FM-2 ワイルドキャット製作記 その3

2012.5.1初出

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■ マートレット各型解説 1/23追加

 英海軍で使用されたマートレット、Mk.IからVIまであって複雑。ちょっと調べだしたら深みにはまる。折角だからこの機会に、各型式の外形と、塗装について整理する。内容たっぷりなので2回に分け、今回まずは各型外形から。次回更新で迷彩パターンと塗色を検証する。渾身の考証だから、特に図面の精度はそこらへんの出版物には負けないつもり。これからマートレットを作る方は、是非参考にしていただきたい。お気づきの点あれば、ぜひご連絡願う。なお、以下では読みやすさと誤記防止からローマ数字を適宜アラビア数字にて表記する。

マートレットMk.I 

ライトサイクロンR-1820、カウルフラップなし、リップインテイクあり、ハミルトンプロペラ、非折り畳み主翼、機銃2(片側、以下同様)。外側機銃はかなり外側。風防位置が後退し、その分スライドキャノピが短い。小径尾輪装備機もあり、尾部フックフェアリングなし。


マートレットMk.II 

ツインワスプR-1830、カウルフラップ1枚、リップインテイクなし、カーチスプロペラ、砲弾形スピナ、折り畳み主翼、機銃3(F4F-4と同じ主翼)、風防追加枠あり。


マートレットMk.III 

F4F-3Aと同じ。ワスプR-1830、カウルフラップ1枚、リップインテイクあり、カーチスプロペラ、凸形スピナ、非折り畳み翼、機銃2、風防追加枠あり。


マートレットMk.IV 

ライトR-1820、カウルフラップ1枚(Mk.II、IIIと比べると位置が高い)、リップインテイクなし、ハミルトンプロペラ、折り畳み主翼、機銃3(F4F-4と同じ主翼)。


マートレットMk.V (後にワイルドキャットMk.Vと改名)

FM-1と全く同一、すなわちF4F-4とは外側機銃の有無を除き同じ。
ワスプR-1830、カウルフラップ4枚、リップインテイクあり、カーチスプロペラ、凸形スピナ、折り畳み主翼、機銃2。


ワイルドキャットMk.VI 

FM-2と全く同一。ライトR-1820、カウルフラップ1枚、リップインテイクなし、カーチスプロペラ、折り畳み翼、機銃2、垂直尾翼延長、主翼オイルクーラーバルジなし。


 これで写真を見て型式の判別がつくね。既存文献でも間違いが多いぞ。基本はP&Wツインワスプの長鼻がMk.2、3、5、ライトサイクロンの短首がMk.1、4、6。

作図メモと補足

 Mk.1については、排気管部分にバリエーションがあり、カウル切り欠きが小さいもの(インアクションp41など)と大きいもの(現存機やインアクションp42)がある。図は小さい方。胴体小アクセスパネルなどは不明なので、基本的にMk.6のコピー(他型式も同様)。平面図(次回更新時掲載予定)では、右舷エルロンの固定タブなし。主翼上面は現存機写真から読めるパネルラインのみ記入。下面はインアクションの図面に概ね従う。小丸パネルの一部は推定(F4F-3のコピー)。

 Mk.2は、左翼上面中央後方に「7」字形に突き出したピトー管を装着した機体あり。Mk.2の一部機体とMk.4以降のピトー管は左翼端にL字形で、Mk.1、3は左翼中央に真っ直ぐ。

 Mk.4は、斜めの写真から機首の図面を起こしているので、寸法はやや甘い。基本のシルエットはMk.1と同じと仮定して作図するが確証はない。水平尾翼端から胴体(ラウンデル付近)にIFFアンテナが延びる機体あり。

 Mk.5は、基本がFM-1と同じでも、アンテナ柱は無しと斜めと垂直の3種があり、胴体下のIFFアンテナ柱、バックミラー、小径尾輪と、英海ならではの変更が見られる機体もあり、注意が必要。胴体背中の航法灯が2つになりホイップアンテナがつくのはMk.5の途中からか?(米海型では-4の途中から航法灯が2つ?)

 Mk.6は、これまで解説しているが、改めて整理すると、尾翼側アンテナ線取り付け、胴体側面排気管の凹み形状、スピナ、頭部防弾板まわりにバリエーションあり。バックミラーはキャノピ内。Mk.6のみ推力排気管で、Mk.1から5までは下面に集合排気管(形状はそれぞれ異なる)。

 胴体下面の3色灯がよく分からない。Mk.2では全くなし。米海型では記録写真のF4F-4でFM-2と同じ位置にあるのが確認できる。また現存のF4F-3でも同位置にあるが、当該機の胴体が本当に-3かどうか。

シリアル

 シリアルと機数は以下のとおり。ここからも型式の判別可能だが、Mk.1と3にダブりあり。

 Mk.1 AL236-262,AX725-738,AX824-829,BJ507-527,BJ554-570 (81)
 Mk.2 AM954-999,AJ100-153 (100)
 Mk.3 AX725-747 (USN3875-3940) (30)
 Mk.4 FN100-319 (220)
 Mk.5 JV325-636 (311)
 Mk.6 JV637-924,JW785-836 (340)

