チャンス ヴォート F4U-5N コルセア 1/32 タミヤ 製作記 その1

2023.5.17初出

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最終更新日 3Dデータファイル




■ はじめに

 1/32タミヤ改造-5Nを始める。静岡で宣言したので、後には退けない(つうか、退路を断ったのだよ)。そもそも、F-5Aライトニングの次は、エアの1/48バッカニアの予定であった。しかし、ホビーサーチに予約したのに入手できず(入荷通知メールを見てない。ジャンクと一緒に捨てたか? 来てなかったのか?)、次の入荷はいつ来るか分からず、そのうち熱が冷めてしまう。SHS会場で完成作を見ても心躍らず(製作者のせいではない。念のため)。

 で、長期構想あるいは妄想のはずだったコルセア-5Nに白羽の矢が立ったわけ。ちょうど今頭の中はコルセアに染まっているし、静岡でソリッドのK名人が製作中の1/24 F4U-4のエンジンを拝見したり(もの凄い出来)、3D設計のスキルもだいぶ上がってきたりで、作るなら今しかないだろう。てなわけで、帰った翌日にキットを購入。

 仮組みしながら構想を練る。ベースはタミヤ1/32の-1Dを使い、コクピット、エンジンギアケース、プロペラハブ、レドーム、その他小物は3DP。カウルとアクセサリカウルは3DP、または3DPの木型でプラバンヒートプレス。キャノピも3DPの木型で透明プラバンのヒートプレスだ。主翼羽布張りはキットが凸モールドなので、削るだけで済む。尾翼のは、オーバースケールだから、細切りデカールかインレタでやりかえる。

 翼折り畳み可動は、熟慮の末に却下。ヒンジそのものはシンプルなのだが、ヒンジ部の小ドアの工作と、展開時のロックの上手い方法が思いつかない。それ以前に、機首新造に翼可動はカロリー高すぎ。ちなみにソリッドの-4は、モーターで可動とか。すごく楽しみ。塗マは一択でボーデロン。え?前にハセ1/48で作ってるって? いや、好きなマーキングは何度作ってもいいのだ。それに旧作は断捨離で手元に無いしね。


■ F2G図面

 製作の前に、予告していたF2Gの図面。90%は静岡前に出来てたんだけど、細部の仕上げが未完だったのだ。図面製作中は、1/72で作りたくなってたんだけど、作業内容が1/32の-5Nとカブるので、着手はちょっと先かなあ。←同じテイストだと箸休めにならんのよ。

 図面作成の手始めは、ワスプメジャーR-4360の直径調べ。ウィキとか見ると55インチとある。しかし、このとおりにカウルを描くと写真に合わない。結局正しい数値は分からず、写真に合わせると、ダブルワスプR-2800の直径(52.8")とほとんど同じ。全長は資料本に406インチとある。これは写真にも整合するので、この数値を採用する。



側面図のベースとなるのはこの写真。その他、現存レーサー機なども参考にするが、こいつらはインテイクがカウル先端まで延びていて、オリジナルの形状はこの写真だけが頼り。やや後方からの撮影で、遠近法の補正をしてある。

次に、-1Aと重ねてみよう。カウルの直径や先端のカーブはほとんど同じ。四重星型R-4360エンジンは縦に長いが、胴体に食い込むように搭載されるので、機首は思ったほど延びてない。


 F2Gの製造図などなく、図面作成にあたっては、全長の他いくつかの仮定をおく。これらは-1Aとの比較図を見ると分かりやすい。
  • スラストラインの高さは同じ。1インチほど下げた方が写真との整合がいいような気もするが、あえて同じとする。

  • コクピット直前の胴体高さは同じ。つまり直前のsta.134のフレームの形状は同じ。これは正面の丸い-1A/Dタイプの風防を取り付けた写真から、ほぼ確実。

  • 垂直尾翼は高さ12インチ延長。これは写真読み取りからキリのいい数字を当てはめたもの。

  • 胴体のロンジロン、およびそれより下側のフレーム(防火壁含む)の位置、形状は同じ。

  • カウル先端からスピナ先端までの長さは-4のそれと同じ。ちなみに、-1と-4はペラの数が違うので、プロペラハブやスピナの直径、長さも異なる。


 上記仮定に基づき、数少ない写真とニラメッコ、足りないところは想像で補って出来たのが下の図面だ。翼の上下面はそれほど情報量が多くないので、XF4Uと同じ体裁。むしろ断面図の方が情報量は多い。資料はSAM本が有用。


