P-51D マスタング(タミヤ1/32)製作記その1

2012.6.22初出

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野馬か駿馬か




 はじめに 




■ はじめに 

 2012静岡HSが終わり、新たな模型年度が始まる。人によってはJMCやクラブの展示会だろうが、ここしばらく私には静岡が1年の区切り。 で、ヘルキャットが無事完成したところで、新規プロジェクトのアイテム選定だ。F-86から1年が過ぎ、そろそろアルミ職人を復活させる頃合いかな。それだと、米陸双胴機が従来から有力候補だが、昨年の静岡HSから気になっているタミヤ野馬にて王道モデリングを展開しよう。実は主翼にアルミ不要で楽そうだから、というのは内緒だ。

 製作コンセプトは、ずばり「アルミ」。これだけ出来のいいキットだと、誰が作っても同じで、そこを差別化するならばアルミしかない。というか、このキットにアルミを貼った姿を、単純に見てみたいのだ。仕上がりは、F-86よりさらにピカピカにするつもり。大戦中の前線基地にある機体を忠実に再現するのではなく、ノースアメリカンの工場出たて、あるいは戦後のエアショーのような実機感を狙う。

 あとは、よく出来たキットなので、手を加える必要もないだろう。キットの「売り」はカウリングの脱着式パネル。とりあえずキットどおりの脱着を目指すが、アルミを貼って段差隙間なくできるか、やってみないと分からない。だめなら外形重視で固定とするかも。

 もう1つ。私は毎回技術的な課題を設定することにしている。前作は可動、その前はアルミ。今回も新たなネタを考えている。お楽しみに。


■ キットレビュー

 とにかくよく出来ている。飛行機プラモデルの最高峰と断言できる素晴らしさ。私が最も重視する外形の正確さにおいても完璧。古い1/48キットの拡大ではなく、完全にリサーチされ一新されている。ディテールについても文句なし。同じ設計氏の前作スピットファイアもまた最高峰キットだが、さらに進化している。本当に言うことない素晴らしさだ。

 私の個人的好みでは、「こうしてくれると、もっといいのに」という箇所はある。当ページでも今後指摘すると思うが、あくまで好みの問題だし、多分私の好みはモデラーの平均値から外れてるので、メーカーに対するクレームではないから誤解なきよう。

 造形村のP-51については、コンセプトが若干違うので、そこはモデラーが選べばいいのだが、外形についていえば、あえて造形村を選ぶメリットはないと思う。とにかく勿体ないの一言。1/32の穴ってまだまだ沢山あるのにね。ヘルキャットとか。とはいえ、一部の別売りディテール・アップ・パーツには密かに期待・・・



 組み立て 




■ 準備作業

 いつもなら実機とキットの違いをぐだぐだ解説するところだが、キットが完璧だからその必要全くなし。さっさと製作に入る。さてまず、キットの薄いカウリングパーツにどうやってアルミ板を貼るかが問題。あれこれ考え、キットパーツを型取り、複製して、アルミ板絞りと接着〜表面仕上げのための台を作る。

 シリコン型はいつもの信越化学のKE-14を使用。注型する樹脂には、今回クリスタル・レジンなるものを使ってみる。透明エポキシ樹脂だ。硬化後にも弾力があるのが難点だが、工作のための台として使う分には問題ない。



日新レジンのクリスタルレジン。東急ハンズで2850円。

できあがり。絞りには外形のコピー、接着〜表面仕上げにはキットパーツの内側にはまる台と、2種類の複製品を作る。



■ アルミ貼り 6/27追加

 いよいよアルミを貼っていく。まずはカウリングから。基本テクニックはF-86と同じ。初めて当ページをご覧になる方はそちらを参照願う。板厚は0.3mm、接着は10分硬化のエポキシ。1年ぶりでコツを忘れている。カウリングのように凸のきついものは、型に被せて表からヘラでしごくより、ゴム板の上で裏からしごいて凸を出し、型に被せて形を整える。むしろレジンで雌型を作った方がよかったかも。



左右2分割で成形。マーリンのシリンダーヘッドをクリアする微妙なカーブもタミヤ任せなので、ある意味すごく「楽」。

下側も成形。コツを思い出してきたぞ。手前は成形に使うレジン型。


 ともかく、形が絞れたら接着。レジン型に接着剤がつかないようにラップでくるみ、キットのカウルパーツを被せ、エポキシ接着剤を塗ってアルミ板を乗せる。セロテープで固定してウレタンフォームを乗せてセロテープで縛り付ける。硬化後はがしてみると・・・見事にアルミ板がズレている。硬化するまでの間にキットパーツが動いたようだ。アルミ板の成形が不完全だったか。ということで、パーツ請求してやり直し。先は長い。

 機首は塗装するので、スピナと直後のインテイクリップのパーツにはアルミを貼らないつもり。となると、アルミを貼ったカウルパネルと段差が生じるが、それは想定内。接着後の曲げと摺り合わせで何とかなるかな?と見切り発車するが、いざ貼ってみると下側カウルは曲げではインテイクとの段差が解消せず、キットパーツ自体をひと周り小さくしておく必要があることが分かる。どっちにしたってパーツ請求だわ。



