P-51D マスタング(タミヤ1/32)その2

2012.6.22初出

Back



最終更新日へ





 続、組み立て 




■ 主脚収容部 1/6追加

 基本パーツのアルミが終わったので、次は内臓系。私の模型における重要度は、「1に外形、2に塗装、3、4が無くて、5に内臓(コクピット、脚収容部、エンジン他)」というぐらいで、キットもよく出来てるし素組みでスルーしたいところだが、展示会なんかで「脚庫はずいぶんあっさりですね。フフン」とか言われるのも悔しいので、最低限のディテールを追加する。

 ところが、オリジナルの実機で当該部分がはっきり分かる写真等は皆無。次善の策で現存機を参照するが、これが機体によって差がありすぎ。ということで、これら複数機を参考に適当にでっちあげる。現存機は、もっと配管が複雑でごちゃごちゃしてるが、2/3くらいで腹一杯。パイピングの資料的価値はナッシングなので、悪しからず。ただ、配管の色は、オリジナルの写真等を見る限り、銀色で正解のようである。



黒いパイプは、タミヤ1/12バイクから。かなりオーバースケールだが気にしない。細い配管はアルミ棒各種と糸はんだ。いずれも無塗装。

要所にある黒や金色のジョイント?は色を塗ったマスキングテープ。そのままだと剥がれてくるから、瞬間で止める。


 なお、1に外形、2に塗装・・・と書いたが、今回外形はキットが完璧なので全く手間いらず。塗装は、そのかわりにアルミ貼ってるわけ。

 ところで、脚庫がインテリアグリーンである可能性が極めて低いことは前にも書いたが、タミヤのインストが正しいと言い張る人にはこちらを見ていただこう。このキット、外形は完璧なのに・・・



オリジナルは工場で製作中のムービーで、間違いなく当時の機体である。

クローズアップで。脚庫の天井は銀色で、隔壁、リブ、ストリンガーがジンクロイエロー。細い配管は銀色だ。


 脚庫といえば、いまだに零戦二一型の脚庫と脚カバーを青竹で塗ってる人がいるが、あれもタミヤのインストのミスリードかな?


■ 主翼リベット

 米機ファンなら誰もが知ってる事実だが、マスタングの主翼は層流翼の効果を高めるため、表面をパテ埋めしてジンクロメート・プライマー&アルミラッカー塗装されている。タミヤは多分それを承知の上で、模型的見栄えから主翼に細かいリベットを打ってくれてる。でも、展示会で造形村とタミヤの完成作が並んだのを見ると、やっぱりリベなし主翼の方が実機らしく感じられる。そこで主翼だけ造形村を使おうと考え、パーツ請求のための必要情報をお教え頂くが、部品割を見るとタミヤの胴体に合わせるのが大変そうで悩む。試しにタミヤのリベットを埋めてみると予想外に上手くいき、大変申し訳ないがこっちを使うことにする。

 リベット埋めには、溶きパテの少し濃くなったやつを小ノミをヘラがわりにして擦り込む。筆で塗っただけでは気泡のため埋まらないから要注意。同様に瞬間もダメ。黒瞬間などの遅硬化型をヘラで擦り込めば可能かも(試してない)。F4F-3で学習したように、ラッカーパテ系は塗装時にふやけるが、今回はそれでヒケてもそれはそれで許せるので気にしない。リベットを埋めることで、キットパーツにあるヒケや、別パーツにより必然的に生じる機銃アクセスハッチの段差も、気にせず面一にサンディングできて気持ちいい。



溶きパテでリベットを埋める。一部のリベットは残す。固まる前に余分なパテをこそげ落とし、スジボリをさらっておく。

実機はパネルラインも埋めてるそうだが、さすがに模型では見栄えが悪いのでスジボリは残す。


 重箱の隅を1つ。タミヤの主翼はD-20-NA 44-72226以降に装備されたロケットランチャーの基部がモールドされている。それより以前の機体にする場合は削り/埋めるのが正解。その他にも、キットのモールドはD-20〜25あたりを基本にしてるので、以前の型にする場合、注意が必要。インストでは説明されていないものもある。要注意箇所は、コクピット左舷の穴、胴体左舷フィレット前方の小インテイク、垂直安定板の小アクセスパネル。下側カウルのファスナ配置と小アクセスパネル形状も機体により差がある。他にもあるかも知れない。ご存知の方ぜひご一報を。


■ 主翼迎え角 1/20追加

 脚庫が出来たので、やっと主翼上下を接着できる。で、主翼迎え角とねじり下げ角度を確認しようと資料をあたるが、水平安定板はあるのに主翼のはどこにも書いてない。急遽P-51オーソリティーに援助依頼すると、やはり角度の数値はどこにも書いてないが、ルートと翼端の翼面座標の表があり、これが迎え角が考慮された座標になっていて、ここから算出していただく。情報感謝。

 座標値からアークタンジェントで計算(小数3位四捨五入)すると、sta00(機体中心線)で1.05°、sta215(翼端付近)で-0.85°、ねじり下げは1.9°となる。ちなみに、キットは何も考えずに接着すると、正しい角度になるから何の心配もいらない。Z村はどうかな?


■ エンジン

 随分前に組んで黒く塗っただけで放ったらかしのエンジンに追加工作。これも資料の壁があり、完全な考証は困難。D&S等にあるWW2当時のオリジナルと、現存エンジンとでは、イグニションハーネスの取り回しなどが全然違う。かといって詳細は不明でカタチにしようがなく、作品では確信犯で現存するパッカードマーリンを参考にでっち上げる。つうことで、こちらも資料的価値はナッシングだ。



イグニションハーネスは1.5mmアルミパイプに穴を開け、0.5mm鉛線を接着。各ボルトは金色に塗る。当時どうだったかは不明。

イグニションハーネス基部の銀色も実機でどうだかは不明。というか、形からして違うと思うが。

オイルタンクはジンクロイエロー。キットの配管をアルミ管に置き換えたり、追加したり。

エンジンルーム全景。下側カウルの穴あき板もエポキシで接着。カウル側にも、アルミを曲げないように慎重に穴をある。


 オイルタンクとエンジンの間が、ちょっと寂しい。現存機はこの辺ごちゃごちゃ。とはいえオリジナルがどうなってるかが、また資料の壁でよく分からない。当時の機体は割りとスカスカで、現存機を参考にいくつか配管類を追加する。実機もD-30になると、この部分にバッテリーが移され、かなり混雑する。キットにもこのバッテリー台が不要パーツとして含まれている。


■ 造形村のパッカードマーリン

 ボークスホビースクエア京都店で公開中のパッカードマーリン実物をここで紹介。まあ、この程度の画像はネット上で簡単に手に入り、それほど資料価値はないから画像は小さ目で。後ろに回り込めないのがちと残念。なんと隣にライトサイクロンR-1820があり、偶然にも製作中2機の実物を目の当たりにするものの、ディテールアップ工作後で、この情報は活かされない。



左舷全景。各シリンダーへ、イグニションハーネスがつながる。その下方、金色の丸蓋の筒は発電機基部。発電機本体は付いていない。

プロペラ軸の下方にある定速プロペラガバナーは、キットではオミットされている(あっても見えない)。

中央にある銀色のがマグネットブースターコイルで、イグニションハーネスはここから延びる。

1シリンダーあたり2個のスパークプラグがあり、上側にもイグニションハーネスがある。この配線がオリジナルと現存機では全く異なる。

このエンジンではイグニションハーネス基部が黒色だ。エンジン後方にはスーパーチャージャーとそのまた下方にキャブレターがある。

左舷後方。上方の箱(インタークーラー)からL字形のパイプが発電機基部に延びる。

サイクロンR-1820。上シリンダーが中央に位置する。R-2600では後列がこの並びで前列は上がVの字だ。

イグニションハーネスの取り回しに注目。銀色の環状パイプから気筒あたり1本が延びる。同じR-1820でも2本のタイプもある。

このエンジンでは、下から1本のハーネスが上で2本に分かれ、気筒あたり2個のプラグにつながる。

減速機カバー周辺。ボルトの抜け止めワイヤが興味深い。ちょっとピンボケ。



■ スピナ 2/4追加

 アルミを貼ったカウル先端とスピナの直径が合わない。安直に、スピナ後端に1mmプラバンを貼り、1mmほど直径を拡大する。想定では0.5mmで済むハズだったが、それでは不十分。とにかくアルミ貼りが最優先。形状、ディテールは妥協せざるを得ない。上側カウルは、少しでも段差を減らすためベースのプラパーツの先端をやや狭めている。そのため胴体に被せたときに若干浮き気味で、前後端にキットのようなツメを取り付けてスピナで押さえる。



