チャンス ヴォート F4U-5N コルセア 1/32 タミヤ 製作記 その3
2023.5.17初出
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カウルを胴体に接着し、上と左右の合わせ目を消してスジボリ&たまぐり。防眩フィンも接着。 |
垂直安定板、水平安定板を接着。動翼はリブ表現があるので、後回し。 |
風防接着部を整形してスジボリ。マステ(画像左下)で形を写し取り、カッティングマシンでガイドを切る。 |
スジボリ終了。窓をセロテープでマスキング。なお、左画像の窓の黒いシートは、整形時の保護。 |
手掛けのドアも、シートを切ってスジボリする。 |
翼端灯はキットパーツ。カバー内部はコルセア各型共通で上面迷彩色だと思う。電球は銀の下地にクリアブルー。 |
まず調色。特色C365のグロスシーブルーは、私の感覚では緑が強い(最近の同色は、以前より緑が弱い気がするが、それでも緑寄り)。当時の本物の色を実際にこの目で見たことはないけど、写真の印象は緑寄りでも紫寄りでもないニュートラルな紺。そこで、C326サンダーバーズ紺(これは紫寄り)と2:1程度に混ぜる。 次に、いつものように極薄く希釈して吹いていく。モノがでかいので、塗装作業も大変。場所により、ブースに向かって吹くことが出来ない。というのは、電気スタンドの照明を逆光気味に当て、表面の濡れ具合を確認し、うっすら濡れたら次の部分に移る、という塗り方をしているため。濡れ具合が確認できないと、垂れたり、砂吹きになったりして具合が悪い。そんなわけで、部屋中に塗料の霧が舞うから、マスクは必須。 塗装中、ファスナとリベットの打ち忘れ箇所に気づくが、下面なので、とりあえずスルー。全体を2回ほど吹いたところで、一旦ラプロス#6000で柚子肌を磨く。 |
塗装開始。ベースは保管・運搬用に段ボールで作った箱。塗装直後は発泡スチロールがくっつく危険があるのでティッシュを挟む。 |
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これがその実機写真。映っているのはボーデロン本人。別写真より、レプリカでなく正真正銘の当該機体であることが判明。 |
イラスト部分を拡大したもの。髪の中や肩のあたりが白いのは、別写真でストロボの反射と分かる。 |
右上写真をベースにお絵かきしたもの。たぶん上半身は何も着ていない。本画像と右上写真とは位置サイズを揃えてある。 |
上半身のアップ。顔と髪は、確信犯で美人にデフォルメしちゃう。イヤリングと髪留めも妄想で。 |
問題は、これをどうモデルに再現するか。手描きか、インレタか、自作デカールか、これらの組み合わせか、思案中。
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当機の場合、ノーズアートのある右舷が「表側」だろう。←艦載機にはよくある。インシグニアは40インチサイズ。NPは高さ32"、NAVYは16"、機番21は15"程度(確証なし)。NPのフォントは、一般的なものより若干線が細く、機首の21とは異なる。ノーズアートの背景とマーキングの水色は色調が異なり、前者はやや暗い。BuNoは白。数字は高さ5"として描くが、もう少し低いかも。コクピット横前方の丸いのは部隊マーク。防眩塗装の範囲にも注意。 |
「裏側」はやや寂しい。左舷にもスコアマークがある。位置は微妙にズレる。爆弾形のミッションマークや、手掛けの黄塗装はない。左舷機首の写真はなく、ノーズアートの存在は不明だが、たぶん「なし」だろうね。コクピット横前方のマークは正体不明。右舷と同じ部隊マークのシールが剥がれた痕ではないかと推測するが・・(情報求む) |
主翼上面インシグニアも胴体同様40インチサイズ。位置は写真より判明。右舷の21とNPは写真がなく、同隊他機からの類推。複数の写真から計算して、NPは32"、21は24"とする。レドームは黒に近いグレイ。胴体のマーキングは雰囲気なので形状等は正確でない。 |
主翼上面インシグニアも同様。これとNPの位置、サイズは写真より判明。NPは16"程度。袖はレドームの途中まで。左舷の21とNAVYは写真がなく、同隊他機からの類推。NAVYは24"、21は胴体と同じ15"としておく。脚カバーの21は白。サイズは6"程度。その下方に細かい文字もあるが判読不能。 |
右翼上面、左翼下面のマーキングの根拠の写真も見ていただこう。同じVC-3の-5NLである。ボーデロン機が同じだという確証はないが、違うという証拠もない。 |
胴体マーキングの位置等も酷似しており、主翼についても同じと推測される。画像のナニがアレなのは、この際ご容赦願おう。 |
その他のボーデロン機の考証について。主脚、ホイルはシーブルー。尾脚の色は不明。フォークと尾輪ホイルは銀のようにも見える。尾輪のサイズは大小2種の写真があり、時期違いか。プロペラのハミルトンマークはなしに見える。胴体下面の逆T字アンテナは後方に1つのみか?
