III号突撃砲G型 タミヤ 1/48 製作記

2020.4.19初出



最終更新日



■ はじめに 

 オストケッテンを3Dお試しプリントしたら、それを履いた戦車も作りたくなる。ということでIII突なのだ。3D履帯を見せるというのが最大のコンセプトで、あとは素組み。III突の多くは後部デッキのラックに荷物を満載しているが、パス。手持ちの実車写真では、オストケッテン付き車両はシュルツェンを装着しているのが一般的だが、面倒だし履帯が隠れるから、それもパス。ちなみに、キットのシュルツェンは、車体との間隔が狭く、オストケッテンに干渉する。実車はクリアする間隔なのだが。


■ 組み立て

 IV号と同様に履帯、転輪等は車体下部に接着し、塗装してから車体上部を接着する。履帯は、データでは一周ぐるりと一体なのだが、フォトンのスピリチュアル現象(ある層から上がズレたり途切れて印刷される)のため、2分割で出力する。また、キットの起動輪と遊動輪の間隔を計測し、設計上はピッタリはまるサイズにしてあるのだが、実際に出力されるとなぜかサイズが微妙に合わない。こういう時は、遊動輪の軸を切り飛ばして接着するのが一番の早道。遊動輪の基部なんで、誰も見ない。



再掲。オストケッテンの3Dデータ。ダウンロードはIV号G型のページからどうぞ。

履帯に起動輪をはめ込み、転輪、遊動輪等と共に車体下部に接着。

再掲プリントしてサフを吹いたところ。

車体上部も組み立て終了。ただし車体上下は未接着。砲身は事情によりIV号G型と交換(IV号製作記参照)。



■ 塗装

 手持ち記録写真でのオストケッテン付き車両は、全て通常の3色迷彩。でも、模型としては冬季迷彩でもいいんじゃない? まず、履帯上部をダークアースで塗装。車体上下を接着。全体にダークグレイに調色したサフを吹き、車体をダークイエローで塗装。こちらは熱帯迷彩導入直後のIV号G中期型と異なり、後期のダークイエローのイメージで調色する。ミドルストーン、白、ダークアースが7:2:1くらい。

 冬季迷彩の白とのコントラストを考え、少し暗めにする。汚しや斑迷彩などはせず。転輪のゴムを塗装。方法はIV号と同じ。続いてシリコンバリア。カップ半分くらいを車体上部(+前後)に吹く。履帯や転輪はマスク。タミヤ水性アクリルのフラットホワイトを石鹸水で希釈して薄く吹き付けていく。下地のイエローがようやく隠れる程度。厚いと後の剥がしで狙った表現にならない。

 次に剥がし。全体を水で湿らせ、毛先を5mmに刈り込んだ歯ブラシで叩くようにブラッシング。細かい箇所は、同程度の硬さ、毛の長さの筆を使う。エッジ、後部デッキ、キューポラ、ハッチ周囲などを中心に剥がす。部分的に金属ヘラも使用。剥がす部分と残す部分のメリハリをつける。転輪ゴムや履帯にはみ出した白塗料は、ダークグレイやダークアースを筆塗り。←安直

 最後に水溶きウェザマスのサビ、ススを隅部などに薄くウォッシング。このとき、広い白の面には暗色を乗せない。エッジには暗色をドライブラシ。履帯はウェザマスのサビ、スス、マッドを適当に混ぜて強めにウォッシュ。



タミヤアクリルの白を吹いたところ。

足回りはこんな感じ。

剥がしとウォッシング、ドライブラシ終了。

戦闘室背面の予備履帯は3Dプリント品。後期のセンターガイド穴なしタイプにする。

クローズアップ。履帯のモールドにも注目。1/48ならこれで十分。

クリーニングロッドは、外して迷彩しているはずなので、後で筆塗りしよう。


 以上で概ね完成。冬季迷彩なのに、履帯の塗装が乾いた地面のもので、ちぐはぐ。とはいえ、3Dプリントのディテールを見せたいから、泥や雪でコテコテに汚すのは絶対避けたいところ。クリアを塗って濡れた感じにすれば、ましになるかな。


■ タミヤIII号系列雑感

 以前、III号J型を作ったときから感じているが、タミヤのIII号は外形のデッサンが私にはしっくりこない。タミヤのIII号戦車は、車体上部が低く(フェンダーから車体上面までが低い)、逆に足回りを含めた車体下部が広い、というのが私の印象(寸法的にどうかは知らない)。III突はよく分からん。なお、III号とIV号を並べてみると、III号の方が全幅が大きいが(当然オストケッテンは含めず)、ウィキの記述を見ると、これは正解(III号は2.95m、IV号は2.88m)。なお、タミヤ48のIV号は、私の中ではイメージぴったり、違和感なし。


■ 完成 5/19追加

 乾いた埃の履帯が気になり、クリア系で艶を出す。フューチャーを石鹸水で1:1くらいに薄め、履帯と転輪ゴム部にさっと筆塗り。テカテカの艶ではないが、しっとりして違和感はなくなる。で、IV号と一緒に写真撮影。

 IV号のついでなので、3D出力の履帯以外は全くストレートだけど、お気楽なのが1/48戦車の楽しみ方。冬季迷彩はまあこんなもんか。半艶にしたら意図せず履帯のディテールが目立ってくれて、結構満足度は高い。


















冬季迷彩はやっぱモノクロ写真がカッコイイ。













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