  • カウル平面形は、SAM本に下面からの写真があり、これに合わせる。ここからもエンジン直径が55"ではないのは明らか。

  • 既存の一部の図面(あるいはキットも?)では、カウル後半がオムスビ断面になっているが、そのようなことはない。オムスビになる必然性がない。下側にはやや膨れる。また上側インテイクの直前は平らに凹んでいる。

  • カウル上側はエアインテイクがあるため視界確保のため膨らませたくなかったのだろう。カウル下側が膨らんでいるのは、排熱か、排気管の取り回しの都合か。

  • 上面のエアインテイクには境界層を逃す仕切りがあり、その境界層は直ぐ後方の四角い穴から排出される。

  • 風防後端フレーム位置は、既存コルセア各型と同じとすると写真と整合せず、やや後ろにズラす。ただ、もしかすると全長が406"より長いのかも。後端フレームの断面形は、写真から読み取ってこんなものか。-4とは明らかに違う。

  • 風防の防弾ガラスは、-4と基本的に同じ形だと思う。ただし下辺は直線。また設置角度が寝ている。

  • 後部胴体やキャノピの断面形は、写真を見て私の想像で。

  • 図面では表現されていないが、翼前縁のオイルクーラーが胴体内部に移動したため、前縁の膨らみ方が異なる。胴体との境は、既存型と同じで、そこから通常の翼型に擦りつけられる。インテイクの正面形のみ図面に記載。外翼は、ライト類の配置などF4U-4に近いと思う。


 さらに、代表的な断面(風防後端、sta.232)を-4と比較してみよう。-4は細い黒線だ。



 初回はここまで。まだ模型は触らず。決意表明、ってことで。


■ 工作開始 5/24追加

 組み立てに着手。改造部分の工作手順が悩ましい。メインテーマは機首の新造で、そこから始めたい。しかし3D設計には時間がかかるし、そもそもまだ図面が出来てない。一方で、PC作業とリアル工作をバランスよく同時進行させたい。そこでPC作業はコクピットの設計から始め、それが出来たら防火壁以降の胴体を接着する。リアル工作は、とりあえず出来るところ(=3D改造パーツ不要箇所)から進めていく。



初手は内翼下面。無改造で組める主桁や脚庫を取り付けていく。機首下面部分は、新造パーツを接着する土台となるので残しておく。

防火壁で胴体パーツを切断。内翼上下と仮組み。切り離した前方部分のパーツは加工して使えるかも。

主主翼は、不要なスジボリや穴を埋め、リブの凸モールドを削る。

ざっと下ごしらえが出来上がったところ。


 主翼の組み立てはちょっと悩ましい。折り畳み部分をきれいに組もうとすれば、先に内外翼の上面どうし、下面どうしを接着してから上下を接着するのがベスト。一方、内翼下面は機首と一体なので、早めに胴体と一体化したい。そのとき外翼がない方が、機首の工作には便利(取り回しが楽)。さてどうするか。そうそう、ラジエータ回りはベーンなど-1と異なるので、そこも3D設計が必要だ。


■ リベット問題

 キットには凹リベットがびっしりモールドされている。これが悩ましい。実機はスポット溶接が多用されていて、一部を除き表面にリベットが見えない。ただし、モケイ的表現としては、リベットも「あり」。ありだとして、改造作業で消えたり羽布から金属になって追加されるリベットを、キットと同じトーンで再生できるか。ならば、たまぐりで全部彫りなおすか(←それも大変)。いっそ実機どおり全部削り落とすか(←埋めるのは埋め残しが厄介)。などなど、現在思案中。なお、ストレートに-1型で組むなら、そのままリベットを残すのが妥当な選択だろう。