フラップは、基本キットパーツをそのまま使うが、外翼フラップに関しては、翼下面の跳ね上げ式ドアの形状が-1と異なるため、キットの取り付け方法が使えない。新たに真鍮線を打ってそれを介して接着する算段。 |
カッティングシートを貼ったところ。このあと、サフを3回ほど塗り重ねる。 |
シーブルーを塗装したところ。ぱっと見て分からないくらいの微妙な段差がいいのだよ。 |
フラップを塗装。べこつき表現はスルー。塗装後はラプロス#6000で磨く。 |
外翼フラップ。キットは、フラップ中央に実機にはない取り付け用の太いステーがある。画像は切り取り済み。 |
アンチグレアとレドームをマスクして塗装。アンチグレアは白20%のセミグロスブラック。レドームはそれにC333を混ぜる。 |
マスクを剥がして、ラプロスで軽く磨く。最終的にはフラットクリアで艶調整する。 |
何故そうなるのか。マシンの刃は360°フリーに回転し、ヘッドの動きに追従してシートを切る。ただ、回転軸と刃先には微小な距離があるため(ないと追従しない)、ヘッドに対して自動車の内輪差のような動き方をする(ヘッドが前輪、刃先が後輪ね)。だから、刃先が正しい形になるように、ヘッドの軌跡を微調整するわけだ。←トラックが狭い角を曲がるときに、大回りするみたいな。 内輪差を計算するのは大変だが、実際上は、試し切りしてズレを補正する方向にデータを動かす。当然、切る向きに影響されるので、データ修正で方向が逆になると(データ上で始点と終点が入れ替わるのが原因かな)全然違ったものになる。白星と袖も、別々に切るのでなく、袖の上辺とつながる星の辺を一直線に切るようにすると、星と袖の接点がシャープになる。Vのように鋭角なカドは、X字状に。なんていう小ワザを加えつつ、切っては修正を繰り返す。 |
実際に使ったカット用のデータ。こんなに歪んでいるのだ。一部がつながっているのは、はがれて刃に絡まるのを防止するため。あとでナイフで切る。 |
シートを貼っていく。これがまた大変。歪まず、位置や角度を正しく貼るには、チエが必要。以下詳述。 |
カットしたマスキングシートを歪まずに貼るには、マステかセロテープを上に貼って台紙から剥がし、モデル面に移しかえる。シートが柔らかく伸縮性があり、それに対して相対的に粘着力が強いため、一旦モデルに貼って、失敗したからと剥がすと、もう二度と歪まずに貼れない。だから、位置決めが難しい。 そこで一案。上画像のインシグニアのシートのように、パネルラインやキャノピの位置でカットして、貼り付けの目安にする。当然1回で上手くいくことはなく、トライ&エラーでカット位置を修正する。NFのシートも下辺はラダー下辺に合わせている。 台紙もつけたままにして、一部だけ剥がしてモデルに貼ってから、台紙をはがす。こうすると微調整のやり直しがきく。そんなこんなで、貼っては剥がし、マシンで切ってまた貼る、という作業を繰り返す。段々面倒になって、多少の誤差は許しちゃう。 |
マスキング終了。ほぼ一日がかり。数が多いから大変なのじゃ。ああしんど。 |
ライトブルー塗装終了。調色を含めると、これもまた一日がかり。ちなみにレシピはGX1白にGX5青を少量(2割程度?)。 |
下面。星が白いのはスマホのカメラのせい。レドームにかかる袖がまた面倒くさいのだよ。 |
VC3はこんな具合。完璧ではないが、この辺が精一杯。 |
ライトブルーは、試行錯誤の末、単純な青(GX5)と白(GX1)のミックスに落ち着く。濃度が悩ましく、写真によって明るく見えたり暗く見えたり。調色中と乾燥後では色調が異なり、乾くと暗くなるから、色見本に塗って確認する。ノーズアートの下地は、それにさらにGX5と隠し味の黒を加える。 滲み出し防止にクリアを吹いてからブルーを吹くのはいつものとおり。おかげでリブテープの上も漏れなし。袖の赤を塗ったら、クリアを上吹きして研ぐ。
