サーブ J 29A テュナン

Saab J 29A Tunnan




Saab J 29A of F 13 wing, 1952
















1945年秋、スウェーデン王国航空委員会はサーブ社に新しいジェット戦闘機案の提出を命じた。当初の計画は直線翼であったが、程なくスイス経由で入手したドイツの後退翼研究成果に基づき計画は一新され、1948年9月に試作型J 29が初飛行した。朝鮮半島上空でF-86とMig-15が死闘を繰り広げる1951年5月、最初の量産型J 29Aは実戦部隊に送られ、以来、スウェーデンの空の守りに就いた。


その登場時期は米ソ両機とほぼ同じで、後退角ジェットの最初の世代に属する(ラディカルなMe262を別にすれば)。性能も両機に匹敵するもので、これが第二次大戦中は航空機後進国であった北欧の小国から突如誕生したことに驚くが、同国の地政学的立場、つまり東西陣営の狭間にいる焦りと不安を考えると理解できよう。その後もサーブ社は先進的な戦闘機を次々と産み出していった。


作品は、スウェーデン空軍で最初にJ 29を受領するという名誉に浴したF 13飛行隊の所属機である。同隊は1946年10月から、同国初の実用ジェット戦闘機であるバンパイアを運用。1951年5月にJ 29Aを受領し、翌年1月までのテスト期間を経て、8年以上の長期に渡りJ 29を運用した。その後、1960年にJ 35Aドラケンに転換する。






製作記



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