P-47Dレイザーバック(1/32ハセガワ) 製作記
予告編

2007.7.21 初出




完成。



 はじめに 




■ レイザーバックへの道

 ついにハセガワから1/32サンダーボルト・バブルトップが発売された(ついでにトランペッターからもね)。サンダーの熱狂的ファンとしては、非常に嬉しい。これはもう作るしかない!!! 作るしかないんだけど、紆余曲折あって、ハセガワを改造してレイザーバックにするのだ。

 ハセガワのバブルトップを素直に作ればいいのになぜ?とか、トラペのレイザーでないの?とか、そのうちハセガワからレイザー出るんでないの?とか、当然の疑問に対する答えはあるけれど、説明するのが面倒なので省略。まあ、バブルよりレイザーの方が私好みだというのが1つか。

 さて、今回の作品、完成の暁には、電撃スケールモデラー誌に掲載される予定・・(だったけど、諸般の事情で・・・)。ということではあるが、製作記公表は当面自粛(まあその、いろいろと・・・)。


■ キット評

 既に購入して作り始めた方もいると思うので、簡単なキット評、というか製作アドバイス的なものの掲載はお許しいだだこう。

ハセガワ

 総合的に見て、ハセガワスタンダードの良いキットで、T-ボルトの偏執狂的ファンでないかぎり大きな問題はない。購入を検討されている方には、即買い、即作りをおすすめする。なにしろ、2007春時点では同社はレイザーバック開発の予定がないとのウワサ。皆んなにどんどん買ってもらいたいのだ。

 このキット、一言でいうと同社1/48の拡大。ただの拡大でなく進化した部分もある。合わせがスムーズでなかった胴体下部は、パーツ割りが変わって改善され、さらに形状も側面が平らに修正された。ここはタミヤでもミスしていた点で、高く評価できる。

 表面のモールドは素晴らしい。スジボリの太さも完璧。余計なリベットが無いのも嬉しい。小物は必要十分。足りない部分はモデラーが補えば良いのだ。クリアパーツの薄さもよい。全体のアウトラインについても、細かいことを言わなければ、合格点をつけられる。トラペと比べれば、価格も大きなアドバンテージだ。

 次に要修正点。カウリングの取り付け高さが約1mm高く、下面で胴体との段差が生じる。レストア時にミスした現存機を見ての誤解と思われる。カウルの胴体取り付け基部を削ると、簡単に修正できる。
 カウリング内部のエアインテイクとの仕切りは、同社1/48そのままの形で実機とは少々異なる。ただし目立たない部分なので、そのままでもよいだろう。後部胴体側面のエアアウトレットも、1/48のミスをそのまま引きずっている。ドアが横に開くのはもっと前方にスライドしてから。タミヤを参考にするとよい。

 コクピットの開口部が、後ろ広がりになっているが、実機はここまで極端ではない。コクピット床は、コルゲート(波板)「なし」となっている。タミヤのD-25は「あり」だが、調べてみるとD-25でも「なし」とする資料がある。逆に「あり」とする根拠資料をお持ちの方、ご連絡いただければ幸甚。

 主翼は、前縁が尖るように削るとT-ボルトらしくなる。同様、垂直、水平尾翼の前縁も尖らせるとさらによい。また上下パーツ接着の際には、ねじり下げにも注意。
 垂直安定板は左舷にオフセットされているが、これはB型の初期まで。以降はオフセット0となる。エアロディティール43ページの記述(左舷1°オフセット)は間違い。世傑にはちゃんと0°と書いてある。根本的に修正すると大変なので、前縁を薄く削るときに気持ちだけ修正するとよいのでは。

 その他、マニアックには、いろいろ言いたい所もあるが、ここでは省略。作品ではできるだけフォローしていくつもりなので、お楽しみに。



垂直尾翼オフセット(矢印)は「なし」が正解。雑誌では、パテを使わず修正する画期的(?)方法を紹介する予定。

翼の前縁は実機写真を参考に尖らせるとよい。テープで断面形が把握できよう。


トランペッター

 これ、現物を手にする前まではタミヤ1/48の拡大コピーと思ってた。それなら、コピー元が傑作キットなので、多少の「劣化コピー」でも合格点だろう、こいつのキャノピと背中をハセガワに移植すればいいかな、くらいに考えてた。

