鍾馗U型 製作記(その2)

2009.2.6初出

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 組み立て(続き) 




■ 500,000Hits御礼 3/19追加

 玄関のカウンタが50万アクセスを越える。掲示板もリンクもなく、古臭く垢抜けないページ(いまだにHTMLテキスト打って更新している)に、よくもまあ物好きな方もいらっしゃる、と感嘆しつつ感謝している次第。


■ メーカー批判?

 この機会に、一言。読者諸兄にはご理解いただいてると勝手に思っているが、もし誤解があれば解いておきたい。

 私のページでは、キットのアラを探して「ここが違う、あそこが変だ」と修正している。これは私の製作スタイルなので変えようがないが、ハセガワ、タミヤの製品をよく作るので、必然的にハセ、タミのキット批判っぽくなってしまう。しかし、だからといって他のメーカーやキットに較べて品質が劣っていると誤解しないでほしい。品質が「よい」からこそ、作っているのである。

 私は基本的に出来の悪いキットは買わない、作らない主義。某大陸や某半島製キット、多くの簡易インジェクション(一部の例外を除く)やレジンキットは、私の基準以下なので作る気が起きないし、もしコメントすればボロカスだろうね。逆に私のページで取り上げていれば優良メーカー、優良キットとお考えいただきたい。

 優良キットだから、そのまま素組みでも十分素晴らしい作品になる。とくにビギナーの方、私の製作記で尻込みしないでほしい。私の切った貼ったは、良いキットをさらに良くするべく(結果はともかく)、ちょこっとカタチのディティールアップしているだけなのだ。

 なお、蛇足を加えれば、ボロカスの糞キット(失礼)であっても愛を込めて製作された作品は高く評価されるべきもの。まあ、某大陸の某メーカーだけは相変わらずボロカスだけど。


■ 胴体銀貼り 

 閑話休題。切った貼ったも飽きてきたので、胴体の銀貼り。胴体と主翼を別々に銀貼りし、下面の接合部だけは残して、胴体と主翼の接着後に削り合わせてから最後に貼るという計画。

 銀貼りは、パネル毎に1枚々々貼っていくので、パネルラインの位置決めが重要。そのために、まず全てのリベットラインを描いて、それに合わせてパネルラインを決定する。鉛筆の下描きは消えてしまうので、軽くスジボリ。キットのパネルラインは、若干のズレがあり、そのままではリベットの辻褄が合わなくなるので要注意。まあ、リベット打たなければ直す必要ないけど。

 重箱の隅を1つ。文献-3「鍾馗戦闘機隊」のイラストや文献-1の図面は胴体リベットラインにミスがある。ストリンガー(縦通材)が胴体点検口の下側で1本多い。リベット打つ方は要注意。



実機写真をもとにリベットラインを描く。アタリをつけるだけなのでフリーハンドだけど位置は慎重に決める。縦通材の間隔がポイント。

キットのパネルラインは一部ズレている。鉛筆描きが正。(←鉛筆線がアバウトで申し訳なし)



■ 接着剤

 本番前に接着剤をテスト。ハケで塗るタイプや、硬化に時間がかかるタイプなどの瞬間接着剤をいくつか購入する。どれも銀貼りには硬化時間が短く、結局、黒瞬間がベスト。ただし、これ指につくと落ちづらく、汚い指のまま会社に行くのがチト恥ずかしい。



瞬間接着剤のテスト。これだけ購入。他に瞬間パテ用の接着剤も試すが、硬化時間が長すぎでNG。



■ 続、胴体銀貼り

 模型は手順が大事。塗装なら、塗りづらい所、持ちづらい所、目立たない所から塗り始め、塗りやすく、持ちやすく、目立つ所を最後にすると仕上がりがキレイ。銀貼りだと、隣のパネルとの調整があるため後に貼る方が難しくなるから、目立つ所を先にした方がよさそう。貼りづらい所が先というのは塗装と同じ。

