下面色で味付け。SEACではないよ。

レターは高さ28in、幅21in、文字太さ4in。パソコンで下絵を描き、剥離紙に貼ったマスキングテープにプリント、デザインナイフで切り出す。

主翼のダルブルーが明るすぎてダルレッドとのバランスが悪い。再度マスクしてダルブルーのみタッチアップ。

マーキング終了。コクピット横のペナントらしきものは、この際オミット。まーいーじゃん。


 補足。黄色は薄吹きだと発色しない。赤を混ぜオレンジ色にすると、薄吹きでも狙った赤みの発色になる。デカールの赤は、上から筆でタッチアップしようと思ったが、違和感ないのでそのまま。

 全体にガイアのフラットクリアを吹き、マスク境の段差、柚子肌をラプロスで軽く均し、もう一度フラットクリアをごく薄く希釈して吹く。


■ ウェザリング

 いよいよお楽しみウェザリング。まずは、全体の汚れのトーンを決定づける派手な排気汚れから。実機写真を傍らに、前述の排気汚れ色をぶわーっと吹く。胴体や主翼の上面には部分的に(←これが大事)セールカラーを薄く乗せ、チョーキング層を表現。次に整備員や搭乗員が歩き回ることによる汚れや剥がれを面相筆で描き込む。排気汚れに負けないように若干強めに、かつ主翼付け根と機銃アクセスパネル周辺に集中させる。

 スミイレ、ウォッシングは水溶きウェザリング・マスター。その他、写真から読み取れる汚れを加えていく。最後に、指にパステル粉を少量つけて羽布のリブを擦る。パステル色がほんのり乗って、リブが強調され、なかなかイイ感じだ。



ウェザリング終了。

モノクロ変換して明度、コントラストを調整。実機モノクロ写真と比べると違うところもあるけど、自己採点としてはまあまあ。

上画像のアップ。チッピングは、DE(基)、MS(基)、ダークシーグレイなど。

ウェザリングマスターも併用。


 ウェザリングで意識するポイントをいくつか。まず一番重要なのは、実機の汚れをよく観察すること。このときオリジナルカラー写真は情報量大で極めて有用だ。暗色立ち上げパネルライン沿いシャドウ吹きが主流の昨今だが、こんな風に汚れている機体って、現実にはほとんど無いぞ(ゼロとは言わぬが)。また、汚す部分と汚さない部分のメリハリをつける。エアブラシだけでなく筆を使うと鋭さが出る(ハゲチョロでは針などによるスクラッチも有効)。

 排気は黒、ハゲチョロは銀、埃はサンド、ではなく下地(迷彩)色や茶、グレイなどを混ぜることで、色のまとまりが良くなり、生っぽさがなくなる。退色表現では、部分的に暗い色、退色していない色を置くことで、より退色が明示的になり、作品が締まる。単に迷彩色の明度を上げただけでは、ぼやけた印象となる。ましてやデカールの色が生だったりすると、バランス欠くこと著しい。以上まとめると、全体としての色調の統一感を保ちつつ、明と暗、疎と密、鈍と鋭(←ぼけ味)、濃と淡のメリハリをつけるとよろし。


■ 小物

 主脚の調整に手こずる。キットは脚カバーの下端と車輪軸との上下位置関係が不正確で、これに手を付けたがため、あちこち修正が必要になり収拾がつかなくなる。ここは素直にストレート組みが一番かも。一応記述しておくと、主脚を付け根で1.5mmカットし、その分オレオ上部で1.5mm延長(これにより、斜め部材の取り付け位置が上がる)。斜め部材にはさらにリンク部材を追加。

 カバー本体も上部を1mm程カット。表面のウネリを削り、凸丸をプラ丸棒から削り出す。縁と脚柱取り付け部を薄く削る。カバーの後方斜材部分はカットし、プラバンで置き換え。ブレーキラインは0.2mmの鉛線。実は画像の状態では車輪とカバーの前後位置関係が正しくならない。脚柱をはがして1mm弱後方に再接着。カバー内張との間に隙間が出来るが、この際無視。脚カバー形状そのものも微妙に違うが、これも未修正。キャノピにはリアビューミラーと取っ手を追加。その他、話が前後するが、塗装前に機銃を引っかけて破損。軸を真鍮線で置き換え。



