メッサーシュミット Me262 A-1a エアフィックス1/72 製作記
2019.5.2初出
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外形に関しては、厳密にチェックしてないけど、キャノピ回り以外は気になるところはない。キャノピは例によって窓枠を削り落としたら2回りくらい小さくなり、風防正面窓の傾斜が立ちすぎ。スジボリは過不足があるので、セケツなど参考にすべし。 |
![]() 基本パーツ組み立て終了。ナセルと翼の合わせは悪い。瞬間+プラ粉を盛る。機銃口はテンプレート作ってスジボリ。 |
![]() キットのキャノピの枠を削り落としたところ。風防のイメージがちょっと・・ |
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ちなみに、実機写真と重ねるとこんな感じ。なお、フライアブルなレストア機(レプリカ??)は、キャノピラインが違っているものがあるので注意。これはないだろ、ってな違い具合だぞ。 |
![]() 側面形ではこの写真がベストではないかな。やや後方からの撮影。 ![]() |
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![]() できあがり。 |
![]() スケッチを表示。 |
そして、3Dプリンタ出力までが、去年の秋頃の話。そこからしばらく熟成。
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![]() 0.3mm透明プラバンを絞る。レジンの色を見れば出力時期が分かる。この緑色は一番最初のやつ。 |
![]() 切り出してざっと整形。イメージ確認のため窓枠を鉛筆描き。キットのキャノピ後方金属部は切り飛ばす。 |
![]() テープをガイドにエッチングソーでスジボリ。木型にはめて作業する。細い窓枠は、0.3mm間隔のダブル針で。 |
![]() スジボリ終了。頂部の窓枠のスジボリは、隼II型と同じ手法。風防のイメージがちょい違うんだけど、このまま進める。 |
補足。木型は厚さ1mm程度に出力。中にエポパテを詰める。キットのキャノピと胴体の分割ラインは、実機より1mmほど下にある。プラバンを貼って嵩上げ。あとは磨いて接着。機体を塗装してキットの小物をつけたら完成。マーキングは決めてある。インレタも作ってある。静岡に間に合うか??
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![]() キャノピ後方金属部を切り飛ばした都合上、間仕切りをプラバンで追加する。形状は現物合わせ。 |
![]() 翼端灯をクリアー化。薄すぎて、ピンバイスによる電球表現ができない。 |
![]() キャノピ接着。なお、シートはキットパーツ。ベルトは鉛板。照準器、T形フレームを追加。以上。 |
![]() 胴体との隙間をタミヤパテで埋める。セロテープでマスキング。燃料注入口をスジボリ。 |
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![]() 言葉だけでな何なので、画像を拝借。V303(W.Nr.170303)。 |
一方、世傑折り込みカラー図白3番(W.Nr.500071)などの81/82は後期のもので、オリジナルカラー写真を見ても、81は茶色味が強い。82も前期よりやや明るく黄色味が強いかな。 |
![]() 某歩回本より画像を拝借。W.Nr.500071は後期の81/82。 |
白4番のモノクロ写真では上面は一色のようにも見える。これはたぶん前期の81/82は明度差が小さいからだと思う。V303では、垂直尾翼の暗緑色は、胴体の81より暗く青い。明灰色も胴体の76より白っぽい。垂直尾翼は下請けで製造・塗装され、手近なペンキで塗ったのだろう。これが83なのか81のバリエーションなのか、別の何かなのか(70とか?)は分からないが、模型ではカラー写真を再現するだけ。 |
![]() ええいっ、ついでじゃ。ノボトニー隊白4(W.Nr.110400)。 |
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![]() いつもの須比人君で試し塗り。右舷はビン生のクレオス81/82。機首は左舷ナセルのイメージで。 |
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![]() サフ吹く。 |
![]() 迷彩色終了。翼上面は推測で公式パターンにする。ぼかしは全てフリーハンド。 |
![]() 黄帯は塗装。単身先にRLM04がなくて、自作オレンジイエローとジンクロイエローを1:1。 |
![]() 尾翼は面相筆手描き。銀(タミヤラッカー)とグレイも筆塗り。国籍マークと機番はインレタ。尾翼のアレは黒白の重ね貼り。 |
コーションを貼ろうと思ったら、キットのデカールが行方不明。いくら探しても出てこない。たぶん掃除のときにゴミに紛れて捨てたんだろな。もしコーションが余ってる方がいたら、提供頂けると嬉しい。
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モノクロ変換してみる。う~ん、どうだか。81/82は模型に塗るにはもっとスケールエフェクト効かせて明るくすべきか。 |