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マスク終了。マシンカットしたシートの余白も有効活用。 |
塗装終了。セミグロスクリアをしっかりめに上吹きして、ラプロスで軽く研ぐ。 |
改めて、セミグロスクリアを機体全体に吹き、ラプロス#8000で磨く。そうすると、ツルピカの光沢ではなく、90%グロスくらいの艶になる。カーモデルではなく、実戦機のスケールモデルだから、そのくらいの方がいい。クリアでなくセミグロスクリアなのには理由がある。ラプロスで磨くとコーナー部分に磨き残しが生じる。そこがクリアだと光って目立つのだ。
塗色はいつもの白20%のセミグロスブラック。黄色もいつもの自作オレンジイエロー。ハミルトンマークのデカールを貼ろうと思って、実機写真を確認すると、ボーデロン機はマークなし。ありの方が模型的には見栄えがいいのだが。 |
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ボーデロン機のトレッドパターンは写真ではよく分からない。そこは妄想で、大戦後のコルセアによく見られる中央が縦溝でサイドにギザギザが入ったパターンにする。以前1/72でタイヤとホイルは3D設計済みだが、新たに1/32タミヤ用として設計しなおす。ついでなので、他のパターンも作っておく。キットのタイヤが気に入らない人は使ってくだされ。 内外のホイルは、別々でも一体でも出力可能。タイヤだけ3DPでホイルはキットパーツを使うことも可能。直径のサイズは調整済み。外側ホイルは、基本的に1/72で設計したものと同じだが、1/72ではデフォルメしていたフリンジの太さなどを1/32に合わせて細くしてある。 |
これがそのギザ付き縦溝パターン。縦溝3本でギザは32個。たぶんこれで正解のはず。自重変形も表現。 |
キットと同じダイヤモンドパターン。これも一周32個。事情により自重変形表現なし。→後日「あり」に変更。 |
-1Aに多く見られるスムーズトレッド。自重変形あり。 |
バードケージに見られる梯子パターン。自重変形あり。 |
なお、タイヤ、ホイルとも、1/72で設計したものとは微妙に大きさや形状が異なる。そのため、例えばタイヤだけ32/72=44.44%縮小してプリントし、1/72用のホイルに組み合わせようとしても合わない。ま、縮小率を適正に調整してやれば済む話だが。 自重変形表現は、接地部近傍のタイヤ断面を7つに切ってスケッチしてロフトでつないだもの。そのため、非変形部分との繋ぎ目がややスムーズでない。悪しからず。ダイヤモンドパターンに自重変形がないのは、先にダイヤモンドパターンを設計してから、それを改変してギザ付き縦溝を設計し、さらにそれに自重変形を追加したため。スムーズと梯子は、ギザ縦溝のパターンを消去して新たに梯子パターンを追加したもの。 |
自重変形部分は、こんなぐあい。中央で対称。プロファイル1、2、6、7は変形なし(つまり変形は2から6の間となる)。 |
プロファイル5(最大変形部分)の断面のスケッチ。紫が非変形断面。黄色点線が地面のライン。 |
プロファイル1、2、6、7が非変形断面と同じならば、プロファイル1と7は不要では?と思うかもしれない。でも、それだと変形部と非変形部の境に折れ線が入ってしまう。もっと厳密な話をすると、1と2(および6と7)の間には微小な凹みが入っている。そうしないためには、2を1よりほんの僅かだけ膨らませるとよいのだが、面倒なのでスルー。実用上はこれで問題ないはず。 3/15追記 タイヤのデータを修正して差し替える。変更箇所は、自重変形の形状を修正、断面形を微修正、ダイヤモンドパターンも自重変形ありに。まあ、見比べても分からないレベルで、ほとんど気分の問題。自重変形部分は、7断面から9断面に増やし、ロフトのレールを増やして滑らかにする。それでもまだ滑らかでないが、これが私のスキルの限界。レンダー画像は旧バージョンのまま。