短首型比較

 サイクロン装備の短首三姉妹、並べて見た方が分かりやすい。下図は上からMk.1、4、6。風防とカウル後端に注目。同じエンジンでもカウルの深さが違う。Mk.1、4のカウルは浅いが、その分胴体が長くなる。スピナ除きの全長は、Mk.6とほぼ(か全く)同じ。一方、長鼻Mk.2、3、5はアウトラインの基本形はF4F-3、4あたりと同じ。F4F-3ではインテイク、カウルフラップ、風防枠などに変化があって複雑だが、マートレットでは同一型式では同じである。



■ マートレット塗装解説 1/26更新

 次に迷彩塗装。FAAマートレットの温帯海上迷彩(temperate sea scheme)は、Mk.1、2&4、5&6の3パターン。Mk.1〜4はグラマン、5と6はゼネラルモーターズと、製造者が異なるからパターン違いもリーズナブル。Mk.3はアフリカ行きでUS仕様のライトグレイ後に現地塗装の熱帯陸上迷彩で、温帯海上迷彩はない。自分で調べると、既存文献の塗装図は極めていい加減で全く信用できないものが多いことが分かる。

 検証にあたっては、マートレット各型の写真を可能な限り(70枚ほど)集め、型式ごとに分類し、塗り分けラインやマークのサイズをチェックして、まあ9割方合ってると思う。上記3パターンから外れる独自パターンは、70枚のうち2、3枚ほど。胴体左右や主翼との辻褄が合わない「模型に塗れない」塗装図にならないよう配慮したつもりだが、ビミョーな誤差は許してちょ。個体ごとのブレもあり、そこは作図ではテキトーに処理。厳密には元写真を参照願う。

 なお以下の図では、右舷は特定機の塗装例、左舷のラウンデル、フィンフラッシュ、DDストライプはバリエーションの一例を示す。いつものWing Tip掲示板で各方面より貴重な情報を頂く。毎度感謝。

Mk.I

 Mk.1の迷彩パターンはグラマン社図面23350-3(後掲)にあり、実機写真を見ると忠実に図面どおりに塗り分けられている。一方、色調はかなり複雑。当初は米国内において、艶ありの上面シーグリーン28とフラッグブルー24、下面ライトブルー27で塗られ、これは熱帯海上迷彩(tropical sea scheme:上面ダークメダタレイニアンブルー/エクストラダークシーグリーン)を模したものらしい。マーキング類は米国のインシグニアレッド、同ブルー等となる。

 その後英国内において上面のみ温帯海上迷彩(EXダークシーグレイ/ダークスレートグレイ)に塗り直され、ラウンデルやフィンフラッシュ、スカイの胴体帯などが必要に応じて塗り替え/追加されたが、802Sqnのみ米国迷彩のまま使用したとか。以上は参考文献-20のOn Target Special No.2による。

 右舷塗装図は、804スコードロン所属機。モノクロ写真で上面2色の明度差があり、本当にダークスレートグレイか?という疑念はあるが、それが退色したものとして作図。胴体のA1タイプラウンデルは、黄色の幅が半分の変則形で36インチ。左舷キャノピ後方胴体にディズニーのプルートが描かれる(文献-20にイラストあり)。プロペラブレードは黒だが同隊他機は銀。作図では省略してるが、上側カウルだけ他機から持ってきたかのように右舷側に下面色らしきものが見える。左翼下面の黒(1940年11月より導入)は議論の余地があろう。私は、時期違いでブルーも黒も両方あり説を支持。黒のときブルーの右翼下面ラウンデルにも細黄色フチがつくか。

 左舷塗装図の迷彩色は米国で塗られたオリジナルを示す。上面2色の明暗が逆転するので要注意(EXダークシーグレイ→シーグリーン28、ダークスレートグレイ→フラッグブルー24)。パターンは同じ。下面は、米国ではもちろん黒には塗られていない。渡英後は知らんが。左舷ラダーの塗り分けラインは、後ろに向かってほぼ45゚で下がっていく。

 Mk.1って、形といい、色といい、マーキングといい、ちょっと変わっていてミステリアスで、模型的に面白いアイテムだね。





Mk.II & IV

 Mk.2&4のパターンは、もう1つのグ社図23350-6にあり、これも実機写真を見るとほぼ忠実にそのとおり。違う箇所は、写真で確認できた塗り分けラインとお考えいただきたい。こちらの配色はエクストラダークシーグレイ、ダークスレートグレイ、ダックエッグブルーと記述されている。

 グ社図では上面ラウンデル54インチ、下面51インチとあるが、実機は外側寄りで小振り(サイズ40インチ、翼端から中心まで50インチ)が多数。Mk.4では内寄り大サイズ(Mk.5以降と同じサイズと位置で胴体はA1タイプ)もある。胴体はA1タイプで42インチ、C1タイプだと36インチ。シリアルの位置サイズもMk.2、4共通。作図はMk.4だがMk.2も同じパターン。Mk.2で配色逆転となる機体あり。平面図の赤線はMk.2の「7」字形ピトー管の位置、緑は側面形状を示す。




Mk.V & VI

 Mk.5&6のパターンを示す公式図は、残念ながら手元になく、写真からの読み取りが全て。前半と主翼はMk.2&4のパターンを左右反転かつ配色逆転したものに近い。ただし尾部は別物。総じて大戦後半の単発機の一般的パターンに近く、一部不明な個所はこれに倣う。配色は、Mk.5のカラー写真で確定的。大戦後期はミラーや配色逆転の迷彩スキムがないのが通例だから、Mk.5、6ともこれ一つのみだろう。

