リパブリック サンダーボルトU
Republic Thunderbolt Mk.II

製作記へ
RAF Thunderbolt II (HD298) of the 30th Squadron, Cox's Bazar India, November 1944.






インド=ビルマのサンダーボルト・パイロット達にとって、天候は日本軍の砲火にも相当する障害であった。彼らの活動は1944年の雨季が終わる前に始まり、1945年の雨季が終わるとともに終了した。雨季には洪水の滑走路から泥だらけの機体を飛ばし、雨季の間の乾季には砂漠の如き熱暑と埃に悩まされながら、土埃と火煙の霞の中から地上軍の支援を行わなければならなかった・・・(Geoff Thomas著、RAF Thunderbolts より)



作品は、英軍第30スコードロン所属のサンダーボルトU、機番「RS◎U」(シリアルHD298:P-47D-27-REに相当)である。本機は1944年11月17日、ビルマの首都ラングーン方面への攻撃作戦から帰還した際、着陸時の衝突事故によって失われた。

30sqnの歴史は古く、開隊は1915年、複葉機の時代である。1944年9月に、それまでのハリケーンUに替わってサンダーボルトTとUに転換。10月にインド東部チッタゴン(現在のバングラデシュ東部)に移動、徐々に基地を南に移動しつつ、ビルマを占領する日本軍をインド洋岸側から東部へ向けて掃討していった。

1945年5月初めのラングーン占領と同時に、例年より2週間早くモンスーン・シーズンが到来、部隊の活動は停滞しそのまま終戦を迎えた。同年10月、インド南東岸のビザガパタムに戻りテンペストUに転換。1年余りのサンダーボルト部隊としての短い活動を終えた。

同隊は現在も存続しており、イラク戦争にもC−130ハーキュリーズを運用する輸送部隊として参戦している。



製作記へ

HOME