P-47Dレイザーバック(1/32ハセガワ) |
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予告編 |
2007.7.21 初出
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完成。
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はじめに |
ハセガワのバブルトップを素直に作ればいいのになぜ?とか、トラペのレイザーでないの?とか、そのうちハセガワからレイザー出るんでないの?とか、当然の疑問に対する答えはあるけれど、説明するのが面倒なので省略。まあ、バブルよりレイザーの方が私好みだというのが1つか。 さて、今回の作品、完成の暁には、電撃スケールモデラー誌に掲載される予定・・(だったけど、諸般の事情で・・・)。ということではあるが、製作記公表は当面自粛(まあその、いろいろと・・・)。
ハセガワ 総合的に見て、ハセガワスタンダードの良いキットで、T-ボルトの偏執狂的ファンでないかぎり大きな問題はない。購入を検討されている方には、即買い、即作りをおすすめする。なにしろ、2007春時点では同社はレイザーバック開発の予定がないとのウワサ。皆んなにどんどん買ってもらいたいのだ。このキット、一言でいうと同社1/48の拡大。ただの拡大でなく進化した部分もある。合わせがスムーズでなかった胴体下部は、パーツ割りが変わって改善され、さらに形状も側面が平らに修正された。ここはタミヤでもミスしていた点で、高く評価できる。 表面のモールドは素晴らしい。スジボリの太さも完璧。余計なリベットが無いのも嬉しい。小物は必要十分。足りない部分はモデラーが補えば良いのだ。クリアパーツの薄さもよい。全体のアウトラインについても、細かいことを言わなければ、合格点をつけられる。トラペと比べれば、価格も大きなアドバンテージだ。 次に要修正点。カウリングの取り付け高さが約1mm高く、下面で胴体との段差が生じる。レストア時にミスした現存機を見ての誤解と思われる。カウルの胴体取り付け基部を削ると、簡単に修正できる。 カウリング内部のエアインテイクとの仕切りは、同社1/48そのままの形で実機とは少々異なる。ただし目立たない部分なので、そのままでもよいだろう。後部胴体側面のエアアウトレットも、1/48のミスをそのまま引きずっている。ドアが横に開くのはもっと前方にスライドしてから。タミヤを参考にするとよい。 コクピットの開口部が、後ろ広がりになっているが、実機はここまで極端ではない。コクピット床は、コルゲート(波板)「なし」となっている。タミヤのD-25は「あり」だが、調べてみるとD-25でも「なし」とする資料がある。逆に「あり」とする根拠資料をお持ちの方、ご連絡いただければ幸甚。 主翼は、前縁が尖るように削るとT-ボルトらしくなる。同様、垂直、水平尾翼の前縁も尖らせるとさらによい。また上下パーツ接着の際には、ねじり下げにも注意。 垂直安定板は左舷にオフセットされているが、これはB型の初期まで。以降はオフセット0となる。エアロディティール43ページの記述(左舷1°オフセット)は間違い。世傑にはちゃんと0°と書いてある。根本的に修正すると大変なので、前縁を薄く削るときに気持ちだけ修正するとよいのでは。 その他、マニアックには、いろいろ言いたい所もあるが、ここでは省略。作品ではできるだけフォローしていくつもりなので、お楽しみに。 |
垂直尾翼オフセット(矢印)は「なし」が正解。雑誌では、パテを使わず修正する画期的(?)方法を紹介する予定。 |
翼の前縁は実機写真を参考に尖らせるとよい。テープで断面形が把握できよう。 |
トランペッター これ、現物を手にする前まではタミヤ1/48の拡大コピーと思ってた。それなら、コピー元が傑作キットなので、多少の「劣化コピー」でも合格点だろう、こいつのキャノピと背中をハセガワに移植すればいいかな、くらいに考えてた。ところが、コピーは一部の小物等だけで、基本パーツは「自主開発」。すなわち「全く似てない」。特にカウリングと背中の形状はダメ。主翼と尾翼の翼型もダメ。一部の小物には使えるものもあるが、そのために1万円以上は高い。 それでもいい、という人以外は買わないほうがよいと思う。どうしてもレイザーバックが作りたい人は、ハセガワかタミヤから出してくれるようにお願いしよう。 |
レイザーバックの背も剃刀が全く表現されてなく、変な折れ線が付いている。 |
カウリングもダメ。透明なので、色を塗らずに作れば、変な形が目立たなくてよいかも。風防&キャノピは、「コピー」なので、それほど悪くない。 |
主翼の翼型もダメ。また、そのまま組むと後縁に変なS字カーブのねじり下げがつく。 |
左、ハセガワをベースに形状を修正したもの。右、トラペにサフを吹いたもの。比べれば開口部が縦長で幅が狭いのがわかる。 |
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組み立て 8/10追加 |
さて、いよいよ製作開始だが、前回記述のとおり「予告編」なのでサワリだけご紹介。ベースとなるキットには、当然ハセガワを選択。こいつの背中とキャノピを改造してレイザーバックにする。