スピナは延長して直径を拡大。それに伴いプロペラ位置も後に下げるべく、穴の位置を調整。

カウルを胴体にセットして合わせのチェック。30cm離れて見れば、なんとかOKのレベル。


 拡大したスピナとカウルを胴体に組み付け外形をチェックする。手に持って肉眼で見る分には違和感がない。ただし写真に撮ってパソコンで見るとちょっとスマート過ぎかな。これは、写真だと遠近法でスピナが長く見えるため。逆に言うと、遠近法で誇張された実機写真で頭に叩き込まれているイメージどおりに3D化すると、実物よりスマートになる。

 このカラクリはタミヤの零戦を作った時に発見。見た目と実寸、どちらに重きを置くかは作者次第。ちなみにゼロは肉眼イメージ優先、馬は肉眼より写真でイメージが良い(つまり実物忠実)。←肉眼でも目を近づければ写真イメージに近くなる。記録写真は被写体のかなり近くから撮影されることが多い。


■ 主脚と脚カバー

 野馬の脚は、細く湾曲した一本のフォークで体重を支える。サラブレッド並みの脚の脆さだ。プラでは絶対にもたない。飾っているうちに脚がへたってくるよ。造形村の金属パーツはディテールが甘くて使えず、キットパーツに金属芯を入れて補強する。フォーク部分はピンバイスでくり抜き、内側に1mm幅の溝を掘る。いきなり1mmでなく、細い穴から広げていくのがコツ。1mm真鍮線を曲げて瞬間で強固に接着。表面は瞬間+プラ粉で埋める。曲げだけでなく捻りにも耐える必要があり(内股もカッコ悪い)、脚柱上部にしっかり瞬間を流す。



フォーク下部の溝は、バイスで赤矢印方向からくり抜く。上部は青矢印方向から。最後に溝を整形。

真鍮線の曲げ角度の調整は慎重に。接着強度を増すために真鍮線の表面にはヤスリで傷をつけておく。

外からはプラしか見えず、ディテールと強度が両立する。そんなに難しい工作ではないから、素組みの方にも是非お奨めしたい。

脚カバーは焼き鈍さない0.3mm板を使い、リベットを打ってから曲げて内張りを接着。内張りはキットのプラパーツそのまま。



■ 10周年御礼

 本日、当HP開設10周年を迎える。もう10年も経ったのかというよりは、知らぬ間に歳を取ったなというのが正直な感想。思い起こせば、手持ち作品3機の写真と製作記を載せ、ハセガワのHPにサイト案内を掲載したのが最初で、当時は1日10ヒットくらいだったな。最初にコンタクトがあったのがオービーズのメンバーで、その縁で当クラブにお世話になってるが、以来交友範囲が広がり、楽しい趣味生活を送っている。関係各位に改めて深くお礼申し上げる。

 さて、10年間を総括すると、自分でも模型力は随分向上したと思うし、当時やりたいと思ってたことは大体やったような気もする。ま、10年やってりゃアタリマエか。完成品は1/32と1/48で合計22機、1/72で15機、陸物が6両。1/48以上は年平均2作で、これはちと少ない。マーキングで分類すれば、星が15機、蛇の目が14機、枢軸その他は8機と、かなり米英に偏り。まあでも、これからも唯我独尊、マイペースでゆるゆるともう10年続けられればいいな。



 塗装 




■ 主翼塗装 2/14追加

 主翼に銀塗装。埋めたつもりのリベットが十分に埋まってなく、塗装すると点々と現れる。残念。サフを吹いた時点で埋まってないのが分かり、溶きパテを筆で上塗りしてみるものの、大して効果がなかったようだ。やっぱ造形村の主翼を使うべきだったか。少し離れて見ればそう目立たないので、このまま進む。



銀は昔(フタが変わる前のやつ)の#8銀に#46クリアを加えたもの。今の#8銀は粒子が細かくなってアルミラッカー塗装の感じが出ない。

クローズアップだと、リベットがががが。



■ トルクリンク

 気を取り直して、脚追加工作。キットのトルクリンクは金型が左右合わせなので、トルクリンク正面のディテールが省略されている。2パーツに分ければモールドできるのにとボヤキつつ、彫刻刀などで断面を彫る。裏面も彫って都合8面を彫刻するが、完成すると裏側でよく見えないだろな。



トルクリンクは上下に二分し、切り出し刀、平ノミ、針ヤスリ等を駆使して彫る。



■ 窓枠

 最後に残ったアルミ、窓枠を貼る。0.2mmを使用し、風防は実機どおり5分割。



最初に中央部を貼る。上手くいったと思ったら、キャノピを乗せると隙間が・・

剥がしてやり直し。今度はばっちり。残る窓枠も貼り付ける。エポキシを使用し、固定後に部分的に瞬間で補強する。



■ アルミ部クリア塗装

 これで、基本パーツのアルミ貼りが全て終了。改めて全体をコンパウンド〜#8000ラプロスで磨く。粗い番手のペーパーによる磨き傷は取れず、鏡面仕上げにならないが諦める。台所洗剤で洗浄脱脂、十分乾燥させ塗装に備える。クリアは、いつものアルミカラースプレー。エアブラシのカップにスプレーしてクレオスシンナーで倍程度に希釈する。気温が低いとカブるとの助言により、モデルとブラシをファンヒーターの前に置いて暖めておく。塗膜が薄いとマスキング時に剥がれるのは鍾馗で経験済み。薄く何層も吹き重ねる。クリアを吹くと、プライマー成分により、アルミの輝きが若干曇る。気分も曇るが仕方ない、先に進もう。



主翼と合体。曇ったとはいえ銀塗装と無塗装銀の違いが際立ってくれて嬉しい。

で、このヒゲは何だ?


 次は、ネタばれ(?)のギミックを仕込んで胴体と主翼を接着する。


■ ギミック 3/1追加

 今回のネタは電飾。LEDで翼端灯と尾灯を光らせる。配線などネットで調べると様々でよく分からない。そこでWINDSの電飾職人お二人から話しを聞く。

 助言に従い、極力単純な回路、すなわちボタン電池直結とする。抵抗やコンデンサは熱や劣化のリスクがある。この手の電気モノで最大の悩みは電池交換。スケール感を損なわずに取り出し可能な電池BOXをどう仕込むか悩ましいが、幸いP-51の場合ラジエータ後方に脱着パネルを設置すれば目立たない。当初計画では、落下タンク抜き差しでON/OFFだが、工作が面倒臭くスイッチもなし。電池を入れればつきっぱなしだ。1日程度はもつらしいので、展示会ではこれで十分。

 光ファイバは「エスカ」という商品名。これとLEDは東急ハンズで購入。電池は百均。エスカの断面に直角に光を当てないと十分な光量が得られない。一方、エスカは硬いので取り回しが制約される。工作後にエスカの弾力で外れては何にもならない。アルミ板を筒状に丸め、片方にLED、片方にエスカを差すようなアダプターを作り、瞬間で固定。遮光にアルミホイルで包む。これらを組み込み主翼と胴体を接着する。文章に書けば簡単だが、この工作には苦労する。



見づらい写真で恐縮だが、アルミホイルの上にあるのがLEDとアダプター。右は電池2個直列の電池ボックス。

部屋を暗くして点灯。


 結果は、とにかく暗い。LEDとエスカの間に瞬間が流れたか? あるいはLEDの輝度とファイバーの太さ(0.75mm)が不十分か。今後の課題としよう。


■ マーキング塗装

 マーキングの考証は次回更新で解説することにして、塗装作業から。国籍マークは手描き塗装。紺と白は突き合わせとする。タミヤデカールを下敷きにマスキングテープを切る。インシグニアブルーにはF6F、FM-2で使用したグロッシーブルーを使う。プロペラと主尾翼の帯の黒は白10%混。いつもより白が少ないのは、コードレターをインレタにする予定で、その生の黒とのバランスをとるため。脚柱やホイルはSM01スーパーファインシルバー、脚カバー裏側はSM06クロームシルバー。

 F-86Fでは、アルミ地肌の上に直接マスキングして、プライマーがわりのクリアーとラッカー塗料を吹いた結果、マスキングテープに塗料が持っていかれてエッジがガタガタ。今回は全体にクリアーを吹いた後にマスクしたため、マスクの境はシャープ。また、十分な脱脂と厚めのクリア塗膜の効果か、鍾馗のようにクリアがテープにくっついて剥がれることもない。