脚関係にはいろいろと追加工作。脚カバーから脚柱下端がちょこっとはみ出す。

排気管、タイヤもキットパーツ。サンド色のウェザリングマスターが活躍。

座席はプラバン細工。鉛板のシートベルトを付ける。計器板はタミヤスピットから。←普通こんなもの後付けしないけど。

照準器はクイックブーストのレジン。←相当にオーバースケールだけど。アンテナ柱は真鍮棒削りだし。その前方に航法灯を追加。



■ シリアル

 最後にシリアルを自作インレタから貼ろうと思ったら、「B」を使い切っている。あわててアドマに発注。


■ 落とし穴

 ハリの製作がほぼ終了し、SHSに間に合うなあ〜と一息ついたGWの中頃、重いものを持ち上げたひょうしに古傷のぎっくり腰を1年半ぶりに再発。ホント、情けなか〜。養生に努め、なんとかSHSには両日参加するつもりだが、腰の状態次第。皆さんもご注意を。いや、こいつがなければ、残り1週間でもう一品追加しようかと目論んでたのだが・・・


■ ほぼ完成 5/12追加

 注文のインレタが届き、ピトー管がまだだが、とりあえず完成。機首形状、鎖骨、リブ表現はイメージどおりで満足。塗装&汚しも、まずまず。本当はもっと大胆にドロデロにしたいのだが、ある段階から手を入れるとどんどん悪くなり、この辺が自分のセンスの限界と手を止める。完成して眺めると、キャノピ、後部胴体、主脚カバーなど、修正をパスした部分が不満だが、以前に作ったときはこのあたり全く気にならず、それだけハリに対する鑑識眼がアップしたということか。ま、いずれ1/48でリベンジしよう。完成画像も暫しお待ちを。















■ 北アフリカの戦い

 作品は1942年後半における94スコードロン所属機である。マルセイユらJG27エクスパルテン達のヤラレ役という感のあるハリケンだが、当時の状況を文献-9あたりから振り返ってみよう。

 I型が最初に北アフリカの空に現れた1940年当時、RAFは優勢であった。相手がイタリア軍のCR.42やSM.79あたりだったから当然だ。それも1941年初めにルフトバッフェが本格的に肩入れしだすと、徐々に劣勢になっていく。1942年前半は独軍優位のピークで、地上ではロンメルがエジプトに迫り、空ではマルセイユが着実にスコアを重ね、6月に撃墜100機を達成する。ハリケンはメッサーFとの性能差が大きく、防御的な空戦を強いられていた。エルアラメイン戦は7月に始まり、9月1日にはマルセイユが1日に17機を撃墜する。

 しかし独軍の勢いもここまでであった。10月23日にモンゴメリーの反撃が始まり、11月にはアフリカ大陸西方での上陸=トーチ作戦により独軍を挟み撃ち、1943年5月アフリカの岸から追い落とした。GO@Jが撮影されたのは、おそらくアラメインの反撃後、ようやく余裕が出てきた頃ではなかろうか。汚れ&退色はそれまでの激戦の証、機銃2丁はメッサーに対して少しでも運動性を良くしようとするけなげな努力なのだろう。


■ もう一品

 腰もだいぶよくなり、裏で密かに進めていたエアのMk.IAをソッコー・モデリングでなんとか形にする。これ、砂漠のハリケーンの写真を見ているうち、尖んがりスピナとおちょぼ口がカワイイ短首熱帯型が、無性に作りたくなったのだ。



同じプラ材のくさびを挟んで機首を2mm強広げる。これでもまだ少々足りないが、ここだけ寸法通りにしてもねえ。

広げた機首を#120ペーパーで削り込んで形を整える。プラが厚いので裏打ち不要だ。簡単な作業で見違えるほど良くなる。

フィレット前下部を翼パーツから切り取って接着。鎖骨を瞬間+プラ粉で盛り上げる。サンドフィルタはAモデルからパチる。

実はここまではGW前に出来ていたのだ。とんがりスピナはタミヤスピットIから。先が尖るように形状微修正。


 形状修正は、機首と鎖骨、あとは翼前縁と翼端を削って形を整えるのみ。エアの機首下面は断面が丸過ぎ。サンドフィルタで誤魔化しているが、フィルタなしで作るならもっと平らに削るとよい。背中上部のリブ表現がないので、丸棒ヤスリで削る。尾翼やエルロンの凸凹羽布表現は削って真っ平らに。キャノピの凸窓枠は削り落とし、スジボリ。実はハセの練習台。突起物は機首のバルジのみ再生。残りは無視じゃ。削り落としたリブの再生も時間の都合でパス。ラジエータと排気管はハセから。プロペラブレードは、ハセをベースにデハヴィランドの形に削る。着陸灯はアクリル端材。


■ 塗装

 マーキングは、1940年マルタ島の261sqn所属、レターJ、シリアルP3731とする。垂直安定板全体に塗られたフィンフラッシュが選択の理由。塗装図によってはスピナを赤としているが、黒く塗りたいので黒にする。モノクロ写真ではどちらとも言えない。

