鍾馗U型乙 製作記(その3)
2009.2.6初出
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組み立て(続き) |
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![]() ハセガワブースにて。撮影:がらんどう氏@無断拝借 |
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いずれも工作は大変素晴らしく作者には本当に申し訳ない。もとより、これらを修正しないとダメだとか言うつもりは全くなく、作品の価値とは無関係である。近頃は模型誌がキットの出来を正直に書かないので、あえて指摘した次第。だって、出来の悪い(しかも往々にして高い)のと良いのと売れ行きが同じなら、誰も努力して良いキットを開発しないでしょ。
まあ、後でその方の目線で拙作を見ると、会場の暗めの照明と胴体の銀で、コクピットは暗緑色に見える。だからそういう答えになったと考えることにしよう。動翼羽布の色は銀とのこと。分かっていたけど、改めて明灰色説は否定されたわけ。また、紺色の疾風を見たが、部隊マークなどは記入されてなかったそうだ。
接着は普通の瞬間を流し込む。プレスで精度が出るので、拙作のように貼り付け後にツライチに削る必要がない。その後、リベットを打ち、表面を磨く。一部の曲線のきついパネルのみ焼き鈍す。機首インテイクはシリコンで型取り、ホワイトメタルを流す。これ実は私も他機で目論んでたんだけど、実例があると心強い。機銃口パネルはここだけ洋白板で、真鍮パイプをはんだ付け。プライマーは鉄道模型用の特殊なものとか。 同じくソリッドの1/32屠龍は、迷彩塗装しているがその下地は全面アルミ。これも素晴らしい完成度でハチロクと双璧の作品だ。こちらの名人は0.1mm板を使用。接着はゴム系接着剤をシンナーで溶き、筆で木とアルミの両面に塗り、少し乾燥させてから貼り合わせる。この時点では位置決めの微調整は可能。接着後にリベット打ち。薄い板だが表面の凸凹はほとんどない(微少な凸凹がいい味)。プライマーは聞き忘れてしまった。残念。 また、別の名人からは違った工作法を伺う。焼き鈍した0.3mmアルミ板を切り出し、平板の状態でリベット打ち。これは周囲が凸凹しないようにガラス板の上で打つ。めくれを上から硬い丸棒をころがして均し、次に裏から丸棒をころがして板を丸め、貼り付ける。これは機体が2次曲面で構成されるが故。インテイクなどの3次曲面はアルミ棒を旋盤加工。 さらに別の名人からはアルミ板凸リベットのテクを伺う。厚手のプラ板にリベットのピッチで0.6mmの穴を開ける(ちなみにスケールは1/24程度)。ここに0.1mmアルミ板を乗せ、先を丸めたカルコのようなもので打っていく。こうすることで、富士山でなくお椀形のリベットとなり、また板が凸凹に曲がるのを防ぐ。その後、モデルの表面形状に合わせて板を丸め、ビニール系の透明な接着剤で接着する。特にシンナーでは薄めず。 要は、「これでなきゃいかん」という工作法はなく、各人の事情、目的、工夫次第ということ。このうちいくつかは、後で試してみたい。以上、快くテクニックを開示いただいたアルミニスト(銀貼り名人は、こう呼ばれるらしい)の皆様に改めて深く感謝する。なお、間違いなど問題点があればご連絡頂きたい。
プライマーには、「ニッペ」または「アサヒペン」のアルミカラースプレーのクリアを、アルミ表面保護を兼ねて全体に塗装する。マーキング塗装は、その後にプラモデルと同じようにやればよいわけ。ただし缶スプレー直吹きでなく、ビン等に取り出し、シンナーで希釈してエアブラシで吹く。注意点としては、とくに冬季に温度が下がるとカブるので、その場合ドライヤーでモデルを暖めながら作業する。このスプレーには、プライマー成分が入っているので、食い付きは大変良いが、わずかに銀肌の輝きが低下するとのこと。 |
![]() プライマーには、これを使用する予定。 |
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早速、購入して試してみる。ビンの中にスプレーしたものを、そのまま筆塗り。確かに食い付きは良く、爪でこすった程度では全然大丈夫。輝きについては、鏡面仕上げ(購入したアルミ板そのまま)の部分では、ほとんど見た目に分からない程度。そういえば、名人のP-51も燦然と輝いていたなあ。 ところで、缶スプレーをビンに取り出すのって、初めての経験だったけど、これ塗料の中に溶けたガスがいつまでも残ってるんだね。だもんで、フタをして、しばらくたって開けたら、振ったコーラの泡が吹き出るように、クリア塗料の泡が噴き出して、そこら中べたべた。(後日追記:エアブラシのカップに直接スプレーすれば問題解決) この、全体にクリアー塗装するという方法は、マーキング境界の塗料の段差を消すのに、都合が良さそう。マーキング部分だけ、プライマー塗ってカラー塗って、というのでは段差をペーパーで磨き取るのが難しい。