インシグニア・ブルー、黒を吹き、一部のマスクをはがしたところ。

機首はとりあえず白を吹く。どんな塗装になるか、お楽しみに。



■ 塗装考証 3/11追加

 マーキングには随分悩む。以下どうでもいいその過程をぐだぐだと。例により@意匠A考証B戦歴の選定基準から、当初の有力候補はF-86Fグレン機とライトスタッフつながり357FGのチャック・イェーガー「GLAMOROUS GLEN III」。同機は基準@ABとも鉄板だ。しかし、357FGは旧作のP-51Cとカブり、アルミに赤黄基調のマーキングはF-86ともカブる。ということで却下。アルミには青基調が映えるかと思うが、ブルーノーズ352FGも旧作とカブるし、キット指定マーキングは避けたいところ。で、却下。手持ち資料をひっくり返し、青スピナに青白チェックを機首に巻いた 9AF、354FG、355FS隊長R.スティーブンズ少佐機「KILLER!」とする。

 スッキリした青白ノーズはアルミに映えるだろうから@意匠は満点。A考証は、実機写真が機首左側のみで心もとないが、文献-39オスプレイ本に塗装図があり、コード、シリアルはこれに従い、細部は同隊他機を参考にすることで辛うじてクリア。Bについては、少佐は13機撃墜のダブルエースでこれもクリア。できれば、せっかく貼ったアルミが残るように、DDストライプ「なし」にしたいところで、同隊他機で「なし」の機体(WEE SPECK)もあるが、考証不十分だったりで却下。

 さて、同機について、若干のコメント。機体はイングルウッド製D-20-NA。機体内部の塗装は残念ながら不明。もしかして脚庫天井含め機体内部全体がジンクロイエローかも? 排気管はフェアリングあり、バックミラーなし、主翼上面の黒帯が確認できる。コードレターは多分型紙で吹いており、書体は同じ。18インチ×5のDDストライプは現地塗装ゆえ部隊により様々で統一性がない。355FSの場合、位置がイレギュラーだが部隊内ではほぼ統一されている。オスプレイの塗装図は間違ってるので要注意。機体後部は不明だが、同隊他機にならい垂直尾翼はクリーン、水平尾翼に黒帯ありと推測する。風防前方左舷に整備兵の名前が描いてあるが、残念ながら不鮮明でよく分からない。

 実は、戦歴では同隊のトップエース(14.5機)、L.ブルーランド大尉機「Grim Reaper」も捨てがたいのだが、同機は考証にやや引っかかるところがある。Grim Reaperは、塗装図ではコードGQ☆Uだが、同一機とされる写真ではUの上部しか写ってなく、縦棒が平行でないのでV(かY)の可能性大。また彼はマーク違いの何機かを乗り継いでおり、それら写真をつぶさに観察するとGrim Reaper機のシリアル44-63702の考証にやや疑問あり。さらに写真ではGrim Reaperの文字には赤シャドーがあるように見える。

 蛇足。本ページでも紹介した戦記の作者J.グッドソン中佐機VF☆Bも実は候補の1つ。却下の理由はDDストライプが胴体上部まで巻かれていて、苦労したアルミの一番見せたいところが塗装になってしまうこと。それにパーソナルマーキングがなくイマイチ地味。ただ、彼のP-47Dの例からすると、実は右舷側にイーグルの絵が描いてあるのではないかと想像したりして。(←妄想か?)


■ 続、マーキング塗装

 残りのマーキングを塗装する。機首の青はモデラーズのピュアブルー。発色は良いが隠ぺい力が低く、厚塗りになってしまう。EEライトニングと同様#322フタロシアニン・ブルーを使うべきだったか。白はGX1クールホワイト。オリーブドラブは、いつも使っている自家調合。機首のチェッカーはP-40Lのように半分ずつマスキングして吹きつける。吹きこぼしや大きさが不揃いなチェックを面相筆でタッチアップ。結果的にキレに欠ける仕上がりで残念。



紺と白は突合せで塗装。色調は完璧、キレもまずまずの出来で満足。このあとDDストライプをこれも突合せで塗る。

チェックはキレが甘く残念。後知恵だが、白のベタデカールを切って、青の上に貼り付ける方式がベストかな。

ともかく、マーキングのうち塗装部分が終了。残るマーキングはインレタを貼る。

355FSの下面帯の配置はこのとおり。上面の黒帯の下側に白が位置する。上下で帯幅が異なるが、外側位置を合わせる。



■ 自作インレタ

 機体マーキングは、マックスラボをいつものアドマに発注する。svgデータ対応になって、注文ラクで仕上がりキレイ。Grim Reaperも作ってある(というか当初はこっちが本命)。レターにはシャドー付きだ。ただし切り裂き魔のイラストは写真が不鮮明でかなり推測が入っている。svgデータが入用な方はメールされたし。




●マックスラボ発注先(アドマ)


■ B型カウル考証

 Wing Tip掲示板を見た方はご存知だが、B/C型とD/K型でカウルのラインが違うと教えていただく。側方から見たエンジン上部のカウルの線が、機首から防火壁にかけてB/CはD/Kより直線的。このため防火壁のところで微かな折れ線があるように見える。片やD/Kはふっくら柔らかなライン。詳しくは同掲示板2013年3月8日以降、またはマスタングファンサイトのニューズレターIssue2の3ページをご覧いただきたい。この事実を知ってから写真を見ても、分かるか分からないかという微妙な違いで、これまで全く同一と思ってた。マスタング、奥が深い。


■ インレタ貼り付け 3/23追加

 その前に、排気管周囲のパネルのトーンを変える。黒+クリアを薄く吹くが、ちょっと濃くなりすぎで失敗。次にインレタ。貼り方のコツは、台紙も一緒に切り抜き、台紙をつけたままで位置決め、テープで固定、必要に応じ台紙をちょっとズラして位置の最終確認、台紙を抜いて転写、台紙の上からよく擦って定着。失敗したらデザインナイフでこそげ落として新たに貼る。作業画像は零戦のページなどを参照のこと。

 今回、原色の赤(色番T24)を使ってみる。貼ると周囲の金属と黒シャドウの影響で色が沈む。次回は金赤にしよう。F-86では、金属地肌に直接プリントしたためコーションなど転写不良となったが、今回はクリア塗装面なので問題なし。KILLER!のシャドウは案の定ちょいと位置がズレるが、まあ許容範囲。これでようやく完成時の姿が見えてきた。残るは小物と最終組立てだ。静岡には間に合うな。



レター類が入ると締まるね。スピナの青と赤文字との対比がいい感じ。


機首のマーキングはパネルを合わせて貼り付け、あとで切り離す。

細かい文字もこのとおり。コーションをキットデカールのサイズに合わせたらオーバースケール。自分でチェックしろよってか。

レター「S」の位置は同隊他機の例を参考に推測。


 このあと、コーション類のインレタも貼り(デカールは使わない)、クリアを吹いて軽く磨く。


■ Stephens機追加情報

 ここまで作業したところで、新たな実機写真1枚を提供いただく。情報感謝。写真はコクピット左舷付近のもので、これまで不鮮明だったり、画面外だったりで不明な所が新たに判明。風防前方の整備兵の名も読める。キャノピ下のMaj.BobStephensの書体がちょいと違う。鉄十字のスコアマークは白縁あり。写真ではさらに3個増えて13個(つまり最終)。主翼前縁の一部も写っているが、下面DDストライプの最内側白帯は作品より帯1/3程度内側寄り。ただしこれは上側黒帯が規定より外側である可能性もあり。さらに機銃口パネルにも青白チェッカーあり! うわーっ!!

 既に作業済みで違ってる箇所もあったりするが、もう直さない。チェッカーだけは追加しようかな。整備兵の名前は、新たにこれだけのために白インレタ発注するのも勿体無いので、次の機会のついでにしよう。なお、当該写真に関心のある方は、Baseball in Wartime - Robert W. Stephensで検索されたし。


■ 版下追加

 その「次の機会」のため、版下データを作っておく。後回しにすると面倒臭くなってしないのが目に見えてるので。2枚の写真(1枚は鮮明だが一部が人物の陰、もう1枚は全部だが不鮮明)より整備兵の部分は以下のように読める。

CrewChief
Sgt.N.Kappas
Armorer
XX.Matolchi

 このうち、XXは全く不明。版下は、写真の字面に合わせてそれらしくでっち上げ。Matolchiは検索するとそんな姓があるようだ。どこの出身?

