IV号戦車G型 タミヤ 1/48 製作記その2

2019.12.25初出

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最終更新日



■ サフ吹き 3/22追加

 基本外形が出来たので、ここらでサフを吹いて出来具合を確認する。サフは、いつものように黒サフを混ぜる。なんかジャーマングレイみたい。



塗装前。水色のレジンなので、新造箇所がよく分かるね。

アンテナガードを新規3D製作。

なかなかイイ感じじゃ。

キューポラとハッチは未接着。



■ タミヤH型からの変更点(OVM編)

 次の作業はOVMなどの小物関係。H型からの変更点をここでおさらい。左舷前方より見ていく。ボッシュライトはG型中期以降の装備で、G型では左右両方にある。前期はノテックライトで、この場合左舷のみ。消火器は位置が微妙に違う(形状も?)。C形フックはS形になる。位置もやや外側。その後方のバール(小)は、S形フックを避けて斜めに置かれる(前方が内側)のが一般的。後期はHと同じのもあり。その内側のレンチは、多分変更なし。カッターは変更なし。予備転輪ラックは側板の形が違う。前期はこのラックがなく、後述のクリーニングロッドのうちの2本がここの車体側面に、またレンチ(長)?がフェンダー上に置かれる。初期の一部には、その後方に可動式乗降用ステップあり。後部側面のクリーニングロッド、フェンダー上のバール(長)は変更なし。

 続いて、右舷前方より。ボッシュライトの場合は右舷にもある。L形のフックと斧の位置が入れ替わる。その後方のクランクは変更なし。ジャッキの形状にはバリエーションがある。後期の途中までは、可倒式アンテナとアンテナガードが右舷中央にある。その下側の車体側面ににスコップ(初期の一部は車体後面)。中期までは、フェンダー中央に予備履帯が3枚置かれる。後期途中からH前期と同じエアフィルターが装備される(その場合予備履帯は後面左側に3枚、もしくは右前に2枚+左転輪ラック後方に1枚)。後方フェンダー上のレンチ(長)は多分変更なし。

 そのほか、初期の一部には車体上部後面の左側に発煙筒ボックスあり。その場合、スコップが右側のワイヤロープ収納場所にある。また、中期の途中から後期の途中まで砲塔両脇に発煙弾が装着される。後期になるとシュルツェンが装着されるが、H型と異なりラックの三角板が無く、小四角形の穴に引っ掛けるタイプが大半。ただし最後期にはHと同じタイプとなる。

 なお、ここでいう前期とか中期とかいう呼称は便宜的なもの。実車においては車体の各部は五月雨式に逐次変更され、「〇期の特徴はこれだ」と断定的に言えるものではない。このあたりは飛行機、例えばスピットファイアなんかとよく似ている。まあ、イメージ的には球形マズルブレーキが前期、ボルト止め装甲板や1枚ハッチ型キューポラが後期、その間が中期てなところ。


■ ピストルポート

 積み残しのピストルポート。設計してプリントして取り付ける。これ、単純な円錐でなく、軸が斜めになる。Fusionでは、大きめの円錐を斜めにカットするのが簡単かな。厳密には底面が円に近い楕円になるけど、この程度なら気にならない。こだわるなら尺度コマンド(不均一)で修正可能だ。接着しようとして初めて気づいたけど、これ左右対称ではなく、左右同形。先端はどちらも右舷側に寄っているのだ。



設計。底面は削りシロとして少し厚めにしておく。底面中央には凹み。これ、他のパーツも同様。

取り付け。接着は溶剤系で十分。ハッチ上部の雨樋はキットパーツを薄く削る。



■ OVM等の3D設計

 一部のパーツは新規設計が必要となる。まずボッシュライトの基部。また、右舷のL形フックはキットのモールドを削り落とす都合上、新規設計となる。ついでにジャッキの底板(というのか知らんが、フェンダー上で前端の部分)も、F/G型で一般的なタイプを設計。後期にはキットと同じような田の字タイプもあり。アンテナガードもIII号から流用できるが、簡単だから設計する。アンテナ基部はIII号を使う。



アンテナガード。曲がりやすいので、出力時は補強壁をつける。

ライト基部、L形フック、ジャッキ底板。このフックは、画像手前を支点にコンパス状に開き、履帯を引っ張るのに使う。



■ OVM等の工作

 キットは一部のOVMが一体成型。また、取り付け穴などがフェンダー上にあるため、完全に実車を再現しようとすると、滑り止めのモールドが消えたままの個所が多くなる。なるべく目立たないよう、OVMの配置を少々アレンジして誤魔化す。



