中島 キ44 二式戦闘機 鍾馗 図面

2024.4.30初出


最終更新日


■ はじめに 

 新規図面プロジェクトは鍾馗。予想は当たったかな? ん?五式戦? まあ、これもいずれそのうち。さて、鍾馗。ハセ1/32の出来がいいので、本来図面は描く必要なしなんだけど、アルマホビー(か他のメーカー)がキット化してくれるかも、と期待して描くことにする。作成にあたっては、ハセ1/32は頭から消し去り、写真とマニュアルだけをベースに自分なりに線を引く。出来上がったら、キットと比べよう。

 鍾馗については、図面を描くための資料が極めて限られている。実機は現存していない(中国に主翼の残骸があったが、今はどうなってるのだろう?)。写真も限られている。幸い、マニュアルは残っており、記載された寸法や図は貴重である。


■ 鍾馗の写真

 まず写真から見ていただく。図面作成には「遠方・真横・鮮明」三拍子揃った写真が必要だ。当機の場合、この条件に該当するものはない。その中で、最もよく側面形を表しているのが1枚目、70戦隊機の空撮だ。このイメージを大切にしたい。

 ただし、距離が近く、スピナは真横だが尾翼は斜め。また約10°の俯角がある。GIMPにより、遠近法のパースを除去したものが2枚目。比べると、機首がやや小さくなり、尾翼は大きくなる。また各要素が全体的に前寄りになる。



1枚目。補正なしの生の写真がこれ。垂直尾翼がやや後傾しているのはレンズの歪みか、紙の歪みか。実機がこうなのか。


2枚目。遠近法を補正したもの。その詳細は後述。垂直尾翼がやや後傾しているところも補正(ここはちょい補正しすぎかも)。



 この空撮は俯角があるため、主翼の陰で胴体下面ラインが分からない。そこで、下の3枚目で補完する。この写真はさらにカメラが近く、パースがきつい。画像は、主翼近くの寸法に合わせて縦横の縮尺を変更。GIMPの遠近法補正はしていない。4枚目は同じく側面形を補完するもの。こちらはやや斜め前方からだが、距離が遠い。俯角も1枚目より小さいので、胴体下面ラインが分かる。この画像は縮尺、遠近法の補正なし。



3枚目。撮影位置は主翼前縁付近、推力線にほぼ同じ高さ(翼端の見え方で分かる)。鍾馗は結構腹が垂れ下がっている。キャノピは見上げるため、高さが低く見える。


4枚目。距離による歪みが少ないのが、この写真の価値。キャノピの高さ、カウルの開口部の高さも分かる。尾翼下側が見えないのが残念。




■ 胴体側面図

 で、これらをベースに、マニュアル記載値(胴体フレームのステーション、尾翼高さなど)を考慮して描いた側面図がこれだ。フレーム、ストリンガーの位置は、写真のリベットラインを読んだもの。これを2枚目の補正後画像と重ねたのが、その次の画像。



側面図出来上がり。寸法の赤字はマニュアル記載値、青字は出来た図面を測った値。青細線は、フレーム、ストリンガーの位置を示す。この近傍にリベットラインがあるわけ。


2枚目と重ねたところ。写真のキャノピは、切り取って移動して「閉めて」ある。



 ちなみに世界の〇作機や大〇本絵画本の図面は、リベットラインが間違い。左舷点検パネルとその下のパネルラインの間にストリンガーが一本多いぞ。全体形状も全然違うし(キャノピが低く、機首が細く、尾翼が横長)。


■ パースの補正

 上の2枚目画像が、最終的な側面図になる。だから、1枚目の生画像を「どの程度」補正するかが重要だ。なぜなら、遠近法の補正により、キャノピやパネルラインなどの各要素が少し前に移動し、補正の強弱によってその移動量が変化するからだ。



