サーブ J 29A テュナン(エレール1/72)製作記
2010.12.18初出
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さてテュナン(Tunnan)、実は読み方が分からず、本当はチュナンなのかトゥナンなのか、はたまたトゥンナンなのか。そこでWebなど見ると、どうもスウェーデン語の「u」は「ウ」と「ユ」の中間のような音らしく、結論として日本語表記としてはトゥナン、テュナンどっちでもいいみたい。ということで、本稿では「テュナン」ってことにしておく。意味は「樽」らしい。
SAAB 29 Tunnanは、スウェーデン空軍における2番目のジェット戦闘機である。プロトタイプとなるJ 29は、後退角25度、主翼外側前縁にスラット(フラップ下げに伴い自動的に展開する)を装備した薄い層流翼、推力2,000kgのデハビランド・ゴースト45エンジン装備で、4機が生産された。1948年9月1日に、テストパイロットRobert Mooreにより初飛行し、彼は「地上では醜いアヒルの子だが、空中では素速い」とコメントした。 ちなみにセイバー試作機の初飛行は1947年10月1日、Mig-15も1947年12(?)月であり、同じ後退角ジェット第一世代に属する。 J 29Aは、最初の生産型で、推力2,270kgのRM2ゴーストエンジンを装備し、トリムタブとダイブブレーキが追加された。ダイブブレーキは当初翼にあったが、後に主脚前方に移動した。J 29Aは、ずんぐりした外見からすぐに"Flygande Tunnan"(Flying Barrel:空飛ぶ樽)と愛称がつけられた。1951年から54年にかけて224機が生産され、52年1月よりスウェーデン空軍に配備された。 続くJ 29Bは、主翼に追加燃料タンクを装備し、燃料容量が50%増大した。また、爆弾、ロケット弾、ドロップタンクを懸架可能な主翼パイロンを装備したが、これはA型にもレトロフィットされた。J 29Bは1953年3月に初飛行し、55年までに332機が生産された。1954年には977km/hの速度記録を出した。これは後にF-86セイバーによって破られる。 S 29Cは写真偵察型で、機首の機関砲のかわりに5台のカメラを搭載し、後方警戒レーダーをテイルコーン(後に胴体)に装備した。1953年から54年(54〜56年という資料あり)に76機が生産された。戦闘機型は無塗装であるが、偵察型はダークブラウンとダークグリーンで迷彩された。 B型の1機が推力2,800kgのアフターバーナー付きゴーストRM2Aエンジンに換装しテストされ、J 29Dと呼ばれた。 J 29Eは、限界マッハ数を改善するため、主翼前縁スラットのかわりにドッグトゥースを導入した。1953年12月に初飛行し、55年に29機が生産された。この新しい主翼は、S 29Cにも装着された。 最終型のJ 29FはE型の主翼にD型でテストされたアフターバーナー付きゴーストを装備したもので、1954年3月に初飛行し、離陸性能と上昇力が改善された。F型は新規生産がなく、308機全てが既存の戦闘機型から1956年までに改造され、内訳はD型から1機、Bから288機、Eから19機であった。1963年には、配備された全てのF型にAIM-9BサイドワインダーのSAABライセンス型であるRb-24が装着可となった。 Tunnanの唯一の実戦参加はコンゴ動乱である。1961年、国連平和維持軍に5機のJ 29Bが派遣され、後に4機のJ 29Bと2機のS 29Cが62年に追加派遣された。任務の殆どは機関砲とロケット弾による地上攻撃であった。多量の対空砲火にもかかわらず、戦闘損失は無かった。 合計661機(上記と計算合わない。プロトタイプ4機を除くのかな?)のTunnanが生産され、これはSAABにおける最大生産数である。1965年に第一線から退き、標的曳航などに使用され、72年(74年という資料もあり)に完全に退役した。唯一の海外顧客であるオーストリアには、15機(合計30機という資料もあり)のJ 29Fが1961年に輸出された。現在は1機がフライアブルで、エアショーなどで愛嬌のある姿を見せており、その愛嬌にはまった男がここにも1名。
機首下面は2種のパーツが含まれ、戦闘型と偵察型が選べる。ただし、主翼はドッグ・トゥースのみ、ジェット・ノズルは短く、戦闘型ならマイナーなE型ということになり、生産数が多く塗装例も豊富なF型ならノズル延長、コンゴ動乱派遣のB型なら主翼改修が必要だ。コンゴ派遣偵察型の主翼は・・・自分で調べてくれ。 |
