スーパーマリン スピットファイア PR.XIX
Supermarine Spitfire PR.Mk.XIX




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Spitfire PR.XIX of No 2 Sqn, 2nd Tactical Air Force, based at Furstenfeldbuck South Germany, 1946.
















『写真偵察(PR)任務は、戦時中の英空軍において、多くのパイロット達、とくに幸運にも実際にその任務についた者には、「おいしい」仕事とみなされた。ワックスで磨かれた青いスピットファイアPR.XIを駆動するマーリン70エンジンの鼓動の後ろに座る。その翼からは機銃と弾薬が外され、かわりに追加のペトロールが前縁に搭載され、緊急要請された写真を撮るために、時速360マイルで敵地の何百マイルも奥を目標に飛び、敵の対空砲と迎撃戦闘機を避け、基地に戻る。

・・・全ての任務は単独で飛ぶ。・・・パイロットの名前が当番表に書かれ、その一番上にある者が次の任務を与えられる。目標は、陸軍もしくは空軍の情報士官から説明される。・・・その後、気象士官から、風力、風向、目標上空とルート上の天候を聞くのだ。

・・・そこで、我々は撮影時の飛行方向を決め、60パーセントずつ重なった連続写真が撮れるように、向かい風、追い風のシャッター間隔を決めるのだ。例えば、時速100マイルの風が吹いていれば、追い風では対地速度460マイル、向かい風では260マイルとなり、撮影間隔は追い風6秒、向かい風10秒となる。・・・しかしひとたび離陸すると気象予測が正しいかどうかは知るよしがなかった。

・・・離陸するといつも、ドイツ軍のレーダー電波がイヤホンを通じて聞こえ、監視されているのが判った。我々は通常の敵戦闘機からは逃げられると思っていたが、ドイツジェットが参戦すると、連合軍戦闘機に数で圧倒されていた彼らは、単機の高空のスパイ機を格好の目標と見なしたのだった。

・・・第16スコードロンは多くの犠牲者を出した(9名のパイロットが1944年8月から終戦までに未帰還)。その理由は、戦闘機による迎撃、対空砲、酸素、計器またはエンジン故障、航法ミスなど様々で、判明しているものもあれば、未判明のものもあった。それにもかかわらず、我々の士気は非常に高かった。・・・ 英空軍 第16スコードロン所属 H J S 'ジミー' テイラー大尉』
(John Dibbs and Tony Holmes著「Spitfire Flying Legend」より引用)



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