 下面色が悩ましい。初期の砂漠迷彩Mk.Iの下面は妙に明るいものが多く、エイザー・ブルーやダーク・メダタレイニアン・ブルーには見えない。そもそも、当時の下面色 スカイは、砂漠に来てみると現地の空に溶け込まず、試行錯誤の末、上記砂漠下面色誕生となったそうな(←受け売りだが)。とすればスカイもあり得ると思うが、そんなカラー写真を見たことないし、塗ってみるとなんか気持ち悪い。

 ということで、現地塗装の適当な色という設定(←強引な・・)にして、P-40下面色に白を3割加える。上面はそれぞれハセハリの基本色と退色を半々にしたもの。ラウンデル、フィンフラッシュはデカール。色調が生なので、上から筆でタッチアップ。使用色はハセハリと同じ。レター「J」はパソコン下絵のラベルシート手切り。ウェザリングも筆でぺたぺた、ちょんちょん。リブは面相筆でお絵描き。チョーお手軽だが、50cm離れるとそれらしく見える。

 塗り終わって、ふと思う。本機の写真は右側面のみ。同じ頃にエジプトやマルタに送られた機体には、左翼が黒いものがある。もしかすると本機も・・。その場合、時期からして右翼は白、機首、機体後半は銀か? ラウンデルが規定どおりでない機体もあるが、現地で記入されたためか。また、左外翼のみ黒い機体もあるが、塗装規定に該当するものがなく、別の機体の翼と交換したからかも。

(2014.5追加)
 On Target Sp2 Britain Alone(参考文献-33)の57頁に当機の塗装図&解説があるのに気付く(早く気づけよ)。それによると、マルタ島418フライト(ちなみにフライト=飛行班は、スコードロン=飛行隊の下部組織)。上面はDG/DEの温帯迷彩のDGを明褐色で塗り直し、その色調はライトアースかミドルストーン。下面はかなり明るく、たぶんスカイブルーで再塗装。塗装図では両舷とも同色。中東司令部はスカイが嫌いだったとか。スピナはナイト。レターJは白。


■ 出来上がり

 ほぼ出来上がってキャノピが神隠し。ポロリと落として机の上で跳ねたとこまでは分かっているけど、いくら探しても出てこない。あれ程の大きさの物体が消える訳がないのだが・・。仕方なくエア新Mk.IIからキャノピを持ってくる。幅、長さが少々違うが、強引に合わせる。この窓枠凸モールドが△断面で塗りづらい。削り落としてスジボリしたいが時間の関係でパス。水溶きウェザマスでウォッシング。仕上げにフラットクリアを吹いて軽く研ぐ。

 お粗末な出来で恥ずかしいが、お祭りの賑やかしということで。仕上げの手抜きは腰のせいにしておこう。機首とフィレット前部のモッコリだけ見ていただければ嬉しい。古いエアもちょこっと修正するだけで、まだまだ捨てたもんじゃない。



迷彩色を筆塗りし、デカールを貼る。

デカールの色調補正、ウェザリングも終了。脚周りはキット。


 砂漠シリーズ、まだまだ続くかも(意外なアイテムでね)。


■ 撮影 7/13追加

 静岡以降、意識がF6Fに移ってしまい、ハリはすっかりご無沙汰。2ヶ月ぶりにやっと撮影し、本項これにて完了とする。あ、ピトー管がまだだっけ。ベースはF-86同様にベニヤ板にタミヤ・テクスチャー・ペイントを塗りたくったもの。空は水色の厚紙にエアブラシで描いた雲。画像は明度とコントラストを上げ、灼熱の太陽を演出する。

 手抜きセットの室内撮影で、砂漠の現実感イマイチなのはさておき、望遠気味に前方やや斜めから撮った画像(ギャラリーページの1枚目)は、ハリの魅力たっぷりで、私の最も好きなアングルだ。改めて画像で見ればキャノピの細さ等、外形修正をスルーした箇所はそれほど気にならない。逆に手間暇かけた鎖骨や機首の幅も、画像からは全く分からない・・残念。まあ、それゆえ既存キットでも見落とされている訳だが。胴体や尾翼の羽布表現は、多少ヨレてるところもあるけど自分では結構気に入っている。次もこの方式だな。