 ついでに、新情報により、Maj.BobStephensの書体を修正。13個の撃墜マークと白縁を追加。コーションのサイズ修正。これらは自分では使わないが、ひょっとしてどなたかインレタやデカールを自作しようとする方のためにサービス。修正版の版下ファイルは以前掲載のものを差し替えるので、必要な方はそちらからドゾ。なお、P-51に限らず、本サイトにおいて私が作成したデータ、図面、その他は、誰でも使用可であるが、営利目的の場合はご一報いただきたい。非営利使用の場合は連絡不要、ご自由にドゾ。ただし、考証間違いはよくあることで、そこは自己責任でお願いする。


■ 主脚 3/31追加

 平成24年度も今日で終わり。明日以降も身辺変化なし。

 さて、主脚の最終組み立て。脚柱とホイルはスーパーファインシルバーで塗装。キットのタイヤはゴム製でトレッドのモールドが大甘。これは次からは止めて欲しいな。しかも考証が甘く、ダイヤモンドは大きすぎ、断面形もイマイチで使えない。造形村のレジンもダメ。そこで、入手可能な中では一番ましなバラクーダ・キャスト製のレジンに置き換える。ウルトラキャストのサイトにて通販可。ただ、バラクーダもタイヤ断面形がいまいち正確でない。同社からはホイルも出ており、安いしタイヤがキットパーツと合わないと困るなと同時注文するが、いらぬ心配でキットパーツを使用。



脚部完成。タイヤ以外はほとんどキットパーツ。ブレーキラインの上半分のみ延ばしランナーに交換。フォーク下部に穴を開け赤く塗る。

後方から。トルクリンクの彫刻は、完成するとあまりよく見えない。これもレジンパーツメーカーのお仕事に期待したい。


 タミヤのキット、大変良く出来ているが唯一脚部がウィークポイント。ただし、真鍮線内臓とタイヤ置き換えでなんとかなる。これから製作する人には是非お奨めする。


■ 主翼チェッカー

 前回更新のとおり、主翼チェッカーだけは追加塗装する。青を塗装し白をデカールにしたいとこだが、凹凸の機銃口パネルはデカールを正しい形状に切るのが難しいかと、青、白とも塗装にする。模型としての美しさを優先し、確信犯で少しアレンジ。実機は前後方向に3コマ半の四角が並ぶが、モデルでは3コマ。各機銃中心線に境があり、その外側が白なのは実機どおり。



今度はハイテクマスキングテープを使い、一度にマスク。

出来上がり。主翼にチェックが入ると一気に華やかなマーキングになり、満足度大。


 あわせて、アンチグレアにガイアのフラットクリアを吹いて、塗装終了。


■ コクピット 4/10追加

 仕上げの続き。無線機とバッテリーはバラクーダのレジン。ディテールはいいのだが、いざ機体に取り付けると、キャノピフレームのアーチ状パーツに干渉する。結論として、キットパーツで十分。シートベルトはファインモールド。そのままでは表情が硬いから、クネクネと揉みほぐして使う。ガンサイトはN-9で、これは実機写真で確認できる。マスタングでは、他に初期のN-3、後期のジャイロ式K-14があり、さらに英国基地の8AF所属機では英軍MK2も多数使われており、注意が必要。1/48 P-51の項で書いたとおり、西部欧州戦線のP-51にアンテナ線はなし。



「牛乳瓶」を透明ランナーで自作。機体に付けるとよく見えない。キット素組みで艶ありダークグレイで塗っとけば十分。

シートベルトはファインモールド。N9ガンサイトは、キットパーツそのまま。その他、操縦桿やスロットルなどを取り付け、コクピットの工作終了。



■ タミヤ1/48検証

 タミヤの1/48キットと図面を重ね、側面形を検証する。機首と尾部の側面形はほぼ図面どおり。また、画像にはないが、カウル上側とスピナもOK。ただし、主翼取り付け位置が2mm弱低い。そのため主翼中央部以降の下側ラインがぽっこりメタボ。しかも、これに引きずられて周囲が狂いまくり。つまり、ラジエータ付近の胴体下部が下がり、また、キャノピ下端ラインも1mm下がり、そのためその後端の切れ上がりカーブが強い。

 諸悪の根源である主翼位置を改修するには、黄色線で切り離し、切断ラインを1mm削って再接着するのが手っ取り早い。また主翼バルジの前縁は垂れ下がるので(詳しくは1/48の項に記述)、そこはキットのパーツを曲げるなりして対応する。これで側面形は完璧だ。

 ただ、本キットの最大の問題点はカウル上側パーツの断面形、平面形である。幅が狭く、またスマートすぎてシリンダーヘッドの張り出しが弱い。巷間言われるようにB型のパーツに交換すれば改善するが、まだ不十分。気になる向きは完璧ラインの1/32キットを片手に改修すべし。そうそう、B型として作るなら、上側カーブを少し削って薀蓄を語ろう。





■ 塗り絵

 ※ カラープロファイルは、まとめて巻末へ移動。


■ 最後?の作業 4/22追加

 まず、前回更新の訂正から。腰のベルトが左右逆の様子。今までずっと逆に付けていて、ご指摘頂き気づいた次第。情報感謝。D&Sなどの資料を見返すと少数ながら逆の例があり、不幸にも最初にこれを参照したらしい。これが不正確なレストアによるのか、場合により逆もありえたのか、不明。

 ちなみに、このシートベルトは、ショルダーハーネスの金具の輪を通して腰の左右金具を締め、解除時は左腰ベルトの金具の横棒を右手で引き上げると、一瞬で4本のベルトが外れる仕組み。右利きなら右手解除が自然か? 操縦桿を右手で持つなら左手解除の方がいいのか? 考え出すと悩ましい。ご存知の方、ぜひご教示願う。なお、作品では強固に接着してるのでそのまま。

 では、本題に戻る。最後の小物類の取り付けだ。何気なく車輪カバーを接着しようとして、はたと手が止まる。カバー前縁が前にせり出してるから、そのまま接着すると、下側カウルを外す際の妨げになるのだ。以下画像で。



仕方なく、磁石を仕込んでカバーも取り外し式にする。油圧アクチュエータの軸はペーパークリップの金属棒に置き換え。

着陸灯は、鉄球で凹ませたアルミ板を仕込み、キットのクリアパーツをUVクリアで接着。アルミの表面にキズがついて少々曇る。

三色灯も基本は同じ手法だが、クリアパーツを省いてUVクリアで満たす。爪楊枝で垂らし、盛りすぎはティッシュで吸い取る。硬化後に塗装。

無線機がキャノピに当たるので、キットパーツに戻す。ただしキットは前後が逆だ。バラクーダが正解。


 UVクリアとアルミ板を使った小ライトの製作法は、簡単で実感高く、お奨め。UVクリア、計器板のガラス表現とか、旅客機モデルの窓穴埋めにも使えるかな。その他、アンテナは真鍮棒を削り、はんだメッキ。キャノピスライド機構として、キャノピ内側にレールとかみ合わせる凹断面のプラ片を接着する。しかし、左右レールがわずかに前広がりなため、開位置ではユルユル。翼端灯はキットパーツ。その他、ラジエータ横の小エアインテイクをプラ材で追加。


■ 細部追記

 いくつかの記載漏れを追記する。プロペラはキットパーツを薄く削り、マーキングに合わせ、白10%混の黒で塗装。デカールもキットでクリアを厚く吹いて研ぐが、デカールが厚くて完全には段差を解消できず。やっぱ別売りシルクスクリーンがいいな。仕上げにはガイアのセミグロスクリア。思ったより艶がありすぎ。尾脚は、基本キットパーツで、フォークのみ造形村別売り金属製に交換。もっとも、買っちまって勿体無いというだけで、出来は良くないからあえて購入するほどではない。主翼パイロンはキットパーツをSM06クロームシルバーで塗装。取り付けは両面テープ。






 完成 




■ とりあえず完成

 細部に手を加える余地が残ってるものの、これにて一応の完成とする。静岡の課題が終わって「やれやれ」というところ。落下タンクは、まあ気が向いたときにでも作ろうか。

 製作開始が昨年6月で、10ヶ月の製作期間。途中1/72が2つに陸もの2つ。今作は反省点ばかりで、苦労の割りには不本意な出来。機首のカウルは当初危惧したとおり、合わせの精度がイマイチ。上側カウルは4個も作ったのにね。ここで精度への熱意が消えて、その他部分の精度もぐずぐず。アルミ表面の磨きキズも今後の課題。目の細かいペーパーを使っていても、アルミの切削屑が挟まってキズを作るので、うまい対処法が見つからない。

 塗装については、F-86と手順を少し変え、アルミカラースプレークリアで全体を厚くコートしてから個別マーキングを行うことで、キ-44でのクリアのはがれとか、F-86での塗装エッジの欠けはない。ただ、厚いクリアでスジボリやたまぐりのファスナが埋まるのが、新たな課題だ。

 他にも書ききれないほど反省点はあるが、塗装では絶対に再現不可能なこの金属感だけは、苦労や失敗を補って余りある。ナチュラルメタルの再現にはアルミ貼りしかないと再確認。次やるときも絶対アルミだな。今回も、各方面、遠くはスペインから多大なる情報提供をいただく。考証面、とくにコクピットと脚収容部の塗装については、今後P-51を作るモデラーにも資するであろう。改めて各位に感謝申し上げ、また乱文乱筆他諸々の非礼は深謝しご寛恕お願いする。