16マスの格子を斜めに見たところ。左側は大きく右側は小さく、パースがついて赤線は中央より右側に見える。

GIMPを使って遠近法の補正をしたもの。赤線は中央になる。つまり、補正により、赤線は左に移動する。


 そこでまず、写真の撮影距離を計算する。これは、主翼、尾翼の見え方と機体平面形状から、図学的に割り出すことができ、結果は約40m(カメラとスピナ先端の距離)となる。スピナが真横で、ラダーは斜め前から見ることになる。その角度は約13°。cos(13°)=0.974なので、機首より尾翼は2.6%遠くにあり、すなわち尾翼高さは2.6%小さく見える。だから、その高さが2.6%大きくなるように、GINPで補正してやる。

 この作業で、縦横比も変化する。ここで、カギになるのが尾翼高さの絶対値。縦横比を調整し、全長と尾翼高さを合わせる。こうして出来たのが2枚目画像なわけ。実際にはレンズの歪みなどもあって、こうは単純ではないだろうが、それ以上は追及しない(できない)。


■ マニュアル記載数値

 陸軍省陸軍航空本部作成のマニュアル「二式戦闘機(二型)取扱法」に記載された数値について考察する。このうち、側面図作成に大きく関係するのが、胴体フレームのステーション値、全長、尾翼高さ、胴体高さだ。

胴体ステーション

 疾風のマニュアルには、誤ったフレーム間隔が記載されていた。これに惑わされた既存図面も存在したね。鍾馗も疑ってかかったが、数値を図化して写真のリベットラインと比較すると、問題ないようだ。

全長

 次に全長。疾風も隼I型も、実際の全長とは異なる数値であった(←私の分析では)。したがって鍾馗も正しい保証はない。が、結果的には正しいものと思われる。傍証として、米軍測定値(と私には思われる)である29'2-1/2"をミリ換算すると8,903mmであり、マニュアルの8,900mmに限りなく近い。隼II型はマニュアルの数値が正しい。

尾翼高さ

 尾翼高さは、マニュアルの図には胴体基準線(=推力線)から1,200mmと記載されている。しかし、この図の他の寸法の比率からすると、1,300mmが正解で、単純な記載ミスと考えられる。疾風で思ったのだが、中島の設計は、割とキリのよい寸法が使われている。だから、1,290mmなんてのはないだろうと。

胴体高さ、幅、長さ

 その他、胴体高さ1,800mm、胴体幅1,050mm、胴体長さ8,107mmというのがある。これ、出来た図面の胴体最高点(風防後端での風防高さ)と胴体最低点(主翼中央付近)の差をとると、1,800mmにならないのだよね。差は2cm程度だけど、無理に合わせようとすると、他が破綻する。一方、風防後端の断面で切ったときの高さを測ると1,800mmとなる。ということで、こじつけっぽい感じもあるが、こうしておく。

 一方、胴体長さ8.107mmは、何を表すかよく分からん。カウル先端からだとラダーの中ほどまでの長さに該当する。垂直安定板後端から測るとスピナ中ほど。エンジンのプロペラ取り付け軸先端から垂直安定板後端までか?? 胴体幅1,050mmについては、次回で考察。


■ 側面図 

 右舷も描き、一般的な側面図としての体裁にする。左舷は二型乙、右舷は二型甲。銃弾補給パネル、機銃ガス抜き穴、照準器が異なる。







  • 図中で赤字で示す寸法はマニュアルに記載されているもの。青字は、出来た図面を測って5mmに丸めたもの。 マニュアルの垂直尾翼の図によると、一番下のラダーヒンジが胴体基準線上にある。したがって、スピナ先端とヒンジ中央を結んだ線が胴体基準線となる。

  • 水平尾翼取付角の記載はない。写真の見え方に従って胴体にストリンガーを入れ、そこに尾翼を当てはめると、水平ではなく、1、2°程度の取付角があるように見える。拙図では1.5°とする。

  • 垂直安定板の後縁とラダーヒンジの関係が悩ましい。世間の図面や模型は、後縁=ヒンジライン としているものが多数。実際がどうかは分からないが、私は安定板後縁はヒンジより前にあって、そのラインが後傾していると解釈する。