■ コクピットの設計

 並行でPC作業。-5Nのコクピットを設計する。資料はD&S、SAM本の実機写真、-5Nのマニュアルにあるイラストだが、両者はビミョーに一致しない。とくに計器盤の各計器の位置、サイズは、かなりズレがある。一応、写真で分かる部分は写真を正とし、分からない部分にマニュアルを使う。時期により、いくつかのバリエーションがあった可能性はある。実機写真は最後期のもの。



計器盤と左コンソールがほぼ出来上がり。計器盤下部は、張り出しありとする。

断面図をロフトして、コンソールの外寸はこれに合わせる(Fusion作業はプラの厚みをオフセットしてボディを交差させる)。

下部張り出しありのイラスト。なお、比べれば右画像とは細部が異なる。

-5Nの計器盤の写真(部分)。下部に張り出しがあるのが分かる。各計器のフチに注目(後述)。


 各計器のフチをよく見ると、穴がすり鉢状に凹んでいるのか、あるいはバイザー状の出っ張りがあるかのように見える。ノーマル-5あるいは-5Pの計器盤写真にはこのようなものは見られないので、N型特別仕様なのだろう。左上のイラストにも描かれてなく、詳細不明なので、3D設計としては「なし」として進める。


■ コルセアトリビア

 コクピットの設計で、マニュアルや文献を読んでいると発見がある。-4型の計器盤は、中央下部にT字形に床まで続く張り出しがあるが、-5では廃止された。これは長時間飛行時に足をフットペダルから外して休憩するためだとか。オートパイロットが装備されていればこそだな。シガーライターと灰皿!まである。夜間飛行の眠気覚ましに有効ということかな。Gスーツ対応、キャノピは油圧で自動開閉、座席のひじ掛け(不要時跳ね上げ式)、コクピットの暖房とデフロスタまであって、なんとも豪華仕様だ。


■ F4U-5の機首 5/30追加

 コクピットと並行で、図面作成。-5の機首形状は、見る角度によってイメージが異なり、リアルな3D形状として捉えづらい。頬のインテイクによるオムスビ断面のせいだ。残念ながらカウリングの製造図はなく、写真から読み取るしかない。そこでまず、真横、真上の写真から側面形と平面形を決める。

 カウルの断面形は、都合よくチェッカーを描いた機体の写真があり、これをトレース。さらに、真横かつ斜め上からの写真により、寸法を補完する。これらは主翼の見え方などで俯角が分かり、全長との比較でその角度から見た機首の太さの絶対値が分かるわけ。



側面形は例えばこれ。ちょい視点が低いが、真横付近の写真は多数あるので、何枚も並べれば正しいラインは見えてくる。

真上は例えばこれ。主翼スパン、あるいは機銃スパン(マニュアルにより寸法は既知)との比率でカウルの絶対幅が分かる。

真横ちょい上斜めから。俯角は30°くらい。主翼直前あたりがかなり下に膨らんで太く、一方で機首は細い。

左よりもう10°くらい上から。この角度だと、機首と主翼直前の太さの差が少ない。ちょっとした角度の差だけどこんなに違う。

カウルの断面形やインテイクの形状はこれ。チェッカーに塗ったオーナーに感謝。

下側はこのあたりが参考になる。カウル下面は割と平たい。



■ 機首の3D設計

 上述の方法で形状と寸法を決めて図面を描いていくが、それを立体化したときに、ちゃんと-5の機首になってるか確認したい。ということで、簡易的に3D設計して出力してみる。こういうときはFusionが便利。描いた断面図、側面図をトレースしてロフトする。最初は断面がスムーズにつながらないので、適宜微調整。その微調整が上述の寸法絶対値から外れてないかも要チェック。



断面は6つに切る。ガイドレールは、各断面図を適当な角度の平面で切った点をスプライン曲線でつないだもの。

できあがり。形状をイメージしやすいようにパネルラインを入れる。

まず1/72で出力し、新たにタミ1/72を買ってきて機首を交換する。うむ、ナカナカいいんでないかい?