接着終了。左の2つは表面をざっとサンディング。しかし・・・

上側カウル前端に隙間がががが。下側カウルとリップのパーツには段差。



■ クリスタル・レジン補足

 補足。収縮については、私の場合できあがりで 1% 程度。カウリングの型で約0.5mmだ。ただしキッチン用計量秤で混合比が厳密でなく、その影響かもしれない。固さや切削感はエポキシ接着剤に似ている。ただし接着力はなく、プラからきれいに剥がれる。瞬間接着剤はよく利く。塗装もOK。いわゆる普通のレジンに比べ、作業時間が長く(硬化に1〜2日)、気泡が少なく、臭いが少ないのがメリット。硬化後も柔らかいのが欠点だが、逆に普通のレジンのようにポキンと折れないから、細い部品には都合がいいのかも。


■ WINDS展示会

 今週末、WINDS展示会にヘルキャットで出撃する予定。日曜とお知らせしてたが、都合により土曜に変更。直前で申し訳なし。


■ 100万ヒット御礼 7/9追加

 7月8日、玄関のカウンタが7桁を超える。本ページを訪れてくれた読者諸兄に改めて深く感謝し、引き続きご支援をお願いする次第。


■ 続アルミ貼り 

 請求パーツが届くのが待ち遠しく、失敗パーツのアルミを剥がして再利用。案外簡単に剥がれて、いいんだか悪いんだか。前回の反省を活かして、ちょっとした工夫をする。下側カウルは、キットパーツの先端をアルミ一枚分(外周で約0.5mm)小さくするため、中心線沿いに先端をV字カットし、レジン型もそれに合わせて先端を板厚分小さく削る。上側カウルは、レジン型の先端を削る程度。あとは貼り付け後に端部を削り合わせる。



ガイドとして0.3mmプラバンの小片を接着しておく。これでズレなし。

下側カウルもやりなおし。接着剤が固まるまでウレタンで圧着中。


 並行して、胴体。F-86では左右パーツ接着後に貼ったが、P-51の場合、コクピットの開口部が大きく、圧着で歪む。そこで、歪みそうな場所は左右接着前に貼っておき、コクピットを組み込んでパーツ接合後に残りを貼るという作戦。



こんな具合に表裏から挟んでクランプ。下は接着前の状況。

現在の進捗状況。ここまで貼れば、胴体左右を接着できる。風防前などは接着後でないと貼れない。



■ コクピットの塗装考証

 アルミと並行でコクピットも進める。今回は、アルミと非アルミの作業を同時並行でやっていくのだ。まずは考証。これまで、側壁等はインテリア・グリーン、木製の床は茶色と思い込んでいたが、調べてみると諸説あって悩ましい。

 まずタミヤインストでは、側壁はタミヤ指定の変な黄緑、床は黒。参考文献-14ウォークアラウンドでは、側壁も床もインテリア・グリーン611(FS34151)との記述。一方で-6のエアロディテールや-14の実機カラー写真では側壁はインテリア・グリーンらしき黄緑の上に乱雑に黒を塗ってあり、床は黒で一部に下の木部が出ている。このコクピットは当時の状態との記述(-6)。聞きかじりだが、WW2当時第8空軍ではコクピット内部を黒に塗装する通達が出され(←時期など詳細情報求む)、現地で側壁や床を黒に塗ったとか(代用でODもあり?)。上記カラー写真はそんな感じ。

 別のモノクロ写真は、当時のマニュアル類からの転載と思われるが、側壁等はインテリア・グリーン相当の明度、床は黒相当の明度だ。文献-17のD&S part-2では、「後期D型のファクトリー・スタンダードに忠実にレストアされた」として、側壁はグリーン、床は無塗装の茶色。 いやはや、これだけ資料によって差があると、どれを信じるべきか悩ましいところだ。

 IPMSストックホルムに米軍機の機体内部塗装について解説したページがある。ここから関連する部分を引用する。なお、私は他人の書いたものは信用しない主義。真偽の判断は読者にお任せする。

『当初は英国のスペックに従い、マスタングMk.IはRAF公式塗料の代用品で塗装された。B型になり、コクピットはダル・ダーク・グリーンで塗装されたようである。1944年6月のリペア・マニュアルではコクピットはインテリア・グリーンとの指示。同マニュアルでは、パイロット・シートとアンチグレア(風防内側)がダル・ダーク・グリーンとなっているが、その色は使われていないようだ。ブロンズ・グリーンで塗られたP-51のシートがあったという調査もある。

 P-51D組立・メンテナンス・インストラクションでは、床の合板部分はは珪砂と黒塗料を混ぜた滑り止め塗装となった。1944年12月のP-51D組立・メンテナンス・マニュアルでは、アンチグレアは黒となった。P-51の脚庫は、迷彩機ではニュートラル・グレイ、後期の無塗装機ではインテリア・グリーンの可能性が高い。

【インテリア・グリーン ANA 611】
 1943年9月、ジンク・クロメートと黒の混合をANA611インテリア・グリーンと規定したが、これは各製造メーカーがコクピットに使った様々な緑色を標準化しようとする追認規定だった。なお、これにはアルミ粉は含まれない。FS34151が近似色とされる。