  • 上記の理由。@上記1枚目写真で、安定板後縁が後傾しているように見える。2枚目画像はGIMPで後縁を垂直にしているが、やや無理がある感あり。A後縁とヒンジが同一位置にあると、ラダーを切ったときに後縁に干渉してしまう。避けるには胴体側とラダーに段差が必要。Bマニュアルの図をよく見ると、ヒンジの前方に安定板後端を示す線があるように思える(下図参照)。C後縁=ヒンジラインとして写真をトレースすると、タブを含んだ全長が8,900mmを超える。逆にタブの分だけ後縁を前に追いやると全長がちょうど8,900に納まる。

  • #13と#15フレームはダブル。これは、水平尾翼の前後桁をそれぞれ2本のフレームで挟み込むため。胴体フレームと水平尾翼桁との間隔は15mmで、これは水平尾翼の図を解釈するとこうなる。

  • 胴体と主翼の境界のラインは、フィレット境とフラップ後縁を表す。



マニュアルの図。赤矢印が垂直安定板後端に見える。この線は安定板上端では、ほとんどヒンジラインの位置になる。



■ 裏ページ

 一部の方はご存じだが、当サイトには諸事情により表に出せない記事を載せた「裏」ページがある。どこからもリンクしていない。ハセ1/48製作時に鍾馗裏ページを作成した。当時は資料写真の出所に配慮したんだけど、最近はあまり気にしてないので、もうオモテにしていいかなと。つうことで、あわせてこちらもお読みくだされ。なお、当時と今とで考えの違っている部分は、訂正または削除し、一部写真を追加する。訂正漏れはご容赦を。

鍾馗裏ページ



 初回ここまで。次回は断面図と上面図。ハセとの比較は次回のお楽しみ。


■ 胴体平面形 5/8追加

 一部の既存図面は、防火壁の幅を1,050mmとして、五式戦のようにくびれた胴体だが、鍾馗の胴体がそんなに細くないことは裏ページに書いたとおり。改めて写真を見ていただこう。



鍾馗の平面形が分かるほぼ唯一の写真。トリミングしているが、主尾翼の平面形もこの写真がベース。真上でなく俯角65°である。また距離も近く、ラダーヒンジが斜めに写っている。それでも、胴体にくびれがほとんどないことは明瞭。


主翼との比較で、防火壁の幅が分かる。ただしパースが強い写真なので、その影響をどう計算するかが重要。キャノピ、胴体後端、主翼フィレット、フラップそれぞれの幅も分かる。


風洞実験用の木型。たぶん胴体の形状は実機どおりだろう。風防の木型もあるが、この写真では外されている。



 では、胴体平面形を決めていく。カウル前半の下半分は完全な回転体、だと私は考える。これが出発点。これに従えば、カウル前半の平面形は、側面形におけるカウル下側と同じとなり、カウルの最大幅は1,430mmとなる。カウル後端から尾部までは、一直線なのか、途中でくびれが入るのか、悩ましいところ。上の3枚の写真は、#3フレームのところで微かにくびれるように見える。

 胴体最大幅1,050mmは、裏ページでは#3フレームとしたが、胴体最大高さ1,800mmが風防後端断面ならば、最大幅も同じ断面と考えた方がスッキリする。風防後端断面で1,050mmとなるには、#3フレームは1,085mmとなる。カウル後半はスムーズなラインで絞り、カウル後端から#3フレームまでは直線とする。こうすると、防火壁の幅は1,250mmとなる。裏ページでは1,300mmとしたが、やや過大であったな。

 #3フレーム以降は、垂直安定板後端まで一直線とする。木型写真だと、尾翼付近からカーブが入っているように見えなくもないが・・ 一方、空撮は直線のようにも見え・・・ ともかく、こうして描いた胴体平面形は、#3フレームのところで微かにくびれが出来る。