気を良くして1/32で出力。で、でかい。(下にあるのは塗料皿)


 出力したら、色んな角度から眺めて、実機写真と比較する。こうすると、図面だけでは見えてなかったラインが見えてきたりして、再度図面を微修正。


■ マニュアルによる-5の機首の考察

 -5の製造図は手元にないのだが、辛うじてマニュアルに全長やカウルのステーションが記載されている。まずスピナ先端から胴体後端までは全体概要図に34'6.15"と明記されている。ダウンスラストは3°との記載。ここで疑問。マニュアルではAU-1のダウンスラストは2.75°。なぜ-5と異なるの? 両機の機首は基本的に同じと思ってたんだけど、もしかして3は2.75を丸めたの?

 とりあえずこの疑問は脇に置いて、カウルのステーションに話を進める。これは複数の図があるが、下左画像のものが一番信頼できそう。



-5のEMIマニュアルの153ページにある図。これが貴重。他の図はこの数字を丸めたもの。

参考までAU-1のマニュアルから。ダウンスラストは2°45'=2.75°。これと同じ図は-5のマニュアルにはない。何故?


 P.P.はパワープラント。この図だと、スラストラインと胴体基準線はFUS.STA38.125で交差し、その交点はP.P.STA.では82.091となっているように読める(その差は43.966")。ダウンスラストは3°。ここまで細かい数字の出ている図だから、3°というのは丸めた数字ではないのだろう(←後日、別図により丸めた数字でないことが確認)。P.P.STA.は、普通に考えればスラストライン沿い。


■ F4U-5図面

 前述の方法で手持ちの全ての情報(写真、マニュアル、3Dプリント)が、矛盾なく整合するまで試行錯誤を繰り返し、ようやく側面図、断面図、上面図が出来上がる。キモは断面図。側面図は、とりあえず左舷のみだが、そのうち両方描く予定。下面図は次回。Nのレドームもそのときに。


  • 機首のラインの決定過程は前述のとおり。実際に3DPで確認しているので、よくある「作者の想像図」にはなってないハズ。

  • 胴体基準線上におけるカウル先端のFUS.STA.は、36-31/32から43.966"(胴体基準線とスラストラインの交点におけるFUS.STAとP.P.STA.の差)を引いて概ね-34.15となる(←私の解釈が正しければ。もっともこれで作図した結果は実機写真と整合する)。厳密には3°ズレている分の補正が必要だが、cos(3°)≒0.999だから誤差0.1%で、1/32でも0.1mm以下なので無視する。図中(*)を付した数値はそういう意味。

  • カウル両脇のインテイクは、-4のようにわずかに前方にしゃくれている。エンジン開口部の直径は数値としては不明。図では-1や-4と同じとして描く。

  • 排気管や防眩フィンなど、一部の細部は作成中で、ちと精度が低い。

  • 防火壁以降は、胴体下面のフェアリングを含めて-4Bとほぼ同じ。

  • 尾脚カバーはフック先端が隠れるまで後方に伸びる。小径タイヤを装着した場合はカバーの切り欠きがなく、完全に尾輪が胴体内に入るが、大径タイヤの場合は切り欠きがあるのかないのか不明(現存機では両方の写真あり。あるいは切り欠きでなくバルジかも←いい写真がない)。

  • ラダー、エレベータのタブの操作ロッドは位置が変更になる。ラダーのは右舷に、エレベータのは両舷とも下面に。また、新たにバランスウェイトが前方に張り出す。

  • 側面図の赤線は左舷のみ、緑線は右舷のみ。(いつものお約束)

  • 断面図の防火壁より前はスラストラインに直交する断面で切った形を示す。

  • 主翼のstaは一部-4とも異なる。外翼のリブを点線で表す。羽布貼りではないので念のため。現存機を見るとエルロンは木製だと思うが、金属外皮という説もある。情報求む。