 上面主翼ラウンデルは大きくなり内寄りに記入(サイズ54インチ??、翼端から中心まで80インチ。ただ54インチで作図すると、翼前縁との間隔が微妙に合わず、図はわずかに小さめ。理由不明。翼の湾曲か?規定が52〜3インチとか?)。下面32インチ、胴体36インチ、フィンフラッシュ24×24インチ(11:2:11)。風防付近の塗り分け線が風防にかからないように見える写真に基づき作図するが、もしかするとかかって正面窓枠はダークスレートグレイかも?(カラーで何となくそう見える)






■ 補足と蛇足 

塗装考証根拠

 ここで、根拠資料の一部を掲載。下の塗装規定図(画像は一部)は、On Target本によるとグラマン社作成とされ、左が23350-3、その配色はエクストラダークシーグレイ、ライトシーグリーン(!)、ダックエッグブルーとある。この配色はどこから来るのか?しかも実際には塗られてないし。謎多し。右が23350-6。こっちはまとも。




Mk.1の塗装図。残念ながら右舷は手元にない。画面外の記述を読めば、主翼上下はAタイプ40インチラウンデル、胴体A1タイプ42インチ(1:3:5:7)となるが、実際は36インチ(1:3:5:6)。  


Mk.2、4の塗装図。これも右舷手元になし。主翼上面Bタイプ54インチ、下面Aタイプ51インチと読める。画面外の記述で胴体はA1タイプ42インチ、フィンフラッシュ各色8×27。


 マートレット各型は基本的に米国内で塗装されたと考えられる。根拠は、工場か倉庫か、米国向けと並んでラウンデルまで塗装済みの迷彩機の写真が残っている。その色調が英国純正塗料(シーファイアやシーハリの塗色)と較べてどうか気になるところ。ネットで拾ったカラー画像で検証すると、少なくともMk.4、5はよく似た色調だ。



米国塗料で塗られたG-36A(後のマートレットI)。シーグリーン28とフラッグブルー24の色調が推測できる。プロペラ端は三色。

現存するマートレットI。右翼下面にオリジナルのライトブルー27が見えている。

リップインテイクなし、ハミルトンペラ、エンジンでMk.4と分かる。カウル右舷前面は緑っぽく見えるかな?

こちらはMk.5。レターで裏焼きでないのが分かる。カウル左舷はダークスレートグレイ。インテイク脇に塗り分け線。小径尾輪、アンテナ柱なし。


 以前引用したIPMSストックホルムの記事では、GM製ワイルドキャットの機体内部全て(カウル内側から脚ストラット含む)はインテリアグリーンとされるが、このMk.5ではスカイ。ということはシーブルーのFM-2では?

補足

 前回更新の塗装図の解説。Mk.2「B」AJ132は所属部隊不明。胴体ラウンデルは変則A1タイプの赤のみ大きくしたように見える。主翼下面はAタイプ40インチ翼端から50インチ。上面はおそらくBタイプ同サイズ同位置だろう。ピトー管形状は不明だが、時期的に7字形かな。

 Mk.5「B」は空母トラッカー搭載846スコードロン所属。シリアル不明。右舷カウル後方に何か文字があるが読めない。無理に読めばLues LadyかLues Luckyか。意味は・・・・戦場のユーモア? 主翼ラウンデルは一般的なMk.5のもの。主翼上下にDDストライプあり。位置は今回掲載の平面図のとおりで、上側はフィレットまで白(おっと、側面図は間違ってるな・・)。アンテナ柱、ミラー、航法灯、IFFアンテナ、尾脚等は側面図のとおり。





■ プロペラと脚 2/9更新

 サッチ機、お絵かき、マートレット考証の寄り道が一段落。ようやく本来のFM-2の製作に戻る。読み返すと3ヶ月の放置。

 FM-2のプロペラは、カーチス製パドルブレード、カフスなし。スピナは2種あり作品の機体は後期の砲弾型だが、スピナが違ってもブレードは同じ。これはタミヤモスキートをベースに削る。ハブはランナーの組み合わせ、スピナはタミヤP-47から。脚関係はF4F-3よりは真面目に手を加える。内部のトラス構造は実物とはやや異なる箇所もあり。ま、横から脚収容部を覗いたときのチラ見えで。レジンパーツ入りの重い胴体を支えるため一部に真鍮線を使うが、あまり意味ないかも。プラでもトラス構造になると結構強い。



FM-2になると、増大したエンジンパワーを吸収するためにプロペラが幅広になる。左はベースのタミヤモスキートのプロペラ。

脚周りはテキトーにディテール追加。がっつり作り込んでも黒く塗るとよく見えないから、雰囲気だけ。


 あとで資料を見返すと、脚の取り付く板の穴は3つでなく2つが正解。何を勘違いしたんだろう?