ランナーその1。主要パーツの肉の薄さもエレール通例。前脚はタイヤと脚柱が一体となっている。 |
ランナーその2とクリアパーツ。水平尾翼は左右通しで1枚。燃料タンクが付属する。 |
インストとデカール。戦闘型は無塗装のE型、偵察型はコンゴ派遣国連軍C型が選べるが、引越でデカール紛失。とほほ。 |
仮り組みしてみる。 |
また、テイルブーム(というのかな?)の断面がちょっと角張っている(青矢印)。ノズル付近の胴体断面は、F型と較べるとボリューム不足だが、E型以前だとこんなもんか。ノズル上部のテイルブームとの取り合い部分も若干違う(下画像でエンピツ描きしてるが、これはこれで極端だな)。翼関係はざっと見たところ、大きな問題なさそう。層流翼型も再現されている。前縁をもう少し尖らせるといいかも。 |
側面形では機首がスマート(赤矢印)だが、ここは修正しない。テイルブームの峰(青矢印)は削って丸める。 |
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機首部はコクピットフロアを補強部材にする。胴体後半は1.2mmプラバンのバルクヘッドを2枚。接着部にはプラバンのノリシロ。 |
主脚位置が前寄りなのと、アルミの重量を考慮し、過剰気味にオモリを詰め込む。外れてカラカラしないようにフタ。 |
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胴体貼り合わせ終了。各所の凹みは黒瞬間で埋める。 |
インテイクリップから貼っていく。アルミ3作目ともなると、手慣れたもんで、この程度は簡単々々♪ |
パネル7〜8枚貼り、削ってリベット打ってみたところで、出来具合が気に入らなく、剥がして貼り直す。不満はまず、リベットの凹みで、黒瞬間を使ったのだが、エポキシの方がいいみたい。また、主翼フィレットが邪魔で、胴体の整形が不十分。アルミ貼ってハイライト入って違和感に気づく。同時にインテイク・リップ先端の丸め不足で、顔が可愛くない。ケガキ針で打ったリベットが全然目立たないし。 |
アルミ板を剥がす。リップ先端を少し丸めている(画像赤ライン)。接着剤排出穴の痕がよく分かるね。 |
貼り直し後。胴体ラインの整形に邪魔なので、翼フィレットも結局全部削り落とす。 |
貼り直しの接着はエポキシで。排出穴を開け、ウレタン・フオームで圧着するのはF-86同様。冬季の温度低下→エポキシ粘性増加→排出不良の恐れ、とF-86製作記で書いたが、特にそれは感じない。 リベットはF-86と同じ#0たまぐりにする。1/72にはいくら何でもオーバースケールなのだが・・。 凹み防止に新たな対策を思いつく。凹みの発生しそうな場所は、これまでの経験からある程度予測できる。絞り困難な場所とか、先に貼ったパネルに隣接する部分とかだ。これらの箇所は、表面を面一に削る前にリベットを打ち、もし凹むなら先に凹ませておいたらいいんじゃない? 板厚の中に収まる凹みなら、削りで解消できるし、そうでなくても目立たなくなるだろう。 |
今度は、先にリベットを打って、凹みをチェックしてから削る。 |
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いつものように朴材を削る。エンピツで窓枠を描き込むとイメージが掴みやすい。 |
前から。写真と見比べると、風防前方の胴体上部の形状も違ってるが、アルミ貼っちまったので、そのまま無視。 |
まず第1に考えられるのが、薄い主翼。主脚を胴体引き込みとすることで、翼に余分な要素が入らない。製造中写真を見ると左右一体で作られており、重量と強度が両立しているのだろう。また翼平面形状にも注目したい。前縁付け根のストレーキである。F/A-18など見慣れた目には普通だが、本機はF-86やMig-15と同世代である。この時代にこれを採用した発想の先見性には驚く。 第2は、エンジンまわり。インテイクからエンジン、ノズルまでを、一直線に配置している。さらに尾翼をテイル・ブームに取り付けることで、ノズルまでの距離を短縮し、出力ロスを最小にした設計。エンジン出力の不十分なジェット黎明時、これは案外大きい要素だったかも?? 上記2点の帰結として、左右一体の主翼をダクトの上に載せ、主脚(余ったスペースの有効活用と主翼構造単純化の一石二鳥)、機銃、コクピット等々をパッケージングした結果が、樽のような外形になったわけだ。だから胴体幅はエンジン直径ギリギリで、平面形では同じルーツのエンジンを持つMig-15と良く似ている。Migの大きく後退した垂直尾翼と、テュナンのテイル・ブームも、エンジンロス最小かつテイルアームを稼ぐという発想が似ているし。もっとも、胴体上部にはいくぶん無駄な贅肉があるような気がしなくもないが・・・