  • 6/21追記 外翼前縁上面の丸い点検パネルのうち、水色線はマニュアルに記載があるが、現存機では確認できないもの。黒線はマニュアル、現存機どちらにもあり。 


 例によりコンター図を-4と並べる。コクピットより後方は省略。その方が見やすいでしょ。




■ コクピット 6/9追加

 コクピットの3D設計が、とりあえず完了。シート、防弾板、グレアシールドとその上の計器、照準器は、後から取り付け可能なので、後回し。お持ち帰りファイルはバードケージ製作記その3にアップ(本頁末尾からリンク)。



胴体に仕込む分の3D設計が完了。左側の内張りも設計してあるが非表示。


 -5のコクピット側壁は、内張りがされている。色は黒。もう少し装置類(ライト?)があるが、写真では詳細不明で形にできない。ラダーペダルは、実機では前方のバルクヘッドに取り付けられるが、3Dパーツは計器盤の裏側に取り付ける。見えない所には拘らない主義なのだ。各種レバー類は、強度確保のため、相当太めに設計している。スリットよりレバーが太い。それでも完成までには何本か折れてしまうのだろうな。

 コクピットの塗色について。計器盤、コンソール、その上方の側壁、頭部後方防弾板、ヘッドパッド、風防窓枠内側は黒。床、前方バルクヘッド、ペダル、操縦桿、シートはインテリアグリーン。後方バルクヘッドはおそらくインテリアグリーン。スライドキャノピ窓枠内側は不明。私の予想は黒。


■ リリーフチューブ

 トリビアを一つ。操縦桿にはパイロット・リリーフ・チューブがクリップ止めされている。何からパイロットを救うのか。賢明な読者諸兄はもうお分かりだろう。モスキート製作記にも書いたアレ。膀胱の圧だ。チューブの先はタンクか機外か(私の予想は後者)。



長時間のフライトを快適に過ごすシステムが充実してるな。右コンソール後方にはフタ付き小物入れもある(3D画像参照)。



■ 側面図、下面図

 側面図は右舷も作成し、左舷は-5N、右舷はノーマル-5とする。下面図は-5Nとしてレドームも描き、上面図にもレドームを追加。前回掲示の側面&断面図は断面図とする。


  • Nとノーマルの違いは、排気管と防眩フィン、翼端と尾端の三角プリズム、アンテナの配置。それ以外の違いは右舷と左舷の違い。

  • 記録写真を見るとプリズムがついてない機体が多数。ボーデロン機もなし。

  • -5Nおよび-5のアンテナは一例を示す。

  • ノーマル-5の排気管は、よく分かる写真がない。多分、ストレートなパイプでカウルフラップ後縁からの突出が短い。その他にバリエーションとして、長くて後方が外側に湾曲しているタイプがある。

  • 胴体下面の主翼とのフェアリングは、実機写真から大体判明。-4の下面図も修正して差し替える。

  • レドームの位置、形状、サイズはやや甘い。直径は実機写真から算出。位置は外翼sta.79として描いているが、ビッタリsta.79なのかその近傍なのかは不明。写真から中心軸は機軸に平行であることが分かる。

  • 6/13追記  -5以降は、ロンジロンより下の胴体のsta.218とsta.253の間に、フレームが1つ追加されている(当然配置も見直されており、各フレームのsta.は、223,230,237,242.5,247.5となる)。これに伴い、パネルラインの位置も変化。ロンジロンより上は変更なしなので、フレームが段違いになる。

  • また前後方向の小リブ(外板の座屈防止と思料)もコクピットより後方側で大幅に追加されている。-4以前では構造的にこの部分が弱かったのだろうね。

  • 水色の胴体インシグニアとNAVYはボーデロン機。右舷はノーマルNに見られるバリエーション。胴体および主翼上下のインシグニアの位置は、機体によって様々。模型製作の際は、個別の機体ごとに写真で確認されたし。サイズも大多数は40インチサイズだが、中には35インチもある。ボ機は胴体インシグニアの位置がやや低く、後方のNAVYと平行でなくやや前上がり。

