ホーカー ハリケーンIIC(ハセガワ1/72)製作記
2011.1.3初出
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まあしかし折角なので、将来1/48の予行練習も兼ね、ここはアウトライン追求でいってみよう。なにしろハリのキット、どれも外形的に問題ありで、特に機首のラインは各社とも大いに不満。個人的にはハセガワのラインが一番好きだけど、まだ改善の余地がある。
まず、基本認識として、スピットファイアと同じ外寸のマーリンエンジンが中に入っている。だからシリンダーヘッドの左右張り出し幅はスピットと同じ。当たり前だがV12気筒エンジンは左右平行にシリンダーが並んでいる。多くのキットのマーリンは前の方が狭くVがだんだん鋭角になるけどね。ちなみにマーリンの横幅は、wikiによると78cmで1/72だと10.8mmだ。 もちろん、だからといって、機首平面形は左右平行ではなく、エンジン先端をぎりぎりクリアした後は、エンジンより太い胴体中央部に向かって少しずつ幅広になっていく。カウル左右の排気管が通る穴も若干前すぼまりだが、各社キットほどではない。着目すべきは、1/72でスピナ後方3mm程のパネルライン。この断面形状は円でなく、上が広がった逆おむすび形とでもいうもの。レベル、ハセガワは比較的雰囲気がでているかな。まだ不足だけど。 ついでに言うと、バトルとかファルマーとかデファイアントの機首も基本同じ。ハリとよく似たラインだぞ。 |
矢印部分の張り出しに注目。この下にマーリンエンジンのシリンダーヘッドが隠れている。シーハリMk.I |
前上方から。ハイライトを見ると、エンジン上部の幅広さ、平べったさと、それがスピナに向かって収斂していく様がよく分かる。Mk.II |
スピットファイアのような「おでこ」の存在感である。赤矢印の張り出し、青矢印のくびれ、左右のバルジが広く離れていることに着目。Mk.I |
真上から。寸法的にはこれが最も分かりやすい1枚。排気管は平行だが、カウルの穴は後ろ広がりだ。Mk.II |
正面からだと、胴体中央部の太さ、上面の丸さが目につくが、これもハリケンのラインなのだ。他にも主翼、尾翼の厚さ、先端の尖り具合など見所多数。Mk.II |
スピナ直後のパネルラインに注目。逆おむすび形の断面形がわかる。 |
最後に一言。そうと分かった上で素組みするのが、正しい大人のモデリング。さらに、それを知りつつ切った貼ったも趣味の世界。
で、この先は迷宮に入っていくんだけど、Mk.IとIIでは機首の長さに違いがあり、鎖骨の位置、長さにも関係しそうなのだ。機首が伸びた分だけ、エンジン架側の取り付け位置も前進しているのかな。 |
赤矢印が鎖骨。キットパーツを同じ角度から見比べてほしい。一方、先に掲載した後上側からの写真だと鎖骨がわからない。理由は後述。 |
この赤矢印が鎖骨だ。かなり低い位置にある。このため見る角度によって、鎖骨の存在が分からなくなるのだ。 |
鎖骨の始点、終点に注意。ところで機首は下から見ると前すぼまりに見える。この一見矛盾している事実をどう3Dで再現するかがポイント。 |
赤が鎖骨。青矢印の主翼前桁の下部に取り付けられる。 |
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これ、リブ(というのかな?)の峰に0.2mm真鍮線を埋めるように瞬間で接着、間をタミヤのラッカーパテで埋め、適度に硬化したところ(翌日くらいだったか?)でサンディング整形。後日パテがヒケると丁度いい具合になる。今回、このお手つき(というか・・詳しくは後で)キットを使ってやろうというわけ。今の目で見ると真鍮線が乱れてたり、パネルライン忘れてたりと、いろいろあるが、それはそれってことで。
