F-86Fセイバー製作記 その5
2010.1.9初出
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塗装 11/9更新 |
黄帯の幅って、どっかに数値が記載されてたハズ・・と、さんざん探して、インアクションに胴体28in、主翼36in、尾翼(4FIWのみ)36in、黒縁4inというのを見つける。手持ちデカール、キットのデカールも、概ね一致する。ところが、念のため実機写真でチェックすると、「全然違うやんか〜」。以下、写真チェックの結果と考察。 胴体、主翼とも、上記寸法より細い。かつ、機体により差異がある。Eや初期のFでは、胴体、主翼とも1/48実寸で13mm程度で(文献-14 p.39など)、インチに換算すると24in(=12.9mm)。後期のFでは胴体28in(=14.8mm)となる(文献-14 p.66など)。この場合の主翼は、はっきりしないが、同じ28inのように見える機体もあり、おそらく規定としては胴体主翼とも同じ幅で、当初24in、後に28inに変更されたと推測する。黒帯はいずれも4inでいいようだ。 特に主翼帯幅は、デカールや既存塗装図など通説と全然違うが、写真をよ〜く見れば、36inでは全く辻褄が合わないことが分かる。後桁前方にある大きな無塗装四角パネル、インシグニア、境界フェンスと帯との位置関係を検証されたい。インアクションの記述は尾翼36inを主翼と勘違いしたのかな。キットのフェンス位置が3mm程内側なのも、この辺の辻褄を無理に合わせたせいかもね。 黄帯幅の変更がいつ頃からか、手持ち写真のs/nと帯幅をざっとチェック。EからF-10までは狭く、F-30では広い。F-20あたりは調べた中になく不明。ただし、例外としてEやF-1でも広いものがあり(文献-13 p.65や、4FIWフェルナンデスのF-1 #51-2857)、前述推測が正しいなら後で現地塗装ということか? ついでにコクピットの色も併せてチェックすると、F-10では黒。F-30は明灰色だが、F-30でも黒く見える機体あり(光線の加減かも)。 この黄帯がどこで塗られたのか?も興味深い。胴体は、帯の上にコーション・ステンシルが記入されいるが、はてさて。主翼は、機体によって寸法のブレや乱れがあるようにも見える(単に写真の歪み?)。これらは日本で塗装されたという説もあり、どなたかご存知の方、是非ご一報願う。なお、胴体上部の処理は、既存塗装図では先端が丸く描かれているものもあるが、尖るのが正しい。
ちなみに米軍インシグニアのサイズは星の内接する円の直径で表され、5インチ刻み。写真からの割り出しにはマーク全幅の数値が便利なので、この際計算しておく。インチ表示サイズをD、全幅1/48実寸をWとすると、W=1.099Dとなり、25in→W=27.5mm、30in→W=33.0mmとなる。全高(青円直径)はH=0.595D。 後々の手描きのため、規定値を整理しておく。星の内接する円の「半径」をRとすると、白袖幅=R、白袖高さ=1/2R、袖の白赤白の高さ=各1/6R、周囲の青縁幅=1/8Rである。星の横幅は、2R×sin(72°)=1.902Rとなり、マーク全幅はW=(1.902+2+1/8×2)×R=4.152R。全高(青円直径)は(2+1/8×2)×R=2.25R、青円上端と青袖上端の高低差は(1-cos(72°))×R=0.691R、青円下端から青袖下端では0.809R、星の隣り合う頂点間の距離は2R×sin(72/2°)=1.176Rとなる。なお、1/48実寸ならR=0.2646D、1/72ならR=0.1764D。 次に記入位置。胴体はエアブレーキの関係で明白。主翼は翼端のパネルラインからインシグニア左端までが22mm。ただし後期Fで黄帯が28inの場合、若干内側かも??(←自信なし)。胴体黄帯は、見慣れてくるとインシグニア、胴体分割ライン、小穴等との関係でも、24inか28inか区別できるぞ。 |
不要モデルにマスキングテープを貼って、マーキングのサイズ、位置、角度などをチェック。黄色帯は28inにしてある。 |
基準@からは"HAFF"ザ・ドラゴンにも惹かれるが、手持ちのキット付属カルトグラフ(デカール替えバージョン)とカッティングエッジの両方とも、デカールの色調が気に入らず、オモチャっぽい出来になりそうで却下。なお当該機は、F-1の6-3ウイング・レトロフィットであり、コクピットは黒、前輪は6本スポーク、上部前脚ドアが赤色、右舷にもパーソナルマークあり(キットデカールになし)、A-1CMガンサイト装備に注意する必要がある。 基準Aからは、ミグキラー・トリプル・エースのマコーネル機"BEAUTEOUS BUTCH"も候補に上がるが、機首インテイクまわりのマーキングが気に入らず却下。折角の銀貼りなので、それが活きるシンプルなデザインがいいナ。ということで、ジョン・グレン少佐の"Mig Mad Marine"が候補に浮上。 シンプルかつど派手な意匠で、基準@は申し分なし。撃墜3機でエースではないが、後の宇宙飛行士とくれば基準Aは楽勝クリア。左側面の全体写真があり、基準Bもクリア(右舷にパーソナル・マークは無いと信じる)。基準Cは、デカールの手持ちはないが、自作インレタで十分再現可能。 と、今決めたように書いてるけど、実は、ずいぶん前にマーキングは決めてあって、インレタも準備してある。ま、相変わらずのミーハー路線であるが、「ど真ん中直球勝負、ミーハーで何が悪い!」と開き直るのだ。
乗機はF-86F-30-NA s/n52-4584。文献-16などの左舷全体の写真から全体塗装や機体細部、また左舷機首のカラー写真から色も分かる。これらより、前輪ホイルは12本スポーク、胴体黄帯幅は28inが確認できる。垂直尾翼の黒部分は小さい。また、さる方面のご厚意で正面からの写真も入手。上部主脚ドア中央には白四角?のマーキングがある。これは他の機体にも共通して見られるので、コーションデータか何かかも。 レドームは日焼け(?)して赤味がかっているが、作品は黒の予定。その方がカッコいいからね。銀肌も作品ほど燦然と輝いてなく、翼前縁の黄帯が剥がれてたりするが、これらも無視の予定。その他細部で、作品と違ってて「あちゃー」な部分がいくつかあるけど、内緒。完璧なMig Mad Marineを作りたい人にだけ教えてあげる。