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![]() 左翼上面完了の図。細かく見ると、リベットの凹みなど不具合箇所多数。リベットラインの考証もヌルいので、参考にしないように。 |
![]() 集中力不足で、リベットの平行が乱れる。凹みはある意味不可抗力だけど(表から見えないのでねえ)、これはヘタレの証拠でカッチョワルー。 |
![]() ここだけは我慢できず、アルミ貼り替え。はがして接着面をお掃除。0.3mm板を切り出して整形。 |
![]() 削ったり曲げたりを繰り返してこの状態。この後、接着し表面をツライチに削ったところで、静岡お披露目。 |
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![]() こんどはなんとか平行を保つ。リベットの凹みは、相変わらず。フラップ上面部分のラインは、参考にしないでね〜。 |
![]() 外翼にリベットを打ち、主翼と胴体を接着。 |
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ところで、II型乙の主翼下面の給弾パネルって、どうなってるんだろう。そのものズバリの写真がないので想像するしかない。乙は主翼の12.7mm機銃は装備されず、オプション(?)で40mmロケット砲が装備される。世傑の写真を見ると、砲弾は上面の小アクセスパネルから装填されるようで、それならば下面の給弾ハッチは不要。 その上、製造工数、機体強度、重量でもマイナスなのに惰性で残すかどうか。もしハッチありなら、丙が出現した時点で主翼の12.7mm機銃がレトロフィットされてもよさそうだが、そういう話は聞いたことが無い・・などと考えると、乙ではハッチ「なし」と考えるのが合理的か? ご存じの方、ぜひご一報を。
傍証その1:外板がフレームにリベット止めされた防火壁以降の胴体(応力外皮構造となる)には見られない。傍証その2:中島飛行機では戦時中からスポット溶接が行われており、零戦でも機銃パネル(これも機体強度を受け持たない)に使われた例がある。
上記本にある初飛行時の写真や、鍾馗70戦隊本(←ここでつながるか)の訓練中の写真では、日の丸の赤のように暗くは見えないが、朱色くらいなら有り得るかも。Me163でも赤い機体 があったそうだから、模型で並べるのも一興だろう。その後、上記本の記述とは別に、初飛行時含め機体は橙色だったという証言があるという情報もいただいた。どちらの説を採るにせよ、どちらも証言は証言なわけで・・・
主翼取り付け位置を上げたことにより、フラップ自体も単純な平板でなく、中心部付近に反りが入るが、胴体側の調整をサボったため、反り具合が実機と異なる結果。これも放置。今回、下面はあまり見せたくないなあ。とはいえ、主翼位置上げの結果、側面から見ると腹がスマートになり、翼後端からフィレットへのラインが「きゅっ」と切れ上がって、なかなかの美人。 |
![]() 主翼と胴体を接着後、残る部分に最後のアルミを貼る。 |
![]() フラップにもアルミ貼り。 |
![]() このあたりのリベットラインは分からないので、図面を参考にでっち上げる。 |
![]() 上面から見て、エッジをすっきりさせたい。 |
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使用するのは焼き鈍した0.1mm板。まず硬い台の上で金属棒を転がして平らにする。表面を#600ペーパーでスクラッチして周囲の外板表面とトーンを合わせる。裏側は接着のためにペーパーで荒らす。カッターマットを土台に裏側からエッチングソーを強く押しつけ、リベットを打つ。2列のリベットの位置と平行を揃えるのが難しい。何度もやり直すうち、指の皮が剥けて痛くなり、そこで打ち止め。ひっくり返して表から#3球ぐりで押さえる。最後にハサミで切り出して少量の黒瞬間で接着。硬化するまでテープで押さえる。 同時に、その隣の機関砲(乙は未装備だけど)のアクセスパネルと、内外翼接合部のカバー部分も0.1mm板を貼り付け、いわゆる浮きだしパネル表現。アクセスパネルは、貼る前に硬い台上で○リベを打つ。それによってアルミ板が曲がるので、金属棒を転がして平らに延ばす。内外翼接合部は、半円断面のボルトカバーがつくので、この後アルミ棒を削って取り付ける予定。 |
![]() エッチングソーはトライツールの厚手のものを使用。このままでは形が富士山なので、表から球ぐりで押さえる。 |
![]() 凸リベットできあがり。見た目の雰囲気は「まずまず」かな。ただし、考証面は参考にせぬように。 |
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Q:板厚分だけモデルを削るのか?