■ シートと小物

 シートは安直にタミヤP-47、シートベルトはファイモールド。素晴らしいディテールだ。ややプラが硬いがクネクネと何回か折り曲げ、柔らかくしてから折り癖をつけるとよろし。ABSなのでスチロールのように折れない。

 パイロット頭部後方の防弾板が悩ましい。初期のFM-2では、それ以外の型と同じくバルクヘッドと一体で、大きなヘッドパッドがついている。一方現存機では、F6F-5後期型のような傾斜した防弾板に小さいヘッドパッドだが、当時の記録写真でこのタイプが明確に分かるものがなく、作品の機でもどっちか不明。砲弾型スピナで小さい排気部凹みの後期生産型なので、傾斜防弾板とする。

 こいつらを塗装して組み込み、航法灯類をつければ完成だ。



シートベルトは、ご覧のとおり素晴らしい表現。問題は上手く塗れるかどうか。

ピトー管はF6F製作時に作ってある。下のは米汎用1/48。



■ 完成 2/18更新

 最後の作業。プロペラ、脚を塗装し、小物を取り付ける。前回更新時より、防弾板、プロペラハブ、キャノピレールに追加工作。アンテナ関係、航法灯はいつもの方法。ペラ先端の黄色もいつものインレタ。裏は筆塗りで手抜き。最近面倒臭くてこの程度ではエアブラシしない。ウェザリングはなしで、ラプロス#8000〜コンパウンドで磨きっぱなし。



照準器はクイックブーストのレジン。コクピット内に色を差す。

胴体下面三色灯は、バイスでざぐって色塗って、UVクリアを垂らす。お手軽に再現するにはいい方法だ。


 以上でFM-2が完成。高い尾翼と太いプロペラ、グロッシーブルー塗装で、大人びた姿の洗練された淑女が机上に現われる。胴体修正、キャノピ自作による外形の再現性には大満足。図面も起こしてリベットなどの考証もばっちりだ。ハセガワ、タミヤという秀作キットがある中、今後これらを超えるまともなキットが開発される期待は薄いから、読者諸兄には是非とも拙作図面を活用いただき、ハセタミ修正で「より正確度の高い」ワイルドキャットを作ってもらえれば望外の喜び。










 マーキングは空母サージャントベイ搭載VC-83(79という資料もあり)所属マッケロイ中尉機。インアクション旧版に1945年5月に着艦事故で尾脚とカウルを損傷した写真がある。写真をよく見ると、スピナは銀か白、コクピット右舷に1機の撃墜マークあり。落下タンクは白。これは模型的に面白いかも。同隊他機は翼下にロケットラチャーあり。ということは本機も・・ いやあ、最後の詰めが甘いな。ま、そのうち直そう。


■ FM-2戦歴

 最後に、あまり語られていないFM-2ワイルドキャットの戦歴について、オスプレイ本などから引用紹介しよう(読み間違いご容赦)。

 FM-2が護衛空母に搭載され(あるいは島嶼の陸上で)太平洋に現れたのは1944年初め。FM-2が最も激しく戦ったのは同年10月24、25日のレイテ湾の戦いで、2日間で米海軍総計341機の撃墜記録のうち102機がFM-2の所属する混成航空隊によるもの。以後、サイパン、硫黄島、沖縄と戦い、終戦までにFM-2を配備した38の航空隊が432機の撃墜を記録した。FM-2エースは6人で、トップはVC-27エリオット大尉の9機である。


■ 図面修正 2013/9/更新

 ある方のご厚意でエアロディテールを入手。これまで不明だったいくつかの細部が明らかになり、図面を加筆修正する。なお、カラー塗装図には、これらの修正点は反映されていない。悪しからず。


■ エアフィックス1/72 2016/3/27更新

 引っ越し準備のさ中、近所の模型店に挨拶方々出かけ、ついエア1/72ワイルドキャットを買ってしまう。さっそく仮り組みしてみると、なんともカッチョワルー。まず、胴体中央部が太すぎ。高さ、幅とも約2mm過大。このスケールで2mmは大きいぞ。一方でキャノピ自体は約1o低く幅も狭いので、さらに胴体を太く見せる。カウリングは、先端のサイズは正しく、太い胴体にかけて広がっていくため、テーパーがかなり強く印象が悪い。垂直尾翼も形が悪い。主尾翼はとくに問題ない。



妙に先細りに見える。鼻筋の感じは割といいのだが。

上から見ても、カウリングが先細り(正しくは中太りだけどね)。


 イメージを改善するとなると、全面的な切った貼ったになるし、キャノピも絞る必要ありだから、大仕事になる。それならハセかスウォード(同社基本はハセベース)からの方が楽だぞ。これは見過ごすわけにはいかないと、図面と比較してみる。キットの全長はやや長めだが、図面に合わせて重ねる。



写真はややパースがかかっており、そこは割り引いて見てほしい。スライドフード上端ラインの後下がりが強すぎるのも、カッチョワル・ポイント。


 結論は、秀作ぞろいのエア赤箱新金型シリーズの中で、本キットは「はずれ」。発売前に同社の3D画像を見たときから何かヘンだと思っていたけど、その悪寒が的中だ。どこの図面を使ったんだろね。キット開発前に拙作図面は公開されているはずなのに。本当に残念でならない。ハイパースケールあたりに頻繁に投稿して認知度を高めないとだめなのかなあ。