 ところが、コピーは一部の小物等だけで、基本パーツは「自主開発」。すなわち「全く似てない」。特にカウリングと背中の形状はダメ。主翼と尾翼の翼型もダメ。一部の小物には使えるものもあるが、そのために1万円以上は高い。

 それでもいい、という人以外は買わないほうがよいと思う。どうしてもレイザーバックが作りたい人は、ハセガワかタミヤから出してくれるようにお願いしよう。



レイザーバックの背も剃刀が全く表現されてなく、変な折れ線が付いている。

カウリングもダメ。透明なので、色を塗らずに作れば、変な形が目立たなくてよいかも。風防&キャノピは、「コピー」なので、それほど悪くない。

主翼の翼型もダメ。また、そのまま組むと後縁に変なS字カーブのねじり下げがつく。

左、ハセガワをベースに形状を修正したもの。右、トラペにサフを吹いたもの。比べれば開口部が縦長で幅が狭いのがわかる。


 組み立て 8/10追加



 さて、いよいよ製作開始だが、前回記述のとおり「予告編」なのでサワリだけご紹介。ベースとなるキットには、当然ハセガワを選択。こいつの背中とキャノピを改造してレイザーバックにする。


■ 胴体 

 まず、胴体。普通のモデラーにとっては、そのまま作って全く問題ないが、「私のイメージする」サンダーボルトとは、若干の違いがあり、私の基準では手放しでは使えない。で、その「イメージ」に近づくように、切って、曲げて、貼って、削るわけだ。この作業は、バブルトップも基本的に共通。

 なお、「私のイメージする」というのは、じつは「実機の正確な1/32」という意味なんだけど、「正確な」とか「間違いを修正」という言葉を極力使わないようにする婉曲話法なのだ。



モーターツールで穴を開け、バルクヘッドを切り取る。


 最初の作業はエンジン取り付け部の切り離し。なぜそんなことをするのかって?それは雑誌を見てのお楽しみ。ひとことだけ言うと、キットは「イメージ」に対して高さが不足しており、胴体を嵩上げするため。


■ 主翼

 主翼も翼断面形が「私のイメージ」からは少し外れている。これも、切って、曲げて、貼って、削るのだが、その前に「私のイメージする」翼断面って、いったいどんな形?

 どうせ切った、貼ったするならと、現存機の写真をトレースして翼断面形を作図する。出来た図をお見せしたいところだが、これも控えておこう。

 翼型図をプリントアウトして型紙を切り抜き、パーツに当てると・・・「前縁を尖らせるだけじゃダメなのね。」 ということで、お楽しみがまた増える。
 もちろん、サンデー・モデリングには、前縁を削るだけで十分。これで劇的に印象を改善できる。とくに下面側を中心に丸みを削り、かつ先端エッジをパーツ分割ラインより1mm程度下げてやるとよい。

 アドバイスを一つ。ハセガワの右翼下面の3色灯は、前後位置がビミョーにずれており、リベットラインと重なってしまう。私はライトをクリアー材に置き換えて、翼上下パーツ接着後に気付いたので、仕方なくそのまま。なお、リベットを打たなければ問題ないレベルである。まあ、それを言い出すと、一部のスジ彫りもそうなのだが。


■ 機首

 胴体を「イメージ」に合わせたので、必然的にカウリングにも手が入る。前回更新で写真をお見せしたとおり、4分割されているカウルパーツの間にそれぞれプラバンを挟む。カウリング内エアインテイクも形を修正。実機クローズアップ写真集でも形状の把握しづらい部分で、製作途中写真でも、よく分からないかな? 作業自体は、パテ類で裏打ちしてからヤスリで削るだけで、わりと簡単である。

 エンジンもハセガワがベース。トラペは部品が多く、吸排気管まであって一見もっともらしいが、シリンダーにプラグコード取付部の凹みが無いのがNG。



ハセガワをベースに、プラグコードを追加。



■ コクピット

 サンダーボルトD型は、長期に渡って生産されたため、初期のD-1と後期のD-30ではコクピット内部にかなりの相違があるが、既存キットではサブタイプ毎の差異が必ずしも正確にフォローされてなく、これまでの雑誌作例でも、きちんと考証したものはあまり無かったと思う。

 私自身、サブタイプ毎の差異の詳細を完全に把握しているわけでなく、また多少の推測が入っているが、概ねD-30を模したハセガワと、D-1あたりを模したトラペのパーツを適宜使いながら、後期レイザーバックのコクピットを「それらしく」再現する。