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青色部分が今回新規追加したところ。ファイルは左舷側車輪となる。 |
3/15追記部分の説明画像。斜めの面を2面設定して、ロフトのプロファイルを交差、スプライン曲線でつないでガイドとする。 |
画像はダイヤパターンだが、他のパターンにも同様に追加してファイルを差し替える。その際、縦溝パターン以外のファイルは、ファイルサイズ縮小のため、履歴をキャプチャしないものとする。もし履歴キャプチャ可能なファイルが欲しい方はメールされたし。 使用上の注意。タミ1/32には、新規追加部分を非表示にしてstl出力するべし。1/48には、そのまま66.7%縮小して使用する。1/72には44.4%縮小してもいいけど、それだとホイルのディテールが繊細すぎるかも。でも、各ファイルには、非表示にしているが1/72サイズのタイヤも入っている。それを1/72バードケージのときに作った脚やホイルと組み合わせることが可能・・・なハズ。←不具合あれば連絡願う。
オレオとアクチュエータにはミラーフィニッシュ。これ、古くなると切れやすくなるのだね。まだほとんど余っているけど新しいのを買ってくる。バネをギターの弦に交換しようかと思ったが、芯が抜けなくて断念。前は出来たんだけどなあ。 尾輪は、ボーデロン機の場合、大小どちらもある。好みで大きい方にする。これには、バリエーションがあるようだ。キットパーツでもいいけど、1/72で3D設計したものを拡大してプリントする。リムの幅などはスケールに合わせて薄くする。 尾脚は、胴体下面パーツを先に接着しているので、そのままでは取り付け不可能。ピンとベロを切って差し込む。塗色が悩ましい。実機は銀かもしれない。妄想でシーブルーにする。 |
左主脚出来上がり。軽くウェザマスのサビ+ススでウォッシング。カバーは後で取り付ける。 |
内側。トーイングリングの赤はフィクション。 |
尾脚出来上がり。フックは白黒模様。 |
ということで、自立。 |
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立方体から出発して、適宜ベベルやループカットで辺を増やして、ざっとここまで半日程度。昔あった風呂場の長靴を思い出す。 |
反転(※1)し、写真を見ながら、頂点を一つ一つ動かして形状修正。これがBlenderの最終形。先端の厚みや上端の形状が違う。 |
サブディビジョンサーフェス(※2)で滑らかにして、上下に面を貼り(辺をループ選択(alt+選択)して「F」)、stl出力する。 |
stlファイルをFusion360にインポートして加工したもの(※3)。お試しプリントしたらファイルをアップする予定。 |
参考資料は、エアロ・ディテールとマニュアルのイラストが役に立つ。ただし、これだけでは大きさが分からない。製造図もない。運良く、実機写真で下から撮影したものがあり、これにサイズを合わせる。以前の-5下面図にあったパイロンは、大きさと形状が不正確であった。修正して図面を差し替える。3Dモデリングは、その不正確な図面を出発点にしたので、形状修正に思いのほか時間がかかる。 ※1 左右反転しているのは、当初は図面に合わせて左舷で作り始めるが、資料写真が右舷パイロンで、頭が混乱するので反転する。中心から移動してミラーして元を消去して中心に戻す。 ※2 サブディビジョンサーフェスのパラメータは、デフォルト値。 ※3 スジボリは、Blenderで作った外形と同じ面をFusionで作り、そこにスケッチを投影→四角断面のパイプ作成→Blenderオブジェクトを切り取る。