  • 6/21追記  内翼パイロンのサイズ、形状は精度が低い。いい写真がなく、マニュアルのイラスト頼み。AU-1および-7が装着した外翼パイロンは、水平面に垂直。

  • 10/26追記  -5Pのカメラ窓が、本当に左右下の3か所に同時にあるのかについて。写真では左右とも確認できるが、別々の機体。下は手持ち写真では確認できない。改めてマニュアルのイラストを見ると、1つの図に左右下が同時に描かれているので、同時にあると考えてよいだろう。



 三角プリズムがどんな形をしているのか、既存文献では紹介されてないと思うので、マニュアルの図を転載する。



三角プリズム。これは翼端上面のもの。

同じく尾端のもの。


 リアル模型は亀進行。


■ 内翼の組み立て 6/13追加

 週末でリアル模型を進める。まず、脚庫にパイピング。シーブルーで塗っちゃうと全く目立たなくなるから、あまりコスパのよい作業ではない。今回のネタは、3DPのジョイント。ナカナカ効果的だ。別に真鍮パイプでもいいんだけど、ちょうどいい径のやつは在庫僅少で貴重品なのだ。L字形やT字形もできるし。

 エアインテイクの内部の整流ベーンは-4以降は3枚となる。キットは上下2パーツでそれぞれ互い違いに3枚ずつなので、下側を残し上側を切り取る。しかし後述する理由で上を残した方がよかったようだ。オイルクーラーはエッチングが用意されている。多分-5とはメッシュのパターンが違うと思うが、よく見えない所だし、わざわざ3DPで置き換えるほどでもないかと、そのまま。

 ベーンの奥には補強トラスとインタークーラーがある。当該部分の塗色は不明。シーブルーの可能性大だが、模型的見せ場としてジンクロに塗る。インタークーラー本体は銀。



脚ドア開閉アクチュエータは本体を切り取って先に脚庫に接着し、0.5mm鉛線でパイピング。

0.3mm銅線に3DPジョイントを通して接着。実際はもっと本数が多いが、気休め程度で。

整流ベーンは、このようなパーツ分割。

塗装して組み込む。奥のインタークーラーがチラ見え。ここも-1と-5では細部が異なるが、スルー。


 インテイク内部を組み込んで、いざ内翼上下を接着しようとして、ふと気付く。胴体が太くなっているのに、インテイク内端の位置がそのままでいいのか? 試しに3DPの機首を仮り組みしてみると、やっぱダメじゃん。内端を1.5mmほど外側に移動させる。じつはこれに気付かずにベーンを工作したため、内端が移動すると位置関係が整合しなくなるのだ。しかし、組んでしまった後なのでスルーする。シーブルーに塗ると分からなくなるだろうて。



仮り組みしてインテイク開口部内端の位置を確認する。3DPの機首が役に立つ。

内端位置を修正。上、修正前。下、修正後。

内翼上下を接着。前縁は瞬間。他は流し込みで。インテイク内側の隙間をプラバンで塞ぐ。

下面。オイルクーラー後方のフラップは、幅が狭くなる。内側3mmほど切り取って翼に接着。鉛筆描きはフィレットを示す。

ついでに、外翼下面に20mm機銃の薬莢とリンクの排出口を開口。

下面の航法灯は、内側からクリアーブルーで塗り、凹ませたアルミ板を仕込む。



■ 胴体の工作

 内翼上下に続き、胴体左右も早く接着したい。バラバラのままだと気合が入らないのだ。問題はコクピットをどの段階で組み込むか。普通なら胴体左右の接着前に組み込むが、そうするとリベット作業の邪魔になる可能性。キットパーツが薄いので、コクピット開口部は内側に指など添えてリベットを打ちたいのだ。

 ということで、後方バルクヘッドと側壁の3DPを接着するのみで胴体左右を接着。リベット後にコンソール、床、計器盤、前方バルクヘッドを接着することにする。それ以外にも左右接着前に済ませるべき作業を片付ける。コクピット横の乗降ステップは、単調な全面シーブルー塗装の中で、いいアイキャッチとなってくれるだろう。ここは先に処理しておく方が何倍も楽。