【ブロンズ・グリーン】
 1930年代の陸軍機コクピット色に規定されている。P-51の座席に使われたことが確認されているが、おそらく下請業者からの納入と思われる。ボーイング製爆撃機のパイロットシートや他の機器類の多くも同色。FS24050または24052が近似色とされる。

【ダル・ダーク・グリーン】
 ブロンズ・グリーンの代用品として使われ始めた。2つの色調はよく似ており、ブロンズ・グリーンはやや暗く半艶。F4U、アヴェンジャーの後期、P-51、P-47、B-17、B-24、B-29にも使われたことが確認できる。FS34092をやや暗くしたものが近い。』

 ということで、結論として側壁等はインテリア・グリーン、床木部は艶消し黒が無難なところか。8AFなら全部黒もありか(イスは緑か?)。このあたりの議論は、おなじみ去病氏のBBSで展開されているので、興味のある方はご覧あれ。脚庫とエンジン部の塗装考証は、また後ほど。


■ 脚収容部塗装考証 7/21追加

 コクピットの色に続いて、脚庫の色。タミヤのインストでは例の変なグリーンの指示だが・・・

 まず結論を述べる。マスタングの内部塗装は様々で、時期によって異なる。B/C型の全てとD/K型の途中までは、無塗装銀の天井にジンクロ・イエローの主桁。このとき、リブやストリンガー、左右脚庫間の隔壁もジンクロ・イエロー(隔壁のみインテリア・グリーンまたはブロンズ・グリーンのバリエーションもありか?)。D型のある時点(D-20か-25あたりか?)から全面ジンクロ・イエロー。パイプ類は銀色。また、主桁を含め銀ラッカー塗装の脚庫も存在する。インテリア・グリーンの脚庫は、おそらく「なし」。

 次に結論に至る証拠、傍証。無塗装銀の天井にジンクロ・イエローの主桁&リブ類という脚庫の存在は、B型カラー写真やD型製造中のカラームービーなど動かぬ証拠があり、間違いなし。当時の製造マニュアル類には、機体内部(コクピット除く)は基本的に無塗装で主桁など一部部材がジンクロ・イエロー、と記載されているが、それとも完全に合致する。なお、機体内部の無塗装は、破損したD型のカラー写真で確認できる。

 全面ジンクロ・イエローの脚庫については、ダラス工場製D-20-NTから機体内部を全て(当然コクピットは例外)ジンクロ・イエローで塗装するという変更指示MCR-359-1が出されたことが分かっており(イングルウッド製は不明。同時期なら-20-NAか-25-NAあたり)、それと合わせ考えると合理的に説明できる。

 銀ラッカー塗装については、そのものずばり銀色に写っているD型カラー写真がある。ただし、マニュアル類に記載なく詳細不明。現地塗装か? インテリア・グリーンの脚庫の存在を示す証拠は、調べた限りなし。
 アリソン型は、『全面ジンクロ・イエローの上に銀ラッカー塗装、ただし後期はB型と同じ』という研究家の記述がある。製造中のA型で、全面ジンクロ・イエローの写真があるが、この後で銀塗装されたのか。

 以上、情報提供諸氏に感謝。マスタングの細部塗装考証って、難しいね。エンジン部の塗装(フレーム、エアダクト、オイルタンク、防火壁など)も複雑で一筋縄ではいかないが、また後ほど。


■ 続々アルミ貼り

 やり直したカウリング上部は、今度はズレなしなのだが、3D曲面の成形が不完全で後端がプラパーツから少々浮いてしまい、胴体との接合がスムーズでない。また左右パネルの合わせがイマイチで段差があったり。仕方なく、新たに届いたパーツで三度目のトライだ。



2回目カウル。ちょいと段差が。

左、2回目。右、3回目は左右パネルの段差を抑えるために、プラバンの小片を接合部に乗せて圧着する。


 3回目ともなると曲面成形も慣れてきて、今度は後端もプラパーツにピッタリくっついてるが、胴体後半と合わせると微妙にラインが合わない。どうやら、キットパーツ自体がプラの弾力を応用するようになっていて、カウルの方の曲面がややきつい。それをそのままレジンで型取りし、それに合わせてアルミを貼っているので、カーブが合わないというワケ。やってくれるぜ。さて、どうしよう。胴体の方をカウルに合わせるか(すぐ後に風防だけど)、カウルを曲げて合わせるか(合うのか?)、四度目のトライをするか。




3回目。まだ段差があるけど、この程度ならなんとかなるか??