 ここは読者諸兄にも正しい認識を持っていただきたく、F4F-4の平面図を作図する。側面図の印象ほど、平面図ではカウリングのテーパーが強くない(=カウル後端では真円ではなく、縦長の楕円かつオムスビ形。一方でキットは真円に近い)。作図過程でFM-2平面図の間違い(側面図と整合していない)を発見し、こちらも修正する。胴体平面形はほぼ真下からの実機写真で確認しているので、寸法は大きく外してないはず。細部の正確度は甘い。お気づきの点はご指摘いただけると幸い。(図面はもうちょい先に掲載)


■ 図面修正 3/31更新

 最近入手の製造図面により、平面図、断面図を修正する。修正箇所は、水平尾翼平面形、防火壁断面形、風防・キャノピ正面形。


■ スペック

 FM-2製造図面記載のスペックをいくつか。

 主翼上反角:4゚31'22"
 主翼折畳回転軸:外に28゚53'10"、後ろに26゚21'40"(いずれもF6Fとは異なる)
 主翼取付角:0゚、水平安定板取付角:1.5゚
 主翼スパン:456"、水平尾翼スパン:164"
 主翼コード:胴体取付部(sta30)97.629"、翼端61.64"
 翼型:NACA23015(ルート)、NACA23009(翼端)
 水平尾翼コード:60.906"(胴体中心の仮想先端ではなく、実際の長さ)
 水平安定板前縁後退角:17.25゚
 プロペラ直径:120"


■ その他、重箱の隅

 尾脚フォーク、F4F-4は片持ち、FM-2は門型。防火壁部の三日月形スリットの画像掲載。






■ 図面大修正、胴体基準線とスラストラインと主翼取付角の関係 6/1更新

 FM-2製造図面に従い、全面的に図面改訂する。この製造図、Aircorps Libraryというサイトで、50ドルで1年間見放題というもの。ただしダウンロードはできないので、手元に欲しけりゃPrint Screenで手コキ保存するしかない。メンドクサ。

 さて、以前の側面図は、マニュアルに記載の主翼取付角(=0゚)に従い、まず実機側面写真を主翼取付角が0゚になるように置き、主翼基準線と後部胴体の円錐の中心を基準として胴体基準線を設定し、その後に写真をトレースして各部を描いたもの。その結果、スラストラインが胴体基準線より下にズレるが、そうしないと辻褄が合わない。

 ところが、今般入手した製造図面を解読すると、胴体基準線とスラストラインは一致している。一体どういうわけよ?と思ってよ〜く調べると、主翼取付角が0゚でなく約0.4゚(!)となっている。これは防火壁の主翼桁取付金具とスラストラインの位置関係やフィレットとスラストラインの位置関係から必然的に導き出される角度なので間違いない。いやあ、こんなのありかね。まあ確かに0.4も四捨五入で0だから間違いではなく、安直に厳密な0゚と勘違いした方が悪いんだけどねえ。

 ということで、この胴体基準線に従って描き直し、新版をver.3シリーズとする。図面としては根本的な訂正で、ほとんどの描画要素が描き直しになるが、旧版も基本は写真のトレースなので、新旧どっちをベースにしても出来上がる模型にはそれほどの差はない。旧版で模型を作られた方も安心していただきたい。平たくいえば、新版は旧版を0.4゚時計回りに回転させたものにほぼ等しい。もっとも、基準線に垂直となる胴体フレームはみな0.4゚傾いてたわけだが。

 前置き長くなった。まずFM-2側面図と平面図から。次回以降、FM-2胴体断面図、正面図、F4F-4各図と続く予定。



  • 製造図の中の一般図に全長に関する数値が記載されており、主翼前縁(sta30@胴体取付部)からラダー後端までが269-7/16"、また主翼前縁からスピナ先端までが73-25/32"で、合計すると343-7/32"=8,718mmとなる。これは後期の砲弾形スピナとすると写真と整合する。1/48で0.5mmほど誤差あり。図面は写真に合わせる。

  • この全長とラダー組立図のラダーコード長と合わない。どっちが正しいか確証ないが、拙図は主翼前縁からの数値に合わせる。

  • 風防&キャノピ位置が、製造図と現存機写真とわずかにずれる。前者が1/48で0.4mmほど前。図面は写真に合わせる。

  • カウル直径、胴体各フレームのサイズも製造図記載の数値に合わせる。

  • 防火壁(sta#2)のインチ表示(43-1/8)は、主翼取付金具後端位置。また、コクピット後方フレーム(sta#5)は胴体下半部の位置。

  • 垂直安定板後端ラインはわずかに前傾する。フレーム(というか桁というか)自体は機軸に垂直だが、そこから後方に折れ曲がるフランジが先細りで、パネル後端はこのフランジに沿っているため。ラダーヒンジラインは機軸垂直。

  • 主脚柱後傾角:8゚(製造図記載)、垂直尾翼前縁後退角:25゚27'(製造図記載)、風防防弾ガラス後傾角:51.9゚(図面読み取り)。

  • 旧版に大きなミス発覚。胴体横の排気管は左舷2本、右舷3本で、胴体の凹みも右舷の方が大きい。しかるに旧図は右舷も左舷と同じ。ちゃんと写真が手持ちにあったのに見落としてた。お恥ずかしい。

  • FM-2になるとドーサルスパインの救命筏がなくなり、#9フレームにもパネルラインがある模様。少なくとも現存機ではそうなっているが、オリジナルがどうかは写真不鮮明で不明確。