ハセガワ(左)、トラペ(右)のニコイチで、後期レイザーバックのコクピットを再現する。



■ リベット 9/19追加

 前回更新から、1ヶ月以上経過。その間何をやってたかというと、ひたすらリベット打ち。約1ヶ月間で、基本パーツがほぼ終了。と、書けば一行で終わってしまうので、今後リベットを打たれる方へのアドバイスを少々。すでに打ち終わってしまった方は、無視してくだされ。

 資料として、国内で入手しやすい世傑またはエアロディティールの三面図を参考にする方も多いと思うが(どちらも作図者は同じ)、この図面、雰囲気はそこそこ出ているものの、細部を見るとあちこち間違いがあって要注意である。まず、後部胴体の縦通材の本数、配置がいいかげん。カウリングと防火壁前方のパネルもしかり。

 また、主脚取り付け部付近は、実機の複雑なリベットラインが正しく表現されていない。作品では、ウォークアラウンドの写真を読み取って、できるだけ正確に再現したつもり。さらに、カウルフラップ直後に斜めのリベットラインが描かれているが、こんなラインはない(作図者は、何を見て勘違いしたんだろうね)。ときたま、知らずにこれを再現している作品を見ることがあって、悲しくなる。

 胴体や、主翼の基本的なリベットラインは、これらの図面より、エアロディティールに含まれる胴体、主翼の骨組み図をベースにすると、より正確なものになる。図のStaナンバーは、インチ表示なのでミリに換算して1/32してやればよい。ただし、レイザーバックとバブルトップでは、背中だけでなくコクピット前方の胴体部分のフレーム配置が異なるので、その点は要注意である。主尾翼は基本的にどちらも同じである。



主脚取付部付近(丸い点検口のあたり)に着目。また、機銃口周囲のパネルラインの位置も修正済み。うっすら見えているのが、キットの位置。



■ コクピット補足

 バブルトップを作る方へ、若干のアドバイス。こちらも既に作られた方は気にしないでいただきたい。「もっと早く言え!」とのお叱りはごもっとも。

 バブルトップのコクピット内部の塗色は、ダル・ダーク・グリーン。青味の強い暗緑色である。なお、初期のレイザーバックではインテリアグリーンで、レイザーバックの生産途中で変更になった。防弾板も同色。頭当ては黒。キャノピ内側の後部胴体上部は、アンチグレアがそのまま続いたオリーブドラブ。ちなみに、脚収容部など、その他の機体内部は、ジンクロイエロー。

 ハセガワの計器板は中央下部に「ふんどし」がついているが、これはD-30以降の装備である。D-25〜28(29は欠番)を作る場合は切り取ること。右下の3連メーターも2つにする。床板は、D-25以降(つまりバブル以降)平板になったと考えられる。わざわざ波板に作り替える必要はないだろう。タミヤのD-25は波板だけど。

 ついでに言うと、タミヤの側壁パーツについても、バブルトップ(と後期のレイザーバック)では全型式通じてM型用パーツの使用を推奨する。タミヤの側壁は、レイザーバックのかなり初期のものをモデライズしたものだ。というわけで、タミヤでバブルDを作るならMを買うのがよろし。Dのパーツは全部揃っているはず。(←だよね、きっと、たぶん、もしかしたら・・・)


■ その他重箱の隅

 ハセガワは、カウルフラップ下端とオイルクーラー・エアアウトレットとの位置関係が不正確。作品は、胴体高さは変えたものの、これら位置関係はそのままで、どうしよう。

 機銃の穴の位置と、その周囲のパネルラインの位置、形状が不正確。P-47の機銃は「水平」に並んでいるとの俗説があるが、これは間違い。厳密には水平でない。キットは俗説を信じてしまったようだ。正しくは、一番外側は銃身スリーブの中心と翼先端が一致。一番内側は銃身スリーブ下端と翼先端がほぼ一致する。


■ 現在の進捗状況

 基本パーツのリベットは終了、カウリングを「私のイメージに合わせた」ことに伴い、カウルフラップをプラバンから自作。エンジン部分は、完成後の収納を考えて、取り外し式に工作。風防、キャノピは木型を作りヒートプレス。これも苦労の末なんとか形になり、残るは窓枠などの細部。「士」の字直前。