というわけで、途中省略して胴体のアルミ板貼り付け終了。0.2mm板の作業性と細部の簡略化、そして慣れもあり、前作F-86と較べかなりの時間短縮。その割に進みが遅いのは、単に製作時間の問題で・・・。続いてスジボリとリベット。先リベ方式は、概ね結果良好。リベットの手間が増えるが、その欠点を補うメリットはあると思う。スジボリは前作同様、エッチング・ソーとニードルの併用。 |
アルミ板を接着し、ヤバそうなところにリベットを打った状態。 |
#240ペーパーで表面の凸凹を均す。順次#400まで番手を上げて水研ぎし、磨きキズを落とす。 |
スジボリして、#600ペーパーで空研ぎ。 |
#0たまぐりでリベット。 |
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翼前縁や翼端を若干尖らせるように削り、下面より0.2mmアルミ板を貼っていく。主翼のアルミ板は、F-86同様に完全上下分離だが、出来上がると翼前縁カーブが尖りすぎで(先端カーブの絞り不十分のため)、これはくるっと前縁を包むようなパネル分割にすべきだったかな。最終的な胴体との接合部の処理は、翼を胴体に接着した後にフィレットを被せるように貼る予定。 |
途中省略して(デジカメの修理で途中写真がないのだ)、アルミ貼り、粗削り、スジボリまで。 |
水平尾翼も貼り付け、これでメインパーツのアルミ貼りが全て終了。 |
以下参考までに、気づいている範囲で列記する。前後桁間には5列のリベットを打っているが、正しくは6列。その中間にある前後方向パネルラインは1cmほど内側寄りが正解。翼端のカーブの形状も異なり、そのため翼端灯の形が不正確。エルロン/フラップのリブはもっと密で、作品は全てが機軸に平行だが、実機は端部では平行でも、中央部では前後縁に直角に近くなる。丸/角形の小点検パネルが各所にあるが、それらも省略。 |
密なリベットラインを、実機どおりに再現すると1/72では煩雑と考え、適宜間引く。画像は左翼上面。 |
水平尾翼も終了。前半のストリンガーの本数を省略しているほか、エレベータのリブはもっと密になる。 |
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イモ付けとなるので、真鍮線を通し通常型瞬間を流して固定。隙間は黒瞬間で埋める。 |
胴体との隙間の調整が難しく、左右一体のパーツを切り離して隙間を調整する。左右通しで真鍮線を挿入して胴体に接着。 |
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まず黒瞬間+プラ粉で接合部のアールを盛り上げる。その上に0.1mmアルミ板を押しつけて成形。 |
切り出して瞬間で接着。実機では、フィレットと周囲の外板の境に段差は無いが、模型的表現(←実は工作上の都合)として重ね貼り。 |
接着後に周囲をマスクして#600ペーパーでヘアラインをつける。0.1mmの段差がいい感じ。 |
下面も同様。 |
ようやく士の字になる。キャノピはキットパーツを仮置き。 |
前上方から見ると、意外と鋭い線を持っている。 |
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20mmカノンのバルジ。成形中は、持ち手としてプラ棒を長いまま残しておくのがポイント。 |
胴体への接着はエポキシ。接着後に形状を微修正してペーパーで磨く。 |
胴体中央のエアインテイクは0.1mm板をプラ材で作った型に押しつけて成形。この程度の形状なら台座ごと一体成形が十分可能。また凹のインテイクもあり、ピンバイスで穴を開けて工作する。本機の胴体背面は、けっこうゴチャゴチャ感があるが、フィレットや一部パネルを0.1mm板の貼り付けで浮き出し表現することで、模型的にも見栄えがしてくる。 主脚収容部前方には三角形のエアブレーキがある。これが独特で、普通のエアブレーキは前方側にヒンジがあり気流に対して斜めに開くが、これは上辺がヒンジで下側が本機の脚カバーと同様に開く。このままではブレーキにならないが、内側に気流と直角方向の板がくっついており、開くとこれがせり出してくる。見るからにブレーキが効きそう。同社J 32ランセンも同じような形式。 |