 一方、銀貼り初心者には実戦練習も必要。などと考え、貼りづらく目立たない右舷の水平尾翼付け根から始める(私は基本的に左舷が表、右舷が裏なのだ)。以下画像で。



水平尾翼付け根のパネルをまず貼り、次に右隣のパネルを貼ったところ。水平尾翼フィレットは後で貼る。

さらにその下側の細長いパネルを貼る。瞬間が硬化するまでセロテープで押さえる。

主翼付け根フィレットのような曲がりのきつい部分でも、焼き鈍したアルミ板はよく延びる。

胴体に接着。

垂直尾翼前縁はこんな風に折り曲げる。

接着後。接着剤のハミ出しは、削ってしまうので関係ない。


 コツを少々。キットパーツと曲面をピッタリ合わせるのと、既に貼った隣のパネルとをピッタリ合わせるのがキモ。

 曲面の合わせ(絞り成形)では、アルミ板には弾力があるので「戻り」が生じる。例えば直径20mmの円柱に貼るとしたら、20mmの円柱に押し付けるのでなく、18〜19mmの円柱にすると「戻り」で丁度よい曲面になる。模型に貼る場合はもう少し複雑だが、うまい箇所を見つけてピッタリになるように曲げてやる。長いパネルだと反ってくるので、手で曲げるなどして反りを矯正する。うまく成形できれば、吸い付くように表面に貼り付いてくれる。

 隣のパネルとの形状の合わせ調整は、これはもうとにかく気長に少しずつ削って合わせるしかないが、これを手抜きするとパネルラインが太くなって仕上がりが美しくない。形ができたら、黒瞬間を多めに塗り、気泡を入れないように注意してアルミ板を置く。軽く押さえ余分な瞬間をティッシュで拭い、セロテープで固定。パネルの合わせで多少の凸凹が生じるが、よほどひどくないかぎり削りで面一にできる。まとまって貼れたところで表面を金ヤスリで削って均す。



#320ペーパーでざっと均したところ。このくらい粗い番手だと、白っぽく光る。


 アルミ板を切って曲げて貼るのって、実機の製造方法と同じ。形状的に、曲げづらい所、貼りづらい所は、実機でも細かくパネルが分かれていて、実機のパネル分割に模型が助けられる感じ。実物の応力外皮構造では、無理に曲げると強度が低下するからかな?

 だから「こんなパネル難しくて貼れねえよ」ってのはなくて、一部図面のパネルラインのミスは、パネル貼りの作業工程から発想すると気付くはず。(それにしても実機の構造、製造工程、部品構成・・etc.を反映していない図面の多いこと)


■ 家庭内モバイル・モデリング 3/25追加

 別名ちゃぶ台モデリング。模型部屋、模型机が無くなったのは前に書いた。今はダイニング・テーブルが模型机。夕食が終わり家族が勉強かテレビか寝るかすると模型タイム。その展開、撤収は迅速に行い、作業時間を確保したいところだ。

 そこで、必要物資はコンパクトにまとめて戸棚にしまっておく。当座の材料類は百均のプラケースに詰める。他に工具を差したマグカップ1つ、カッターマット、卓上蛍光灯、カメラ、資料本で一式。展開1分、撤収2分。訓練された軍隊なみ(?)の早さかな。さらに必要な物資は後方補給廠から前線に運ぶ。



製作中のパーツ、アルミ板、接着剤、サンドペーパーなどをまとめてプラケース1つに入れておく。中身は作業工程によって適宜詰め替える。



■ 胴体銀貼り終了

 主翼との削り合わせが必要な胴体下面と水平尾翼フィレットを除き終了。水平尾翼フィレット周辺がスッキリしない。貼るには貼れるのだが、その後の削り、磨きの工程でフィレットが邪魔になる。これ、フィレットを全部削り落として胴体を銀貼りし、フィレットを後付けすればスッキリ工作できるし、手間も変わらないかなと思ったけど、後の祭り。