■ お知らせ

 無料ホームページの容量上限に近づいてきた。来月以降、容量の大きいSVGデータや画像、古い記事など、少し整理するつもり。予告無く削除するので悪しからず。


■ 静岡その後 5/24追加

 静岡HSにて、アルミの磨き傷、とくに仕上げの段階で切削屑がペーパーとアルミの間に入って傷をつける問題について、アルミ貼り名人各氏から教えていただく。感謝。一つは、アルミ板を焼き鈍すと柔らかくなるので、傷を拾いやすくなる。したがって、鏡面仕上げにするのであれば、できるだけ焼き鈍さない方がよい(ただし曲面成形が格段に難しくなる)。その2、磨く際に力を入れすぎるのも傷の原因。その3、研磨時の切削屑によるキズを防ぐ液体があるとのことで、入手できたら結果をお知らせしたい。その4、いずれにせよ、ピカピカの鏡面仕上げにするためには、一にも二にも「根気」とのこと。うーむ、根気が足りなかったか。反省。次は頑張ろう。

 ということで、アルミ貼りはP-51で打ち止めではなく、まだまだ続けるつもり。鏡面仕上げのリベンジもせねば。アルミを貼りたい機体もたくさんある。鏡面なら何と言ってもF-104。ただしソリッド名人(複数)の作が進行中なので、私がやるのはもう少し先か。次回アルミの筆頭候補はP-38かB-25のヨンパチで、少しずつ準備もしている。もちろんP-47系列も大スケールでいつか絶対やる。その他気になる機体としては、F-84Fサンダーストリーク、B-57キャンベラもええなあ。・・・とはいえ、次回作はノンアルミの予定。またアルミやるには充電が必要なのだ。


■ 屋外撮影 5/27追加

 天気が良いので、近所の公園で屋外撮影敢行。夕方、日没直前の光線を狙ってもう一度。この時間の光には不思議な力があって、模型や撮影技術が下手でも、いい絵が撮れる。これはF-86で経験済み。太陽がマンションの陰に沈んで、モスキート隊が来襲し、もう帰ろうかと空を見上げると鮮やかな飛行機雲が一筋。写真の神様が降りてくれたかな。













その他の画像はこちら


■ 次回作

 さて、写真も撮ったし、野馬は今回が最終更新かな。で、次回作だが、蛇の目の気分。以前製作のグリスピXIVの時から宿題のシーファイアFR.47が有力候補だが、主翼折畳部上面側や独特の形状の風防の詳細がよく分からず、躊躇中。現存機があるので、どこかにクローズアップ画像があってもよさそう。背中を押してくれる情報がいただけたら踏み切るのだが。もう1つの有力候補はファイアフライV。いや、シャーマンじゃなく。ただし、キットが未だだ(さすがにMk.Iから改造はちょっと・・)。


■ アルミ磨き補足 6/19追加

 前回更新で紹介の切削時の傷を防ぐ油について、お試し品を分けて頂く。感謝至極。これは(株)大和製砥所のBLUECUTという商品で、1リットル4〜5000円で販売されている。関心ある方はオレンジブック.comにて「BLUECUT」で検索されたし。同時に研磨方法についても教示頂く。手で磨いたのではダメで、竹ベラなどにペーパーを貼り(ゴムを敷くとなおよい)、一方向でなく向きを変えながら磨くとよいとのこと。

 ということで、P-51の失敗カウルで試してみる。#1000ペーパーを歯ブラシの柄(わずかに弾力がある)に巻きBLUECUTをたらしながら磨く。ペーパーに油をつけるだけで、魔法のように切削屑による傷を防止できるのか今でも半信半疑だが、案外サラリとした油で切削感は上々である。仕上げに#8000ラプロスを同様に柄に巻いて、今度は油をつけず空磨き。30分程の作業で、完全に元の磨き傷が取れてないが、それでもまずまずの輝きである。ただし切削油の効果か磨き方によるのかは不明。



研磨後の状態。絵の映り込みに注目。後ろの小ビンがBLUECUT。その名のとおり青い液体。プライマーとの相性は今後の検証課題。




■ 塗り絵 4/10追加分(順番入替)

 側面図が描けたら色を付けたくなる。で、まずはスッピンの銀肌から。いやしかし、無塗装銀を描くのって難しい。一般論として、ハイライトとシャドウを強めにかけると金属っぽくなる。またパネル毎にトーンを変えるのも有効。これは塗り絵でグレイの階調を変えるだけ。マスタングの場合、胴体側面がほぼ真っ平らでのっぺりしてしまうが、これは如何とも仕様がない。あとは、ラダー&主翼の銀塗装と金属肌の質感の違い、ドーサルフィンの尖んがり感、カウルの面の張り、とくにシリンダーヘッドの存在感あたりがポイントか。

 2016年9月、ベースの図面を製造図ベースのものに差し替える。図面の詳細はP-51A製作記を参照されたし。


 これにインレタ版下のデータを流用してマーキングを加えれば、カラープロファイル完成・・・とは簡単にいかない。理由は、ペンキと金属では反射率が違うので、ハイライトとシャドウも別物になるからだ。そこで金属用の塗り絵とグラデーションの上にマーキングの塗り絵を置き、改めてその上にマーキング用のグラデーションを被せる。逆に、そこからマーキング塗り絵のレイヤーだけ消すと上のスッピン銀肌になるように両グラデーションのトーンを調整する。アンチグレアは艶消しなので、他の塗装面とはまた反射が異なり、面倒くさい。これらをちまちま作業してGrim Reaper号の出来上がり。なお、ノーズのチェッカーは、KILLER号の使い回しで実機と配置がビミョーに異なるので、これ見て模型を塗ろうという方は要注意。←これ、描くのにどえらく手間がかかるのだ。


 レストア機では、磨き上げて鏡面仕上げにしている機体も多く、これがまたP-51のシルエットによく似合う。私のKILLIER号も「オリジナルに忠実にレストアした実機」を模したという風情だし。つうことで、イラストver.2だ。ハイライトとシャドウを強め、背景や水平尾翼の映り込みを描き加える。のっぺりした側面を光らせたくて、光源位置をチョイ下げる。フライアブル機では排気熱で外板が焼けており、WW2のオリジナルから外れるがそんな味付けも加えたり。一方、レストア実機の外板はベコベコだが、日本機みたいでP-51らしくないなとパス。つうか、あんなもんよう描けん。


 結果、私の画力では光沢度イマイチで鏡面には至らず、まだまだ修行が必要だ。ともあれ、絵に描いてもKILLER号は文句なしかっこいい。青いスピナと赤いレターのバランスの妙かな。


■ 続、塗り絵 4/22追加分

 模型は完でも塗り絵は続く。まずは、マーキング候補の1つ、357FG、363FS所属チャック・イェーガー大尉のD-15-NAである。実はインレタの版下が作ってあって、これでデータが成仏。考証には気合を入れて、書体やサイズなどに配慮している。当機は左舷全身の写真があり、細部の考証はほぼ明らか。排気管フェアリングなし。バックミラーは透明アクリルのカバーが付くタイプで、これを描き起こす。このカバーは3箇所の金具でキャノピ本体に固定される。マーキングの書体、サイズ、位置も明らか。スピナ先端の赤が小さい。残念ながら、ガンサイトには覆いがかけられ型式は不明。


 次は352FG、457FS司令ジョン・メイヤー中佐のD-10-NA。旧作1/48と同じマーキングで、私が選んだだけあって(?)、文句なしのカッコよさ。考証はタミヤまかせ。旧作と比べるとあちこち違うが、まあ昔のことなので。整備員名の書体はデカールと完全に同一で、図らずもタミヤの手抜き?を発見。排気管フェアリングやパンチングメタル部の色、キャノピの文字の色など異論があろうが、まあ一つの可能性だと。当機はピカピカ仕様が似合う。磨き上げたジュラルミンの映り込みは、さらに改良を加え光沢度が少しだけアップし、KILLER号の絵もこれに差し替える。

 ノーズのミディアム・ブルーは、パソコンイラストとして表現するには難しい色で苦労する。白黒のグラデーションをかけると透明感が出てメタリックっぽくなり、逆にソリッドな青にしたくてグラデーションを抑えると立体感に乏しくなる。試行錯誤の結果、明るい上側と暗い下側を別の青にして、2色をグラデーションにすると、まずまずのソリッド感&立体感になってくれる。こういう発見がイラスト描きの面白さ。