下側カウルの方は、インテイクリップのパーツともうまく合っている。少々の誤差は削りorプラ部品のパテ盛りで何とかなるでしょ。

胴体はだいぶ進んだぞ。


ざっと表面を削って胴体に合わせてみる。パネルどうしの擦り合わせはこれから。



■ 親子モデリング

 久々の親子合作。タミヤ1/12バイクだ。小学生は集中力がないから完成まで日数がかかる。エアブラシでの塗料の希釈、曲面のデカールのシワ伸ばしとか、細部の筆塗りとかは手伝ってやる。バイクモデルって、最初から形のある車や飛行機と違って、バラバラの部品が徐々に全体形を現していくところが楽しいね。



仕上げはFUTUREワックス。クリアー研ぎ出しと違って、「ぽってり感」がなくシャープに仕上がるのは1つのメリット。



■ エンジン部塗装考証 7/27追加
 (7/28一部修正)

 塗装考証3部作?の最後、エンジン部だ。フツーのモケーならスルーできるが、1/32でエンジン再現となると避けて通れない。当時のカラー写真、動画などを見ると、エンジン部の塗装も全ての期間を通じて同じではない。D/K型では大きく分けて2パターンのようで、機体内部全体が無塗装からジンクロ・イエローとなるときに変更されたと思われる。

 前期タイプ(と便宜上呼ぶ)は無塗装部分が多く、カウルパネルを留めるフレームや、インテイクダクトなどが無塗装。エンジン架は暗いグリーンで、カラー写真ではF-86の脚庫などと同色(ブロンズ・グリーンか?)に見えるが、動画ではコクピットと同色(インテリア・グリーンか?)にも見える。オイルタンクとその後方の防火壁はジンクロ・イエロー。なお、動画では前期タイプでカウルを留めるフレームの一部のみジンクロ・イエローという変化形もある。

 後期タイプは黄色部分が多く、カウルパネルを留めるフレームや、インテイクダクトなどがジンクロ・イエロー。ただし、なぜかオイルタンクは無塗装だ。エンジン架は前期タイプと同じ暗いグリーン。防火壁もエンジン架と同じグリーンで、これは写真等で明瞭に分かる。

 B/C型では、エンジン架とオイルタンクがジンクロ・イエローというカラー写真が文献-17などにある。カウルのフレームは無塗装。防火壁は暗いグリーン。インテイクダクトは不明瞭だが、無塗装かな? ただし、全てのB/C型が同じではなく、不明瞭だがD前期タイプと同じように見える動画もある(オイルタンクは無塗装に見えるが・・)。

 ややこしいので表にしてみた。こうやって整理してみると、バラバラで時間的に系統立ってない。時期の他に工場による違いがある可能性も高い。そう考えると、この表以外のパターンが存在した可能性も十分にある。なお、全ての型式を通じて、エンジン本体は黒、エンジン前方の冷却液タンクは無塗装。冷却液のパイプも銀色。カウルパネルの裏側は、D前期では無塗装が確認できる。D後期ではこれまでの考察を踏まえるとジンクロ・イエローが妥当だろう。(7/28一部修正)

B/C前期 B/C後期 D/K前期 D/K後期
カウルパネルのフレーム NMF NMF NMF(*) ZCY
オイルタンク ZCY NMF ? ZCY NMF
インテイクダクト NMF ? NMF ? NMF ZCY
エンジン架 ZCY IG/BG IG/BG IG/BG
防火壁 IG/BG ? ZCY IG/BG
カウルパネル裏側 NMF ? NMF ? NMF ZCY ?
  • NMF:無塗装銀、ZCY:ジンクロ・イエロー、IG/BG:インテリア・グリーンまたはブロンズ・グリーン
  • B/Cに2パターンあるが、前期/後期という分け方が適切かどうかは不明
  • (*)一部のフレームのみZCYというバリエーションもあり



■ コクピット
(7/29一部訂正)

 考証が済んだので、手を動かす。キットのコクピットは大変よく出来ており、基本的にキットそのまま。レバーなど一部を立体的に彫り込む程度。胴体接着後に取り付け可能なパーツは、極力あとに回す。計器板や防弾板は、後付けできるようにガイドの一部を切っておく。



塗り分けは、基本的にインストどおりとするが、後日、指摘あり。燃料タンク上部のラジオラックは黒が正解のようだ。

緑には、Mrカラーのインテリア・グリーンを使う。黒は場所によって3色ほど使い分けるが、胴体に組み込むとあまり意味はないかな。


 キャノピ可動のギミックを仕込む。実機のレールは「コ」の字断面をしているが、これを精度と強度を確保して作るのは困難。逆「L」字でも、工作法次第でレールの機能を果たす。これなら金属工作も簡単。真鍮板の縁に真鍮線をハンダ付けして「L」を作る。この真鍮板をコクピット側壁に接着すれば精度、強度も十分だ。キャノピ側の取り付け機構の詳細は後で考えることにする。

 実機のレールは溝が機体の内側を向き、そこにキャノピ側の滑車がはまるが、1/32の模型だとキャノピ側の機構が大きくなってしまうのでペケ。逆Lの横棒を外側に向ける。こうすればキャノピフレームから小さい爪を出すだけで済む。



0.2mm厚の真鍮板に0.3mmの真鍮線をハンダ付け。キットパーツのレール部分を切り取り、真鍮板をしっかりとエポキシで接着。

胴体パーツと合わせるとこうなる。外側はプラの胴体パーツの上縁とで「コ」の字形の溝を形成する。


 さて、7/27更新後にコクピットフロアの後半は黒でなくインテリアグリーン、逆にラジオラックは緑でなく黒という意見を頂く。生憎手元にそれを示す資料がなく真偽は不明→追加資料を頂き、ラジオラックはどうやら黒。調べてる中で1つ発見がある。防弾板はインストでは上部が黒、下部が緑の塗り分けだが、当時のカラー写真をよ〜く見ると、少なくともインストの塗り分けラインではなく、もっと下まで黒い。(7/29一部訂正)