-5型の尾脚カバーは、従来型式から変更された。車輪がはみ出す穴が塞がれ、フック先端部分も覆うように延長された。しかし、大型車輪と小型車輪で同じなのかどうか、いまいち確証がない。現存機で大型車輪で穴なしがあるので、おそらく尾脚が設計変更され、大型車輪であっても完全に引き込まれるようになったのだろう、と一応解釈しておく。 その塞がれた穴には車輪を逃がすブリスターが設けられる。これも車輪サイズによって違いがあるのかもしれないが、不明。とりあえず、現存実機を参考にでっちあげる。どうせシーブルーに塗ってしまえば、よく見えない。 |
キットパーツの穴を0.5mmプラバンで塞ぎ、プラ材のブリスターを取り付ける。 |
後部延長を忘れて塗装した後に気づき、プラ材で延長。内側ディテールは省略。 |
塗装して出来上がり。表側はラプロスで磨いておく。 |
ドロップタンクはキットパーツを利用する。パイロン接続部分の出っ張りを切り落としてプラ材で塞ぐ。 |
キットパーツの尾脚カバーには3本のツメがある。バードケージ製作記にも書いたが、実機はピアノヒンジなので、このようなツメはなく、カバーと胴体とは隙間なく接している。カバー自体は前後2分割で、それぞれがピアノヒンジて回転する。各ピアノヒンジは一直線で、2つは「く」の字に折れ曲がる。前後カバーの接続部は重なっていて、開いた時も隙間ができない。模型的には、ツメはジンクロで塗っておくといいね。
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主脚を接着したので、フラップを取り付ける。外フラップの小ドアは未製作。 |
その他、外翼パイロンの残りや、脚周囲のパネルなどを接着。脚庫内のパイプやアクチュエータを塗装。 |
シートベルトがよく分からない。マニュアルのイラストでは、股の間から出て太腿を固定するベルトがある。またショルダーハーネスや腰回りのラップベルトの金具も、もしかすると大戦中のものとは違うかもしれない。情報求む。 |
とりあえず設計。よく見えない背部は強度優先でデフォルメ。 |
-5型マニュアルのイラスト。 |
よく分からないベルトは、とりあえず大戦中と同じとしておく。お気づきのように、他にもイラストとは違う部分がある。クッションはもっと高いし、シートの底は深い。背もたれや肘掛の形状は、D&Sなどの写真に従う。ショルダーハーネスの取り回しも違う。このあたりは、追々手を加えるつもり(←たぶん)。
とりあえず、このままでいくが、検証してみて疑念が確信に変わったら、部品請求して脚をやり直すかも。
しばらくは動悸が治まらず、怖くて箱も開けられない。恐る恐る開けると、最悪の事態は回避された模様。とはいえ、被害は小さくない。以下、事故報告。
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一番被害の大きな完成品箱。危なっかしく乗っかっている疾風が無傷なのが奇跡。 |
ハニーの被害状況。 |
思うに、落下の衝撃を発泡スチロールの「受け」が吸収してくれたので、思ったより被害が少なかったのだろう。模型は無傷でも、発泡スチロールが折れている箇所は多数ある。後ろ向きに落ちたファントムは、主翼後縁が発泡スチロールの受けに2cmほど刺さってる。飛行機は受けをしっかり作っていたので、比較的軽微で済んだ。一方で、戦車は受けの作りがテキトーだったので、その分被害が大きかったのかな。 とりあえず、簡単に直せる小破損とスチロールの受けを修復。ハリアーIIはもう少し気持ちが落ち着いてから。移設ついでに、落下していない箱も中身をチェックし、表面の汚れを拭き取る。そこで気付いたのだが、エア1/48スピVのホイルが左右とも行方不明。箱の中にも落ちていない。何故だろう? 展示会の会場で落ちて気付かなかったのかなあ。修復は、今なら3DPで新造すれば比較的簡単にできる。