転輪ラック。キットパーツを薄く削り、形状修正。フチは0.2mmプラバン工作。見えない部分で補強。

フックはこの位置になる。元のフックは削り落とし、そこに斧が置かれる。

左舷の変更部分。バール(小)は納まりが悪くて先端を少し切り詰める。

右舷。斧の付近に滑り止めなしの部分が露出してしまう。案の定、ハッチストッパーと吊り下げフックが取れてしまう。ライト基部は後ほど。



■ 続、細部 3/31追加

 令和元年度最後の日。今日で2年間務めた職場を退職。コロナのため、送別会が全く無いのが寂しけど、終息するまでは忍の一字だ。

 さて、引き続き、OVMなどの3Dパーツを作っていく。まず、OVMを留めるクランプ。形はテキトー。問題はサイズで、あまり小さく細いと上手く出力できない。サイズ違いでお試しプリントして、ややオーバースケールだが、この程度が1/48向きかな。次に発煙弾発射筒。G型中期以降から後期途中までは標準装着。これも細部がよく分からないので、形状等はかなりテキトー。



OVMのクランプ。ベルト「あり」と「なし」と両方作って適宜使い分ける。

発煙弾発射筒。円筒状の部分は別ボディとして、基部だけでも出力可。

クランプは、プリントして取り付けるとこんな感じ。

発射筒の円筒部分はIII突G型のパーツを加工して使う。手掛けは0.5mm真鍮線。ハッチストッパーはタフレジン。


 ハッチストッパーとホイストフックは、タフレジンでプリントする。レジンの性質の違いにより、上手く出力できず、サボートや一部部材の太さなどを修正する。層厚0.05mm、照射時間15秒。


■ キューポラ

 2分割ハッチの初期型キューポラ(とここでは呼ぶ)は、III号L型のパーツでも十分だが、モノはついでで3D設計する。引きで真横から撮影した実車写真を基に、遠近法の影響も加味して寸法を割り出す。結果、キューポラ直径はキットが正解と見てよさそう。高さが若干低いか。現存実車の写真などを参考に、内部も再現する。ハッチも設計したけど、出力が厄介だからこれはキットパーツを使う方がよいだろう。なお、内部のディテールは初期型と後期型で異なるようだ。



キューポラ。ハッチは別ボディとしているので、なしでも出力可。

内部だけでも出力可。キットパーツの内側に入るように二回り程小さくする。

プリントしてみると、積層痕もあまり目立たないので、こちらのパーツを使う。

キットのキューポラには、このようにはめ込む。



■ その他細部




砲身は、III突G型のパーツに交換。元のやつはIII突に使う予定。アンテナ除けを追加。

G型では、ゲペックカステンにアンテナ絶縁材が取り付けられている。

車体前部には、あれこれ追加工作。前フェンダーのスプリングも3Dモデリング。

キューポラのハッチも接着し、組み立て終了。次は塗装だ。


 補足。砲身のアンテナ除けは、詳細よく分からず。丸断面でなく板状かも? 記録写真を見ると取り付け位置にバリエーションがある。砲身は、III突Gのパーツの方が一回り太い。どっちが正解かは不明だが、マズルブレーキの形状イメージのよいこちらを採用する。写真ないけど、アンテナ基部はIII号Lのパーツ。ランナーをよく見たら、ピストルポートやアンテナガードなんかもあるな(後者は小加工が必要)。その他にも追加工作の余地はあるが、このあたりで工作終了。


■ ヴィンターケッテン

 東部戦線のIV号G型やIII突では、幅広履帯であるヴィンターケッテンを装着している車両が一定数見られる。出現時期はオストケッテンよりこちらが先。接地面に滑り止めの突起があったり、接地面の凹みの形が違ったりというバリエーションがあるようだ。気になる人はタイムラインで遡って修正してくだされ。センターガイドについては、穴あきタイプは見たことがない。







■ 塗装開始 4/4追加

 前回更新では、2年務めた出向先から復職。実はその翌日に本社に呼びつけられ、出向含め35年勤めた本社も退職する。まだ定年前なんだけど、いわゆる肩たたきというヤツで。しばらくは完全無職の毎日。カミさんと海外旅行に行く夢は、コロナのせいで叶わず。仕方ない、模型でも作るか。

 さて、塗装。履帯にダークアースを塗って、車体上下を接着。金属部にはミッチャクロン。3Dパーツにはサフを吹いて準備完了。迷彩色の色調が悩ましい。当時のカラー写真のIV号G型や同時期の車両は、明るいサンド系で、クレオスやタミヤのダークイエローとは違う印象。識者に聞いたり(情報感謝)、ネットで調べたりするも、いまいち不明。サイトによって言ってることが違ってたりで。いずれにせよ、いわゆるダークイエローには最低でも2色あったことは間違いない。あとは自分のイメージで塗るだけ。