■ 続、コクピット 8/2追加

 前回更新の状態でコクピット完了のつもりが、スペインのアミーゴからのツッコミで(←サッカー予選の仇討ちか??)、少しじたばた。指摘のラジオラックを黒に塗り直す。床は、どうやら後半(丸い凹みから後)緑が正解らしいが、よく見えない部分だし後半が合板の写真があるので黒もありかなと思い、そのまま。防弾板の塗り分けは不明だが、下画像のような塗り分けの写真があり、これがオリジナルかレストアか判別が難しいが、オリジナルのようにも見えるのでそれに従う。裏側も同じ所で塗り分ける。

 さらに、各種スイッチなどの注意書きを追加する。上手い人は面相筆の点描だろうが、技術がないので適当なデカール(ちなみにキットの機銃パネル用を利用)を切り貼り。赤い四角はベタデカールに白の点描。よく見ると実機とは大分違うが、にぎやかな雰囲気だけ再現してよしとする。キットはメイン計器板以外のメーター類を知らんぷり。例えば床の丸凹や後部タンクの潜望鏡みたいのは燃料計で、これらには適当なデカールを貼ってフューチャーを垂らす。



あちこち手を加える。前の画像と比較されたし。ところで、この牛乳ビンみたいなの何だろう? 本当に白でいいんだろうか? 情報求む。

赤もデカールに合わせて白20%混で明るくする。メーターや注意書きなどもデカールで用意して欲しいところ。タミヤならできるはず。



■ 残念賞

 ボークス別売りパーツの脚柱とタイヤを購入。タミヤは脚柱の強度やタイヤの材質などに弱点があって、メタルの期待大だが・・・結果はあえなく予選敗退、メダル獲得ならず←オリンピックの見過ぎ。ということで、この解決方法は、もうしばらく悩まないといけない。



ホワイトメタルの脚柱はモールドが甘く、全体に歪みがある。レジンのタイヤはトレッドが大味。側面の処理や断面形もいまいち。

左のクローズアップ。ま、細かいことを気にしなければ、十分使える。



■ 夏休み読書感想文

 ギャビン・ライアル著「ちがった空」読了。作者は元RAFパイロット、主人公も元RAFパイロットにして中古C-47ダコタの機長である。巧妙な伏線を張ったプロットで、ミステリとしても上級だが、本作の一番の魅力は、随所にあるパイロットならではの描写だろう。冒頭3ページ、横風を受けて着陸する双発プロペラ機で飛行機好きの心をつかみ、あとは一気に最後まで読ませる。1961年の作で、携帯電話もインターネットも出てこないのが、ノスタルジックでいい。一読お薦めする。この作者(故人)の存在は、恥ずかしながら今まで知らなかったが、他にも航空ものが何作かある。しばらく楽しめそうだ。


■ 胴体接着 8/23追加

 お盆休みは山猫と蛍関係ばかりで、野馬はあまり進まず。今回更新分はだいぶ前の作業になる。

 コクピットが出来たので胴体を接着し、残るアルミを貼っていく。胴体鞍部は左右にまたがる一枚板で、胴体接着後でないと貼れない。このパネルを残して先に周りのパネルを貼ったため、パネルの合わせに苦労する。



鞍部パネル(赤矢印)の周囲は、後に貼った方が精度が高く作業が楽なのだが。黄矢印のパネルは、先に貼ったのを剥がして貼り直す。

下面側も終了。キットは尾脚周囲が差し替え式で飛行状態も可能だが、作品は地上状態のみとして固定する。



■ 四度目の正直

 カウル上部は3回やっても満足できず、4回目の作業。カウル後方の胴体との合わせもさることながら、下方のパネルとの面のつながりが重要なのだ。透明レジンで作った型の断面形を瞬間+プラ粉で修正する。



左三度目、右四度目。写真では違いは分からない。

胴体に合わせてみる。まずまずだな。



■ 主翼付け根

 キットのパーツ割りの都合で、ここも胴体接着後になる。そのせいもあって、パネルの絞りにも苦労する。キットパーツに押しつけるだけではうまく整形できず、雌型を作らされる。木板を彫刻刀で彫ったものと、キットをエポパテで型取りしたものの2つ。



2つの雌型を使い分けて前縁のカーブを整形する。

胴体に合わせてみる。画像は接着前の状態。



■ 脚庫

 脚庫内部を塗り分ける。天井を無塗装銀として、以前整理したところの「前期タイプ」とする。前期/後期の変更時期が不明で、予定しているマーキングの機体がこのタイプか確証がないが、悩んでも仕方ないので、勘を信じて決め打ち。リブはジンクロで、マスキングがやたら面倒。前方側壁は確証がないが、防火壁との一体性からジンクロと推測する。