  • また右舷後部胴体のエアインテイクと後方の小穴もない模様。ただし、FM-1では「あり」が確認できる。

  • 翼端の翼型はNACA23009と書かれているが、製造図でのリブ形状は正確なNACA23009ではなく前縁が垂れ下がっており、あえていえばNACA23009modといったところか。この感じは零戦の主翼に似ている。もしかしてF6FやF8Fも同じか?(後で確認しよう)

  • 付け根の翼型はこのような垂れ下がりはなく、普通のNACA23000シリーズ。

  • 旧版図面の主尾翼平面形は、ややパースの入った写真をトレース・補正したが、今般、厳密な平面形が判明。主尾翼のルートおよび翼端における、コード、前縁後退角、胴体との取付位置、動翼ヒンジ位置を製造図記載の数値にぴったり合わせる。

  • 上記より主翼前縁後退角は2.59゚となる(主翼寸法からATANにて算出)。主翼高さはsta28における主翼基準線高さが胴体基準線と一致する。

  • 前回更新記載のスペックを再掲
     主翼上反角:4゚31'22"
     主翼折畳回転軸:外に28゚53'10"、後ろに26゚21'40"(いずれもF6Fとは異なる)
     主翼取付角:0゚(※実際は0.4゚)、水平安定板取付角:1.5゚
     主翼スパン:456"、水平尾翼スパン:164"
     主翼コード:胴体取付部(sta30)97.629"、翼端(sta288仮想)61.64"
     翼型:NACA23015(ルート)、NACA23009(翼端)
     水平尾翼コード:60.906"(胴体中心の仮想先端ではなく、実際の長さ)
     水平安定板前縁後退角:17.25゚
     プロペラ直径:120"

  • 胴体幅、キャノピ幅も製造図記載のとおり。胴体最大幅は55"(防火壁〜コクピット後方まで一定。フィレット除く)。キャノピ幅は27.5"(下端の折り返し部分を除く、含めると28.6")。

  • エンジンカウル先端のドーナツ形の部分はグラマン社の図面ではスピニングと表記される。また、エンジンカウル後端から防火壁の部分はグラマン社の図面ではアクセサリカウルと表記される。



 製造図をつぶさに読むといろいろ発見があって面白い。当機は、フレームやリブの断面は『 [ 』または『 「 』形で、端部がL字型に折り曲げられる。で、このうちウェブ(『 [ 』の縦棒)のある方がsta位置となっている。フランジ(『 [ 』の横棒。念のため)の幅は5/8インチにほぼ統一されており、フランジの中心にリベットが打たれる。したがってstaとリベットラインは5/16インチずれているし、パネルラインも基本的にstaとは一致しない。

 また、『 [ 』なのか『 ] 』なのかは場所により異なり、胴体を例にとると、sta4、5、15Aはフレームの前方側、それ以外は後方側となる。以前の図面はこのあたりが分からずにリベットライン=staとしており、その分誤差があったわけ(←1/48で0.2mmだけど)。なお、このあたりの作法はおそらく製造会社によって異なるはずだから、全ての機にあてはまるものではない。たとえばスピットファイアでは#5フレーム(防火壁)は主翼取付金具の中心。

 今回、製造図により機体各部の寸法形状が相当高い精度で判明したわけだが、従前のstaダイヤグラムと実機写真のみをベースに作図したものと、模型製作の実用上ほとんど問題ないレベルの誤差に収まっていることが分かった。つまり、従来の作図法でもほぼ問題なしとお墨付きをもらったようなものだ。これが私にとっては何より一番嬉しい事実である。


■ 断面図、正面図 6/17更新

 続いてFM-2胴体断面図と正面図(&背面図)を掲載。側面図と上下面図は微修正&翼断面図を追加してver3.1とする。

  • sta#2、#5の各バルクヘッドは途中折れ曲がっている。断面図はそれぞれを機軸方向から見たものとして図示。これは#5においてはパネルラインでの断面となる。#2も上半分はパネルライン、下半分は脚収容部のバルクヘッド。#13も同様にパネルラインでの断面図(いずれも厳密にはstaでの断面でない)とする。

  • #15Aの垂直安定板断面は、翼端から付け根(という言い方が正しいかさておき)まで一直線でなく、F4F-4から延長した部分(=パネルライン)でわずかに折れ曲がる。真っ直ぐ延長するとラダー先端が薄くなり過ぎるからである。

  • 防火壁から#5フレーム(キャノピ後端)までの主翼取付部の胴体幅は55インチで一定。また、この間の胴体上半分断面の2時10時付近も直径55インチの円弧断面である。

  • アクセサリカウルの形状・寸法は7断面各10゚ピッチの座標値の表があって、完璧に再現される。アクセサリカウルは後方にいくに従い下膨れとなり、後端部(≒sta2)の最大幅は58.6"(スラストラインから10゚下)で防火壁最大幅55"より広い。この段差はフィレットで処理される。

  • 下膨れの理由は車輪を覆うため。脚下げ時に互いに平行な左右の車輪は、格納時には脚柱が8度後傾しているため後広がりとなる。

  • #7から#11までのドーサルスパインを除く胴体断面は、真円を上下2つに切って間を直線でつないだ形状をしており、角断面の円弧半径と直線の長さは図面に記載されている。#12から#15Aまではここが真円断面となる。