 ステップの穴を開けるため、位置を再確認する。ボーデロン機は、インシグニアの袖とステップの位置関係がタイトで、間違えると塗装の時に「あちゃー」となる。実機写真を図面に取り込んで高さを決定。従前掲載の図面は違っており、修正して差し替える。横方向はsta.165.5とsta.177.5のフレームの間に納まるので問題なし。

 ちなみに、パイロットが乗り込むのは右舷から。左舷のステップは、その際にエンジン暖気していた整備兵が降りるためのものとか。



ステップの穴を開口。内側はプラバンの箱組み。左舷は開けない。下方のスリットも引き出し式のステップ。

上端には、0.5mmプラバンをL字に組んだレールを接着。3DPの側壁も接着。

バルクヘッドはディテール不明。とりあえずただの板とする。キットパーツを前後逆にして0.3mmプラバンを貼る。防弾板は後で。

尾脚収容部を組み立てて塗装。開口部後端の形状のみ修正(矢印)。あとはキットストレート。


 -5の尾脚収容部が本当にジンクロイエローかどうか確証がない。一応、-1Aや-1Dと同じと想定する。

 ところで、タミヤ-1Dのインスト(-1Aも同じ)では、インテリアグリーンとジンクロイエローが区別されていない。全て例の黄緑の混色指定。これは間違いだから-1Dや-1Aを作る人は気を付けよう。実機はコクピット関係のみインテリアグリーン(ただしバードケージと初期の-1Aはダルダークグリーン)で、それ以外の機体内部は基本的にジンクロイエローだ(←主脚庫、カウル内側などは異なる)。


■ リベットの試作

 リベット問題に結論を出すべく、キットの不要パーツを使って試し打ちしてみる。使うのは、#0たまぐり、カルコ(先端を削って平らにする)、ケガキ針の三種類。これらを、キットそのままと比較する。キットのリベットに重ねて打ち、めくれをペーパーで落とし、サフを吹いて塗装して、ラプロス#6000で磨き、最後にウェザマス黒+ライトグレイでウォッシュ。つまり、想定する本番と全く同じに仕上げるわけ。

 さらに、別途外板の凸凹もお試しする。先がカーブした平刀、あるいは半丸ヤスリでリベットラインに沿って削り、ペーパーで周囲を均す。シーブルーは、C326にGX4微量で赤味を補正し、黒を3割程度混ぜたもの。色調的には過去作のグラマン猫三姉妹などと同じ。



右側がたまぐり。左側がカルコ。穴の周囲はキットのまま。どちらもキットより存在感がある。

右側がケガキ針。左側がキットそのまま。よく似ている。ほとんど違いがない。

平刀を使い、べこつき表現。リベットはキットのまま。深いので少々の削りでは消えない。

こちらは半丸ヤスリを使う。リベットは前方(右下)から、キットのまま、ケガキ針、カルコ、たまぐり。


 結果発表。キットの表現に一番近いのはケガキ針。キットの消えた箇所の再生にはこれが良さそう。カルコとたまぐりは、場所によって使い分けるといいかも。全てをこれで打ち直す、というのはナシかな。べこつきは、1/32というスケールかつグロスの暗色なので効果的。これもやってみようかな。どこにどれを使うかは、もう少し考えよう。ああ、今年の夏はリベットと凹みの季節か。飽きて浮気に走りそう・・


■ ジョイント

 パイピングのジョイントの3D設計。設計自体は至極簡単。サイズ違いで出力して、丁度よいのを選択する。一応六角形としてるが、単純なパイプでよかったかな。






■ 図面修正

 -5側面図について、前述のステップ位置を修正する。同時に-4側面図も修正(ステップ位置は-5と同じと思われる)。また-5にフレームとリブを追加。-5以降は、sta.218とsta.253の間にフレームが1つ追加されている。また、-5の各図にインシグニアも追加。インシグニアの位置は、機体によって様々。模型製作の際は、個別の機体ごとに写真で確認されたし。