問題はその再現をどうするか。パラシュートの写真は手元になく、形状や色などの詳細が不明。イラストだと、背当て部分でシートが隠れるように見える。でっち上げるのもどうかと思い、とりあえずパラシュートなしにする。今後、新たな資料が出て来たら、3D設計を修正して交換しよう。 |
とりあえず、パラシュート「なし」とする。ショルダーハーネスの取り回しが違うのは、あとで交換可能にするための確信犯。 |
防弾板はマニュアルのイラストと、実機写真から設計する。このまま正面を上にプリントするべし。 |
66.7%縮小すれば、ハセ1/48にも使えるかな。お持ち帰りファイルリストに追加しておく。ハーネスは「なし」として、金具だけ別パーツとして単独出力も可。ショルダーハーネスは、防弾板のバーを通るのが正解。
しかし、それだとデカール層が厚くなるし、細い線や小さい点がうまく転写できるか心許ない。そこで、クラブのG氏にアルプスプリンターでの自作デカール作成を依頼する。これだと1枚のクリアデカールに多色刷りが可能だ。ただし、全てを自作デカールに出来るものでもない。というのは、中間色は原色の網点印刷となるからだ。そこは、マスクして塗装する。同じデータでシートを切れば、理論上はズレなくできるハズ。 |
手掛け等の黄色、部隊マークの青丸をマスクして吹き付け塗装。青丸の中央(犬の部分)はタミヤLP-77ライトブラウンを筆塗り。 |
次にインレタの白を貼る。モデルに貼ったマステは位置決めの目印。これにインレタに入れておいたトンボを合わせる。 |
作っていただいたデカール。黒と黄色+下地の3色刷り。雲のインレタの出来によって左右どちらかを選択、予備を含め6枚。 |
その他のインレタも貼り付け、保護のクリアを吹いて軽くラプロスで磨いた状態。キャノピのマスクもはがす(風防はまだ)。 |
主脚カバーにもインレタを貼り、クリア吹いて、磨いて、脚に取り付け。 |
BuNoを貼り、クリア+磨き。尾脚カバーも接着する。 |
補足。コクピット右舷スコアマークの下にある半月形手掛けも、本来は黄色く塗られている。しかし、スジボリがインシグニアの袖にかかっているため、これはスルー。いや、タミヤのリベットラインを避けてスジボリした結果ズレたので、もうこれは仕方ない。主脚カバーと主翼の間は、ダークグレイで塗ったマステをカバーの裏から貼って、隙間を塞ぐ。 さて続いては、ノーズアートのANNIE-MOE。同じくアルプスプリンターでデカールを作っていただいたが、貼り付けに失敗してオシャカにしてしまう。もう一回お願いするのも心苦しい。とりあえず、バックアップに作っておいたインレタを使ってみる。 重ねるのは下から順に黒、白、赤。クリアデカールに黒インレタを転写して、その上に白を転写したところ、黒が白のシートの粘着部に持っていかれる。そこで、黒のデカールはこれ単独で1枚とする。白を転写した上の赤は、なんとか大丈夫。で、このデカールが1枚、合計2枚の重ね貼りとなる。 |
まず、ベースとなる肌の部分のマスキングシートを貼る。滲み出し防止にクリアを吹く。 |
LP-77ライトブラウンとセールカラーを半々に混ぜて吹く。境界の段差を均してクリアを吹く。 |
黒インレタを転写したデカールを貼る。クリアデカールは、下地の青四角の大きさに切る。 |
白赤インレタのデカールを貼る。これでノーズアート完成。あれ?よく見ると、おっぱいの下の影がズレてるな。 |
補足。マスキングシートは、前述VC3のようにデータを補正する。未補正だと、左右の脚の太さが違ってしまう。おっぱいの下の影がズレているのは、この補正が出来てなかったため(気付かなかったよ)。あとで面相筆でタッチアップしよう。 ともあれ、なんとかインレタでリカバリー成功。折角のデカールが使えず申し訳なし。いやーしかし、インレタも作っておいてヨカッタよ。