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主脚は全てキットパーツ。正確度、モールドとも甘いけど、よく見えない箇所なのでスルー。当機のタイヤはたぶん亀甲形のトレッドあり。キットも一応モールドがあるが、パーティングラインを消す段階で消えるので、いっそツルツルにしてしまう。脚カバーは2枚が一体になってるけど、よく見えない場所なのでスルー。タイヤは、キットのままでは前から見て逆ハの字になる。平行になるように調整。 ピトー管は0.5mm真鍮線の先を段差状に削る。機銃カバーの水滴状ブリスターは、初期生産型にはなし。おそらく当機もなし。機銃口は、ピンバイスで貫通、真鍮線を通しつつタミヤパテで補修、針ヤスリで整形。周囲の楕円形パッチは、キットのモールドを削り落とし、透明プラバンのテンプレートでスジボリ。 前脚カバーの内側、前脚柱は世傑カラー写真よりRLM02グレイと判断。ホイルは黒。主車輪カバー(胴体中央の小さいやつ)の内側はRLM76のように見える。その他の塗色は不明で、既知部分からの類推。脚収容部は銀またはRLM02。歩回本の現存機だと、主脚収容部は、基本無塗装で部分的にRLM02で塗られたような感じ。生産時期によっても違うのだろう。 |
![]() タイヤから脚取付部まで、0.5mm真鍮線を通す。フォークとタイヤの間の真鍮線は、完成後ほとんど目立たない。 |
![]() 塗装して機体に接着。ブレーキラインは0.3mm鉛線。 |
![]() 主脚部分は全てキットパーツ。台形の車輪カバーだけは交換しようかどうしようか・・・ |
![]() 前脚カバーもキット。こちらも交換したいな・・・ |
ところで、キットのエンジンは、上から見てややハの字(後ろ広がり)なんだけど、実機って、どうなの?
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![]() 画像を拝借。十字の中央は暗色が大部分。 |
![]() タミヤテープの細切りでマスク。多少誤差があっても、薄く吹くだけなので、大丈夫。 |
![]() 修正後。境界のモヤモヤ感も修正。背中のループアンテナは0.2×0.5mmの洋白帯金。 |
![]() 使うウェザマスはこの木甲板(Deck Tan)。 |
以上が静岡前の状態。その後の追加作業は次回で。
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![]() 前方(右側)のアームは90°スイングする。一応両方モデリング。こういうのは簡単。 |
![]() 出力してチャコールグレイで塗る。切れは甘いが、それなりにディテールも再現される。そもそも1cm程度の部品だし。 |
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![]() コーションデカールは、未だ行方不明。別の方法に切り替える。白と黄色のベタデカールを、三角に切る。 |
![]() 重ね貼りで三角目玉焼き出来上がり。機銃アクセスドア下の白四角もデカール。 |
![]() 主翼のウォークウェイは作り置きのインレタ。1/48を意図したものなのでオーバーサイズ。面相筆チッピングも加える。 |
![]() ナセルの小エアインテイクは0.5mmプラバン工作。面相筆で塗装する。ナセルの赤丸はインレタ。 |
![]() 前脚ドアは0.3mmプラバンの2枚重ね。穴を先に開けてから周囲を切り取る。 |
![]() 塗装して取り付ける。 |
![]() 主車輪ドアも、いつもの写真撮影のアングルでは見えるので、キットパーツをベースに作り直す。これは改修前。 。 |
![]() プラバンや延ばしランナーのリブを追加する |
![]() 胴体下面のモラーヌアンテナは、0.2mm真鍮板をハサミで切り抜き、0.2mmプラバンを貼る。ちょい太過ぎるな。 |
![]() アンテナ線が問題。キャノピに穴を貫通させられないから、バイスで凹みを彫ってナイロン糸を瞬間で点止め。 |
補足。チッピングはミディアムシーグレイからエクストラダークシーグレイまで3種類くらいのグレイを使い、場所により使い分ける。最も明るい箇所は銀。アンテナ線は、垂直尾翼上端にナイフで機軸方向の切込みを入れ、そこに糸を挟んで瞬間で止める。テンションはかけられず、接着後にドライヤーで糸を収縮させる。 以上で完成。写真はシーフュリーと併せて後ほど撮影予定。
完成品の写真と実機写真を比べる。製作中は機首が若干細いかな?と思ってたけど、ほとんどピッタリ。自作のキャノピもアウトラインはばっちり(実機写真を基に3D設計したのだからアタリマエ)。でも、窓枠の位置がズレてるな・・ 反省。また、キットの垂直尾翼は、やや小振り。あと、エンジンナセルがやや細い気がするが、遠近法の影響が出やすい部分なので確証いまいち。 本作品は通説とは異なる(?)RLM81/82の色調の解釈が一つの売りなんだけど、改めて根拠のオリジナルカラー写真と見比べると、暗い方の緑の色調が違うな。写真はもっと暗い。ただ、もしかすると、この暗い緑はRLM81ではなく別の色(例えば70とか)で、81/82の上から斑点状にオーバースプレーされた可能性もあるのでは? |