銀はスーパーファインシルバー。ジンクロは内部色セットのビン生だが、映像等で見るノースアメリカン社のジンクロに近い。

ちなみに「前期タイプ」なら、ファイアーウォールもジンクロ・イエロー。



■ 牛乳ビン

 謎の牛乳ビンについて情報を頂く。感謝。これはバッテリーからチューブでつながり、溢れた電解液を溜めておくガラスビンとのこと。本当にビンなんだね。したがって無色透明。それを白に塗るのはあんまりだよ。ここはクリアパーツを入れて欲しかったな。


■ 胴体アルミ接着終了 9/8追加

 垂直尾翼を除き、胴体パーツのアルミ板貼り付けが終わる。ここまで3ヶ月か。ふう。当初の意気込みでは前作セイバー以上の精度を目指すつもりが、だんだん面倒臭くなって結果的にはやや不満なレベル。貼る順番が最適でないのも要因の一つ。 ま、どうせ取り外し式のカウルでは精度が甘くなるから、全体としてはそれでもいいか。そのカウルの精度は、このまま取り外し式として製作続行できるギリギリの合格ライン。

 さて、この順番と精度の関係を説明するには「拘束度」という言葉が分かりやすいかも。まっさらな状態でパネルを貼るときの拘束度は「0」。その隣に1枚貼ると、1辺はピッタリ合わせる必要があり、拘束度「1」。2辺が先に貼ってあれば拘束度「2」だ。拘束度が上がるほど、精度確保が難しくなる。楽して精度を上げるには、拘束度を常に2以下にするのが肝心で、そこが頭の使いどころ。どうしても3になるパネルが出てくるが、それを目立たない下面にするのも工夫の一つ。今回、目立つ後部胴体上部で拘束度3にしたのが敗因。



表面の凸凹を#320で均し、#600で軽く磨いたところ。まだ荒いペーパーの磨き傷が多数残っている。

脱着パネルの精度はイマイチだけど、諦める。隙間はエッジの摺り合わせで、もう少し何とかなるかな。



■ パッカード・マーリン

 カウルオープンにするので、エンジンルームにとりかかる。余り凝らずに、なんちゃってパイピングで済ませる予定。



まず、キットパーツを組んでセミグロスブラックを塗る。



■ 続、カウル調整 9/25追加

 引き続きカウルの合わせを調整する。これ、上下左右の4枚が3次元的に組み合わさるので、普通に考えてピッタリ合うワケがない。隙間Aを削り合わせると、別の隙間Bが開き、AとBを同時に調整すれば別の段差Cが発生する・・・みたいな。しかも、全部が合うまで延々続けようにも、パネルが一回り小さくなって胴体本体と合わなくなる。つまり、ある程度の妥協は必要だし、もしピッタリ合えばそれは奇跡と呼んでもいい。隙間とともに、段差も大事。水平の分割ラインは長いので、パネルのたわみだけで段差が生じる。プラバンの爪で噛み合わせる。



すぐ裏にエンジンフレームが接するので、縁のプラ部分を斜めに削ってプラの小片を接着。段差の様子を見ながら少しずつ小片を削る。

その結果。これ以上は無理。私の技術の限界だ。



■ 垂直尾翼とフィレット

 垂直安定板の前縁は一枚でくるむ。もちろん頂部は一体成形は無理で左右別。ドーサルフィンは単純な三角板ではなく、凹面と凸面が組み合わさる複雑な面構成、かつ下辺に折り返しがあり、垂直安定板との境界は小さなRがあるという、非常にややこしい形状。成形には苦労する。単純なアルミ作業に飽きてペースも上がらないが、胴体はもう少しで終わるので我慢。



垂直安定板、ドーサルフィン、主尾翼のフィレットは、0.2mm板を使う。

フィレットは馬の背曲面で、意外と難易度が高い。



■ 読書の秋

 読書感想文。ディック・フランシス「飛越」。競馬シリーズで有名なこの作者も、第二次大戦のRAFパイロットだったそうな。飛行機ものは他に「混戦」だけのようだが、少ないながらもパイロットならではの描写が冴えている。謎解きプロットはそれほど凝ってなく、ミステリというよりは冒険小説といった方がいいかもしれない。先に紹介したギャビン・ライアルとよく似た味わい。あちらが楽しめた人にはおすすめ。


■ 続、アルミ 10/10追加

 のろのろ進行中。製作記のネタも乏しく、ほとんど進捗報告のみ。

 主翼、尾翼のフィレットを貼る。ただし主翼後下側の一枚は、ラジエータインテイクを取り付けてから。こいつは、主翼を接着してからでないと胴体本体に取り付けられないのだ。これで風防を残して胴体のアルミ貼りがとりあえず終了。ここまで長い道のりだが、まだ第1コーナーを曲がったとこくらいか。