前作では、まず全体にクリアを塗装してからマーキングを塗装したが、そのマスキングで先に塗ったクリアが剥がれるというトラブル。そこで、今回はマーキングを先に塗装してからクリアを全体に吹く手順とし、まず主翼の銀塗装部、垂直尾翼樹脂部から塗り始める。国籍マーク、黄黒帯とは突き合わせで塗るため、そこはマスキングしておく。クレオスのメタルプライマーを吹き、次に#8銀+#46クリアで主翼、ミディアム・シー・グレイで尾翼先端を塗装する。 |
脱脂後に素手で触らぬよう、白手袋を用意。なんか、超高級品を扱っている気分。でも作業がやりづらい。 |
銀塗装のためのマスキング。 |
前作では、缶スプレーから小瓶に取り出し云々・・と書いたが、塗料に溶け込んだガスでフタが吹き飛ぶ危険あり。要注意。半日ほどガス抜きしてから蓋をするべし。実は私も過去に中ブタを「スッポーン」と飛ばしたことがある。幸い屋外で被害無かったけど。それより、直接カップに必要量をスプレーしてシンナーで希釈する方が簡単。(←早く気づけよ) |
こんどは、これを使用。 |
さてその塗り直した左翼。リベットに残ったプライマーが完全に除去できずに再塗装したため、右翼に較べリベットのキレが悪い。相変わらず表面にゴミが入るが、今度は怖くてそのまま。
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この状態で、一旦アルミ・カラースプレー・クリアをエアブラシし、境界部のシルバーをクリアー塗膜で押さえつける。 |
インシグニア・ブルーと尾翼の赤のためのマスキング。塗膜上のテープの糊は、粘着力を極限まで落として使う。 |
プライマーと色の滲み出し防止を兼ねたアルミ・カラースプレー・クリアを吹いてから、それぞれの色を吹く。 |
できあがり。幸い、剥がれなし。アルミの上だと、突き合わせで塗るメリットはあまりない。単純な塗り重ねのほうがいいかも。 |
調色メモ。赤はGX3ハーマン・レッドのビン生。デカールやインレタの赤とのバランスを考え、いつもより鮮やかにする。隠蔽力が強いので白の下塗りはなし。青はいつもの自作インシグニア・ブルーで、黒とサンダーバーズ・ブルー半々を基本に微妙な色調整を加えたもの。 黄色はGX4キアラ・イエローに微量のGX3。#58黄橙色よりやや赤味が少ない程度にする。この組み合わせは、やや濁ったオレンジ・イエローになる。もっと鮮やかにするのであれば、ガイアの黄橙色をベースにするが、今回はスケールモデルとしての落ち着きを狙って、あえて濁った色とする。
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脚柱、ホイルはSM01スーパー・ファイン・シルバー+微量の#1白を加えたもの。ウェザリングは未だ。 |
脚扉内側はSM06クローム・シルバー。無塗装アルミの外側と較べると、どうしても輝きが安っぽいが仕方ない。 |
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マスキング。既存塗装面は極力紙でマスクする。 |
塗装終了。 |
どうでもいいようなことだが、胴体下面の帯幅は、側面より若干広くしている。側面の帯幅は帯に直角に測って28inなわけで、角柱に斜めに帯を記入する図を描けば、下面幅は側面より広がるのが道理(下図上段)。逆に下面も同じ幅にするなら、側面帯は下方で弧を描いて下面につながるべき(下段)。 で、実機のこのあたりの処理がどうなっているかだが、不要モデルに帯を描いて写真と見較べてみると、後期28in帯はどちらかというと上段のような、前期24in帯はどちらかというと下段のような・・・。ま、実際の胴体は角柱ではく、両者とも程度の問題という気もするし。いずれにしても、側方斜めから撮影した写真の印象である。飛行中の撮影で、同じ写真の中の2機の下面帯幅が全然違う例もありで。
これまで買い溜めたデカールが日の目を見る。下画像で左上から反時計回りに、キット(デカール替え版ハフ・ザ・ドラゴン)付属カルトグラフ、カッティング・エッジF-86ステンシルCED48028、同F-86A/F part2 CED48174、エアロマスター セイバーズ・オーバー・コリアpt.VI AMD48-448(右上も同じ)。これらからつまみ食いでチョイス。 |
デカールにより、色調などかなり異なる。右上の黄帯は右下より赤いが、光線の加減でそう見えるだけで色は同じ。 |
黒帯とインシグニアなどが入り、完成時の姿が見えてきたね。黄帯は取って付けたような感じだが、実機もそんなふうに見えるからいいのだ。 |
USAFの位置はこんな感じ。後縁に平行で、Aの左端が概ねフラップ端になる。 |
ウォークウェイは、小四角パネルを避けるように引かれる。(正しくはパネルとの間に0.5mmほど隙間ができるが。) |
下面。インシグニアとUSAFは上面と同じ。 |
クローズアップ。黄帯は間違って彫った四角パネルを隠すようにスジ彫りを境とする。 |
もう一つ。AMDのインストによると、F-20、-25は朝鮮戦争には使用されていないとのこと。どうりで写真に見あたらないワケだ。
したがって"FU-584"と、その上部のs/nは自作インレタを使用。手前味噌だがs/nの書体はこっちの方が実機に近い。"Mig Mad Marine"などのパーソナルマーキングも自作インレタ。版下は、実機写真を下敷きにinkscapeというドロー系ソフトでお絵かき。相当手間がかかる作業だが(慣れないだけ?)、昨年暇なときに作業してある。インレタはアドマにマックスラボを発注。小サイズだが3色で計6,405円(ネガは2枚に節約)。色番号は、赤が原色より若干渋めのT116番、黄はいつもの少し赤味の入ったT108番。 |