 銀貼りは普通のプラモ作りとは全然違う技法だから、従来とは違った発想のアプローチがあってしかるべきだけど、悲しいかな手を動かしてみないと気づかない。その他、よく見るとあちこち不具合箇所だらけだが、貼り直してまで修正する気なく、このまま進む。



金ヤスリで凸凹を均し、ざっと#600までのペーパーをかけたところ(一部、削り&磨きの足りない部分あり)。

アルミ地金のごろんとした胴体は、中島飛行機太田製作所の風景ってな気分。



■ アルミの性質

 ちょいとお勉強。神戸製鋼のホームページが役に立つ。アルミは酸素と非常に結び付きやすい性質を持っており、そのためアルミの表面には非常に緻密な構造をした保護力の強い酸化皮膜が自然に形成され、腐食を防いでくれるそうである。飛行機では、アルミ外板の表面をツルツルに磨き上げるだけで、他に特別な処理をしなくとも十分な耐久性を持たせることが可能とのこと。

 確かに、粗いペーパーをかけ、しばらく経った後に細かいペーパーをかけると、なぜがキンキラ感がアップし日本機に不似合いになるのだけど(カウリング銀貼りの項参照)、これは外側の緻密度が低い酸化皮膜のみが落とされ、内側の緻密度が高い層が表面に現れた状態なのかな?(←こちら参照)。じゃあ、日本機の白っぽく艶の落ちた状態って、低緻密度の層が厚いってこと? ならば模型では、粗いペーパーをかけた状態のまま酸化させ、その後は触らず、低緻密度の酸化被膜を残せばいいのかな?


■ カウル再び

 最初の工作で銀貼りしたカウルは、光りすぎはともかく、パネルラインをミスったり、胴体とのラインの流れがイマイチだったりで気に入らず、剥がしてやりなおす。ついでに、インテイク上側のラインも微修正。以前にアルミ板は剥がれやすいと書いたが、接着が成功して、しっかり貼り付けられたパネルは、結構強固。裏側をペーパーで荒らすと効果的かも。



過給器インテイクの上側をプラバンや瞬着で盛り上げる。

横から見るとカウル上側のカーブはパネルラインの所で折れ曲がる。



■ カウル銀貼り 4/6追加

 二度目の銀貼り。まだ、胴体との面の流れがいまいちスムーズでないけど、このへんで妥協。正面の開口部はキットパーツのままで、アルミ板の厚みで直径が0.5mm狭くなる。モデルの印象に直結する部分だけに、板の厚み分だけ口を広げておくべきであったか。ここは今後の反省点。



過給器インテイクは上に広げたので、前回よりイメージ改善かな。パネルラインはキットを一部修正。詰めが甘くて左右で違ってるのは内緒だ。

銃口、カウルフラップのスジ彫り、排気管部の切り欠きも追加工作。



■ 胴体のスジ彫り&リベット

 一部のパネルラインはスジ彫り再現となる。テープやテンプレートなどを定規にケガキ針で彫る。脱線は御法度なので慎重に。プラと違ってアルミが針先に粘りつく感触で勝手が異なる。U型乙以降の胴体機銃の給弾パネルは、4.0×6.0mmサイズで後方のパネルラインとの間隔は5.0mmとする(1/48実寸)。

 リベットは0番(0.25mm)で打つ。アルミ板とプラパーツの間に空隙ができないよう慎重に接着したつもりだが、一部に空隙があるようで、一部のリベットが凹んでしまう。こうなると元には戻らず、やり直すならアルミ板を貼り替えないといけない。これは大変だし、削り合わせで他のパネルにも影響する。失敗が少々なら目をつぶるしかないか。