■ 主尾翼平面形

 翼の平面形は、米軍による空撮が頼り。基本的な寸法はマニュアルに合わせる。マニュアルには、スパン9,450mm、ルートコード(バルジ除く)2,110mm、チップコード(最翼端での仮想長さ)980mmが記載されている。フラップ外端とエルロン外端は、マニュアルでは少々分かりづらい記述だが、注意深く解釈すると寸法がばっちり分かる(後述)。



生写真(左右反転)。パースにより右側が小さい。また垂直より25°傾いているので、上反角の影響も強い。

GIMPにより距離のパースを除去し、全幅をマニュアルのスパンに合わせたもの。上反角の影響は除去できない(←あたりまえ)。


 上反角の影響による歪みは、左の翼だけ切り取ってスパン方向に広げて除去する。その際に目安となるのがエルロン内端の位置だ。上右写真で、全体スパンに対する左右の内端間の距離は、上反角の影響を受けない。正しく広げられれば、前述のフィレット幅とも合ってくる。


■ 尾翼

 尾翼のリブ、ストリンガーの配置は、下左写真による。試作型と思われるマニュアルの構造図とは合わない。ただ、全てが新しくなったのではなく、一部は引き継がれたものと考える。パネルラインは下右写真。



胴体と尾翼の骨組みが分かる貴重な写真だ。水平安定板の桁と胴体フレームの接合方法も分かる。

鍾馗のややトリッキーなパネルラインはこの写真が根拠。四角い小穴は何だろう?



■ 上面図 

 では上面図。胴体のカタチは、米軍空撮や木型の雰囲気に一致してると思うが如何?



  • 胴体平面形の決め方は上述のとおり。キャノピ幅については、次回断面図のところで解説する。 寸法の数字のうち、赤字はマニュアル記載のもの、もしくはマニュアルから合理的に計算で導かれるもの、青字は図面(元は写真)の読み取り。

  • 主翼のリブは翼基準面に直交する。平面図では、パネルラインやリブなどは、翼基準面(上反角6°)に垂直に投影したものを地面に垂直な方向から見た形として図化する。つまり、いつものお約束。

  • エルロン内端は、翼基準面沿いに中心から2,000mm(sta.2,000)とする。これは写真から計算されるが、マニュアル記述のフラップ幅4.000mをsta2000×2と考えると辻褄が合う。

  • また、エルロン外端も同様に写真からsta4,450となる。エルロンスパンは基準面沿いに2,450mmとなり、これにcos6°を乗ずると補助翼構造図に記載の2,437mmと合致する。

  • エルロン内端(=フラップ外端=内外翼境)のコードは1,750mm。写真の読み取りから。

  • 翼のリブ、ストリンガーの青線は、マニュアルの図に従う。これらは、部材位置を示すのとリベットラインを示すのとまぜこぜ。まあ、そのうち、リベットラインとして描き直すつもり。

  • 主翼前後桁は、胴体下端で防火壁と#3フレームに一致する(はず)。防火壁と#3フレームにおいては、前後フレームとの距離が半端な数字となっているのは、それが原因と考えられる。つまり、翼の都合優先で前後桁を配置し、そこに防火壁と#3を合わせたかと。それ以外のフレーム間隔は5mm単位。

  • 内翼端付近の機銃点検パネルは、前後辺がストリンガーに平行な平行四辺形だ。世傑47戦隊本に写真がある。内外翼境のパネルも同様に平行四辺形だと思う(こちらは確信までは至らず)。

  • 車輪バルジ付近のパネルラインは、脚収容部の脚柱前方のリブに沿っていて、後退角がついているはず。キットや既存図では前進角になってる。これは裏ページに書いたが、写真のキズをパネルラインと誤認したため。

  • 水平尾翼は前述のとおり。スパンを記述したものは発見できず。既存文献には1,750×2とあり、写真とも合う。

  • エレベータヒンジは主翼前縁から5,800mm。これは胴体#13、15フレームの位置、それと水平安定板前後桁の関係、桁とヒンジの距離を示すマニュアルの図(ここは量産型に引き継がれたとの前提)から求まる。