このように位置決めして転写する。なお、チェッカーの位置・範囲は機体によりかなり差異があるので、写真でチェックするべし。 |
レターも終了。インレタ転写の位置決め方法は、零戦やスピット14の製作記などを参照されたい。 |
3色をズレないように貼るのに神経を使う。赤→黒→黄の順番で。黒と黄は小さい部分に分けて貼る。 |
同じ赤だが黄フチの有無で色味が違って見え、フチ無しだと暗く、色相まで違って見える。 |
重箱の隅あれこれ。実機の"Mig Mad Marine"は、文字の太さや影の方向に「乱れ」というか「下手くそな」部分があるのだが、モデルでは修正してデザインとしての完成度を上げている。Mig・・の重ね貼りでは、デカールのように貼った後で位置決めできないという作業手順の都合上、0.1mm以下の微少な誤差は避けられない。そこで赤の版は若干太めに作っておく。 黄フチの有無で色味が全然違って見えるのは、大きな誤算。写真でも違って見えるが、実物を肉眼で見ても違って見える。Mig・・の方の色味は満足してるのだが"LAD"はちょっと沈んでるかな。完璧を期すなら、黄色がかった明るめの赤に変えたいところ。上から面相筆でタッチアップするか?? 黒は、本当はチャコールグレイにしたいのだが、マックスラボの選択色の中にない。 では、版下ファイルを公開。イメージは下画像のとおりだが、これをプリントしても版下にはならないので、データファイルも上げておく。svgのデータ型式なので、「inkscape」を検索→ダウンロード→インストールすればタダで使える。フォトショップなども多分使えると思うが、この方面は明るくないので悪しからず。一応、私の作業環境で200%サイズでプリントアウトできるようにしてあるが、写真でサイズのチェックを推奨。コーションは、先に公開したフォント使用のこと。
John Herschel Glenn,Jr. 1921年7月18日オハイオで生まれた。1942年、大学を中退した彼は、海軍航空士官候補生コースに進み、海兵隊VMO-155に配属された。1944年7月、マーシャル諸島のマジュロ(Majuro)に進出し、島に残った日本軍を爆弾やナパームで攻撃した。WW2期間中、彼はF4Uコルセアに搭乗して59回の戦闘ミッションを遂行した。 1945年初めにマーシャル諸島を離れ、F8FベアキャットやFR-1ファイアーボールなどのテスト飛行を行う。戦後は北部中国のVMF-218に配属された後、アメリカに戻り飛行教官となった。 1953年2月、朝鮮半島ポハン(P'ohang)K-3基地の1MAW(海兵隊飛行群)VMF-311に配属されF9Fに搭乗した。ポハンは前線から180マイルで、主な任務は3000ポンド爆弾と5インチHVARSによる地上攻撃ミッションであった。ある日、シナンジュ(Shinanju)上空で北朝鮮の対空砲陣地を銃撃中に被弾し、辛うじてK-3にたどり着いたパンサーの尾部には、頭が入る程の穴が開いていた。1週間後、今度はナパームタンクを撃たれ、無事着陸したが機体は焼失した。対空砲弾を引き付ける彼は「マグネット・アッス(磁石尻)」と呼ばれたという。 海兵隊F9Fでの63回のミッションの後、空軍との交換プログラムにより25FIS,51FIWに配属され、「ミグ街道」と呼ばれるヤールー川(鴨緑江)の南をパトロールした。海兵隊と異なり、空軍パイロットには固有機が与えられ、ノーズアートや個人マーキングが描かれた。彼もF-86F-30-NA #52-4584に妻と2人の子供LYN ANNIE DAVEと、MIG MAD MARINEの文字を描いた。 1953年7月12日、僚機と飛行中にミグを発見し、満州まで40マイル追跡、敵が着陸のため速度を落としたところを撃墜した。7月19日、彼の率いる小隊のセイバー4機はミグ16機に遭遇した。すぐに4機のセイバーが駆けつけ、ドッグファイトが展開された。さらに6機のミグが加わったこの空戦で、ミグ1機を撃墜。「ミグの戦術はお粗末で、訓練飛行のようだった。あるいは燃料切れか。ともかく信じられないほどラッキーだった。」 3日後の7月22日、3機目のミグを撃墜した。さらに悪天候が数日続き、停戦が宣言された。彼は27ミッションを51FIWとしてセイバーで飛び、DFCと8つのエアメダルを朝鮮で受章した。このとき32歳。 朝鮮戦争後、海軍テストパイロットスクールの教官を務め、1957年、最初の超音速大陸横断飛行に選ばれ、F8Uクルセイダーで、ロサンゼルスからニューヨークまで、途中3回の空中給油をしながら平均マッハ1以上で飛行し、3時間23分を記録した。 1959年4月、NASA最初の7名のマーキュリー宇宙飛行士に選ばれた。1962年、フレンドシップ7号にて地球を周回し、宇宙に行った5人目の人類、最初に地球を周回したアメリカ人となった。 NASAおよび海兵隊(大佐)を辞した後、1974年から1999年までオハイオ州選出の民主党上院議員。1998年、77歳でスペースシャトル「ディスカバリー」号に搭乗し、最年長の宇宙飛行士となった。
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着陸灯は直径2.5mm。アルミ板と透明プラバンでお手軽に。アルミの磨きが少々足りないかな。塗装のプラモならこれで十分だろうけど。 |
できあがり。目立たない下面なので、これでよし。 |
写真をよく観察すると、これにもいくつかのバリエーションがある。基本的な形状は同じようだが、外板の継ぎ目が異なり、@タンク側面の上下分割線が頭から尻尾まで明瞭で、凸リベットが数個あるタイプ、A先端(1/48で5mm程度)に縦(輪切り方向)の溶接痕があり、そこから前方のみ上下溶接痕があるタイプ、B前1/3程度のみ上下溶接痕が見えるタイプ、の3種が確認でき、その他に左右割りもあるみたい。作品はBとするが、中央部分のパネル分割線がよくわからず、フィクションで左右割とする。 |