型式としてはMk.II、しかもtropのフィルタ付きが好みだが、この頃になるとエース搭乗機なんてのはなくて、戦歴的に地味。IIDは主翼のパネルライン考証がいまひとつ不確か。SEACもすごく気になるが、偵察型でカメラ積んでたとか、塗装もグレイ系なのか茶系なのか判然とせず。もっといい資料を入手すれば、いいのが見つかるかも〜なんて思っているうちに幾年月。あ、小国赤星は私の場合最初からレンジ外なので、悪しからず。 いろいろ考え、とりあえず砂漠塗装のMk.IIC tropで行くつもり。気が変わったらSEACになるかも〜。進行中キットが他に2つあるので、こっちはそれらの目途がついてからかな。
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このとおり、キットのような凹みは、ほとんど無いのが真実の姿。峰と峰の間は直線(というか平面というか)で、断面形は「多角形」に近い。垂直安定板やラダーなどの羽布部も同様で、凹みはなくリブの峰が見える程度。だから、むしろ凹みをパテで埋めた方が実機に近いくらいだが、それだと模型的に見栄えがしないし木製機に見えてしまう。その両立を目指したのが金属線パテ埋め方式なのだ。 製作方法は、モールドの峰に沿ってPカッターで太めのスジボリ。そこに0.2mm真鍮線を瞬間で接着。半分埋まる程度が理想。そこにタミヤパテをシンナーで若干ゆるめに溶いて塗布。1日後にナイフやペーパーで余分なパテを落とす。最後にサフェーサで仕上げ。そのうち1/48もこの方式で攻略しようと思っているのだが、いつのことやら・・・ さてその「お手つき」パーツ。実はシリコン型取りした原型なのだ。キットが発売されて間もない頃だから、随分昔の話しになる。当時は模型誌でもシリコン型取りがもてはやされていたよね。私も影響受けやすいタチで、パーツ自作しては型取ってたっけ。そのレジン複製品(胴体のみ)は他のプラパーツと組み合わせて完成したのだが、そこに悲劇が訪れる。 それから数年後、久しぶりに箱から出して唖然。レジンが収縮して胴体が見るも無惨に歪んでいるのだ。使った樹脂が悪いのか、混合計量ミスか、そもそもレジンの宿命なのか、とにかく経年変化で胴体が収縮。主翼はプラで収縮しないから、上側だけが縮んでエビ反り状態。プロペラが15°くらい上を向いている。以来、型取り複製は全くやる気せず。市販レジンパーツも胴体主翼等の主要パーツは怖くて使えない。
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機首をざっと整形。シリンダーヘッドの張りを下の画像と較べてほしい。これからもう少し削り込んで整えていく。 |
左キットオリジナル。先細で「張り」がないしバルジが「寄り目」。右修正後。これだけのシムを挟んでいる。撮影角度で左の胴体の方が太く見えるが、実際は同じ。 |
再掲。 |
再掲。 |
作業中、無理な力を加えたせいか、昔接着した真鍮線が数本外れて飛んでいく。仕方なく瞬間で補修するが、若干周囲から浮き気味。右舷でパネルラインを一本忘れていて、真鍮線ともどもエッチングソーでゴリゴリ。
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シーハリI型。ノーマルI型も同じ。ラジエータ入り口が上下に狭い。脚庫前方のキャブレター・インテイクも違う。 |
II型。較べると全然違うね。奥のラジエータ中央部に円形のオイルクーラーが見えるが、これもIにはない特徴。 |
シーハリMk.I。他もそうだけど、画像は左右反転しているので気をつけてね。パネルラインとか違うから。 |
Mk.II。側面形で見てもかなり違うぞ。 |
で、ハセのハリはどうなのよ?なのだが、入り口形状、深さからいってMk.IIが近いかな。だから、正しいMk.Iを作るには、機首を詰めるだけでなく、ラジエータ高さも詰める必要があるわけ(ついでに言うと平面形がアレでナニだが・・)。なお、世傑(新版)やエアロディティールのN氏による側面図では、Mk.I、IIの機首、ラジエータの違いが正しく描写されていないので注意。写真をトレースしたと思われるイラストでは違いが描き分けられているけどね。