 ということで、調色。C46セールカラー、C21ミドルストーンが2:1にC22ダークアースを1割入れて赤味を加える。履帯はダークアースのビン生。実は同時並行で、III突G型も作っていて、こちらは後期のイメージで調色。手元にC39ダークイエローが無く、ミドルストーン、白、ダークアースが7:2:1くらいかな。IV号よりは暗く黄色味が強い。



サフ終了。カメラの露出のせいで実物より明るい。

迷彩色終了。

ゴム部の塗り分けは、マスキングテープで。数が多いので面相筆で塗り分けなんて無理。

迷彩色、履帯、転輪が終了。


 さて、そろそろヒコーキも再開するか。


■ オストケッテン

 もう一つの幅広履帯、オストケッテンも作る。実物の写真をベースにしているので、形状、寸法はそんなに外してないと思うよ。こちらは、IV号系よりはIII突の方が多く見られるかな。



転輪が乗る部分は、標準幅履帯とリブの間隔が異なる。

出力してサフを吹いたところ。一部、サポート切り離し時のミスで欠けてしまった。


 3Dはまだ続く。次はF2改造パーツ。球形のマズルブレーキと砲塔クラッペの予定。


■ 細部塗装 4/12追加

 いよいよ、外出も制限されてきた。モデラーたるもの、ここは家に籠って模型あるのみ。では、細部塗装。といっても、OVMは予備履帯含め全て迷彩色で塗られている。楽ちんでいいね。だから、キューポラ内側と予備転輪のゴムを塗った程度。なお、予備転輪のゴムまで迷彩色の車両もある。

 OVMの迷彩色は車体より塗料が薄く、下地の鉄色が透けて見える感じ。この雰囲気を出そうと、迷彩色にグレイを微量混ぜて、ささっと筆塗り。クリーニングロッドの先は布カバーで覆われている。記録写真ではマズルブレーキや機銃の布カバーがダークグレイで、これも同じだろう。



細部塗装終了。

鉄十字はキットのデカール。ニスを切り落とす。


 後日追記。クリーニングロッドだけは、砲身内部に塗料が付かないように無塗装、との情報を頂く(感謝)。ロッドは木。両端の白く見える部分はコネクターの金属とのこど。後で直そう。


■ ウェザリング

 ウェザリングに先立ち、当時の記録写真でイメージを確認する。G中期型は、1942年初夏から出現。乗員の服装や風景から推測するに、アフリカ・地中海方面に送られた車両もあるが、多くはロシアあたりなのかな。写真で見る夏から秋のG中期型は、あまり汚れてなく、車体の破損もない。だから、作品の汚しは控えめに、スッキリした姿を再現する。これが冬になると、汚れた冬季迷彩に、損傷が見られ、戦況の厳しさが伝わってくる。  



車体、砲塔は、ウェザマスのサビ+ススで薄くウォッシング。履帯と足回りはウェザマスのサンド系でウォッシング。

エッジに軽く暗色系のドライブラシ。あくまで控えめに。今回、シリコンバリアのチッピングは無しなのだ。


 これにて、ほぼ完成。もう少しウェザリングを追求するのと、車体後部のワイヤロープ、ターレットナンバーを追加したいな(インレタ未発注)。


■ F2改造パーツ

 前回予告のF2(およびG初期)球形マズルブレーキと砲塔クラッペをご提供。砲塔正面右側クラッペは、部品請求して切り取るかプラバンで自作するかしてね。



F2球形マズルブレーキ。

砲塔サイドのクラッペ。左舷のクラッペから離れたリベットとか、跳弾バーは各自再現されたし。


 次は、F1の砲身あたりを作りたいところだが。


■ 車体前面装甲板バリエーション 5/15追加

 車体前面上下装甲板の3Dモデルに手を加え、後期G型のボルトオン装甲板と初期の50mmのみのタイプも再現できるように変更する。Fusion360で開き、それぞれ必要/不必要なボディを表示/非表示させることで対応できる。画像は前上部のみだが、前下部も同様。ただし前下部で50mmとする場合は、予備履帯の位置を調整する必要がある。



後期G型のボルトオン装甲板。

F1から初期G型の50mm装甲板。



■ 最後の作業

 車体後部のワイヤーロープは、チャーチルAVREと同様に電気コードの銅線をよじって作ったワイヤに、III突に入っていた端部パーツを接着し、真鍮線のフックに引っ掛ける。焼鉄色で塗装し、鉛筆粉を擦り付け、ウェザマス(サンド、サビ)でウォッシングするとイイ感じ。クリーニングロッドを塗り直す。木部はダークアース+レッドブラウン、端部は銀。以上は引っ越し前に作業済み。