 ともあれ、こちらより→
ギャラリーページの完成画像をご高覧いただければ幸い。やっぱりハリケン、かっこいいな。48リベンジはいずれそのうち。





砂漠シリーズ、進行中




■ 参考文献

 文献-1、4、5、6は基本中の基本。ただしいずれも古く、記述が必ずしも正確でないから要注意。3は著名パイロットの個人的記録が日本語で読めるが入手難だろう。AJプレスの一連のやつは珍しい写真も多い。cz.2は小国・赤星、cz.4は砂漠・SEAC・シーハリに特化していてこれらに関心ある人にはお奨め。SEACでは17も他にない写真あり。シーハリなら26、27も。19、28はRAFのポーランド部隊機。29以降はフィン空と赤星。その他、下表にはないがEthell等のオリジナルカラー写真集、現存機空撮写真集にも登場している。なお、下表の一部文献は電子画像のみ保有。



1 世界の傑作機(新版)No.28 ホーカー・ハリケーン 文林堂
2 世界の傑作機(旧版)ホーカー・ハリケーン 文林堂
3 W.W.II RAFのエースたち 戦車マガジン
4 エアロディティール12 ホーカー・ハリケーン ISBN 4-499-22636-8 大日本絵画
5 Hurricane in Action Aircraft No.72 ISBN 0-89747-174-1 Squadron/Signal Publications
6 Walk Around 14 Hawker Hurricane ISBN 0-89747-388-4 Squadron/Signal Publications
7 Hurricane Squadrons part one North West Europe and Malta ISBN 0-9538061-5-4 Red Kite
8 Hurricane Aces 1939-40 - Osprey Aircraft of the Aces 18 ISBN 1855325977 Osprey Publishing
9 Hurricane Aces 1941-45 - Osprey Aircraft of the Aces 57 ISBN 1841766100 Osprey Publishing
10 Hurricane A Fighter Lebend - Osprey Military Aircraft ISBN 1855324989 Osprey Publishing
11 Monografie Lotnicze 51 Hawker Hurricane cz.1 ISBN 83-7237-001-X AJ-Press
12 Monografie Lotnicze 52 Hawker Hurricane cz.2 ISBN 83-7237-084-2 AJ-Press
13 Monografie Lotnicze 53 Hawker Hurricane cz.3 ISBN 83-7237-094-X AJ-Press
14 Monografie Lotnicze 54 Hawker Hurricane cz.4 ISBN 83-7237-095-8 AJ-Press
15 Hawker Hurricane ISBN 1861261268 Crowood Press
16 Hurricane ISBN 0906393620 Airlife Publishing
17 Eyes for the Phoenix Allied Aerial Photo Reconnaissance Operation in South-East Asia 1941-45 ISBN 0951989944 Hikoki Publications
18 Wydawnictwo Militaria 79 Hawker Hurricane ISBN 83-7219-033-X Warszawa (?)
19 Polskie Skrzydla 4 Hawker Hurricane ISBN 8389450372 Stratus
20 Aircam Aviation 24 Hawker Hurricane Mk.I-IV in Royal Air Force and Foreign Service ISBN 0850450292 Osprey Publishing
21 Aerodata International No.5 Hawker Hurricane I ISBN 0905469755 Vintage Aviation Publications
22 Model Mania 4 Hawker Hurricane ISBN 837237184 AJ-Press
23 SAM Combat Colours Number 2 The Hawker Hurricane 1939 to 1945 in RAF, Commonwealth and FAA service ISBN 0953904040 Guideline Publications
24 SAM Modellers Data File 2 The Hawker Hurricane ISBN 14666103 SAM Publications
25 The Royal Air Force Of World War Two In Colour ISBN 1-85409-185-9 Arms And Armour
26 Britain's Fleet Air Arm In World War II ISBN 0-7643-2131-5 Schiffer Military History
27 Fleet Air Arm British Carrier Aviation, 1939-1945 ISBN 0-89747-432-5 Squadron/Signal Publications
28 Polish Air Force 1939-1945 ISBN 0-89747-324-8 Squadron/Signal Publications
29 Finnis Air Force 1939-1945 ISBN 0-89747-387-6 Squadron/Signal Publications
30 Finnish Fighter Aces Soumen Ilmavoimien Historia 11 ISBN 951-9035-37-0 Apali Oy
31 Red Stars Soviet Air Force WWII ISBN 951-95821-4-2 Ar-Kustannus Oy
32 Red Stars In The Sky 1 Soviet Air Force In World War Two ISBN 951-9035-50-8 Tietoteos
33 On Target Special 2 Britain Alone June 1940 to December 1941 ISBN 1-904643-06-X The aviation Workshop Publications
34 On Target Special 9 The Battle of Britain Comouflage & Markings 1940 ISBN 97-81904-643364 The aviation Workshop Publications



■ 参考サイト







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