なお、「私のイメージする」というのは、じつは「実機の正確な1/32」という意味なんだけど、「正確な」とか「間違いを修正」という言葉を極力使わないようにする婉曲話法なのだ。 |
モーターツールで穴を開け、バルクヘッドを切り取る。 |
最初の作業はエンジン取り付け部の切り離し。なぜそんなことをするのかって?それは雑誌を見てのお楽しみ。ひとことだけ言うと、キットは「イメージ」に対して高さが不足しており、胴体を嵩上げするため。
どうせ切った、貼ったするならと、現存機の写真をトレースして翼断面形を作図する。出来た図をお見せしたいところだが、これも控えておこう。 翼型図をプリントアウトして型紙を切り抜き、パーツに当てると・・・「前縁を尖らせるだけじゃダメなのね。」 ということで、お楽しみがまた増える。 もちろん、サンデー・モデリングには、前縁を削るだけで十分。これで劇的に印象を改善できる。とくに下面側を中心に丸みを削り、かつ先端エッジをパーツ分割ラインより1mm程度下げてやるとよい。 アドバイスを一つ。ハセガワの右翼下面の3色灯は、前後位置がビミョーにずれており、リベットラインと重なってしまう。私はライトをクリアー材に置き換えて、翼上下パーツ接着後に気付いたので、仕方なくそのまま。なお、リベットを打たなければ問題ないレベルである。まあ、それを言い出すと、一部のスジ彫りもそうなのだが。
エンジンもハセガワがベース。トラペは部品が多く、吸排気管まであって一見もっともらしいが、シリンダーにプラグコード取付部の凹みが無いのがNG。 |
ハセガワをベースに、プラグコードを追加。 |
私自身、サブタイプ毎の差異の詳細を完全に把握しているわけでなく、また多少の推測が入っているが、概ねD-30を模したハセガワと、D-1あたりを模したトラペのパーツを適宜使いながら、後期レイザーバックのコクピットを「それらしく」再現する。 |
ハセガワ(左)、トラペ(右)のニコイチで、後期レイザーバックのコクピットを再現する。 |
資料として、国内で入手しやすい世傑またはエアロディティールの三面図を参考にする方も多いと思うが(どちらも作図者は同じ)、この図面、雰囲気はそこそこ出ているものの、細部を見るとあちこち間違いがあって要注意である。まず、後部胴体の縦通材の本数、配置がいいかげん。カウリングと防火壁前方のパネルもしかり。 また、主脚取り付け部付近は、実機の複雑なリベットラインが正しく表現されていない。作品では、ウォークアラウンドの写真を読み取って、できるだけ正確に再現したつもり。さらに、カウルフラップ直後に斜めのリベットラインが描かれているが、こんなラインはない(作図者は、何を見て勘違いしたんだろうね)。ときたま、知らずにこれを再現している作品を見ることがあって、悲しくなる。 胴体や、主翼の基本的なリベットラインは、これらの図面より、エアロディティールに含まれる胴体、主翼の骨組み図をベースにすると、より正確なものになる。図のStaナンバーは、インチ表示なのでミリに換算して1/32してやればよい。ただし、レイザーバックとバブルトップでは、背中だけでなくコクピット前方の胴体部分のフレーム配置が異なるので、その点は要注意である。主尾翼は基本的にどちらも同じである。 |
主脚取付部付近(丸い点検口のあたり)に着目。また、機銃口周囲のパネルラインの位置も修正済み。うっすら見えているのが、キットの位置。 |
バブルトップのコクピット内部の塗色は、ダル・ダーク・グリーン。青味の強い暗緑色である。なお、初期のレイザーバックではインテリアグリーンで、レイザーバックの生産途中で変更になった。防弾板も同色。頭当ては黒。キャノピ内側の後部胴体上部は、アンチグレアがそのまま続いたオリーブドラブ。ちなみに、脚収容部など、その他の機体内部は、ジンクロイエロー。 ハセガワの計器板は中央下部に「ふんどし」がついているが、これはD-30以降の装備である。D-25〜28(29は欠番)を作る場合は切り取ること。右下の3連メーターも2つにする。床板は、D-25以降(つまりバブル以降)平板になったと考えられる。わざわざ波板に作り替える必要はないだろう。タミヤのD-25は波板だけど。 ついでに言うと、タミヤの側壁パーツについても、バブルトップ(と後期のレイザーバック)では全型式通じてM型用パーツの使用を推奨する。タミヤの側壁は、レイザーバックのかなり初期のものをモデライズしたものだ。というわけで、タミヤでバブルDを作るならMを買うのがよろし。Dのパーツは全部揃っているはず。(←だよね、きっと、たぶん、もしかしたら・・・)
機銃の穴の位置と、その周囲のパネルラインの位置、形状が不正確。P-47の機銃は「水平」に並んでいるとの俗説があるが、これは間違い。厳密には水平でない。キットは俗説を信じてしまったようだ。正しくは、一番外側は銃身スリーブの中心と翼先端が一致。一番内側は銃身スリーブ下端と翼先端がほぼ一致する。
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リベットを打った胴体と主尾翼、機首を仮組みしてみる。窓枠はマスキングテープ細切りで「あたり」をつける。 |