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別の機体だが、クラークYHがよくわかる。全体に厚いが前縁は案外と尖っているのに注意。模型でも押さえたいポイントだ。 |
ちょっと斜めでおっさん邪魔だけど、ハリのクラークYH。後半のカーブは左画像と異なり逆Rはないが、前縁の感じなど同じだ。 |
水平尾翼、垂直尾翼(ちょい斜めだけど)の、全体的な厚み、端部が尖っていること、前縁も尖っていることに注目。 |
主翼端はかなり薄く尖っている。これも模型では無視されがちなポイント。矢印位置から折れ曲がる(尾翼も同様)。下面はほぼ真っ直ぐ。 |
上の正面からの画像、他にもBウイングの外側2丁の機銃、爆弾架の厚み、Mk.IIのラジエータの絶対幅、パイロットの頭部ぎりぎりのキャノピ、その絶対幅、側面の傾斜角など、見所多数。
翼厚比は、付け根19%、翼端12.2%。内翼(主脚外側の分割部まで)は厚さ、コードとも一定(前後の湾曲部分を無視する)、上反角はゼロ。外翼の上反角は翼基準線(英語では datum line 前縁と後端を結んだ線)で3.5°。主翼スパン40ft0in、水平尾翼スパン11ft0in。内翼コード8ft0.25in、翼端コード3ft11.25in。主翼取付角2°、水平尾翼取付角1.5°、垂直尾翼オフセット左舷に1.5°。
次に気になる所。II型のスピナ形状は目立つだけに残念。長すぎるし、中程が太すぎ。あとは重箱の隅になるが、主翼翼端が厚い。確かに実機は厚翼だが、翼端は翼厚比12.2%で、1/72なら厚さ約2mm強。一方でキットは4mm近い。逆に垂直尾翼はちょい薄いかな。後部胴体はわずかにボリューム感が不足。それにつながるキャノピも若干幅が狭い。ラジエータの最大幅、後方開口部の幅が狭い。 アウトラインでは他にもあるが、あまりにマニアックだし、欠点と言える程のものでないので、この位にしておこう。細部では、後部胴体の水平尾翼下にある四角いアクセスパネルは左舷のみが正解で、右舷側は羽布&リブが続く。ここだけは素組みの人もパネルラインを埋めよう。「鎖骨」は表現されていないが、他社も同じだから短所とは言えない。その他細部の要修正箇所は製作の過程でコメントする予定。
次にアカデミー。これも基本ハセのコピーで、パーツは完全に互換性がある。ハセと較べ胴体羽布モールドは一見よさげ。ただやっぱりあと一歩で、リブの間隔と収束具合が不正確で実機と印象が異なる。AZとの比較では一長一短で好みの問題。意外な長所は主翼上面パーツで、翼端の翼厚の薄さが再現されている。また、尖んがりスピナの形状がいい。機首はハセよりさらに細く、逆おむすび形が全く再現されてない。なぜコピーして退化するのか理解に苦しむね。キャノピもいまいち。とはいえ、スピナをハセとトレードするためだけでも「買い」かな。安いし。 エアの新金型II型は、後部胴体羽布モールド表現が各社の中でベスト。ま、あくまで私の好みでの判定だけど。ただ、羽布モールド中にあるスジボリがぬるく太く、これはなんともしようがない。さらにスジボリの考証が不正確。胴体長さとかもハセと全然ちがっている。機首は細すぎ、主翼は翼型がダメ。小物は言うに及ばず。こいつの後部胴体をハセに移植できればベストだが、現実にはなかなか難しそう。
ハセの主翼は、付け根の翼厚は正しいが、翼端が厚すぎる。パーツの湾曲を延ばすように曲げ、翼端に向かって、翼全体が徐々に薄くなるように修正する。画像にはないが、内部にはプラバンの桁を接着し、これで厚さを保持する。キットの脚庫は、一体成形のために内部の奥行きが無視されている。脚庫マニアではないが、たいした手間でもないのでプラバン箱組みで再現する。 |
鎖骨部分にプラバン積層を貼り付け整形。脚庫を切り取りプラバン箱組を取り付ける。 |