 スジ彫りとリベットの途中で、一部のパネルに大きな凹みが出現。目立つだけに無視できず、左舷の2枚(防火壁直後と後部胴体の点検口のあるパネル)を貼り替える。周囲のパネルに影響しないように、貼り替えるパネルは0.3mm厚を使い、削って周囲と厚さを合わせる。この手戻り作業、回り道して元の位置に戻ってるみたいで、心理的に非常につらい。



右舷からリベットを打ち始める。めくれをペーパーで落とし、試しにウェザリング・マスターでスミ入れしてみる。

続いて左舷。スジ彫り中に大きな凹みが出現。あちゃーっ!! こうなると、どうしょうもない。

問題のアルミ板を剥がす。下地を整え、長丸四角のパネルを先に貼ったところ。(前回はこれを一体で貼っていた)

0.3mm板を切り出してカーブにあわせて曲げる。接着前の仮合わせの状態。複雑な形状なので、ここまで持ってくるのに一苦労。

接着。セロテープで浮かないように押さえる。はみ出した黒瞬間は削るから問題ないが、もし周囲がリベット済みならセロテープで養生しておく。

周囲とツライチに削る。板状の金ヤスリできちんと面を出すことが肝要。パネル貼り替え、ここまで所要1時間。ふう〜。



■ 胴体アウトライン

 カウルに銀貼りしたところで、胴体アウトラインをチェック。胴体平面形については、まずまず自分の思ったとおり。でも、よく見りゃツッコミ所多数だなコリャ。



コクピット付近の胴体幅が広がり、自然な絞り込みラインになったのではないだろうか。

カウルと胴体とのつなぎはこんな具合。

このビミョーなくびれ具合、実機写真と較べてどうかな?

主翼とも仮合わせ。胴体前後で色が違うのは磨き具合が違うため。前半は粗い番手で削りっぱなしの状態。こっちの方がいいかも?


 胴体、カウルのリベットを終えたら、主翼は後回しにしてキャノピに進むつもり。もっとも、この先いくつ地雷(空洞)を踏むか不安だけど・・。静岡は胴体&キャノピでお披露目できるかどうか。主翼は無理かな。ま、鯉のぼりの季節ということで。


■ 続、リベット 4/16追加

 その後は幸い地雷を踏まずにカウルまでリベット終了。これで胴体の目途はついた。ただし、リベットの小さな凹みは若干発生し、これはもうそのまま放置。残るは胴体下面で、これを貼り終えてから、胴体全体の表面を研磨して輝き具合を調整する予定。



カウリングのスジ彫り&リベット終了。エンジン部のパネルについては、ファスナのみ#3球ぐりで再現しリベットは省略。

胴体前部はこのとおり。まだリベットの「めくれ」が残ってる。今回やらないが、最後まで残して凸リベット風にするという仕上げも十分「あり」だ。



■ エンジン

 キットパーツをそのまま使用。プラグコードを0.3mm糸ハンダで追加するのみ。



こんな具合にコードを植えてから、両パーツを合体。ギヤカバー(右)から出ているコードは、前後列シリンダーの裏側に取り付ける。

できあがり。ハ-41の写真がないので、コードの取り回しなどの正確なところは不明。



■ 風防&キャノピ

 まずは、ベースとなるプラパーツの工作。お手軽修正で雰囲気だけ似せる。風防は窓枠のモールドがいまいち。正面ガラスの上側の横枠は、内側にあるのでスジ彫りは不要。また、正面ガラス両脇の縦枠は太すぎ。これらは削ってモールドを落とす。また、下側の胴体と接する部分は、P-47のように窓枠の断面にRがついているのが正しい。スライドキャノピについては、以前にも指摘したとおり側面形で上下ともラインが少々違う。

 これらを修正するため、まず風防、キャノピのパーツの下側に0.3mmプラバンを接着する。キャノピ後部上側ラインは削れる範囲で気持ちだけ修正。その後、#800、#1500ペーパー、コンパウンド(粗)、ハセガワ・セラミックコンパウンドと順次磨いていく。