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エデュアルドのF4Uコルセア用エッチングを使う。 |
ベルト本体は鉛板。 |
また、キットの胴体側面排出口ドアは、同社1/48キットと同じ間違いをしている。正しくは外側に広がるのはドアがもっと前進してから。 まあ、これから作ろうという方は修正してみては。既に作ってしまった人は気にしないで頂きたい。 |
左キット、右修正後。長さが短くなっているが、目の錯覚で見た目には違和感ない。 |
左キット、右修正後。幅5mm強に切りつめる。 |
ともかく、塗装開始。まずは下地のサフェーサ吹きから。他のページでも書いたので繰り返しになるが、サフを吹くのには理由がある。1つは傷など下地の状態の確認。もう1つは塗膜のベース作り。この2つの目的を達成するなら何でもいいわけだが、それにはサフェーサが最適な塗料。だからサフを吹く。 とくに、一度塗料を吹いた後にサンディングして、表面がプラと塗料の斑になった上から塗装する、なんていう場合にはサフが一番。普通の塗料だと、斑の境目で段差が生じてしまうが、サフはそういうことがない。モールドが埋まるからサフはいやだという意見を聞くが、それは濃すぎるからで、ごく薄く希釈すれば問題ない。サフ1に対して少なくともシンナー2以上。 サフェーサの希釈には、フィニッシャーズのピュアシンナーを使う。このシンナーは若干プラ表面を侵すが、そのせいか食い付きが非常に良い。サフの下地が出来上がれば、上塗りの希釈はクレオスのシンナーでも何でも結構。 |
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以前製作したP-47NやBACライトニングでは「ハイブリッド塗り」でゴージャスな輝きを狙った。今回は表面が酸化して輝きの鈍った銀を目指し、別の技法を試みる。結果は、狙った線より少し光りすぎたかな。まあでも、金属の質感は相当なもので、今後の銀塗装のスタンダードになると思える(といっても発明者は私ではないけど)。 |
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とはいえ、プラバンを接着するだけで修正できるから、素組み派の方も、ぜひここだけは手を加えていただきたい。ついでに言うと、翼との取り合い部の段差も実機にはない。なお、丸メカによれば、フラップ角度は最大40度。主翼には、そのままロッドのパーツを差し込めばよい設計になっているので、これはありがたい。 |
手前キットオリジナル。赤丸部に凹みというか段差がある。奥は加工済み。厚さも比較されたい。 |
inch定規 cm定規
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とうとうモザイクか。ここまですることはないと思いつつ・・・。まあ、楽しみにしていただきたい。 |
エアブラシ塗装では、塗装面へのゴミ(大半は繊維)の付着が大問題だけど、それって空気中のゴミが付着するケースはおそらく少なく、大半は塗料に混ざったゴミがノズルの先から塗料と一緒に吐き出されることによる。そのゴミがどうして塗料に混ざるかというと、エアブラシの掃除の際にティッシュの繊維がカップ内に残ったり、塗料の撹拌時に塗料皿のゴミを巻き込んだりというのが原因のよう。いや確証はなく、あくまで想像なんだけど。 で、対策だが、要はそうしたゴミが入る原因を断てばよいわけで、@エアブラシの掃除にティッシュ、布など繊維状のものは使わない、A塗料皿で塗料を混ぜない、あるいは塗料皿をよく掃除する、などが考えられる。また、ゴミが出るのは吹き始めに多いことを考えると、B最初の数吹き分は捨てる、のもいいかな。あとはCまめに分解掃除してゴミを取り出す。とくに漏斗状になったノズルの内部にはゴミが溜まりがち。 私は普段はカップに直接塗料とシンナーを入れて筆で撹拌しているからAは実行済み。実感としては@が効果的。ティッシュのかわりに筆を使う。その筆はティッシュで拭うので、若干のゴミが入る余地はあるけどね。筆だと、完全に塗料を拭うことはできないが、赤の後に白を吹くなんて場合を除けば、少々残っていても実用上問題なく、ゴミを排除するメリットの方が大きい。どうしても拭いたいときは、ティッシュより綿棒を使う。 と、長々と書いたが、結論は一言。「エアブラシの掃除にティッシュを使うのは止めよう」。え、何を今さら? これまた失礼しました〜。
で、5月にここを書き直しているが、雑誌の話しは現在白紙状態。引き続き、読者の皆さんにはお待たせして申し訳ないが、HPはとりあえず、このまま。いずれ何らかの形で、詳しい製作記をお見せできると思うので、それまで気長にお待ち頂ければ幸い。 |
ということで。 |
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1 | Republic'sP-47 THUNDERBOLT | Widewing Publications |
2 | WARBIRD HISTORY P-47 THUNDERBOLT | Motorbooks International |