 さらにC型、これも旧作。3D作ったら2Dも欲しくなる。汽車ぽっぽが可愛い伯林急行、イェーガー大尉と同じ363FSビル・オーバーストリート大尉のC-3-NTだ。マーキングの考証はやや甘で、こちらは「絵」として見て頂ければ幸い。ミラーの赤は推測。ガンサイトも推測。ノーズのチェッカーの位置はイェーガー機と微妙に違い、これは描き起こす。


 もいっちょ。マルコムフードを描き足して、スティーブンズ大尉(乗機時)のKILLER号、B-1-NA。手持ち写真は機首左側のみで、残る部分の考証はオスプレイ354FG本による。大尉は1944年前半を同機に搭乗したとのこと。整備員名は読めないのでそれらしく適当。うち1名は同本によればM/Sgt. Ralph Mathieson。ガンサイトも不詳。N-3かも。排気管後方の小アクセスパネルなし。描き忘れではない。OD塗装+マルコムのBも凄みがあってカッコよろし。



■ 続々、塗り絵 4/28追加

 続いては塗り絵ならではの遊びから。

 1944年7月11日、361FG、375FS アーバン・ドルー大尉搭乗(撮影時。通常は44-16164"DETROIT Miss"に搭乗)のD-5-NA。かつて本機はブルーで塗られたとされ、当時随分心を動かされた。で、遊び心でブルーにしてみる。こっちの方がカッコいいんだよね。ODをネイビーに変えた他は、実機写真を忠実に再現。機銃口パネルの黄色は既存図では忘れられがち。風防下に工場塗装のODが僅かに塗り残されている。


 次は、1945年4月、55FG、343FS司令(終戦時)エドワード・ギラー少佐のD-15-NA 44-14985 "The Millie G"。写真では赤が非常に明るく黄色のように見えるが、フィルターのせいか? どなたか写真に詳しい方の情報を待つ。当画、ノーズの文字、跳ね馬のイラスト等々、考証はかなり甘い。既存塗装図では無視されていることが多いが、イェーガー機と同じタイプのバックミラーをつけているのが確認できる。これも遊びで胴体を赤く塗ってみるものの、あまりカッコよくなくて本来のODに戻す。艶ありは専用のグラデーションを作らないといけないから面倒なのだ。


 メイヤー中佐の描画オブジェクトを使いまわしてもう1枚。ファーストバックにブルーノーズもよく似合う。1944年6月、352FG、487FS ジェームズ・ウッド中尉のC-5-NT "The FOX"。オスプレ本には機首の写真と塗装図があり、ノーズアートは前者、全体塗装の考証は後者による。ウッド中尉を選んだのは、ノーズアートが簡単だから。ガンサイトは推測で、他の絵においても特記しないかぎり推測。


 1944年4月、4FG、336FS ドン・ジェンティリ大尉のB-7-NA "Shangri-La"。本機で4月13日に無茶なパフォーマンスで胴体着陸、機体損壊してこっぴどく怒られたくだりは、グッドソンの本にも書かれている。このときはスピナ全体が赤。スピナ前半が白の時代もある。赤白チェックは右舷にもある。実機どおりの配置にすると、各チェックが正方形にならない。図面が狂ってるのか実機もそうなのか? Shangri-Laの文字は、実機写真を無理矢理トレースし概ね正確だが、闘鷲のカートゥーンは、どこかの(おそらく実物が元絵にしたであろう)イラストのパクリで、実機と異なり相当洗練されている。また実機の鉄十字の並びはもっとヨレヨレ。このあたり絵としての美的センス優先主義なのだ。模型も基本的に同じ主義。(5/24修正。コメントは5/24更新に記述)


(5/24更新分)

 ドン・ジェンティリのシャングリラ号について、追加の情報(仏雑誌Avions #191号)を頂く。感謝。コクピット付近左舷のクローズアップ写真でマーキングの詳細が分かる。これらに従いイラストを修正。スコアマークは拡大図のように縁がギザギザ。ただし図は美しくデフォルメしており、実際は左右で太さが違ったりとヨレヨレ。スコアマークの配列や背景帯も実際はもっとヨレヨレ。写真をよーく見ると、6機までとそれ以降で形が微妙に異なり、型紙が変更になったか。コクピット左横の穴は塞いであるようだ。機銃口付近が赤い。ただし範囲は不明確。ガンサイトはN-3(かN-9)。アッパーカウル前端パネルラインがD型と同じ。主翼パイロンはA型と同じタイプ。タイヤトレッドはレンガ形。なお、鷲のカートゥーンは修正してなく、洗練された絵のまま。

 さらに追加情報頂く、感謝。機銃口周りにはRAF機に見られるダルレッドの埃防止テープが貼られている。よく見るとパネルを赤く塗った上にテープを貼っているようにも見える。また、外側ホイルは赤く塗られている。ガンサイトはMk2のようにも見え、ある時点で換装されたか。


■ 続々々、塗り絵 5/4追加

 当ページ、蛇の目は外す訳にはいかない。

 1944年6月、RAF 315Sqn(ポーランド人部隊)司令、E.Horbaczewski少佐(何て読むんだ? ホーバクゼウスキ??→正しくはホルバチェフスキと読むとのこと。情報感謝。)のマスタングIII、s/n FB166である。オスプレイのポーランドエース本によれば、少佐は最終17機撃墜でポーランド人としては第2位。塗装図が複数あって、どれも微妙に違っているが、レターGの周囲にストライプが塗られず下地のオーシャングレイが出ているように見える写真があり、そのように作画。実際のDDストライプはもっとヨレヨレだけど、美しくないから忠実には再現しないのだ。部隊マークは別の鮮明な写真をトレースして概ね正確。RAF部隊ゆえ、ガンサイトはMK.2で間違いない。


 ここまできたら、アリソン・マスタングもやらねば気が済まぬ。1943年ビルマにおける1ACG司令、フィル・コクラン中佐のP-51Aだ。インシグニアの縁は中より明るく写っているが赤かどうか確証なし。写真では主翼と水平尾翼端が無塗装銀に見えなくもない。インアクション新版イラストではここが銀で、尾翼の「1」は黄色。同隊機は尾部に5本の斜めストライプを巻くが、機体により位置、角度がバラバラ。模型を塗る際は注意されたし。画ではオブジェクト整列ツールを使って5本を等間隔に並べるが、目の錯覚で違うように見える。人間の目って面白い。

 アリソン型はマーリン型と比べ、主翼取り付け位置が3インチ高い。そのため比べると胴体中央付近がかなりスリム。主翼パイロンは後の型と形状が異なる。なお、アリソン型の詳細についてはP-51A製作記を参照されたし。


 1942年、RAFの2スコードロン所属のマスタングI。P-51Aとは、胴体機銃、排気管、ラジエータインテイクまわり、主翼が異なり、描画変更が面倒臭い。RAFのマスタングIには、このようなストレート排気管のほか、通常より大きなフィッシュテイル型もある。ぱっと見通常タイプと間違えやすく、とくに注意する必要あり。ラジエータまわりの詳細は手持ち写真ではよく分からず、考証いい加減。他機のカラー写真から、米国にてRAF迷彩色を模した「ナンチャッテ」温帯陸上迷彩にする。迷彩パターンが機体により異なるのもややこしい。本画はかなりの部分が推測で、配色は同隊のXV-U,AG550を参考にする。これらと色調逆転の機体もあり、パターン自体が異なるものもある。胴体後方のラウンデルを消して新たに前方に描いている機体があり、後方のは米国工場塗装仕様かな?と思い、再現する。


 お絵かきもそろそろお腹一杯。最後?にシャークマウスが描きたくて、朝鮮戦争におけるF-51D。1952年夏、12FBS所属機。この頃は専ら地上攻撃で、人気絶頂で引退したアイドルが復帰して汚れ仕事みたいな風情。機体はイングルウッド製D-25-NAだが、エアロプロダクツ製プロペラと短いスピナをレトロフィット。写真不鮮明だがキャノピもダラス製に換装のような。で、これらを描画。これらと戦後インシグニアだけで大分雰囲気が変わる。右舷機首に文字があるようにも見えるが、不詳。朝鮮戦争では、アンテナ線ありの機体が見られる。ただし12FBS所属機で確認できず。 アルミラッカー塗装は絵にするとアッサリで物足りなく、ちょいと汚しとHVARロケット(FM-2の使い回し。模型と違い一度作ると何度でも使える)を加える。


 蛇足。私のカラー図は、図面が主で着色は余技というスタンスで、輪郭線やパネルラインをハッキリ描いているが、絵として見るとちょいとクドい気がしなくもない。試しに図面の線画のトーンを落としてみる。今度は銀肌が白背景に紛れて締まりがなく、空色の背景に変える。飛行中の姿に一瞬でも見えてくれると嬉しいな。