全体を#320〜800ペーパーで水研ぎ、仕上げにラプロス#8000(一番細かいやつ)で磨く。

エンジン架を塗り分け。


 アルミ職人、次の仕事は風防&キャノピのアルミ貼り、並行して胴体のリベット。


■ 読書の秋 その2

 「LAST OF THE KNIGHTS」James A Goodson著読了。以前紹介した「P51ムスタング空戦記(原題:TUMULT IN THE CLOUDS)」の続編である。地上攻撃中に撃墜され捕虜になるところから始まり、捕虜収容所の生活、脱走、帰国後の様々なエピソードが語られる。翻訳はなく原書と格闘せざるを得ないが、苦労して読むだけの価値はあると思う。ほとんど地上の話だが、臨場感ある空戦の回想シーンもある。最終章は戦後に交流したドイツ軍エース達の話で、「最後の騎士達」はアドルフ・ガーラントの言葉を引用したものだ。


■ 風防&キャノピ 11/2追加

 P-51の風防は下枠がそのまま胴体パネルになっているため、F-86のように風防後付けにできない。かといって早く付けると傷や破損のリスクがあり、その妥協点で現段階での取り付けとなる。

 アルミを貼ってから胴体に接着するが、その前に防弾ガラスを接着する。その方法に一悩み。溶剤系接着剤は風防と防弾ガラスの間に流れ込んで曇るので不可。UVクリアーなる透明接着剤を間に充填すればいいかな、と購入し試してみるが、完全に透明にならず僅かに曇った状態になることが判明。結局、粘度の高い木工ボンドで周辺部のみ接着する。後で考えると、UVクリアのかわりにフューチャーが使えるかも。



ガラス部との段差を考えて0.2mmアルミ板を使用し、内側に銀色が見えないよう縁を油性ペンで黒く塗っておく。

アルミ板は大きめに貼り、接着部を入念に摺り合わせる。段差が生じないように慎重に位置決めして瞬間を流し込む。


 キャノピも同様に0.2mmを使用。実機のキャノピ下端はわずかに胴体部と重なるようになっており、アルミ板を貼るならそれも再現したいところ。面の不連続も誤魔化せるし。写真は撮り忘れ。


■ 磨き&リベット

 風防と胴体の段差を削り合わせ、再度磨く。#600〜800のペーパーで水研ぎしてキズをある程度落とす。完全には取れないが諦める。次にラプロス#6000〜8000で水を付けないで磨くと金属感のある光沢が出てくる。最後にコンパウンド。風防と胴体の面がいまいちつながらず、不満。アルミ板の成形が不十分なせいかと思ったが、展示会等で完成品をみると同じような状態で、キットパーツ自体の問題かな。

 気を取り直してリベット。ラインはキットをそっくりそのまま写す。一般部は#0たまぐり、フィレットなどは#5。F-86ではリベット後に水研ぎしてめくれを完全に除去して平滑にしたが、今回はそれをせずラプロスで磨き直すだけにする。



コンパウンドで磨いた状態。カウルにはスジボリを施す。

リベットを打ち、さらに軽く磨く。表面の最終仕上がり状態は、多分こんな感じになるだろう。



■ ラジエータ周り 11/12追加

 ラジエータ・インテイクにもアルミを貼り、胴体との擦り合わせを済ませる。これで、胴体側のリベットと磨きが完了できる。胴体への接着は、主翼を取り付けてから。インテイクリップの内側は、キットの先端パーツ分までアルミを貼る。そこから先は覗き込まないと見えない。リップ内・外側や主翼との取り合い部分は曲げやすい0.2mm、その他は0.3mmを使用。擦り合わせ時、胴体との仮接合の精度確保に頭を悩ます。



赤丸部分に接着したプラ小片で胴体に噛み合わせる。この小さなパーツに合計10枚のアルミ板で、手間がかかる。

擦り合わせの精度はいまいちだが、目立たない下面なのでこれで妥協。磨いてリベットまで打つ。主翼フィレットの下側部分も貼り付ける。



■ 水平尾翼

 次は水平安定板。垂直安定板と同様、前端はぐるっと1枚もの。その後方のパネルについては、エレベータ・マスバランス付近にパネルが細くなる部分(画像赤丸)があり、同様の形状をしている垂直安定板ではここが弱点となったので、翼端部と一体にする。



片側3枚に集約。パネルの切り出し、成形の難易度が上がるが、結果的に時間短縮になる。使用板材は全て0.2mm。

さらに磨く。周囲が映り込むようになってきた。



■ エレベータ 12/8追加

 塗り絵にかまけて馬の速度は上がらず。手は動かしてるんだけど。

 さて、エレベータは、上下別状態でアルミを貼り、裏側から薄く削って瞬間で貼り合わせる。キットは可動だが、アルミの厚みでヒンジ軸がズレるなど、本気で可動させようとするとかなり面倒臭い擦り合わせ調整が必要な上、可動のための微少な金属パーツがアルミ磨きに大いに邪魔になる。ということで、可動は取り止め。トリムタブが可動らしく見えるように、アルミ板を別パーツにするものの、出来上がりはただのスジボリと変わらず、かえって接合面に工作上のアラが出たりで失敗。