上反角を保持するため、プラバンで左右上面パーツをしっかりと連結する。 |
鎖骨の上面側は、キットのフィレットとの間に大きなギャップが生じる。ここは瞬間+プラ粉で埋めて整形する。 |
翼上下パーツを接着。厚みを抜いた翼端に着目。端部のエッジがまだ丸いが、後で削る。 |
II型の特徴として、フィッシュテール排気管とかトルクリンク付き尾輪とかの記述が散見される。しかしI/IIの違いはエンジンの違いとそれによる機首延長及びラジエータ変更のみであって、その他の特徴は生産途中での変更が反映されたもの。結果的に型式の特徴のように「見える」だけ。 例えば、これもII型の識別点と思われている、長く尖ったスピナとその直後の油よけリングは、最後期のI型に例がある。ストレート排気管は初期のII型にもあり、ロシアに送られた81sqn(胴体に数字を大描きしたマーキングで有名)がこのタイプ。「く」の字形の尾輪トルクリンクについても、II で「なし」の機体がある。不思議なのはトルクリンクと排気管は「あり」「なし」が混在していることで、フィッシュテールでリンクなしの機もあれば、ストレートでリンクありの機もある。なお、初期のフィッシュテールには、排気口が後ろから見て真っ直ぐなものがあるので注意。 その他、細かい特徴として、操縦席側方パネル下部にある室内空気排出用の2本のスリット。これは I の途中(trop)から出現し、II では多くの機に存在するが、II でも欧州向け(?)グレイ迷彩で熱帯フィルタなしの機体などでスリットなしが存在。なおこのスリット、左右両舷にあるので注意。また、左舷主翼フィレット前方、エンジン上部カウルの右舷側にそれぞれ小さなエアインテイクがある。これらは I の途中から見られるが、同時期の導入なのかどうかは不明(同じ側にないので記録写真では分からない) プロペラとスピナに関しては、私自身も完全に把握できていない。初期のワッツ2枚ペラ、V型の4枚ペラ、XII型のハミルトンを除けば、基本的に@デハヴィランド金属製+短尖スピナ、Aロートル金属製(←金属とする資料があり、本項では一応この説にならう)+短丸スピナ、Bジャブロ・ロートル木製+長尖スピナ、の3種だと思うが、短尖スピナは2種あるという説もあって、写真を眺めてもよく分からん。 しかもこのうち、@はスピットIと共通(ペラ、スピナとも?)、AはスピットII と共通(スピナのみ)という説もあって悩ましい。写真を見る限りでは、そうかなと思えるが・・・。シーハリI は@のタイプのみでAはなし。シーハリII だとBになるが、そもそも II は空母上の写真がほとんど無く、真っ白いヤツか、商船のカタパルトに乗ってるヤツくらい。 ロートル製ペラは、AとBとでブレード形状が異なる。Aのロートル金属製ブレードはスピットII とも違う独特の形で、付け根が角張って広がっている。Bジャブロ・ロートル木製はAと比べると付け根がスマート。これも写真をよ〜く見ると微妙に形が違うのが数種類ある。その一つはスピットVII 以降の後期マーリン型と同じブレードに見えるがどうだろう。他方は、ブレード全体も丸みを帯び、付け根はよりスマート。先端の形状も、丸いのと角が立ってるのとあって、写真を見ても何種類あるのか、サッパリ分からんぞ。なお、I ではB長尖スピナでAブレードを装着した機体が少数ある(新世傑p.40など)。 文章が長くなった。上記を表にまとめておく。こだわるなら、特定の機体を作る場合、写真で確認するのが望ましい。世間流布の塗装図におけるスピナその他の描き分けは、いいかげんで全く信用できない。そのほか、極初期のI型は、二枚ペラ、羽布主翼の他、風防が違ったり(これも防弾ガラス(外付け)有り/無しが存在)、棒状アンテナ柱、二股ピトー管、キドニー型排気管だったり、5本スポークホイル(BOBの頃から4本が主流)だったりするが、表では省略。 |
Mk.I | Mk.II | 備 考 | ||