リベットを打った胴体と主尾翼、機首を仮組みしてみる。窓枠はマスキングテープ細切りで「あたり」をつける。



■ ところで

 トラペから、Dバブルが出るそうな。一体誰が買うんだろうね。模型店の方には「仕入れてはいけない」と声を大にして言いたいね。読者の皆さんには、このキットを評価する雑誌、ライター、販売店は信用しないように!と言っておこう。



■ トラペのバブル 10/17追加

 トラペのバブルトップが発売されたようだ。カウリング、胴体、主翼の出来については、レイザーバックで既に分かっている(あえて言わないけど)。唯一、気になる箇所が残るとすれば、キャノピパーツの出来具合で、ひょっとしてタミヤのコピーなら・・・と期待を持たせなくはないところである。しかし、残念ながら「自主開発」。ハセガワの方が出来は数段優るとだけ言っておこう。


■ レイザーバックの進捗状況

 こちらは、主翼と胴体の接着が終了。風防&キャノピにも窓枠を付け、こちらもだいぶ目処が立ったところ。




■ シートベルト 11/5追加

 1/32を作っていて感じるのは、1/48に比べてアフターマーケット・パーツが充実していないこと。エッチングのシートベルトの入手に苦労する。あちこちの模型店を探して、エデュアルドのF4Uコルセア用コクピット・ディティールアップのセットを辛うじて確保。2,400円と高価だし、ベルト以外に使い道がない。肝心のベルトはオーバースケールで大味な出来。自作よりはマシと、我慢して使う。

 エデュさんも、最近はアコギな商売しよるのう。ここらでファイン・モールドあたりから、汎用WW2米軍機シートベルトを出してくれんもんかのう〜。←これが言いたかったのだ。(ついでに独、日、英もよろしくね)



エデュアルドのF4Uコルセア用エッチングを使う。

ベルト本体は鉛板。



■ 重箱の隅

 どうでもいいことだけど、キットの尾脚カバーのパーツは形がヘン。胴体の開口部に合わせれば一発で分かるけど。角が鋭角になるわけないでしょ。
 また、キットの胴体側面排出口ドアは、同社1/48キットと同じ間違いをしている。正しくは外側に広がるのはドアがもっと前進してから。

 まあ、これから作ろうという方は修正してみては。既に作ってしまった人は気にしないで頂きたい。



左キット、右修正後。長さが短くなっているが、目の錯覚で見た目には違和感ない。

左キット、右修正後。幅5mm強に切りつめる。



■ 下地塗装 12/15追加

 1ヶ月半更新サボって、申し訳なし。手は動かしているんだけどネ。

 ともかく、塗装開始。まずは下地のサフェーサ吹きから。他のページでも書いたので繰り返しになるが、サフを吹くのには理由がある。1つは傷など下地の状態の確認。もう1つは塗膜のベース作り。この2つの目的を達成するなら何でもいいわけだが、それにはサフェーサが最適な塗料。だからサフを吹く。

 とくに、一度塗料を吹いた後にサンディングして、表面がプラと塗料の斑になった上から塗装する、なんていう場合にはサフが一番。普通の塗料だと、斑の境目で段差が生じてしまうが、サフはそういうことがない。モールドが埋まるからサフはいやだという意見を聞くが、それは濃すぎるからで、ごく薄く希釈すれば問題ない。サフ1に対して少なくともシンナー2以上。

 サフェーサの希釈には、フィニッシャーズのピュアシンナーを使う。このシンナーは若干プラ表面を侵すが、そのせいか食い付きが非常に良い。サフの下地が出来上がれば、上塗りの希釈はクレオスのシンナーでも何でも結構。






■ 銀塗装

 無塗装銀にすることは、製作当初から決めていた(意外?)。マーキングも(ほぼ)決めているが、ネタばらしはもう少し先にする。欧州のエース機とだけいっておこう。

 以前製作したP-47NやBACライトニングでは「ハイブリッド塗り」でゴージャスな輝きを狙った。今回は表面が酸化して輝きの鈍った銀を目指し、別の技法を試みる。結果は、狙った線より少し光りすぎたかな。まあでも、金属の質感は相当なもので、今後の銀塗装のスタンダードになると思える(といっても発明者は私ではないけど)。







■ フラップ 12/28追加

 またも重箱の隅を1つ。キットのフラップは、胴体フィレットとの取り合い部分が段差状に凹んでいる(タミヤ1/48サンダーボルトやマスタングも同様の段差がある)が、もちろん実機には段差はない。フラップダウンをデフォルトとするキットなら、ここはツライチにするようメーカーにはお願いしたいところだ。もし、さらにフラップアップで組む人に親切な設計にするなら、別に凹んだパーツを用意すればいいと思う。