■ Inkscapeイラスト考

 無料のソフトでこれだけ遊べて、申し訳ないくらい。ま、タダだけに機能はやや限られていて、彩色にはグラデーション、ぼかし、透過度の3機能しかない。また、データ容量が大きくなると動きが重くなり、すぐ固まる。逆に、そういった制約下でいかにそれらしい絵を描くか、一種の頭の体操みたいな面白さもある。画家の竹内栖鳳は、省筆による表現を極め、描き過ぎを嫌ったという。迫真の描写力のワイエスも、手数は意外と少ないのではないかな。

 私なぞ足元にも及ばないが、気持ちは通ずるものがある。例えば、凸リベットは、拡大すると黒点と白点が隣り合ってるだけ。容量も食わず、描画の手間も最小(一括コピー→同じ場所に貼りつけ→色変更→オブジェクト移動)。パソコン画面上で1/20スケール程度に表示すると目の錯覚で凸に見える。F6FやFM-2のイラストで確認くだされ。パネルのエッジも似たような手法。

 などといいつつ、操作上不満なところがある。上記フリーズ対策として、細かい作業には「ぼかし」の入ったレイヤーをoffにするのだが、何層もあるといちいち面倒。1層にまとめると後の修正に不便。これをグループ化して一括on/offにできないものか。それとプリンターとの相性が悪いのか、重いデータ(といっても普通の側面図、平面図程度)を印刷すると点線が乱れる。実線に変えれば問題ないのだが。どなたか解決策をご存知であれば、ぜひお知らせ願う。とりあえずの対策として、前者は別に作業ファイルを作って、必要なオブジェクトを切り取って移し替えて作業して戻す。後者はプリンタ性能の問題か。


■ 久々に塗り絵 12/23追加

 「キッド」ホーファ少尉機の珍しい写真を見せていただく。感謝。多くの文献ではマルコムフードにDDストライプ付きが紹介されているが、これは通常型キャノピで、マルコム換装前の状態。野馬に馬のカートゥーンで来年の干支にピッタリだし、馬には羽が生えてペガサスじゃんか。ということで、カラーイラストにする。1944年5月英国Debden基地における4FG、334FS所属、Ralph 'Kidd' Hofer 少尉(当時)搭乗 P-51B-15-NA s/n42-106924 "Salem Representative"。当該写真はAir Combat誌vol.4 No.1(1971)に掲載されている。



 ではイラストの解説。写真はコクピット周辺の鮮明なもので、カートゥーンの詳細、鉄十字のスコアマーク(画面内に10個)、MK2ガンサイト、ブレードアンテナが確認できる。信号弾の穴は塞がれ、防弾板後方には布袋らしきものあり。一部写った主翼付け根からDDストライプなし。マルコムへの換装時期は不明で、スコアマークをいくつにするか悩ましい。とりあえず、10個で描く。あるサイトによると、撃墜10機は5月1日〜12日の間。

 パーソナルマーキングは写真のトレース。実際のカートゥーンは、筆で明暗をつけ立体的に描かれているが、Inkscapeで再現するには難易度高く、ナンチャッテ・グラデーションで誤魔化す。色使いは参考文献-28等に従う。ただし、赤で描かれるグローブとパンツは写真では明度が高く、黄色あたりかも? イラストは薄めの赤で・・・(←弱気)。「セーレム(ミズーリ州の市)代表」の文字は、実機ではやや不揃いで稚拙。イラストは美しさ優先でぴっちり揃える。背景の丸は文字より明度が高く、黄色と解釈する資料もある。汽車と帆船のマークは大体こんな感じ。機銃口の赤は確信ないが、別写真でそのように見えるものあり。

 本機、マルコムつきで左舷全身の写真があり、ついでにこれも描く。写真からは17個の鉄十字(未公認を含むか?)、レター、インシグニア、DD帯、尾翼帯、S/N等の形状や位置が分かる。そのインシグニアはD型の標準よりやや前寄りだけど、他のB/C型はどうなんだろう? また、前後タイヤはホワイトリボン付き、主翼上面にもDD帯、水平尾翼上面はODに白帯、フェアリングつき排気管などが見て取れる。


 ラルフ・ホーファ中尉について。1921年6月22日ミズーリ州セーレムで生まれ、シカゴでボクシング選手となる。1942年、カナダ空軍に入隊。訓練後、1943年9月に4FG 334FSに配属になる。1943年10月8日の最初のミッションでMe109を1機撃墜。このときの乗機は、借り物のP-47C s/n41-6187 "Quack"で、本来の乗機はP-47C s/n41-6484 QP-L "The Missouri Kid"-"Sho-Me"。もう1機撃墜後にP-51Bに転換、5月23日中尉昇任、同年5月28日までに公認空中15機の撃墜を記録する(14機、16.5機という資料もあり)。長髪にフットボール・ジャージ(青地にオレンジの78)、やんちゃで子供っぽい性格から「キッド」と呼ばれ、隊の皆から可愛がられたという。グッドソンの手記にも愛おしい筆致で描かれている。

 運命の1944年7月2日、借り物のP-51B s/n43-6746 QP-Xにて、イタリアFoggia基地からブダペストへ爆撃機を護衛する任務に就く。攻撃隊が多数のドイツ機の迎撃を受ける中、ホーファ機はユーゴスラビアのMoster基地近くで対空砲火により撃墜され戦死する。享年23歳。グッドソンの手記では相手はハルトマンかも?とされるが、最近の研究によれば最後は対空砲とのこと。でもブービとキッドが一戦交えた、という話にはロマンを感じないわけにはいかない。以上出展は文献-44オスプレイ4FG本や4FGオフィシャルサイト、Wikiなど各種ネット情報。「Ralph Hofer」で検索すればいろいろ引っかかる。オフィシャルサイトには、彼のポートレート、マルコムつき乗機写真もあり、必見。

12/26追加

 12/23更新後、いつもお世話になってる
Wing TipのBBSで別写真を紹介いただく(2013/12/23投稿を参照)。中に、マルコムの下枠が暗く見えるものがあり、可能性の一つとして赤で塗ってみる。その他マーキングの位置、サイズ、細部等を微修正し、差し替える。また、マルコムで撃墜マーク13個の写真があり(DD帯なし)、これより通常キャノピでは少なくともそれ以下であることが判明。主脚カバーの黒帯の中に入る「KiDD」の文字は左舷のみ。この黒帯とDD帯の黒とは位置が異なり、DD帯ありの時にも「KiDD」が残っているかは不明。








 参考資料 




■ 参考文献

 超人気機だけに文献も多数、ヘルとは大違いだ。リストを作ってその数に呆然、途中で嫌になるほど。和書は定番どころのみ拾う。他に古い航フ別冊など多数所有してるが、もう捨ててもいいかな。「ム」スタングに時代を感じるね。エアコンはNo.7に自由仏軍機カラー写真、12で355FGグラハム少佐の記事、18,19では太平洋の偵察部隊と渋い所を突いてくる。いつも言ってるが、-6,9,11あたりのディテール本は古いので、記述&図面は信用しない方がいい。

 次は洋書。スコードロンだけで20冊、オスプレイが14冊もあるとは。モノグラフだけでなく部隊別にも出版されてるから数が多い。いくつかコメントしよう。英軍使用機なら文献-34,52のポーランド・エース/部隊本、-63〜66の2TAC本(うち3巻はP-51の出番が少ない)。朝鮮戦争ではずばり-45,61の他、-21,55あたりも出番が多い(リストにない本にも若干あり)。-62ではRAAFの青白ラウンデルが拝める。

 アリソン製作中に追加。-72は、資料の少ないアリソン型の図面&模型製作には役立つ。-73はマーキングに選んだ第1エアコマンドの戦闘記録。-74は戦後のマイナー空軍の怪しげなマーキングがぞろぞろ。-75は主役は爆撃隊だがP-51に関してもかなりのボリュームで、他にない写真も。オスプレ本は8冊追加で計22冊じゃ。