  • 翼型は、疾風や隼と同じとする。翼厚比は、写真の見え方から、中心で16.5%(疾風と同じ)、外翼境で14.5%、翼端で8%(疾風と同じ)とする。

  • 取付角2°、ねじり下げ2°はマニュアルに記載。裏ページに書いたとおり、航空ジャーナルの渡辺利久氏の文章により、内翼はねじり下げなし、外翼でねじる。


 長くなったので、断面図は次回。


■ 胴体断面形 5/10追加

 前回更新から2日で再更新。明日から静岡HSで、前泊して空き時間にホテルで記事を書く。

 さて、側面形と平面形が決まった。次は断面形だ。モケイの外形の良し悪しを決定づけるのが断面形。チューカ製キットは、側面図と平面図だけで設計して断面形がダメダメなのが多いよね。モノやエアの「らしさ」は断面形が「らしい」から。では、写真を見ていこう。裏ページの再掲だけど。



リベットラインや白帯で断面形がよく分かる。フィレットのくびれ具合(わりと弱め)、防火壁の形(なで肩)に注目。

後部胴体頂部が分かる。後部胴体は、単純な楕円ではなく、菱形の角を丸めたようなイメージだ。

尾翼手前あたりは菱形が強く出る。垂直尾翼と胴体のつながり具合も分かる。ハセ1/32はここが残念。

中島系は、フィレット後方が緩い峰でせり上がっていく。零戦とはちょっと雰囲気が違う。キャノピの底の高さも分かるね。



■ キャノピ

 キャノピ断面形は、後方からの写真による。側面写真で、キャノピの底(胴体との接合ライン)の深さが分かり、キャノピ幅を合わせると、当該部分の胴体断面形が決まる。そこで違和感があれば、底か幅が違うわけで、側面図、平面図を修正。これを繰り返して断面形を詰めていく。。



後方からの写真は何枚かある。これは少々荒いが俯角が小さいので歪みが少ない。

疾風(ピンク)と比較。胴体頂部の高さを揃えて重ねる。鍾馗は幅広に見えるが、底幅はほぼ同じ。偶然にも側面傾斜角は同じ。

側面図を重ねる。疾風のキャノピは底が深い。

隼二型と重ねる。隼は細く、低い。



■ 断面図 

 以上を踏まえて断面図を描く。とりあえず、現時点でのものなので、今後細部を詰めていくつもり。







  • カウルの開口部のサイズは、正面写真や、斜め前からの写真でこんなもんか。上部のエアインテイクのサイズ、形状は、もうちょい精度を上げたいところ。

  • 断面Bを見ると、上面は下面よりわずかに2cm拡大する。これだけでは空気流量が少ないかと思えるが、ダクト正面形を見ると、ダクト底面がシリンダーの隙間に合わせて凹んで、断面を大きくしているのだろう。このあたり、案外「攻めた」設計をしている。ちなみに、エンジン直径は1,263mm。

  • 断面Eでは、風防後端を正面から見た形として描く。胴体断面は風防後下端位置で垂直に切ったもの。

  • キャノピ付近の胴体断面形は、キャノピの幅、底の高さに一致するように断面を決める。隼や疾風と比べると肩が張っている。

  • #5、6フレームのキャノピ内部になる部分は、やや平らになって高さが抑えられているようにも見える。断面図は、それがない理想的な形として描く。

  • マニュアルに胴体断面形が描かれているが、拙図はそのトレースではなく、写真の見え方で線を引く。雰囲気はマニュアルの図に合っている。

  • 垂直尾翼は、翼厚比8%として描く。実機がどうだかは不明。



■ コンター図 

 断面図の右下にあるコンター図を拡大。







 図面シリーズとしては、次は下面図となる。また、側面、上面、断面も、もう少し精度を上げたい。ただ、新規模型プロジェクトの図面を優先するので、それが一段落してからとなる。気長にお待ちくだされ。