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補足。フラッシュハイダーは、艶消し黒+銀微量で塗装し、鉛筆粉をこすりつける。ヘッドパッドは、防弾板と同じダークグレイで塗装してからラプロスで磨く。
上面の2本のアンテナ柱は、2×1mm真鍮棒の削り出し。T字形アンテナは真鍮線はんだづけ。引き込み式ステップは0.6mm洋白線と0.7mm真鍮角棒のはんだづけ。角棒に目立てヤスリで溝を切って、そこに洋白線をはめ込む。下面ブレードアンテナと乗降ドアは3DP。 |
内枠接着。キャノピパーツをプラバンの上に置いて、内側をぐるっと針でケガくと枠の外側線になる。 |
3DPのミラー、胴体連結具、0.3mm洋白線のハンドグリップを取り付け。 |
アンテナとステップ。写真撮り忘れだが、操縦桿とピトー管も工作済み。 |
各種小物の3DP。アクセサリでヘルメットも作る。ステップの踏面の溝はフィクション。悪しからず。 |
あとで写真をよく見たら、キャノピのグリップは右舷側にある。ってことは、左舷にあると思った写真は、裏焼きか。あとで直すか。
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ボーデロンご本人と愛機の写真。四角いシートパッドが写っている。色は茶系か緑系か。 |
別機の写真。形はやはり四角。こちらの色は明るい。 |
再掲。マニュアルのイラスト。10はパラシュート。その上に薄くシートパッド。 |
つうことで、3Dファイルを修正。左画像ではハーネスが渋滞してるので、パラシュートハーネスは適宜省略。 |
パラシュートについては、依然として写真なしで、詳細は不明。イラストだと、何かかっちりした枠状のものに入っているようにも見えるが、どうだろう? 3D設計としては、イラストっぽく再現。 ショルダーハーネスの点線の作り方。適当な面を設定し、ハーネスの中央を通るスプライン曲線をスケッチ。それをハーネスのサーフェスに投影。できたパスで点線1つ分のパイプを作成する。点線の長さは「距離」で指定。今回は0.02で、つまりパス全体の長さの2%のパイプが出来るわけ。これをパスに沿って並べ、ハーネスを切り取る。 以上のパーツ類を塗装して取り付け、アンテナ線を張ったら、完成となる。
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再掲。-1の主脚。オレオが伸びている。脚カバーの下端切り欠きがタイヤ上端より上にある。 |
再掲。同じく-1。 |
再掲。-1Dの主脚。オレオが縮んでいる。脚カバーの下端切り欠きがタイヤ上端より下にある。 |
再掲。同じく-1D。 |
ほぼ完璧なタミヤキットの数少ない欠点だ。これからキットを製作される方は、ぜひとも修正くだされ。ちなみに、そのほかの欠点とはインストの塗装指示間違い。正解がどうだかは、F4U-1製作記その1「コクピット」、同その2「-1Aのコクピットの塗色」「-1の塗色について」を参照されたし。
直すことは決まった。では、どう直すか。パーツ請求して正しい長さの脚を新規製作、交換するのが望ましい。しかし、接着済みの脚庫周囲のパネルを外さないと交換できない。がっちり接着してるので、無傷では外せない。なるべく手間はかけたくないしなあ。 そこで、斜めロッドの取り付け部の直下で切断して短縮することに決定。脚柱の中には金属線が通っているので、強度上も問題ない。オレオ引き込みロッドは事前に切り取って、後で再接着する。 |
エッチングソーでプラ部分を切断。ぐりぐり回すと金属線も抜ける。切断部を1.5mm分だけ短縮。 |