左キットは側面が一直線。右、修正後。矢印付近を削り込む。逆に、タンク上部のパイロンと接する部分は横から見て一直線に。 |
先端のきついカーブはこのような木型で絞る。これで粗方絞って、あとはプラパーツに被せて微調整。 |
こんな具合に適当な棒でぐりぐり。木型は厳密に正確な形状でなくとも大丈夫。 |
ほぼ出来上がりの図。左は磨く前。フィンはエッチングソーで溝を切って、0.3mm板をはめ込む。 |
この前縁部分(1/48実寸で先端から5mm程度)は、簡単に取り外せる構造のようで、ここを外して置いてある写真も見られる。どうやら内部に燃料パイプかなんかがあって、それを結合してから前縁部分を被せ、いざ出撃となるようだ。この前縁部分は他と金属表面の光沢も異なり、材質も違うのかな。それと、装着前のタンクには必ずパイロンが付いているし、パイロンだけが翼に付いている写真もない。ということは、タンクとパイロンは一体で、切り離す時はパイロンごと投下するのかも。 Mig Mad Marine機には、Aの「斜めでリブあり」を装着した写真があるが、上記を考えるとこの機体固有ではなさそう。ということで、作品は好みで垂直タイプにする。 |
パイロンはキットパーツをアンコに。スジボリ、ディテールはこんなもんか。タンクの赤丸はインレタ(マックスラボ)。 |
『機体を時計回りにぐるっと回ってE/G始動前の外部点検をします、特にインテーク内部、排気口に異物がないか、チョーク(車輪止め)が両輪にしっかりとかかっているか確認します。機体の左側からコックピットシートに右足で乗り込みます、座席に座る前に複数ある射出座席安全ピンの挿入を確認します。座席に座るとき救命浮舟と同じ大きさの座布団を敷きます、これできちんとブレーキが踏めるか両足で踏み込んでみます、まだ重いですし落下傘を背負っていないのでペダルが遠いです、ペダルを手前に調整します。 コックピット内部のスイッチ類点検をリストを見ながら左後ろ側から時計方向に見ていきます、大事なのはスロットルの位置とかフラップの操作スイッチです、E/Gが回り始めた時に油圧がかかると各舵やフラップ、スピードブレーキなどが勝手に動いては困るからです。点検していると整備員が電源車を始動して発電機を回し始めます、バッババッグゴゴーッという電源車の爆音が左後ろから聞こえてきます。風向きによってはディーゼル排気の臭いもコックピットに入ってきます、J47エンジンは比較的静かなので耳栓無しでイヤーマフのみで十分遮音します、防音具なしでもコックピットでは耐えられますがこの後、整備タクシーが必要な場合はヘッドフォンとマイクの付いたヘルメットを装着します(パイロットのお古です)。 電源オフの点検が終わると電源車の整備員に見えるように左腕を出します、人差し指を1本出して機体に外部電源を入れるように指示します。このときに姿勢指示器のケーシングノブを右手で引いて計器内部のジャイロを固定しておきます。コックピット内部でライト類が点灯し、あちらこちらからソレノイドのカチャッカチャッという音、続いてグゥーンというジャイロが回り始める音が聞こえます、ジャイロが安定したらノブは戻します。今度は電源が入った状態でまた点検です、警報灯を押すと点灯して確認できます、スロットルレバーのフリクションロックもゆるめておきます(時計回りに締め付けるとレバーが動かなくなるダイヤルです)。 点検が終わるといよいよE/G始動です、肩の力を抜いてブレーキを両足で踏み直します。電源車の整備員に指2本出してぐるぐる回し、E/G始動を伝えます、整備員のOKサインを左後ろを見て確認します、電源を入れるだけなら電源コードは1本挿入されていれば大丈夫ですが、E/G始動時には電源コードが2本差し込まれていないと始動できません、それで指を2本出すのです。 はじめに右コンソールにあるガードを上げてE/Gマスタースイッチ"ON"にします(ガードはトグルスイッチが動かないようにする茶色のカバーです)。E/Gスタータースイッチを中央位置から手前の"START"位置に約3秒ほど引いてスターターを回します、その後は前方に押してBATT位置にしておきます(3ポジション)。お尻の下の方からグゥーンと低いうなり音とともにE/Gが回り始めます、RPMがくるっと回り始めます。 RPM(E/G回転計)が3%になったらスロットルレバーをアウトボード:外側に倒します、スロットルレバーは前後だけでなく5度くらい外側にも傾くようになっています、これでプラグに電源が入ってスパークを始めます、RPMが6%になったらスロットルレバーを少しずつ前に押していきます、これで燃料のバルブが開き、E/Gに燃料が供給され、E/Gに火が入ります、油圧が回り始めて両足のブレーキはすっと軽くなり、操縦桿も軽く動くようになります。 スロットルレバーを前に動かすとフューエルフロー(燃料流量計)の針も動きます、最初は550PPHで維持します、EGT(排気温度計)がグッと上がり始めればE/Gに点火したことになります、E/Gが回るかん高いぎゅいーんといううなり音にかぶさるように後ろからグォー、ゴォー!というように排気音がだんだん大きくなって聞こえてきます。風向きによってはフッと排気の暖かい風が顔をなぜるとともに少しケロシンの臭いも感じます。 EGTが700℃を超えないように注意しながらスロットルレバーをじりじりとアイドル位置まで前方に押していきます、無事にアイドルポジションにセットできれば計器の点検をして問題なければ外部電源を切ってもらいます、左腕を出してカットのジェスチャーをすると整備員が電源車のスイッチを切り、電源コードを引き抜いてパネルを閉じてくれます。 ところで「ペガサス」と聞いて思い出すのはC-46「天馬」です、輸送航空隊と飛行点検隊のC-46に乗ったことを思い出しました、翼面加重が低くて与圧もないため低高度を這うように飛行します、気流の乱れをもろに受けてすとんすとんと落ちては上がりの飛行でした。コックピットを覗くとパイロットは腕まくりをして操縦桿と格闘しています、ときどきセンターコンソールにあるトリムホイール(直径30cm位で結構大きかった記憶があります)を回しながら操縦していました、まさに男の職場でした(笑)、戦時中の米陸軍では女性が操縦したこともあると思いますが信じられません。また3点尾輪式ですから離陸するまではパッセンジャーは本当に斜めになっていました、離陸加速中はほとんどなぎ倒された状態でした(笑)。 』