 アルミ板は、当初ガラス部との段差が気になり0.1mmでやってみるが、フニャフニャで扱いづらい。0.2mmとして貼り付け後に薄く削る。



風防下端のRを表現するため、0.3mmプラバンを接着する。胴体曲面に合うように、プラバンを胴体パーツに仮止め。

キャノピ下端にも0.3mmプラバンを接着。

接着後に整形。風防正面のスジ彫りを消し、キャノピ後半の外形も修正。これに伴い、一旦パーツ全面をサンディング。

胴体に乗せてみたところ。うむ、まずまずの雰囲気じゃ。風防はプラバンの厚み分だけ高くなっているが、銀貼り後に調整する予定。

フレームは6パーツに分け、まず前フレーム、次に上と貼っていく。キャノピ下端は中央部で0.5mmほど高さが増している。

クリアパーツのフレーム部を黒く塗装し、黒瞬間で接着。はみ出すと汚いから、接着剤は極少量。テープで押さえて養生中。

フレームの形状は、このようにテープを貼りナイフでトレースして写し取る。アルミ板に貼って、ハサミで切り抜き、ヤスリなどで微調整。

接着。下端の形状は、接着後に調整する。残るは中央部の縦フレームのみ。

縦フレーム下部のコーナーは丸みがある。こういう場合は、先にピンバイスで穴を開けてから切り抜いていく。

全てのフレームを接着したら、ガラス部をマスキングしてフレームを削る。



■ キャノピ形状

 キャノピ下端の側面形状は、機体のイメージに直結するのでぜひ修正したいところだが、逆にその修正と胴体断面形の修正によって、下画像のようにキャノピ後半部が胴体とピッタリ合わなくなるのだ。作品はキャノピ開状態固定として逃げるが、閉状態できちんと作るならキャノピの全体的な形状を修正する必要がある。しかし、これは非常に難易度の高い工作なのだ。

 というのは、胴体断面形とキャノピ側面形、キャノピ平面形の3要素が関係するので、正解となる形状、寸法を見出しづらく、試作しては合わせを確認という作業が必至。しかも、完成すれば、その苦労は他人に全く分からない。だけど、ここをキチンと作った1/48鍾馗って世界中に1つもないだろうから、どなたか挑戦してみない??  



キャノピ、胴体の形状を修正した結果、このように隙間が生じる。なお、キャノピは閉位置としている。

赤矢印付近を少し狭めるように、キャノピ全体の形を修正し、併せて上側ラインも直すとベスト。ただしそのためにはヒートプレスが必須。。



■ 風防窓枠 4/24追加

 可動キャノピに引き続き、風防にも銀貼り。こちらの方が、やや難易度が高い。4パーツに分け、正面縦×2、後端、下辺の順に貼っていく。以下画像で。



下辺の窓枠は複雑な形状なので、プラバンでこんな型を作って絞る。ホントは不要な風防パーツを貼れば簡単だけど、予備にとっておく。

絞ったらペーパーで形を微修正。正面の縦フレームは、ペンチに挟んで「へ」の字の断面に曲げる。

下辺窓枠を接着。胴体の上に乗せてみる。まだ、プラバンの分だけ浮いている。

窓枠を削る。ガラス面にキズがつかないようにテープで保護。縦フレームのエッジが立つように、慎重に削る。

下辺窓枠の下側のプラバンを削り落とす。本来、プラバンは全部削り落とされるはずなんだけど。まあいっか。前後端部も裏から薄く削る。

胴体に乗せてみる。左上画像と比べ、スッキリ収まっている。微妙な「浮き」は、接着時にアルミ板をちょいと押さえてやればOK。


 若干の補足。縦フレームの折り曲げは、細いと曲げづらいので、幅2mmで切り出し、曲げてから正しい太さに削る。これが、持ちづらいわ曲がるわで至極面倒。接着後、クリアパーツ部分を磨いてい最中、窓枠がポロッと取れる。幸い再接着で無事回復。