修正後。脚柱カバーの位置を、もうちょい上げたいのだが・・ |
この方式、前述のとおり、望ましい修正方法ではない。斜めロッド取り付け部の高さが、全体のバランスの中で相対的に低くなってしまう。それだけならいいが、それにつられて脚柱カバーの位置も低くなる。もっと上げたいのだが、ロッド基部がカバーの下から見えてしまうのだ。 とはいえ、これで駐機状態の姿がどっしり低くなって、いい感じ。直して正解だよ。カバー位置は気にしないことにしよう。翼との隙間は、マステを黒く塗って裏から貼って目隠し。
操縦桿は、キットパーツから切り取ったもの。正しくは-5のものとは違うが、スルー。リリーフチューブのカップは、キットの操縦桿に付いている。切り取って位置を変えて再接着。マステで取り付け部の段差をつける。 |
シートを塗装して取り付ける。ショルダーハーネスの点線は、繊細過ぎて塗装で埋まってしまう。残念。 |
操縦桿も接着。リリーフチューブに注目。カップに見えるように穴をあける。-1を作る人もそうするといいよ。 |
外翼フラップのヒンジをプラ材で再生。フラップ前方のドアは、-5型では一枚ものになる。←以前写真撮ってなかったので。 |
エルロンタブのリンクは、不使用パーツ(ラダータブのロッドかな?)を切り詰めて使う。これらの塗装は筆塗りで。 |
Vought F4U-5N Corsair (BuNo 124453) flown by Lt. Guy Bordelon of VC-3, Det D K-6 Airfield Korea, 1953 |
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次回作は、当サイトのどこかに「いつかやりたい」と書いたヤツ。某FBグループでは告知済み。ヒントは、1/48ジェット単発。本作以上にハードモデリングになるかも。なにしろキットがアレで・・・ 図面と3DPの準備に時間がかかるので、つなぎに軽く素組みできるのを一つ入れるかも。
幸い、パーツ請求して新規に作り起こせば修正可能。インレタは色味が合わず使えないので、塗装するしかない。静岡で教えていただいたタックペイントというカッティングシートを試してみる。通販サイトに行くと同じタックペイントでも種類がある。どの種類かまでは聞かなかったので、「NBSシリーズ 黒ツヤ無 NBS-03M 300mm幅×10m巻」を購入。いや、これ以外は1m幅の10mロールしかないので、事実上一択。 早速使ってみる。静岡で頂いたサンプルは、驚くほど精度が高いのだが、自分で切ったやつは、平行、直角の精度がイマイチ。いままで使っていたやつとほとんど変わらない。データは、何回も試行して歪みを補正してるのだが。シートの種類が違うのか、マシンの性能の差なのか。まあ、仕方ない。我慢しよう。 |
これが頂いた画像。こりゃ明らかにライトブルーだな。2はステンシルかも。塗装で再現は困難だが。 |
シートをお試しカット。位置がズレないように周囲をカバーの形に切る。 |
シートを貼って塗装。剥がす際にエッジが欠けないように、ペーパーで周囲の塗料を落とす。 |
インレタも貼って、セミグロスクリア吹いて、ラプロスで磨いて出来上がり。やっぱライトブルーの方がカッコイイ。 |
インレタは、失敗したときの予備を多めに作ってあり、新たに発注せずに済む。いや、さすがにこういう事態は想定してなかったが。 前回記事でやり残しの排気汚れは、P-400のついでにエナメル黒+茶、バフを薄く吹く。アンチグレアの艶消し塗装は、やらないことにする。ということで、これで本当の完成。完成写真はそのうち撮り直そう。←いつになることやら
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