エレベータは、エルロンのように切り離さず、プラバンを貼ることで水平安定板との段差を解消してみる。結果は、エルロンのような切り離し方式より、こっちの方が簡単。パネルラインは、これも確信犯でキットと違えてシンプルにする。今回、考証がぬるくて申し訳なし。 |
![]() エレベータにプラバンを貼り、表面を均したところ。白いプラバンだが、アルミの削り粉でグレイに染まっている。 |
![]() リベットを打ち、ヒンジ部分をスジ彫り。当初上面に予定していた側に凹みが多く発生し、上下をひっくり返す。 |
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これで、基本パーツの銀貼りは終了。引き続き、小物のアルミ加工を行う。
カバー裏面の塗色は、上部の外側に開く小カバーを含め、リブつきでは無塗装。平板タイプは写真の印象では暗めに見えるものがあり、その場合青竹色と考えられる。なお、脚庫内部および半月形の車輪カバーは全型式を通じ青竹色。脚柱やホイルは無塗装だが、オレオより下側の脚柱は若干暗く見える。 では作業。焼き鈍さない0.3mm板を使用。キットパーツをテンプレートにケガいてハサミで切り出す。平らに延ばして#600ペーパーで表面のトーンを調整し、リベットを打つ。非焼き鈍しなので、この厚さなら硬い台の上で打てば、「べこつき」は発生しない。このあたり、板厚や台の硬さでお好みのべこつき加減に調整可。 実機の形状どおり曲げたら、裏面のディティール工作。下辺の段差部分は0.2mmアルミ板、リブは細切り0.5mmプラバン。いずれも瞬間で接着だが、強度が不十分。上半分の細いリブは、それだけでは接着面が小さいため、工夫が必要。それに隣接する幅広の0.3mmプラバンがミソで、細いリブを裏側から支えるとともに、脚柱と脚カバーの接着を確実にする。もちろん、脚柱はこの厚みだけ削っておく。 |
![]() 脚カバーの工作。このようにリブがあるのは乙型以降の特徴。裏面はスーパーファインシルバーあたりで銀塗装する予定。 |
![]() キットオリジナル。甲型の裏面はこれでよし。 |
![]() カバーのフチだけは薄く削ると見映えがヨロシ。リベットラインは若干の推測あり。脚柱の当たる部分に貼ったプラバンがミソ。 |
![]() 脚カバーの厚み分だけ、脚柱を削る。右はオリジナル状態。こういう調整は、素組みでも重要。 |
![]() 手近に余っているモシーのブレードを削る。右はキットオリジナル。同じピッチで撮影。 |
![]() できあがり。いまいち似ていない気がするが、これでよしとする。キットのスピナは、写真と見比べて形状はバッチリだ。 |
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![]() パーツが小さすぎて絞れないので、適当な作業台(この場合は未使用胴体)に接着。プラバンを介して浮かせるのがミソ。 |
![]() できあがり。ヘッドレストは、黒く塗るのでアルミでなくてもいいのだが、正面の縁の段差表現をしたいので、キットをベースにアルミを貼る。 |
![]() 車輪カバーもアルミ細工。表側は脚カバーと同じく0.3mm非焼き鈍しアルミ板。内張りは0.3mmプラバン。 |
![]() 脚上部小カバー内側には、0.2mmアルミ板をコの字断面に折り曲げて接着。やってみると意外と簡単。これが翼に取り付ける接着ベロになる。 |
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![]() 右、キットパーツ。上部の脚柱が細いのが気になる。左は、改修に使用するハセ零。オレオ上端でカット。 |
![]() できあがり。トルクリンクはキットパーツを薄く削る。オレオの蛇腹カバーはエッチングソーで深く彫る。 |
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