 ところで、この下辺窓枠の部分って、実機では黒塗装されてない。だから、素組みの方も要注意。胴体パーツ上側を真っ黒に塗って、銀で塗った風防パーツをぺたっと接着、というのではないのだ。キットでも窓枠が胴体に凸モールドされてるから、ここは銀で塗るべし。風防パーツの接着面をパテでなだらかに整形するとなお good。


■ 尾翼フィレット

 胴体の銀貼り作業も残りわずか。



水平尾翼先端を削り、それに合わせてフィレットも削る。左はキットオリジナル。

フィレットは、不要胴体パーツを型に絞る。

周囲をマスキングしてフィレット部分を磨く。胴体下面にも銀貼り&リベット。

主尾翼をつけて記念撮影。



■ 胴体の残り 5/7追加

 帰省から戻り、やっとこさ更新。

 さて、胴体の積み残し作業、機銃ガス抜き穴。アンチグレア塗装と関係するので、慎重に位置決めする。だけど、モデルはパネルラインの精度が甘くて、ガス抜き穴とパネルラインの関係が左右で違ったりして(恥ズ)。



楕円形にスジ彫りしてから、ピンバイスで穴開け。

最後に胴体表面を#600で研磨し、輝き具合を調整。時間の経過で、輝きが落ち着いてくることを期待。



■ 主翼

 胴体銀貼りが終了し、引き続き主翼に移る。前縁バルジ部より貼り始め、前縁→上面→下面の順に貼っていく。技術的には胴体と同じで特筆することなし。以下画像で。



前縁より貼っていく。先端は、アルミ板の厚みで曲率が大きくなってしまうので、その分だけ余計に尖らせるとよい。作品は、そのまま。

順次貼っていく。

上面全体に貼り終えたら、金ヤスリで削って面出し。


さらに#320で磨く。

続いて裏側。機首からつながる部分の絞りが難易度高し。

翼端部の処理。基本は単純に上下貼り合わせてあるだけ。


 主翼上下面を貼り終えたところで、胴体と組み合わせてみる。ラダーとエルロンは、キットから切り離したもの。厚さ調整のため0.3mmプラバンを挟んで接着。いずれも本体には真鍮線で仮止め。



全体のイメージはこれで掴めるかな。ぐっと前進した翼、ずんぐりした頭にスラリと延びた尾部、垢抜けたデザインのキャノピ(その点、三菱系は枠が多くて野暮ったい)など、鍾馗の魅力がよく伝わるアングルだね。



■ 静岡HS

 5/16(土)、17(日)の静岡ホビーショー、今年もオービーズにて両日フル参加の予定。新作は零戦とP-36のみで、ちと寂しいが・・。会場で見かけたら、気軽に声をかけてくだされば嬉しい。

 鍾馗も参考出品するので、手にとって銀貼りの効果を直に見て頂きたい。触ると冷んやりして、それだけでも普通のプラモと違うぞ。自分がやってるから気になるのかもしれないが、近ごろ銀貼りが「キテル」感じがする。今年のHSでは、多くの銀貼り機が参集する予感。一口に銀貼りといっても、材料や技法は多様で、その違いによるメリット、デメリットや、表現の差を見比べるのが楽しみ。

 ちなみに、本作品の「厚板削り出し法」のメリットは、フィレットなどの複雑な曲面にもよく馴染むことと、貼り付け後に面出しするので、カッチリ感があること。デメリットは、逆にべこべこ感が出しづらく、裏に空洞があるとリベットが凹むのと、作業の手間がかかること。

 もう1つ、オービーズ周辺では鍾馗もキテル。メーカー、スケール違いで並ぶかも。オオタキの1/48が意外に基本形が良かったりして(?)。ハセガワの新作1/32は会場で見られるのかな? これも楽しみ。








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