凸のエアインテイク、フィレット、フィレットから続く縦長アクセスパネル。胴体上部パネルは0.1mm板の重ね貼り。 |
脚収容部前方の三角形がエアブレーキ。これも0.1mm板を貼り付けて表現する。 |
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まず、以前作った木型にクリア材の厚み分を削って微修正。前後に足をつけて絞り型とする。 |
アクリルを弱火のガスコンロで加熱し、型に被せる。切り出して整形。板に貼った#600ペーパーで風防正面の平面を出す。 |
順次番手を上げ、最後にコンパウンドで磨く。裾の返しはプラバン。アクリサンデーはスチロール樹脂も溶かすので、接着は問題ない。 |
窓枠は0.2mmアルミ板を黒瞬間で接着。アクリル側の接着部分には枠の内部色として黒を塗っておく。 |
窓枠接着終了。ここで、胴体との合わせを微調整。この後、透明部分をテープでマスクしてアルミをテープの厚さまで削る。 |
できあがり。枠は厚さ0.1mm以下で、厚みはほとんど感じない。手抜きしてアクリルの磨きが不十分だが、それでも相当な透明度。歪みも少ない。 |
以下、アクリル絞り補足。この程度のサイズなら、アクリル板は10cm×10cm程度の大きさに切り出せば十分。ただし加熱には手袋が必須。私の購入したものは、表面に薄い半透明フィルムが貼ってあるのではがす。プラバンと違ってしっかり加熱することがコツかな。加熱すると多少縮んで厚くなるが、プラバンより縮みが少なく扱いやすい。型に押しつける力加減で出来上がり厚さを調整するのはプラバンと同じ。今回は程々の力加減で、出来上がり0.3mm程度。 プラバンだと何個か絞っていいのを採用するが、アクリルだと一発検査合格。とはいえ、よーく見ると内側に微少な凸凹あり。もっとも、木型を十分に磨くか、アクリルの内側を#600ペーパーから磨き上げれば問題解決だろう。コンパウンド磨きには、綿棒をモーターツールに取り付けると便利。 次に、キャノピ補足。画像ではキャノピ裾の「返し」をプラバンで工作しているが、アルミを貼ってみると胴体と幅が合わず、返しを削り落としてアクリルの上に直接アルミを接着。実機のスライドキャノピ前縁には金属枠がない。P-51のマルコム・フードやスピットPR.19後期型と同じくプレキシ・グラスのままである。開状態とする場合は要注意。
ということで、キャノピも出来上がって記念撮影。 |
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計器板、操縦桿はジャンクパーツから。計器板はパンツ(ブリーフ)のような形をしているので、それらしく不要部をカット。計器の配置までは知らん。アンチグレアはプラバン。照準器は、現存機を見ると米軍でWWII末期以降に使用されたジャイロ式K-14とよく似た形のものを装備している。生憎手元には1/72のK-14はなく、クイックブーストの1/48レジンパーツを適当に加工してとりつける。まあ、雰囲気ということで。 主脚はキットパーツ。そのままでは本機の腹を擦りそうな地上姿勢にならず、2.5mm程カットする。主車輪は前から見て「ハ」の字になる。Bf109の主脚とよく似た感じ。タイヤ接地面を多めに削ると、本機のでっぷり感がよく表現される。脚カバー、脚柱、車輪の取り合いが案外難しい。作品は完全に調整しきれてなく、カバーが開き気味。ホイルは暗緑色、脚収容部、カバー内側はおそらく銀色。 前脚は、タイヤ幅が太いがキットパーツを使用。脚柱を金属に交換し、トルクリンクや泥除けのステーなど追加工作。本当はステー2本だけど。ホイルの塗色が不明だが、主車輪に合わせて暗緑色に塗る。若干機首上がりとなるよう、慎重に脚長さを決める。 |
前脚はキットパーツを利用。軸のみペーパークリップ(大)の1.0mmメッキ棒に交換。 |
主車輪はレジンパーツ。申し訳ないがメーカー名を失念。アイリスだったかなあ。 |
シートはパブラのレジン。値段は安いが出来もそれなり。 |
小物関係出来上がり。画像左上、キャノピと胴体をつなぐパーツは、エバーグリーンの波板を加工。 |
キットパーツに0.2mm板を貼り付ける。エッジの薄さがリアルで、F-86もカバー類は0.2mmにすればよかったかな。 |
脚関係取り付け。前脚カバーの裏側の塗装が未だ。機銃口には0.5mmパイプで銃身を追加。 |
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国籍マークはFlying Colors FCA70001cより。画像ではデカールの色調が正確に出てなく、実物はもう少し青が暗い。 |