 図面は訂正して差し替える。図面の解説も当該箇所に追記する。


■ コクピットの塗装 6/21追加

 コクピットの3Dパーツを塗装する。インテリアグリーンは、C351(ジンク・クロメイト タイプ1)のビン生だと、ヴォート社のインテリアグリーンには緑が強い気がして、C352(クロメイト イエロープライマー)を2割程度加える。コンソールと計器盤の基本色は白20%のセミグロスブラック。C333でドライブラシ。



コンソール、床を塗装。スイッチやレバーの色はフィクション。見栄え重視で実物より色味が多い。悪しからず。

ペダルは二次硬化で変形している。取り付けはまだ先だから、気が向いたら出力し直そう。


 計器盤は、色だけ塗った状態。各計器はキットのデカールを切り取って貼り付ける予定。


■ 主翼、胴体の接着

 内翼と外翼を接着する。表面の段差を最小にしたいので、インストの手順は無視して、上面を先に接着する。



上面だけ先に接着したところ。まず流し込みで段差最小に接着。次に要所に瞬間を流す。

下面側からみたところ。キットのパーツは全部使う。

合わせを確認して下面を接着。内部の桁には溶剤系(白フタ)。前縁は瞬間、内翼と後縁は流し込み。

胴体も左右を接着する。


 段差、隙間をゼロにしたつもりだが、やはり微小な段差が残る。内翼接合部にも無視できない凹溝が残ったりで、結局、瞬間を盛ってゴリゴリ削る。リベットが消えるが仕方ない。胴体燃料タンクのキャップのような凸ディテールも、整形の邪魔なので、この際全部削り落とす。


■ スピニングの3D設計

 スピニング(カウルの前面)は、ケミウッドあるいはキットパーツにプラ材を接着したものを削れば出来る。その方が早いかも。しかしここは3Dでしょ。造形上は、頬インテイクまわりの複雑な曲面をどう再現するかが難題。

 当初はBlenderでやってみるが、インテイクの再現のため細かいメッシュとなり、その交点を1つずつ手コキで移動させるのが大変。しかも、表面が微妙に凸凹して、工業製品のカッチリ感が出ない(←単に下手なだけ)。ダメ元でFusionのロフトでやってみたら、意外とすんなり出来る。形状も、自分のイメージに近いものになる。カウルのリップは半径1インチなんだけど、こういうのも寸法どおり完全再現だ。インテイクの上下対称性も、スケッチを対称に描くことで担保される。

 



Fusionのスピニングの出来上がり。インテイクのルーバーも再現。これは手作りでは無理だな。

こちらはBlender。ここまでは頑張ったんだけど。このあとインテイクの穴を掘るのも大変だなあ・・と思ったところで挫ける。


 形状は、一発では決まらないが、その都度遡ってスケッチを調整すると、徐々に自分のイメージに近づいていく。スケッチを修正すれば、あとは履歴管理機能でFusion君が勝手に直してくれる(ときどきバグの修正は必要だが)。これがFusionのいいところ。

 ちなみに、以前設計した図面確認用のカウルとは、インテイクの前進角が付いたところや、インテイク内部の再現が異なる他、全体形状をさらにブラッシュアップ。さらに、スピニングの頬インテイクのリップと、脇の「ほうれい線」のくびれにフィレットを入れたかったんだけど、どちらもFusion君に拒否される。複雑な面構成だからだな。ま、出力品をちょいと削る、あるいは少量のパテを盛れば済むので、実用上は問題なし。

 カウル側面、アクセサリカウルは木型を3Dで作って、プラバンをヒートプレスする。理由は、ファスナやリベットの加工はプラの方がやりやすいから。本機の場合、ロフトによる複雑な曲面なので、ファスナを並べるのが大変かなと。バードケージのカウルのファスナは3Dで設計したが、これは単純な回転体に近い形状だから簡単なのだ。



木型は0.8mmインセットしてロフト。カウルは左右割り、Aカウルは上下割り。スジボリはプラバンを切り出すときの目安。


 お持ち帰りファイルは、いつものところに。需要はないだろうが、見て楽しむだけでも。


■ 図面修正

 図面も密かに追加・修正。-5Pのカメラ窓やAU-1のパイロンを追加、内翼パイロン修正など。図面解説にも追記。-4もチマチマと。





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