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さて、改めて眺めると、当時の技術水準を超越し現在にも通用する革新的デザインと、旧来の延長線上の保守的デザインとの融合が 極めて興味深い。主尾翼は先進の後退翼。最新のエアライナーと同じ翼下搭載のエンジン(どちらも現代のジェット戦闘機と違い、相対的にエンジンが非力という点は考慮に値する)。一方で、胴体は以前の設計思想の踏襲。つまり、同社Bf109の後方視界を確保し、エンジンに代え機銃装備、燃料と下方視界のためのオムスビ断面に変更しただけ。水平尾翼配置も109と同じだ。
文献-8は、ノボトニー隊白4の左右両舷の写真とカラー図がある。文献-11のモノグラム本は、相当古いが、RLM81/82のカラーチップは3パターンが示され、その中には拙作のような緑系もある。モノ本、奥が深い。 |
1 | 新版 世界の傑作機 No.115 メッサーシュミットMe262 | 978-4893191366 | 文林堂 |
2 | 新版 世界の傑作機 No.2 メッサーシュミットMe262 | - | 文林堂 |
3 | 旧版 世界の傑作機 No.17 メッサーシュミットMe262 1971年4月 | - | 文林堂 |
4 | Messerschmitt Me 262 Walk Around No.42 | 0-89747-500-3 | Squadron/Signal Publications |
5 | Messerschmitt Me 262 | 1-86126-078-4 | Crowood Press |
6 | Warbird Tech Volume 6 Messerschmitt Me 262 Sturmvogel | 0-933424-69-8 | Specialty Press |
7-1 | Combat Aircraft 83 Me 262 Bomber And Reconnaissance Units | 978-1-78096-872-8 | Osprey |
7-2 | Aviation Elite Uunits 29 Jagdgeschwader 7 'Nowotny' | 978-1-84603-320-9 | Osprey |
7-3 | Aircraft of the Aces 17 German Jet Aces of World War 2 | 1-85532-634-5 | Osprey |
7-4 | Aircraft of the Aces 101 Luftwaffe Viermot Aces 1942-45 | 978-1-84908-438-3 | Osprey |
8 | Jagdwaffe V5 Sec4 Jet Fighters And Rocket Interceptors 1944-1945 | 978-1-903223-52-9 | Classic |
9 | Yellow Series 6105 Messerschmitt Me 262A Schwalbe | 83-916327-3-3 | Mushroom |
10 | Monogram Close-Up 17 Me262 A-1 | - | Monogram |
11 | The Official Monogram Painting Guide To German Aircraft 1935-1945 | - | Monogram |
12 | Monografie Lotnicze 30 Me 262 Schwalbe cz.1 | 83-86209-48-1 | AJ-Press |
13 | Monografie Lotnicze 31 Me 262 Schwalbe cz.2 | 83-86209-60-0 | AJ-Press |
14-1 | Miniatury Lotnicze 3 JG 7 Nowotny | 83-89088-01-0 | Kagero |
14-2 | Miriatury Lotnicze 18 Me 262 in combat | 83-89088-70-3 | Kagero |
14-3 | Miniatury Lotnicze 33 Me262 Units | 83-89088-58-4 | Kagero |
14-4 | Bitwy Lotnicze 03 Me262 | 978-83-60445-30-3 | Kagero |
15 | Messerschmitt Me 262 Development Testing Production | 0-88740-516-9 | Schiffer |
16 | Messerschmitt Me 262 Arrow To The Future | 0-88740-665-3 | Schiffer |
17 | The Luftwaffe Profile Series No.1 Messerschmitt Me 262 | 0-88740-820-6 | Schiffer |
17 | Luftvaffe At War 10 German Jets 1944-1945 | 1-85367-356-0 | Greenhill |