 とはいえ、プラバンを接着するだけで修正できるから、素組み派の方も、ぜひここだけは手を加えていただきたい。ついでに言うと、翼との取り合い部の段差も実機にはない。なお、丸メカによれば、フラップ角度は最大40度。主翼には、そのままロッドのパーツを差し込めばよい設計になっているので、これはありがたい。



手前キットオリジナル。赤丸部に凹みというか段差がある。奥は加工済み。厚さも比較されたい。



■ インチ定規

 以前に、インチ表示のStaナンバー図のことを書いたが、広島乱流会のあっくんパパ氏より、インチ表示スケールのPDFデータをいただいた。これで、電卓を叩く手間が省ける。私だけが使うのも勿体ないので、ご本人の承諾を得て掲載する。感謝々々。ダウンロードしてお使いいただきたい。OHPシート(パワポの普及で最近見かけない?)に印刷すると、透明だし曲面に馴染むので使いやすいとのこと。なお、プリンターとの相性があるので、1インチ=25.4mmでチェックをしていただければ幸い。

inch定規
cm定規


■ マーキング 1/21追加

 現在の進捗状況報告。国籍マーク、機首や尾翼の部隊カラー、コードレターなどはマスキングして手描き。ノーズアートやスコアマークなどは自作のインレタ。これはP-35のページに記述済みだ。細かい注意書きを除いて、これらも貼り付け終了。これでようやく完成時の姿が見えてきた。どの部隊の誰の乗機か、もう分かるかな?



とうとうモザイクか。ここまですることはないと思いつつ・・・。まあ、楽しみにしていただきたい。



■ エアブラシのゴミ

 エアブラシ歴20数年にして今頃気付いた事実を、恥ずかしながら披露する。多分、皆さん既にご承知だと思うけど、エアブラシ初心者には有益だと思われるので。

 エアブラシ塗装では、塗装面へのゴミ(大半は繊維)の付着が大問題だけど、それって空気中のゴミが付着するケースはおそらく少なく、大半は塗料に混ざったゴミがノズルの先から塗料と一緒に吐き出されることによる。そのゴミがどうして塗料に混ざるかというと、エアブラシの掃除の際にティッシュの繊維がカップ内に残ったり、塗料の撹拌時に塗料皿のゴミを巻き込んだりというのが原因のよう。いや確証はなく、あくまで想像なんだけど。

 で、対策だが、要はそうしたゴミが入る原因を断てばよいわけで、@エアブラシの掃除にティッシュ、布など繊維状のものは使わない、A塗料皿で塗料を混ぜない、あるいは塗料皿をよく掃除する、などが考えられる。また、ゴミが出るのは吹き始めに多いことを考えると、B最初の数吹き分は捨てる、のもいいかな。あとはCまめに分解掃除してゴミを取り出す。とくに漏斗状になったノズルの内部にはゴミが溜まりがち。

 私は普段はカップに直接塗料とシンナーを入れて筆で撹拌しているからAは実行済み。実感としては@が効果的。ティッシュのかわりに筆を使う。その筆はティッシュで拭うので、若干のゴミが入る余地はあるけどね。筆だと、完全に塗料を拭うことはできないが、赤の後に白を吹くなんて場合を除けば、少々残っていても実用上問題なく、ゴミを排除するメリットの方が大きい。どうしても拭いたいときは、ティッシュより綿棒を使う。

 と、長々と書いたが、結論は一言。「エアブラシの掃除にティッシュを使うのは止めよう」。え、何を今さら? これまた失礼しました〜。


■ 完成 2/19追加

 8ヶ月の苦闘の末、2008年2月ようやく完成・・・

 で、5月にここを書き直しているが、雑誌の話しは現在白紙状態。引き続き、読者の皆さんにはお待たせして申し訳ないが、HPはとりあえず、このまま。いずれ何らかの形で、詳しい製作記をお見せできると思うので、それまで気長にお待ち頂ければ幸い。



ということで。












■ 参考文献

 参考資料が増えたので、ここで紹介。Kagero社は、これだけ資料を持っている私にとっても未見の写真が多く、財布の紐がつい緩む。文献-1はBodie氏著によるもので、ハードカバー417ページの大書。T-ボルトファン必携だ。文献-2は、鮮明な写真が多く、模型製作、特にリベットラインの把握に役立つ。また文献-12〜14はEthell氏によるオリジナルカラー写真集。米軍機ファンは必ず買うべし。(文献-12は合本で名称が変わって"Air Command: Fighters and Bombers of World War II" Jeffrey L. Ethell , Robert T. Sand (著) Motorbooks International社となった。米アマゾンで購入可能。)