エッジのアルミが見えるまで裏側を削る。

エレベータにはマスバランスの小片を貼り、水平安定板共々スジボリしてリベット打って磨く。文字にするとこれだけだが。



■ フラップ&エルロン 

 続いてフラップとエルロンにアルミを貼る。両者とも断面が凹曲線で、層流翼の特徴だ。一方エレベータは凸曲線(というかコード中ほどで折れ曲がる)で、このあたり面白い。さて、フラップ、エルロンを可動にするには、ヒンジのクリアの関係上パーツの表面をアルミ板分一皮剥いて削る必要がある上、ヒンジ部分の調整に難渋するのが目に見えてる。なので、フラップはダウン固定、エルロンも固定にすることにして、動翼パーツは薄くせずそのままアルミを貼る(後縁だけは薄く削るが)。主翼にはアルミを貼らないので、アルミを貼った動翼との段差をどうするか。



フラップ、エルロンにも貼り付け終了。エレベータの失敗を踏まえ、タブも一体で貼る。


 アルミ作業の終点が見えてきた。残るは脚カバー、落下タンクなど小物のみ。気合い入れ直して頑張るぞ。


■ アルミ終了? 12/30追加

 年内メインパーツのアルミ終了を目標に作業に励む。結果は如何に。以下画像で。



フラップとエルロンにスジボリ&リベットを彫って磨く。幅を調整する際、ヤスリに引っかかってアルミがぺろっと剥がて焦る。

カウルの穴あき板はピンバイスと針やすりで。よく見れば不ぞろいだが、これが手作業の限界。

インテイクリップのプラパーツと下部カウル先端に段差があり、瞬間+プラ粉を盛って削り合わせ。カウルのファスナは#6たまぐり。

キャノピのフレームにもリベット。





これが、半年間のアルミ作業の全て。ということで、なんとか目標達成。ま、細かいやり残しはあるけど。



■ シリアル 

 塗装&マーキングを決めるのに便利だろうと、シリアル番号と型式、装備の対応表を作成する。出展は世傑を中心に各種文献から。間違い、追加など、ご指摘いただけると有り難い。資料により記述が異なる部分もあるが並記する。下記装備はいずれもレトロフィットがあるのに注意。ダラス工場製にはD-10という型式は存在せず、シリアルの番号ではD-5の次にK-1〜K-10に飛んでD-20に至る。シリアルの番号順に生産されたとは限らないが、D-10が飛んでる理由なのかも知れない。イングルウッド工場では45-で始まるシリアルが無いが、45年にも生産されてるはず。


型式-シリアル番号対応表

Model Serial Nos      備   考
D-5-NA 44-13253 to -14052 NAはイングルウッド工場
D-10-NA 44-14053 to -14852 ドーサルフィン:D-10-NA s/n 44-14254から工場装着
(-5-NA 44-13902からという資料(新世傑)あり)
D-15-NA 44-14853 to -15752
D-20-NA 44-63160 to -64159
44-72027 to -72626
D-20-NA 44-63560、D-20-NT、K-10-NTより金属外皮エレベータ、水平尾翼迎え角2°から0.5°へ
D-20-NA 44-72226よりK-14ガンサイト装備、4.5inバズーカ装備可能
45年生産機では5inHVARとAN/APS-13後方警戒レーダー装備
D-25-NA 44-72627 to -74226
D-30-NA 44-74227 to -75026 バッテリーがエンジン部に移動
D-5-NT 44-11153 to -11352 NTはダラス工場製。最初からドーサルフィン装備、ほぼD-10-NAに相当
D-20-NT 44-12853 to -13252 機体内部全体をジンクロ・イエロー塗装、ほぼD-20-NAに相当
金属外皮エレベータ、水平尾翼迎え角2°から0.5°へ
D-25-NT 44-84390 to -84989
45-11343 to -11542
D-30-NT 45-11543 to -11742
K-1-NT 44-11353 to -11552
K-5-NT 44-11553 to -11952
K-10-NT 44-11953 to -12852 後方警戒アンテナK-10-NTの途中から工場装着
金属外皮エレベータ、水平尾翼迎え角2°から0.5°へ

※上記いずれもレトロフィットあり



■ 無線機のアンテナ

 以前P-51Cの頁に書いたものを、再掲する。知らずに付けてしまった人は取っておこう。

 英国の基地から展開した第8軍のマスタングは、アンテナ線が張られていない。アンテナ線を使うSCR-274無線システムに代わって、機体背中のブレードアンテナを使う SCR-522無線システムが 積載されたためである。写真をよく見ると、線ありは垂直尾翼の前方に碍子があるので判別の手がかりになる。また、英軍で使用されたマスタングは英軍仕様の無線機を搭載している。マルコムフード装着機ではホイップアンテナも確認できる。

 ただし、初期のB/C型では細い棒状アンテナ柱も見られ、このあたりは不明。また、イタリア、アジア、朝鮮戦争では写真で線ありが確認できる。関連するサイトは、@Aである。リンク切れの節はご容赦を。

■ 2012年総括

 この1年を振り返ると、飛行機の完成は1/48ヘルキャットと素組みのワイルドキャット(ページはまだ更新してないが)、陸物でシャーマンファイアフライとジープの車両単体。今年後半はひたすらアルミを貼ってばかりのような気がする。あとはカラープロファイルを何枚か。年々ペースが遅くなっているのは気のせいか?

 さて、本年も拙頁をご支援いただき感謝申し上げる。では皆様よいお年を。









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