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ラインの取り回しは空自機を参考にする。大体こんな感じ。アップだと、コネクタがオーバースケール。 |
横から。空自機どおりにすると、ラインで折角のトルクリンクのディテールが隠れるので、そこはフィクションを入れる。 |
結局、用意したコーションの全部はウザイので貼りきらず、雰囲気重視で適当に間引く。インレタは一字一句忠実に再現したものの、貼り付けミスもあったりで、最後は字面だけ合わせてテキトーに貼っちゃう。この作業で作品の完成度が上がったのか下がったのか。お金はホビデカ含め4〜5千円もかかっているんだけど・・。ともかく、版下のエクセルファイルをアップする。フォントは以前公開したものを使用のこと。
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インレタ貼って、1回目のクリアを吹いたところ。ちょっとコーションが目立ちすぎで鬱。マーキング面がギラギラしてるし。 |
もう一度、デカール、インレタの凸凹含め、全体を#1500ペーパーで軽く均した後、ガイアのセミグロスクリアーを薄く全体に吹いて、最終的な仕上げとする。表面が半艶消しになることで、マーキング塗装面のテカリが無くなり、スケールモデルとしての落ち着きが生じる。反面、アルミ地肌のギラギラ感も若干スポイルされるが、損得勘定すれば半艶が優るかな。この辺は好みの部分も大ではある。
キットのデカール、CEDのステンシル・デカール、ホビーデカール・インレタ、いずれも無視されているが、この前脚カバーには、白い四角形のコーションのシール?がある。四角の中には赤字で記入されているようだが、詳細不明。実機写真を観察すると、多数の機に見られる。空自機にもある。四角の大きさにはバリエーションがあるようだ。 |
左側、前脚カバーの上端の形状は、胴体にフィットするように湾曲している。このあと、白デカールを四角く切り出して貼り付ける。 |
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バックミラーと手掛けを追加。 |
残るは、脚、脚ドア、エアブレーキなどの最終アッセンブリだ。
『鉛板の上にアルミ板を載せて、先を丸めた釘、ピアノ線などをハンマーで叩けば簡単にお茶碗ができます。釘、ピアノ線などそれなりの外径のものを、それなりの形状に成型し、表面をコンパウンドなどでピカピカに磨いておきます。鈍い表面のアルミ板でもピカピカのお茶碗が出来ます。 塩ビ板の上にお茶碗付きの板を裏返しに置いて、所定の径のポンチで打ち抜くとガラス付きのランプが出来ます。中に電球を予め入れておく必要はありますが。ポンチはお茶碗の径より小さければ大小を問わずOKです。』 叩く側を磨いておくのがポイントかな。メッキされた鉄球はどうだろう?これなら磨く手間もない。また、U字形に曲げた釘を使うと、小エアインテイクや、車輪の泥よけなども作れる。銅板で作るとハンダ付けも可能とのこと。
『キューーンというインテークからの吸気音とともに後ろからゴォーっというJ47の排気音が聞こえます。コックピットに座っているとアイドルでは風はあまり強く感じません、インテークから空気を吸い込み、ノズルから排気しているわけですからかなりの逆風でもない限りコックピット付近の風は前から後ろに流れています、帽子が飛ばされない程度です。 エンジンがアイドルポジションに入るまでには多くの関門があります。E/Gスタート時にボルトメーターが15V以下に落ちたらすぐにストップスターターボタンを押して始動中止です。この場合は電源車を交換して再度始動を試みますがスターターモーターの冷却のため、1分以上の間隔を置いて30分間に3回までの制限があります。点火後はEGT(排気温度)が950℃を超えてしまった場合も直ちにエンジンを停止して整備記録に記録、エンジンを機体から降ろしてタービンを分解、ホットセクションの検査をしなければいけません、従って何が何でもこのホットスタートは避けるようにします。 エンジンが5秒以内に点火しない場合もストップスターターボタンを押します。エンジンスタート後、RPM(エンジン回転計)が1分以内に23%に達しない時も始動中止です、E/Gスタータースイッチを入れる時には必ず同時にストップウォッチを回します。 エンジンスタートから2分以内にアイドルポジションに持って行かなくてはなりませんが、スロットルレバーを早く前に動かすと排気温度が上がり過ぎ、ゆっくり動かしていると2分以内にアイドルポジションまで達しません。 排気温度計を見ながら750℃ぎりぎりに針を保つようにスロットルレバーを前進させていき、アイドルポジションにセットします。ちなみにエンジン始動はマニュアル操作でアイドルにセットするF-86Fが一番難しいです、T-33AもF-104、F-4、F-15もみなオートスタートですからスイッチ入れてなにがしかの操作をすればアイドルまで自動的にセットされます。 エンジンはアイドルの36%プラマイ2%で落ち着けばOKです、ジェットエンジンでは暖機運転などは不要です、すぐにフルパワー(100%)に回しても問題有りません(後方には注意)、しかしアイドルから63%の間はエンジン回転数の加速はあまりよくありません(レスポンス悪い)、これはJ47の特性です、70%以上ではスロットルレバーの動きにすぐに応えてくれます。 