上面はかなり中央寄り、一方下面は翼端寄りだが、A型でもそうなのか確証なし。 |
固有マーキングは、元々F型にするつもりでインレタを準備しており、AまたはB型でうまく当てはまるものがない。フィクションで機番を黄色のFにするが、思い直して文献-5に写真のあるF13ウイング所属A型、機番Nとする。モノクロ写真ゆえ機番の色に確証はないが、白には見えず黄色の可能性が大。当隊では、他に機番DがNと同じ淡色、F、I、Oが赤もしくは青と思われる濃色。おなじみ機首の帯は当隊では記入されてないように見える。 勝手な思いこみだが、スウェーデン空軍の黄色は「クレオス4番」というイメージ。北の国なので、寒色系の黄色が似合う。その正誤はさておき、手持ちの中からイメージに近いCAMデカールの黄帯(P-47Nで使用した余り)をN形に切り抜いて貼る。縁は同じく黒デカールを幅0.3mmに切り、周囲に1本ずつ(1文字で10本)貼っていく。「13」のウイングNo.は作り置きのインレタ。書体が違うが気にしないことにしよう。 |
当初フィクションで機番Fとし、ベタ黄色デカールに黒枠のインレタを転写後、デカールを切り出し貼り付けるが・・・ |
思い直してNにする。ちょっとピンボケ。枠が太いが製法上の限界で仕方ない。 |
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アンテナは真鍮棒の削りだし。ピトー管は0.6mm洋白線。バイスにくわえて先端を削る。 |
仕上げはいつものコレ。直接エアブラシのカップにスプレーし、クレオスのシンナーで希釈。 |
最後に、全体にアルミカラー・スプレー・クリアをたっぷりエアブラシ。翌日、デカール上の段差を軽くペーパーで均し、再度同クリアを今度は薄めに吹いて終了。F-86はセミフラット仕上げだが、今回は差異を見比べる意図もありグロスとする。インシグニアの周囲にはデカールのニスが残っているのだが、クリアを吹いて簡易研ぎ出しをするとほとんど目立たない。これは収穫で、デカール派の方には朗報だろう。
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インテイク内側は、先端から約2mmがアルミで、その奥のプラと段になっている。黒瞬間で段差を埋め、モーターツールで整形し、#8銀を塗る。 |
フィレットの段差表現は、苦肉の策なのだが出来てみるとイイ感じで、もっと積極的に採用してもよいだろう。リベットに伴う「凹み」は相変わらずだが、これは手抜きで対策不十分なためで、いわば想定内。逆にそれでも凹んでいない場所もあり、どの箇所にどの程度の対策で結果がどうなるかが分かってきた。今回もう一つの試みはアクリル板絞りである。結果は十分満足できるもので、是非お奨めしたい。 1/72にたまぐりを使うことの是非については、悩ましいところ。作品では、針リベットを試すものの、表面のスクラッチに埋もれてリベットが目立たず、オーバースケール承知でたまぐりを採用したという経緯がある。肉眼で鑑賞する分には、リベットの存在感がモデルに密度感を与え、これはこれで妥当な選択と思える。ただ、クローズアップ画像などでは、正直オーバースケールなのは否めない。今回部分的に針も打っているが、全く見えなくはなく、アルミ表面のスクラッチを抑え、仕上げの精度をキッチリ高めた作品では針リベの方がいいかも。このあたり、最終的には読者のご判断に委ねたい。 完成画像ページはこちらから。 |
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とりあえず放置中のハリに戻る
さらに文献-5の画像を頂く。16ページのモノグラフで、現役当時の写真が沢山。 |
1 | グロリアス・ウイングス 1950〜1960年代の軍用機 | 酣燈社 |
2 | Profile Number 36 THE SAAB J29 | Profile Publications |
3 | Saab Aircraft since 1937 ISBN 0-87474-314-1 | Smithsonian Institution Press |
4 | 航空ファン 2011年2月号 | 文林堂 |
5 | Saab 29 Tunnan I Focus | Allt om Hobbys Forlag |
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