排気管 | ストレート | ○ | △ | シーハリMk.IIにもストレートあり Mk.IIの途中からフィッシュテールに変更 |
フィッシュテール | × | ○ | ||
尾脚トルクリンク | なし | ◎ | △ | Mk.IIの途中から「あり」に変更 |
あり | × | ○ | ||
操縦席横パネルのスリット | なし | ○ | △ | Mk.Iでも一部のtropは「あり」 Mk.IIでも欧州向け?は「なし」が主流 |
あり | △ | ○ | ||
カウル右舷上側インテイク | なし | ○ | × | Mk.Iの途中から「あり」に変更 |
あり | △ | ◎ | ||
左舷フィレットインテイク | なし | ○ | × | Mk.Iの途中から「あり」に変更 |
あり | △ | ◎ | ||
スピナ後方油除けリング | なし | ○ | × | Mk.Iの途中から「あり」に変更 シーハリMk.Iは「あり」 |
あり | △ | ◎ | ||
プロペラブレード、スピナ | デハビランド金属+短尖スピナ | ○ | × | シーハリMk.Iはデハビランド+短尖スピナのみ シーハリMk.IIはロートル木製+長尖スピナ ジャブロ・ロートル木製ブレードは本文参照のこと |
ロートル金属+短丸スピナ | ○ | × | ||
ロートル金属+長尖スピナ | △ | × | ||
ロートル木製+長尖スピナ | △ | ◎ |
※ ◎:その型式の全機が装備、○:その型式の多数、△:その型式に少数あり、×:その型式には見られない じゃあ、外見でI/IIをどう識別したらいいのか?という問題になるが、最終的には機首とラジエータを見るしかない。何となく首が短い、排気管後端(または近くのパネルライン)と主翼前縁との間隔が狭い、あるいはエンジン部のパネル幅(前後パネルライン間の距離)とエンジン後方のパネル幅を較べて後者が前者より短い、ラジエータが浅い、以上に当てはまる場合はI型、そうでなければII型。斜めからだと判りづらいけどな。 排気管直後にある水平のパネルラインの下側ファスナを数えるというのもあり。IIはほぼ等間隔に5個。Iは上側と同じ位置(等間隔でない)に4個。記録写真じゃ見えづらいけどな。
まず、胴体の考証の補足から。ある資料によると、Mk.IとIIの胴体長さの差は4インチ、1/72だと1.4mmとのこと。写真での検証はしていないので悪しからず。同資料では胴体の最大幅も示されており、3ft3.25inで1/72では13.8mm。これは実機写真からの読み取りに合致する。
このフィレットのモッコリとした膨らみは、不細工で武骨なハリらしさ満点で、やってみると意外に効果的。俄然雰囲気が良くなる。お奨め修正ポイントだ。 |
まず十の字にする。窓内側の汚れ防止のため、コクピットをプラバンで完全密閉。 |
鎖骨の整形がほぼ終了。胴体と翼との境の溶きパテがキットの分割ライン。スピナはアカデミー。 |
再掲。フィレットのモッコリ感に注目。 |
再掲。フィレットとの境のパネルラインと翼断面、鎖骨の膨らみとの関係に注目。 |
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白いプラバンは形が見えづらい。ランナー端についている板を使用し、バルジ平面形に切り出し所定の位置に接着。 |
次にノミ、ヤスリ、ペーパーで形を仕上げる。あまり突出しすぎないように。 |
バルジ後半の稜線は機軸に平行(つまりシリンダーヘッドの形に平行)となる。 |
トロピカル・フィルタの開口部は「ニッ」と笑った形をしているので、プラバンを貼るなどして微修正。 |