  • 風防、スライドフードの断面形も図面に示されている。風防下端の幅は26.5"。1/48なら14.0mm。これは下端部のハカマの折れ曲がりを真っ直ぐにした仮想断面の幅である。

  • こうして作図した結果の傾斜角は、正面ガラス:52.2゚(胴体基準線に対して)、スライドフード側面:70.3゚、スライドフード下辺:4.5゚である。以上を押さえると、非常に雰囲気のよいキャノピパーツが出来上がる。モケイの似てる似てないは角度で決まるのだ。

  • 後述のとおり、主翼の各リブは垂直面から2.12゚傾斜している。主翼基準面からの傾斜角は4.52-2.12=2.40゚である。正面図はこの角度でパネルラインを描いているが、平面図では例により無視。

  • 格納状態のタイヤ位置は一応脚組立図に従って描いている。ただし後広がりの程度はテキトーなので、精度は甘い。またアクセサリカウルのタイヤの切り込み形状も甘い。

  • 脚カバーは、図上でカバーを開閉してみて、辻褄が合うように描く。
  • エンジンカウルのアクセスパネル分割ラインは上下とも垂直から40゚。


■ 主翼の謎

 FM-2製造図の一般配置図(general arrangement)には、上反角は主翼基準面で4゚31'22"の記載、一方、頂き物のModel Airplane NewsのF4F-4図面には上反角は3゚6'50"の記載(ネタ元不明)。なぜ2つの数値があるのか。こういうときは写真に従う主義。で、実機写真と重ねると、F4F-4、FM-2とも4゚31'22"が正解。飛行中写真はこれより0.3゚ほど強いが、これは揚力の負荷がかかっているためと考えられる。じゃあModel Airplane Newsの数値は何なの?という疑問がわくが、試作機と思われる機体の写真がこの角度に近く、そのデータを量産機も同じと勘違いしたのではないだろうか。

 主翼の角度の謎はこれだけにとどまらない。製造図の主翼組立図中の主翼正面図(マニュアルにもこの写しあり)には、主翼基準面は図面の水平線(wing datum lineとの表記)から2゚54'32"(←なぜ上反角と違うのか!)。また当該図はbase lineと称する1゚30'の線も記入されていて混乱する。また、主桁部品図には、beam working lineというのがあって、各リブはこの線に垂直に描かれている。

 で、このbeam working lineと主翼基準線は主桁ウェブ面上で2゚36'21"の角度をなす。主桁は垂直面から26゚21'40"後傾しているから、これを考慮してエクセルで計算すると、垂直面においてはbeam working lineは水平面から2.12゚(=2゚11'15")となる。ちなみに、wing datum lineと水平面との角度は1゚36'50"。なぜ、こんなにいろんな角度があるのか、グラマンの設計者は何を考えていたのか全く不明。


■ F4F-4図面 6/28更新

 F4F-4を一挙掲載する。残念ながらツインワスプ型の製造図はAircorps Libraryの中に発見できず。機首の形状はWW2時の実機写真から起こしており、全長などの精度は甘い。スラストライン(=胴体基準線)の位置はFM-2と同一として作図する。ところで、写真をトレースしていて気が付いたことがある。縦横比が正しくなく、横に圧縮されて実際以上に太くて丸っこい機影に見えるものがあるのだ。写真を見るときは気を付けよう。(後日訂正、こちらも製造図情報を反映)

  • 垂直尾翼はFM-2の延長部をを切り落としたものとして作図。ラダー上端のカーブ、寸法は写真から。

  • 一部の機体には、風防上部にベンチレーション・エアインテイクがある。エアロディテールではバックミラーとしているが間違い。このインテイクは回転して風量を調整できるようになっている。-3や初期の-4の胴体右舷にあるものと基本的に同じか? 両方がついた機体は見られない。

  • 折り畳みピンの水滴状バルジにバリエーション。現存FM-1ではバルジ上に分割ライン。FM-2ではバルジ全体が外翼側。

  • 以前も書いたが、下面の機銃給弾パネルにはバリエーションがある模様。


■ ツインワスプとサイクロン

 図面に両エンジンを描き入れてみると面白い。F4F-4はカウルがスカスカ。FM-2はぎちぎちで、スピニング後端直径1356mmよりエンジンの方が大きい。なお、下図のエンジン前後位置および側面形状は正確でない。こうしてみると、ワイルドキャットは初めからサイクロン搭載を想定していたとしか思えない。とすればヘルキャットもサイクロン前提の設計か。だからダブルワスプの直径より胴体が太いのか。



ツインワスプR1830 直径1224mm

サイクロンR1820 直径1378mm




 これにて図面改訂シリーズ終了。考証間違い等まだまだ残ってるはずなので、お気付きの点は是非ご指摘いただくようお願いする。願わくばこの図面を使って新金型キット・・・ ←やめれ。


■ F4F-4図面改訂 7/11更新

 前回更新をもって、図面改訂終了のはずであったが、さる方面よりAirCorps Libraryにないツインワスプ型の製造図面を入手(毎度感謝)。機首の寸法が記入されており、これに基づきF4F-4図面を改訂しver.3.1とする。とはいえ寸法の数字はやや不鮮明。エンジンカウル長さの数値は整数部が辛うじて37か39と読める。ver.3.0側面図では39.5"程度で、よって39で決まり。37は、写真との照合でありえない。分数は17/16と読める。が、17/16はありえないから、15/16か7/16か。字面では前者っぽく見え、39-15/16"と推測。もし39-7/16"だとしても誤差は1/48で0.3mm程度なので問題なかろう。