3 | ZEMKE'S WOLFPACK The 56th Fighter Group In World War II | Motorbooks International |
4 | Beware The Thunderbolt! The 56th Fighter Group in World War II | Schiffer Military History |
5 | Royal Air Force THUNDERBOLTS | Air Research Publications |
6 | P-47 Thunderbolt in action Aircraft Number 67 | Squadron/Signal Publications |
7 | Walk Around P-47 Thunderbolt Walk Around Number 11 | Squadron/Signal Publications |
8 | D&S VOL.54, P-47 THUNDERBOLT | Squadron/Signal Publications |
9 | The Republic P-47 Thunderbolt in the Pacific Theater | Squadron/Signal Publications |
10 | WARPAINT SPECIAL No.1 Republic'sP-47 THUNDERBOLT | Hall Park Books |
11 | AIRCAM AVIATION SERIES No.2 REPUBLIC P-47 THUNDERBOLT | Osprey publications |
12 | FIGHTER COMMAND American Fighters in Original WWII Color | Motorbooks International |
13 | WWII WAR EAGLES Global Air War in ORIGINAL COLOR | Widewing Publications |
14 | WWII PACIFIC WAR EAGLES China/Pacific Aerial Conflict in ORIGINAL COLOR | Widewing Publications |
15 | The Ninth Air Force In Colour UK and The Continent - World War Two | Arms and Armour Press |
16 | Checkertails The 325th Fighter Group in the Second World War | Squadron/Signal Publications |
17 | AIR FORCE COLORS Volume2 ETO&MTO 1942-1945 | Squadron/Signal Publications |
18 | AIR FORCE COLORS Volume3 Pacific and Home Front,1942-1945 | Squadron/Signal Publications |
19 | 56TH FIGHTER GROUP | Squadron/Signal Publications |
20 | ACES OF THE EIGHTH | Squadron/Signal Publications |
22 | Monographs 17 Republic P-47 Thunderbolt vol.1 | Kagero |
23 | Monographs 20 Republic P-47 Thunderbolt vol.2 | Kagero |
24 | Monographs 24 Republic P-47 Thunderbolt vol.3 | Kagero |
25 | Monographs 28 Republic P-47 Thunderbolt vol.4 | Kagero |
26 | 世界の傑作機(新版) | 文林堂 |
27 | 世界の傑作機(旧版:2種の異なる版がある) | 文林堂 |
28 | エアロ・ディティール 14 リパブリックP−47サンダーボルト | 大日本絵画 |
29 |
オスプレイ軍用機シリーズ 12 第8航空軍のP−47サンダーボルトエース |
大日本絵画 |
30 |
オスプレイ軍用機シリーズ 25 太平洋戦線のP−51マスタングとP−47サンダーボルトエース |
大日本絵画 |
31 | 図解・軍用機シリ−ズ P−51ムスタング/P−47サンダ−ボルト ハンディ判 | 光人社 |
32 | The Republic P-47 Thunderbolt in the European Theater | Squadron/Signal Publications |
33 | P-47 Thunderbolt in Action No.208 | Squadron/Signal Publications |
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