他の飛行機が後ろにも並んでいるエプロンでは無理ですが回りに障害物のないランナップ場などでレバーを一気に前に押して70%から100%にエンジン回転が加速する時はものすごく気持ちいいです、E/G回転計の針は一気に跳ね上がり、EGT、オイルプレッシャーなど目前の計器類がフルパワー時の値に一斉に動き出します、エアインテークからはかん高い吸気音が空気を切り裂き、排気音は一段とパワフルになります、夏などはコックピット内のエアコンダクト(キャノピーの内側曇り止め)から蒸気のように白いブリードエアー(エンジンで300PSIに圧縮した空気を冷却してコックピットに流入させる)が噴出します。 キャノピーを開けていると回りの空気が渦を巻いて動いています、右側のトグルスイッチを前に倒して(ウィーンという音がして)キャノピーを閉めると音は1/10程度にかなり静かになりますがエンジンの振動はすごいです、時々機体が大きく揺れます(推力による作用反作用と思います)。ブレーキを思い切り強く踏んでいますがノーズギアのストラットが推力に負けてガクンと落ちて機首が下がります、初心者の頃はこれだけのパワーを操っているという快感でぞくぞくしました(クルマと違って荒々しさがありました)。 ところでF-86Fのスクランブル発進時は駆け足でパイロットが乗り込んだら機体の左右に整備員が上って左側の整備員がエンジンスタート操作を開始します、右側に上った整備員はパイロットが落下傘のショルダーを肩にかけてベルトを締めたりヘルメットを装着、無線プラグを付けたりするのを助けて終わると飛び降ります、エンジンをスタートしている整備員はEGTやRPM、警報灯を見ながら右手をコックピットに入れてスロットルレバーをアイドルに持って行きます。 パイロットの準備が整うまでにアイドルにしないとパイロットから「どけ!」と言われて手を払いのけられ屈辱を味わいます(笑)、無事にアイドルにセットすればハンドグリップを格納してすぐに機体から離れます、パイロットに合図してチョーク(車輪止)を外し、整備員の誘導なしでF-86FはE/G吹かして飛び出していきますが緊張感もありずいぶん格好良かったです。』 映画「追撃機」でも、離陸前のF-86が滑走路端でブルブル震えているシーンがあるが、まさにそれだ。
『この小ボックスは脚のシザースイッチとなるマイクロスイッチのボックスです、シザースイッチとはF-4で使用する名称ですがF-4ではトルクリンクの事をシザース(はさみ)と呼び、そこに装着しているスイッチをシザースイッチと呼称します。 このスイッチの役割は、地上では脚のストラットが縮んでいる場合はスイッチがOFF状態になるように調整セットしてあります。スイッチが入っていなければ機体は電気的にグランドの状態となり、エンジンが回っている時に間違えて脚のレバーを上げても脚格納の油圧システムは作動せず安全です、また弾丸を装填中にトリガーを引いても機銃は発射しません。 ほとんどの航空機はこのように脚のトルクリンクに安全スイッチを装備しているはずです。自衛隊機ではボックスの色は緑色で配線は白の絶縁線に防水のため透明ビニールのチューブが被さっていました。』 なお、写真で確認すると、朝鮮派遣機は銀色のようである。
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アクチュエータへのパイプは、ブレーキパイプと同様、焼き鈍した0.5mm真鍮線+0.7mm真鍮パイプ(無塗装)。 |
右舷側。あとでスミ入れしてやろう。 |
主脚のカバーと脚をつなぐリンケージ・ロッドの工作法には、随分と悩む。写真から寸法を起こすと、脚につく円形部分が直径0.6mm、ロッドの太さは0.2mmくらい。ハンダ付けも考えたが、結局エバーグリーンだかのプラ丸棒(φ0.7mm)にプラ角棒(0.3×0.4mm)を接着し、丸棒にピンバイスで0.3mmの穴を開け(あらかじめ中心に針を打っておくと位置がズレない)、延ばしランナーを通して脚に取り付ける。 ちょっとオーバースケールだが、ブレーキラインなども太めなので、組んでみるとそれほど違和感ない。ロッドは前から見て斜めになる。角度をきつめにしてロッドの長さを稼ぎ、少しでも細く見えるように小細工。本当はカバーとの取り付け方法も一部異なるが、この際無視。 |
左舷主脚の取り付け状況。前方から見たところ。脚柱と脚カバーをつなぐロッドは、実物よりやや太め。 |
同じく左舷主脚を内側から見る。車輪にもウェザリング・マスターの黒を水で溶いて汚しをかける。 |
同じく左舷主脚を後方から見たところ。脚柱には真鍮の芯が通っているので、強度は十分。 |
前脚カバーは、「く」の字の角度を修正する前の状態。この後、下半分を切ってもう少し上に寄せて接着。 |
カバー開閉ロッドは、キットパーツに0.5mm洋白線を継ぐ。ドア後方のアウトレットも0.1mmアルミ板にて追加。 |
前脚収容部のロッド類は、キットパーツにディテールを追加工作する。 |
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ピトー管はファインモールドの真鍮挽き物。翼端灯、胴体下部の航法灯はクリアランナーを水滴形に削り出す。画像は裏返して翼下面側から撮影。 |
落下タンクのステーは真鍮棒を削る。ピトー管ともアルミカラースプレーを吹いてからクロームシルバー吹き付け。 |
これで製作は99%終了。エクステリアは100%完で、脚庫などに若干のやり残しがあるが、気が向いたときに手を入れるつもり(←いつも「つもり」だけだけど)。完成写真がまだで、撮影後にページ更新して最終回とする予定。 |
ということで、一応の完成、記念撮影。 |