1 新版 世界の傑作機 No.75 P-51A,B,Cムスタング ISBN 4-89319-072-5 文林堂
2 新版 世界の傑作機 No.79 P-51ムスタング,D型以降 ISBN 4-89319-076-8 文林堂
3 旧版 世界の傑作機 No.28 1972年8月 ノースアメリカンP-51A〜C ムスタング  文林堂
4 旧版 世界の傑作機 No.133 1982年9月 ノースアメリカンP-51D/H/K ムスタング 文林堂
5 航空ファン別冊・エアコンバット No.7,12,18,19 文林堂
6 エアロ・ディテール13 ノースアメリカンP-51D ムスタング ISBN 4-499-22644-9 大日本絵画
7 オスプレイ軍用機シリーズ17 第8空軍のP-51マスタングエース ISBN 4-499-22766-6 大日本絵画
8 オスプレイ軍用機シリーズ25 太平洋戦線のP-51マスタングとP-47サンダーボルトエース ISBN4-499-22791-7 大日本絵画
9 モデルアート臨時増刊No.401 WWII P-51マスタング モデルアート社
10 モデルアート臨時増刊No.713 WWII アメリカ陸軍航空隊戦闘機の塗装ガイド(ヨーロッパ編) モデルアート社
11 軍用機メカ・シリーズ 8 P-51ムスタング/P-47サンダーボルト ISBN 4-7698-0638-8 光人社
12 P-51 Mustang In Action No.211 ISBN 978-0-89747-552-5 Squadron/Signal
13 P-51 Mustang In Action Aircraft No.45 ISBN 0-89747-114-8 Squadron/Signal
14 Walk Around 7 P-51D Mustang ISBN 0-89747-360-4 Squadron/Signal
15 Walk Around 13 Alison Engined Mustangs ISBN 0-89747-386-8 Squadron/Signal
16 D&S vol.50 P-51 Mustang part-1 ISBN 1-888974-02-8 Squadron/Signal
17 D&S vol.51 P-51 Mustang part-2 ISBN 1-888974-03-6 Squadron/Signal
18 P-51 Mustang ISBN 0-89747-350-7 Squadron/Signal
19 Aces of the Eighth ISBN 0-89747-055-9 Squadron/Signal
20 Aces of the Southwest Pacific ISBN 0-89747-063-X Squadron/Signal
21 Mig Alley ISBN 0-89747-081-8 Squadron/Signal
22 Air Force Colors Volume 2 ETO & MTO 1942-1945 ISBN 0-89747-108-3 Squadron/Signal
23 Air Force Colors Volume 3 Pacific and Home Front, 1942-1947 ISBN 0-89747-376-0 Squadron/Signal
24 The 31st Fighter Group in World War II ISBN 0-89747-514-3 Squadron/Signal
25 Checkertails The 325th Fighter Group in the Second World War ISBN 0-89747-316-7 Squadron/Signal
26 357th Fighter Group ISBN 0-89747-380-4 Squadron/Signal
27 20th Fighter group ISBN 0-89747-368-X Squadron/Signal
28 4th Fighter Group in World War II ISBN 0-89747-515-1 Squadron/Signal
29 Flying Scoreboards Aircraft Mission and Kill Markings ISBN 0-89747-305-1 Squadron/Signal
30 Planes, Names & Dames Vol.1 1940-1945 ISBN 0-89747-241-1 Squadron/Signal
31 Fighting Colors P-51 Mustang in Color ISBN 0-89747-135-0 Squadron/Signal
32 Aircraft Of The Aces 1 Mustang Aces of the Eighth Air Forces ISBN 1-85532-447-4 Osprey
33 Aircraft Of The Aces 7 Mustang Aces of the Ninth & Fifteenth Air Forces & the RAF ISBN 1-85532-583-7 Osprey
34 Aircraft Of The Aces 21 Polish Aces of World War 2 ISBN 1-85532-726-0 Osprey
35 Aircraft Of The Aces 31 'The Long Reach' VIII Fighter Command at War ISBN 1-85532-907-7 Osprey
36 Aircraft Of The Aces 51 'Down to Earth' Strafing Aces of the Eighth Air Force ISBN 1-84176-437-X Osprey
37 Aircraft Of The Aces 61 'Twelve to One' V Fighter Command Aces of the Pacific ISBN 1-84176-784-0 Osprey
38 Aircraft Of The Aces 96 Mustang Aces of the 357th Fighter Group ISBN 978-1-84603-985-0 Osprey
39 Aviation Elite Units 7 354th Fighter Group ISBN 1-84176-315-2 Osprey
40 Aviation Elite Units 8 352th Fighter Group ISBN 1-84176-382-9 Osprey
41 Aviation Elite Units 10 359th Fighter Group ISBN 1-84176-440-X Osprey
42 Aviation Elite Units 21 Very Long Rang P-51 Mustang Units of the Pacific War ISBN 978-1-84603-042-0 Osprey
43 Aviation Elite Units 24 332nd Fighter Group - Tuskegee Airmen ISBN 978-1-84603-044-4 Osprey
44 Aviation Elite Units 30 4th Fighter Group 'Debden Eagles' ISBN 978-1-84603-321-6 Osprey
45 Front Line Colour 01 F-51 Mustang Units Over Korea ISBN 1-85532-917-4 Osprey
46 Monografie Lotnicze 55 North American P-51 Mustang cz.1 ISBN 83-7237-024-9 AJ-Press
47 Monografie Lotnicze 56 North American P-51 Mustang P-82 Twin Mustang cz.2 ISBN 83-7237-025-7 AJ-Press
48 Monografie Lotnicze 57 North American P-51 Mustang P-82 Twin Mustang cz.3 ISBN 83-7237-129-6 AJ-Press
49 North American P-51 Mustang ISBN 978-1-86126-830-3 Crowood
50 Mustang At War ISBN 0-7110-0500-1 Ian Allan
51 Spitfires and Yellow Tail Mustangs 52nd Fighter group in WWII ISBN 1-902109-43-0 Hikoki Publications
52 315 (Polish) Squadron "Deblin" (Mushroom Blue series) ISBN 83-89450-00-3 Mushroom Model
53 P-51 Mustang Nose Art Gallery ISBN 0-87938-782-3 Motorbooks International
54 P-51 Mustang In Color Photos from World War II and Korea ISBN 0-87938-818-8 Motorbooks International
55 Korean Air War ISBN 0-7603-1511-6 Motorbooks International
56 Fighter Command ISBN 0-87938-473-5 Motorbooks International
57 The 356th Fighter Group in World War II ISBN 0-7643-1768-7 Schiffer
58 Yellowjackets! The 361st Fighter Group in World War II ISBN 0-7643-1466-1 Schiffer
59 The 363rd Fighter Group in World War II ISBN 0-7643-1629-X Schiffer
60 North American P-51 Mustang A Photo Chronicle ISBN 0-88740-411-1 Schiffer
61 Mustang Over Korea The North American F-51 at War 1950-1953 ISBN 0-7643-0721-5 Schiffer
62 The Spitfire, Mustang and Kittyhawk in Australian Service ISBN 0-9587978-1-1 Aerospace Publications
63 2nd Tactical Air Force Volume One ISBN 1-903223-40-7 Classic
64 2nd Tactical Air Force Volume Two ISBN 978-1-906537-01-2 Classic
65 2nd Tactical Air Force Volume Three ISBN 1-903223-60-1 Classic
66 2nd Tactical Air Force Volume Four ISBN 1-903223-41-5 Classic
67 Warbird Tech 5 North American P-51 Mustang ISBN 0-933424-68-X Specialty Press
68 The Mighty Eighth In Color ISBN 0-933424-57-4 Specialty Press
69 The Nineth Air Force In Color ISBN 1-85409-272-3 Arms And Armour
70 War Eagles in Original Color ISBN 0-9629359-2-1 Widewing
71 Pacific War Eagles in Original Color ISBN 0-9629359-3-X Widewing
72 P-51 Early Mustang (including the A-36A, P-51 & P-51A to C) ISBN 978-0-9575866-1-1 Valiant Wings Publishing
73 Any Place, Any Time, Any Where The 1st Air Commandos in World War II ISBN 0-7643-0447-X Schiffer
74 Latin American Air Wars and Aircraft 1912-1969 ISBN 1-902109-44-9 Hikoki Publications
75 Mission 376 Battle over the Reich 28 May 1944 ISBN 1-902-109-34-1 Hikoki Publications
76 Aircraft of the Aces 115 Aces of the 78th Fighter Group ISBN 978-1-78096-715-8 Osprey
77 Aircraft of the Aces 117 Aces of the 325th Fighter Group ISBN 978-1-78096-302-0 Osprey
78 Aviation Elite Units 31 23rd Fighter Group 'Chennault's Sharks' ISBN 978-1-84603-421-3 Osprey
79 Aviation Elite Units 32 479th Fighter Group 'Riddle's Raiders' ISBN 978-1-84603-420-6 Osprey
80 Combat Aircraft 113 F-51 Mustang Units of the Korean War ISBN 978-1-4728-0866-0 Osprey
81 Duel 1 P-51 Mustang vs Fw190 Europe 1943-45 ISBN 978-1-84603-189-2 Osprey
82 USAAF Colours 4 American Eagles P-51 Mustang Units of the Eighth Air Force ISBN 1-903223-199 Classic
83 Air Vanguard 1 Allison-Engined P-51 Mustang ISBN 978-1-78096-151-4 Osprey
84 Production Line To Frontline 1 P-51 Mustang ISBN 1-85532-703-1 Osprey



Back





HOME