 アクセサリ・カウルの長さは35"以外には読めない。ver.3.0側面図からも妥当。それ以降の長さはFM-2と全く同じだから、カウル先端からラダー後端までの全長は39.94+35+248.85=323.79"=8,224mmとなる。ようやく、ある程度の確からしさをもって全長が求まった。メデタシ、メデタシ。なお、ここでいうカウル長さはインテイクの突出部分を除いたスピニングの先端からである。

 また、カウル開口部は直径37.5"。カウル後端断面は20°ピッチでの座標が示されていて、意外にオムスビ断面であることが判明。エンジンカウルの曲線も座標入り図面で示されている。以上を図面に起こしてみると、スピニング後端断面は真円ではなく、上側インテイクダクト部のみわずかに(1/48で0.3mm程度)盛り上がっているとすると、側面写真との整合がよく、拙図ではそのように作図。もっとも製造図ではそこまでは読めず、この点に関しては確証ない。インテイクの形状・寸法は製造図になく写真からの読み取り。

 ついにF4F-4も正確な外形が分った。願わくばどこか・・・←ヤメレ。












■ 参考文献

 F6Fで「出版物もそれほど多くない」と書いたが、F4Fはそれより少ない。ヘルキャットよりさらに人気がないということか? さておき、文献-1〜4、7〜14は定番のモノグラフ。-11は今ならスコードロンから出ているが、所有してるのは前の出版社のやつ(いつ買ったんだ?)。内容は同じ。-5のエアコンはジョン・サッチとエドワード・オヘアの記事がある。-6はF6Fでもリストアップすべきところだが、空撮の素晴らしい写真があり、形状や機体構造(=パネル&リベットライン)の把握に極めて有用。-14以下はF6Fで紹介済みなので特筆しない。F6Fより少ないのは、丸メカの軍用機メカ・シリーズがないし、エアロディテールは未所有だし(後日さる方面の多大なるご厚意により入手。大感謝)。-21はマートレットI、IIIの塗マについて詳しい。BJ562のプルートのイラストもあり。



1 新版 世界の傑作機 No.68 グラマンF4Fワイルドキャット ISBN 4-89319-065-2 文林堂
2 新版 世界の傑作機 No.35 グラマンF4F,F6F,F8F 文林堂
3 旧版 世界の傑作機 1971年16集 グラマンF4Fワイルドキャット 文林堂
4 世界の戦闘機エース8 第二次大戦のワイルドキャットエース ISBN 4-499-22742-9 大日本絵画
5 航空ファン別冊・エアコンバット No.13 文林堂
6 Veterans いまなお飛行可能な大戦機たち 航空ファンイラストレイテッド No.93 文林堂
7 エアロディテール22 グラマンF4Fワイルドキャット ISBN 4-499-22692-9 大日本絵画
8 F4F Wildcat In Action Aircraft No.84 ISBN 0-89747-200-4 Squadron/Signal Publications
9 F4F Wildcat In Action Aircraft No.191 ISBN 0-89747-469-4 Squadron/Signal Publications
10 Walk Around 4 F4F Wildcat ISBN 0-89747-347-7 Squadron/Signal Publications
11 D&S vol.30 F4F Wildcat ISBN 0-8306-8040-3 Airlife
12 Warpaint Series No.9 Grumman F4F Wildcat Warpaint Books
13 Monografie Lotnicze 20 F4F Wildcat ISBN 83-86208-29-5 AJ-Press
14 Monografie 12 Grumman F4F Wildcat ISBN 83-89088-53-3 Kagero
15 Fleet Air Arm British Carrier Aviation, 1939-1945 ISBN 0-89747-432-5 Squadron/Signal Publications
16 Golden Wings 1941-1945 (USN/USMC Aircraft of World War II) ISBN 0-89747-294-2 Squadron/Signal Publications
17 U.S.Navy Carrier Fighters Of World War II ISBN 0-89747-194-6 Squadron/Signal Publications
18 Carrier Air War In Original WWII Color ISBN 0-87938-983-4 Motorbooks International
19 U.S.Navy Fighters Of WWII ISBN 0-7603-0559-5 MBI Publishing Company
20 Britain's Fleet Air Arm In World War II ISBN 0-7643-2131-5 Schiffer Military Histor
21 On Target Special No.2 Britain Alone ISBN 1-904643-06-X The Aviation Workshop Publication
22 Osprey Aircraft of the Aces 3 Wildcat Aces of World War 2 ISBN 1-85532-486-5 Osprey Publishing
23 Osprey Aircraft of the Aces 125 F4F Wildcat and F6F Hellcat Aces of VF-2 ISBN 978-1-4728-0558-4 Osprey Publishing
24 Osprey Duel 54 F4F Wildcat vs A6M Zero-Sen Pacific Theater 1942 ISBN 978-1-78096-322-8 Osprey Publishing
25 Osprey Abiation Elite Units 36 VF-11/111 'Sundowners' 1942-95 ISBN 978-1-84603-484-8 Osprey Publishing







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