『定期点検でエンジンを分解検査した後、あるいはエンジン交換後はサイレンサーにセットするかランアップエリアに機体を移動してエンジン出力 100%などの試運転をします。今回はタクシーしてランアップエリアに向かう場合を説明します。 エンジン始動後、アイドル状態で各機能チェック、計器の点検をした後にタクシーしてランナップエリアまで移動します。コックピットに座ると大型トラックの運転席より少し高い位置で見晴らしはいいです。左右を見渡しても後退翼のおかげで左右真下が見渡せます。以前、名古屋の三菱重工で復元零戦のコックピットに特別に座らせていただいたことがありますが左右かなり前方まで主翼が張り出してまったく下が見えないのに驚きました、ジェット機は後退翼ではないT-33Aでもエンジンがパイロットよりも後方に位置するため機体重心と主翼が後ろで左右下方の視界が広いのです。 それではラジオのスイッチを入れて管制塔のグランド(地上管制)を呼び出します。入間タワー、こちら758(機体番号)、ランナップエリアまで地上タクシー許可願います。了解758、ランナップエリアまで地上滑走を許可する、QNH…、気温…(データーとして記録します)、ランウェイ35……(飛行するわけではないんだがいつもの癖でしょうね)。 やっと準備ができました。ブレーキを踏んだまま整備員にチョークアウトのサインを出します、整備員からOKのサムアップを確認したらタクシーアウトのサインを出し、約70%までスロットルレバーを前に出します、同時に両足のブレーキを離して機体が動き出したらすぐにスロットルレバーをアイドルに戻します(グゴォー!音大きく、続いてヒューンと音が小さくなる感じです)。このとき右手は操縦桿を握っており、右手の小指位置の赤いボタンを押すとステアリング装置に油圧がかかりますからブレーキをゆるめた足でラダーペダルを左右に踏み込めばノーズタイヤが左右にステアします。 機体が動き始めたらすぐにスロットルを戻してステアリングを切って機体を左右どちらかに旋回させてタクシーウェイに向かいます。ノーズギアはパイロットのほぼ真下にありますから片方のラダーを足で踏み込むとグイッとステアリングは切り込んでいきます(最大21度)、乗用車よりもタイヤ位置が近いのでかなりクイックです、ただし切りすぎてもすぐに修正可能です。整備員の誘導に従って機体がするするっと動き出してから数メートルですぐに左右どちらかに回ります、このときに隣の機体に大推力の排気流をあびせて損害を与えないように機体が動き出すとすぐにスロットルを戻すのです。 タクシー速度は歩く速度が基本です、パイロットによってはかなり速度が速い人もいますが制限速度という概念はありません、アラート発進時はものすごい速度で滑走路に向かいます。まだエプロンですから辺りに注意してゆっくり滑走します、速度が落ちてきたら少しスロットルを出して調整しますが車などのようにアクセルの踏み加減で速度を微妙に調節することは出来ません、速度が落ちたらスロットルを出すと少し遅れて速度が上がり始める感じです、速度が出すぎればブレーキを踏んで速度調節しますがこれは車と同じ感じです。慣れない内はステアリングの効きがクイックで直進が難しいです、若干蛇行してしまいます。 タクシーウエイに入ると若干速度を上げても大丈夫です、スロットルを少し出すと徐々に速度が上がります、タイヤはまだ自重(6.7t)で変形したままなので若干の突き上げがリズミカルに感じますしコンクリートの継ぎ目を踏み越えるときもガタッと感じますが機首のストラットは結構柔らかく伸縮します、F-4EJの場合は重量(21t)が大きいので変形もひどく、ガタ、ガタ!っと機体が大きくきしみますがF-86Fはそれほどではありません。中央の黄色線を目印に真ん中を走っていきますがステアリング操作しない方が直進性は良いので直線部分では操縦桿のステアリングボタンは離しても大丈夫です。 雨が降っていなければキャノピーは開けたままで滑走しますが雨の日は戦闘機にはワイパーがないのでレインリムーバーを作動しま す、スイッチを入れるとE/Gのコンプレッサで圧縮された空気圧で前面風防の雨滴が吹き飛ばされます、圧縮空気の温度は300度以上なので前面防弾ガラスの下部には菱形の温度センサーが付いており、温度が上がりすぎると警告灯が点灯するようになっていました、従って地上ではレインリムー バーは入れっぱなしにはしません。防弾ガラスは合わせガラスなので温度差で亀裂が入る恐れがあります。 ランナップエリアまでの地上滑走は緊張しますが楽しい思い出でした、整備員による地上滑走が許可されていたのはT-34、C-46、F-86F、T-33Aだけだったと思います、パイロットが教官や試験官となる地上滑走免許の取得も必要でした。いずれにしても大変貴重な経験でした。』 |
完成 |
しかもその間あまり浮気もせず、ストイックにセイバー一筋。まあ、最後12月以降少しダレたけど。出来の方は、技術不足や手順の悪さ、あるいは考証ミスで不出来箇所が(あえてどことは言わないが)多々あり、課題も残るが、本物のアルミニウムだけが持つ圧倒的存在感は、大いに満足できるもので、苦労は報われたと思う。 途中、何度か集中力が途切れそうになったが、皆さんのサポートのお陰でここまで来ることが出来た。考証面で大いにお世話になったソリッドのK名人をはじめとする諸氏、また毎日カウンタをくるくる回してくれた読者諸兄に改めて感謝申し上げる。
アルミ表面仕上げは、実機より輝いている。これは金属感を前面に押し出し、模型としてのインパクトを重視する方向性。実機のリアリティを追求するなら、もっと艶消し方向だが、折角の金属感も減るわけで、このあたり悩ましいところ。言い訳すれば、実物のF-86のアルミ表面も機体により様々で、朝鮮戦争当時の実機写真を見ても、本作品くらい輝いている機体は存在する。全体の平均値、あるいは"Mig Mad Marine"についていえば、もっと艶消し方向ではあるが。 実は、本作ぐらいの輝きが、一番作業しやすい。日本機、あるいは共産国ジェットのような白っぽい艶消しの状態は、案外デリケートで難しく、むしろ銀塗装の方が適しているかも。ライバルMig-15をフラットベース+各種銀塗料でやってみたいと妄想したりして。また、キンキラキン鏡面仕上げは、表面の細かい傷を磨き落とすのに大変な労力を要する。いずれにせよ、最終的には作者の好みの問題ではあり、私としては狙いどおりである。