今回、もっと簡便に出来ないかと2つのやり方を試す。方法@は、リブ位置にカッターで細い凸線をけがいてから、その上に面相筆でサフの細線を描く。方法Aは、マスキングテープを使うが、これまでのようにリブの両側にテープを貼るのではなく、片側のみにして境界に面相筆でサフを置いていく。ある程度の凸線が描ければテープをはがし、さらに面相筆で塗り重ねていく。@Aとも、乾燥後にペーパーでリブの高さ太さを揃える。 結果、どちらの方法も、仕上がり、作業性は同レベル。お好みでどうぞ。最初に凸の取っ掛かりがあると、その上にサフが乗っていくのだ。ちなみに、エルロンと水平尾翼の下側、後部胴体下側が@、ラダー、エルロン上側はAだ。胴体下側では、羽布部の前端位置が違っている。胴体と主翼下面パーツの接合線は完全に消し、キットの翼下面パーツ部分までリブをつなげる。まあ目立たない下面なので、程々に。 |
ラダーには、真鍮線でリブをいれてあったが、削り落として新たにサフでリブを描く。垂直安定板の真鍮線は残す。 |
胴体下部のリブもサフ。キットの分割線は赤矢印にある。 |
水平尾翼は上面のみ真鍮線を埋めてある。これも昔の作業だ。 |
下面はサフで表現。 |
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ラジエータはプラバンのシムを入れ、後方の幅を広げる。ちょっと広げすぎ。反省。 |
こちらキットオリジナル。鎖骨、ラジエータ、胴体羽布前端位置を比較されたい。 |
再掲。シーハリMk.I。画像は反転しているので注意。 |
ついでに上からも。鎖骨の見え方、シリンダーヘッドの張り具合に着目。 |
ついでにマーリン系列について整理しよう。マーリンII〜XIIまでが1速1段でスピットならIとIIが対応。マーリンX(これだけ順番が入れ違い)、XX、21、22が2速1段系列でハリはIIが装備。スピットにはこのタイプはなし。マーリン30〜56は再び1速1段で、スピットはV、VIが装備した。これらは対応高度によりスーパーチャージャーのインペラ直径が異なる。マーリン60以降は2速2段で、スピットVII以降やマスタングB以降が装備、画期的な高性能をもたらしたけど、残念だがハリには(P-40も)使わせて貰えなかった。出典はWiki英語版など。
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たっぷり削るので、パーツが薄くなってヘナヘナしないように、穴を開けて黒瞬間を充填。穴はプラ棒で塞ぐ。 |
翼端を薄く削る。翼端から1cmにあるパネルラインで折れ曲がり、そこから外側は直線的に翼端に至る。 |
わかりづらい写真で恐縮だが、キットパーツ(奥)は端部断面が丸い。手前は修正後。とくに○印の付近を集中的に削る。 |
このとおり翼端は尖っている。矢印のリベットラインで折れ曲がり、それより内側は完全なる二次曲面(=横方向には直線)となる。 |
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左:修正後(表)、中:修正後(裏)、右:ハセオリジナル。 |
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左:製作中のハセ、右、エアMk.I。機首幅が狭い。逆に胴体中央部以降はハセより太め。キャノピ幅もかなり違う。正解は両者の中間。 |
画像では分かりづらいが、背中のボリューム感が違う。頂部の羽布モールドが消えているのがつらい。 |
スピットファイアも日本語だと「リポビタン・D」みたいな語感で、水木一郎(アニソン界のアニキ)が「スピットォ〜・ファイッヤー!!!」と「ヤ」に力を込めて絶叫しそうな感じだけど、バーダー卿の発音は「スピッ(ト)ふぁ〜」。「ト」はほとんど聞こえず「ふぁ〜」はホントに力の抜けた感じで語尾が下がる。全然強そうじゃない。 以上、どうでもいい話。お粗末様。
同書には、著者撮影によるハリの写真がある。彼の搭乗機だ思うが、コードレターが記入されてない地味〜なマーキング。一方、同方面の80sqnといえば、機首にイタリア機欺瞞迷彩を施した機もあり、ロアルド・ダールがこれに乗ったかどうかというのも興味深いところ。 |