1 Republic'sP-47 THUNDERBOLT Widewing Publications
2 WARBIRD HISTORY P-47 THUNDERBOLT Motorbooks International
3 ZEMKE'S WOLFPACK The 56th Fighter Group In World War II Motorbooks International
4 Beware The Thunderbolt! The 56th Fighter Group in World War II Schiffer Military History
5 Royal Air Force THUNDERBOLTS Air Research Publications
6 P-47 Thunderbolt in action Aircraft Number 67 Squadron/Signal Publications
7 Walk Around P-47 Thunderbolt Walk Around Number 11 Squadron/Signal Publications
8 D&S VOL.54, P-47 THUNDERBOLT Squadron/Signal Publications
9 The Republic P-47 Thunderbolt in the Pacific Theater Squadron/Signal Publications
10 WARPAINT SPECIAL No.1 Republic'sP-47 THUNDERBOLT Hall Park Books
11 AIRCAM AVIATION SERIES No.2 REPUBLIC P-47 THUNDERBOLT Osprey publications
12 FIGHTER COMMAND American Fighters in Original WWII Color Motorbooks International
13 WWII WAR EAGLES Global Air War in ORIGINAL COLOR Widewing Publications
14 WWII PACIFIC WAR EAGLES China/Pacific Aerial Conflict in ORIGINAL COLOR Widewing Publications
15 The Ninth Air Force In Colour UK and The Continent - World War Two Arms and Armour Press
16 Checkertails The 325th Fighter Group in the Second World War Squadron/Signal Publications
17 AIR FORCE COLORS Volume2 ETO&MTO 1942-1945 Squadron/Signal Publications
18 AIR FORCE COLORS Volume3 Pacific and Home Front,1942-1945 Squadron/Signal Publications
19 56TH FIGHTER GROUP Squadron/Signal Publications
20 ACES OF THE EIGHTH Squadron/Signal Publications
22 Monographs 17 Republic P-47 Thunderbolt vol.1 Kagero
23 Monographs 20 Republic P-47 Thunderbolt vol.2 Kagero
24 Monographs 24 Republic P-47 Thunderbolt vol.3 Kagero
25 Monographs 28 Republic P-47 Thunderbolt vol.4 Kagero
26 世界の傑作機(新版) 文林堂
27 世界の傑作機(旧版:2種の異なる版がある) 文林堂
28 エアロ・ディティール 14 リパブリックP−47サンダーボルト 大日本絵画
29 オスプレイ軍用機シリーズ 12
第8航空軍のP−47サンダーボルトエース
大日本絵画
30 オスプレイ軍用機シリーズ 25
太平洋戦線のP−51マスタングとP−47サンダーボルトエース
大日本絵画
31 図解・軍用機シリ−ズ P−51ムスタング/P−47サンダ−ボルト ハンディ判 光人社
32 The Republic P-47 Thunderbolt in the European Theater Squadron/Signal Publications
33 P-47 Thunderbolt in Action No.208 Squadron/Signal Publications



■ 参考サイト

 you tubeの動画、イタリア戦線は、貴重なオリジナルカラー動画。離陸シーンは、ゼロ戦なんかと違って、三点姿勢のまま豪快に空に飛び立っていく。一説によると、尾部を上げないのは巨大なペラが地面を叩かないためだとか・・・。空母発艦シーンは世傑などにも写真のある有名なものだが、こんなに滑走距離が短いとは。6トンの巨体が一瞬で浮かび上がるのは、圧巻。組み立て動画も非常に興味深く貴重な映像。それぞれ紹介頂いた諸氏に感謝。
  1. イタリア戦線@
  2. イタリア戦線A
  3. イタリア戦線B
  4. イタリア戦線C
  5. イタリア戦線D
  6. 空母マニラベイ
  7. P-47C組み立て動画@
  8. P-47C組み立て動画A
  9. P-47C組み立て動画B
  10. P-47C組み立て動画C
  11. P-47高画質動画その1 
  12. P-47高画質動画その2 


■ 関連ページ

ハセガワさん、ぜひここを読んでください(2006.11.22初出)





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