■ ハセ1/32との比較 5/14追加

 前回更新で書き忘れ。ハセとの比較だ。キットは手元にないので、ネットで拾ったインストの塗装図(キットのデータを使っていると推測)と比較する。ジャジャーン、結果発表。胴体側面形、胴体平面形は、ほぼピッタリ。大山鳴動して鼠一匹、か。冒頭に書いたとおり、図面を描く必要はなかった? まあでも、ハセ32がかなり正確ということが分かったことには、価値があるだろう。

 それと、キットが100%完璧かというと、そうではない。詳しくは裏ページをご覧いただくが、@垂直尾翼と胴体のつなぎの断面形、Aスピナの形状・サイズ、Bキャノピ側面形、C主翼厚さと取り付け位置、が要改善点。

 このうち@とAは手作業での修正もそれほど大変ではないから、これから作る人はぜひ改善されたし。Bは木型作ってヒートプレスだから大変、Cもフィレットに影響するから、切った貼ったの大仕事。新規キットは、私の図面をベースにして、さらに完璧なものになってほしいな。そういう意味では、図面を描く意義はあったわけだ。←牽強付会ってか


■ 静岡HS新規キット評

 SHS後の最初の更新なので、メーカーブースなどで見たキット評をいくつか。作者を批判する意図ではないので、作った方、これから作る方は気を悪くしないでほしい。以下あくまで完成見本または作品を見た印象。

造形村フォッケウルフ
 胴体形状、鼻筋の細さは良さそう。ただし、主翼が全然ダメ。前縁が厚く丸い。一方で、それ以降は平板で厚みも足りないか。NACA23000って言葉を知ってるのかな? また、翼取付高さが低い可能性。そのせいか、フィレット付近の胴体下面の丸みが足りない。私の図面は翼型と翼高さをちゃんと示しているのに、多分無視されているのだろう。残念。(当方からオファーはしたのだ。断られたが。)

ミニアートP-47
 外形は、タミヤを「参考」にしているのかな。したがって、タミヤの欠点(胴体が太く、翼後半が厚い)をそのまま引きずっている印象。小物はタミヤと比べて別に優れている訳でもない。ということで、アドバンテージはリベットくらい。形は気にしない、リベット欲しいが自分で打ちたくない、という人にはオススメ。私ならタミヤを選ぶな。

ボーダーモデル1/35キット群
 それぞれのコピー元?の出来がそのまま反映されているみたい。スピットはパーツ状態で胴体断面形がダメとの話(私は見てない)。メッサーは機首の形が変でカッチョワルー。97艦攻はハセ48がベースと思われ、まずまずの印象。分かったことは、このメーカーは飛行機のことを知らない。ま、オーセンティックな飛行機モデラーはスケールの時点で対象外。逆に出来が良くなくて一安心だ。




■ For foreigners who use machine translation

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■ 参考文献



1 新版世界の傑作機 No.16 陸軍2式単座戦闘機「鍾馗」 文林堂
2 旧版世界の傑作機第14集 鍾馗 文林堂
3 世界の傑作機 スペシャルエディション No.8 写真史「飛行第四十七戦隊」 文林堂
4 鍾馗戦闘機隊 帝都防衛の切り札 陸軍飛行第70戦隊写真史 大日本絵画
5 鍾馗戦闘機隊2 陸軍戦闘機隊の総本山 明野陸軍飛行学校小史 大日本絵画
6 ハンディ判図解・軍用機シリーズ 12 隼/鍾馗/九七戦 光人社
7 航空ファンイラストレイテッド No.79 陸軍航空隊の記録 第1集 文林堂
8 航空ファンイラストレイテッド No.80 陸軍航空隊の記録 第2集 文林堂
9 航空ファン95年3月号 文林堂
10 モデルアート別冊 No.329 日本陸軍機の塗装とマーキング戦闘機編 モデルアート
11 モデルアート別冊 No.416 陸軍航空英雄列伝 モデルアート
12 一式戦闘機「隼」 [歴史群像]太平洋戦史シリーズ52 学研
13 二式戦闘機(二型)取扱法 陸軍省陸軍航空本部








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