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参考資料 |
-10、11も定番。-13、14は最近購入。カラー写真も豊富でおすすめできる。-15はオールカラーの記録写真集。エアモデラーなら必携の一冊。-16もカラーの優れた写真多数。-17〜19はスコドロ社おなじみ縦長の薄いやつ。モノグラフではないが、メインは朝鮮戦争のセイバー。見つけたら確保して損なし。 映画「追撃機」のDVDをレンタル。撮影は戦争後で、使用機は翼スパンが延長されスラットが復活したF-86F-40だが、CGでない本物が飛び回る映像にはシビレる。モティベーションの維持に絶好。コクピット周囲など細部の参考にもなる。Mig-15に扮するF-84Fも必見。ついでに「トコリの橋」もレンタル。着艦するF9Fパンサーもシビレるぞ。 読み物としては、「F-86セイバー空戦記 朝鮮上空の死闘/ダグラス・K・エヴァンズ著/光人社NF文庫」がおすすめ。A、E型に搭乗してMigと戦ったパイロットの手記。エースでなく派手さはないが、当時の状況がよく分かる大変よい手記である。 さらに-12のウォーペイントも購入。米軍、空自以外のセイバーなら、この本。ただし、塗装図などの考証は、一部甘い部分があるので要注意。 さらにさる方面より文献-20以下の画像も入手(2010.11)。 |
1 | 新版世界の傑作機 No.20 ノースアメリカン F-86 セイバー | 文林堂 |
2 | 新版世界の傑作機 No.93 ノースアメリカン F-86 セイバー ISBN4-89319-092-X | 文林堂 |
3 | 旧版 世界の傑作機 F-86D/K/L セイバー | 文林堂 |
4 | 丸増刊号 グラフ特集F-86セイバー | 潮書房 |
5 | モデルアート臨時増刊No.302 F-86Fセイバー 航空自衛隊のF-86セイバー | モデルアート |
6 | 航空ファン別冊 エアコンバット No.6 | 文林堂 |
7 | 航空ファン別冊 エアコンバット No.7 | 文林堂 |
8 | 航空ファンイラストレイテッド No.27 朝鮮戦争航空戦 | 文林堂 |
9 | 精密図面を読む 5 初期の米軍ジェット戦闘機 | 酣燈社 |
10 | F-86 Sabre In Action Aircraft No.33 | Squadron/Signal Publications |
11 | Walk Around F-86 Sabre Walk Around Number 21 ISBN 0-89747-409-0 | Squadron/Signal Publications |
12 | Canadair and Comonwealth Sabre (Warpaint Series No.40) | Warpaint Books |
13 | F-86 Sabre Aces of the 4th Fighter Wing (Aircraft of the Aces) ISBN 978-1-84176-996-7 | Osprey Publishing |
14 | F-86 Sabre Aces of the 51st Fighter Wing (Aircraft of the Aces) ISBN 978-1-84176-995-0 | Osprey Publishing |
15 | Korean Air War ISBN 0-7603-1511-6 | Motorbooks International |
16 | Air War Korea 1950-1953 ISBN 0-7603-0551-X | Motorbooks International |
17 | Air War Over Korea ISBN 0-89747-415-5 | Squadron/Signal Publications |
18 | Mig Alley ISBN 0-89747-081-8 | Squadron/Signal Publications |
19 | Planes, Names & Dames Vol.II 1946-1960 ISBN 0-89747-291-8 | Squadron/Signal Publications |
20 | North American F-86 SABRE ISBN 1-86126-358-9 | Crowood Press |
21 | F-86 Sabres Of The 4th Fighter Intercepter Wing ISBN 1-84176-287-3 | Osprey Publishing |
22 | F-86 Sabre Fighter-Bomber Units Over Korea ISBN 1-85532-929-8 | Osprey Publishing |
23 | Osprey Aircraft of the Aces 4 Korean War Aces ISBN 1-85532-501-2 | Osprey Publishing |
24 | Warbird Tech 3 F-86 Sabre Jet Day Fighters ISBN 0-933424-66-3 | Specialty Press |
25 | F-40 Flugzeuge der Bundeswehr 17 Canadair Sabre CL.13B Mk.6 ISBN 3935761171 | ??? |
26 | 旧版 世界の傑作機 F-86Fセイバー | 文林堂 |
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