ワイヤーロープを追加。


 飛行機過去作の断捨離が一息ついたところで、発注済みのインレタのターレットナンバーを貼り付ける。最後に、足回りにサンドのピグメントを軽くまぶす。もう少しウェザリングを深めたい気もするが、これにて一応完成。写真用電球とコンデジ(キャノンパワーショットSX60)、三脚を引っ張り出しちゃちゃっと撮影。


■ 完成

 完成した画像を眺める。改めて、IV号戦車ってカッコイイなあ(うっとり)。3Dプリントによるプチ改造は、自分的には大満足。1/48タミヤ改造のG型は、何たってレア度高いでしょ。OVMなど多数の小物がまた模型映えする。3D製作は大変だけどね。ターレットナンバーの書体は、記録写真にある実車に倣う。数字をアレンジ。Web画像のキャプションではギリシャ方面に送られたらしい(情報求む)。ウェザリングは意図して軽めで、これから戦闘に突入する前との設定だ。

 起動輪、転輪は、積層痕を軽くサンディングしているので、かなりのクローズアップにも耐えてくれる。LCDプリンタの特性ゆえ100%の再現度ではないが、1/48戦車には十分だといえる。履帯の側面に未処理の積層痕があるけど、画像だとあまり目立たない。履帯センターガイドの穴はインジェクションではスライド金型を使わない限り再現不能だぞ。F2型やG後期型のバリエーションも3D設計した。読者諸兄には、砂漠のF2やシュルツェンつき後期G型を製作してもらえれば嬉しい。私自身もF1やH初期は作りたいな。

























■ F1短砲身主砲 6/1追加

 先月末に単身先から本宅に引っ越したばかり、なのに今月末には本宅の引っ越しが控えている。だから店開きが必要な本格的モデリングは自粛モード。断捨離の合間に軽くPCモデリングする。お題はF1の主砲だ。寸法、形状、ディテールが結構難しい。寸法は、引きで撮った写真から算出。巷の図面と違うけど、多分図面が間違っているんだろうな(ということにしておく)。

 ポイントは砲塔とのサイズ比。アンテナ除け(というのか?英語だとアンテナ・デフレクタ)の形状把握も難易度高し。一応実車写真を見比べて、こんなもんか。E以前の砲身は先端から一段太くなる部分の前面に6つのボルト穴があるが、F1にはない。F1にする場合は、タイムラインで該当するコマンドを削除するなどされたし。



砲身とデフレクタの基本形はA型からF1まで同じだと思われる。

アンテナ除けデフレクタ

いろんな写真を総合して出来上がりはこんな具合。基部上面のモールドはこんなもんかな。。

アンテナ除けの平面形はこんなもんだと思う。先端の棒は左舷にオフセットしている。



■ G型の砲身長について 6/2追加

 今更だけど、G型(というかG型タイプ起動輪つき車両)は、砲身に長短がある。写真で検証してみよう。



毎度ネットより画像を拝借(以下も同様)。


 上の写真、よーく見ると、手前のシュルツェンなしは短く、後方のシュルツェンありは長い。同スケールにして比較してみる。砲身スリーブの長さの3倍を基準にすると、43口径はそれより短く、一方で48口径は長い。それが下画像。撮影された距離と角度が異なることで多少の誤差はあるけど、この方法だと長短の見分けがつけやすい。



シュルツェンなし。赤い横線はスリーブの長さを3倍にしたもの。縦線は等間隔に3等分。砲身は赤線より短い。

シュルツェンあり。こちらは赤線より長い。どちらもキューポラは後期の1枚ハッチタイプであることに注意。

ちなみに、ほぼ同じアングルで拙作を比べる。短い。あたりまえか。

これは正真正銘H型。砲身は上画像と同程度に長い。なお画像はスケールと位置を揃えてあるので、スライドショーで見るといいかも。


 改めて、写真を見比べてみよう。まず、長いグループ。



起動輪に注目。ボッシュライトは両側。シュルツェンは小穴に引っ掛けるタイプ。キューポラのハッチは一枚。

この車両のシュルツェンも左画像に同じ。発煙弾を装着して、アンテナは車体右舷中央。

これもG型起動輪。シュルツェンは三角板に引っ掛けるタイプ。マズルブレーキは大きな円形。

ギアケースの形状でG型起動輪なのが分かる。キューポラはなぜか2枚ハッチ。アンテナは車体右舷。


 短いグループ。いわゆる普通のG型ってわけ。上と比べると、やっぱ違うよね。ポイントは砲身スリーブとの比率だ。






 傾向としてシュルツェン「あり(砲塔のみのも含む)」は長く、「なし」が短い。たまに「あり」で短いのもあるが、もしかしてシュルツェンがレトロフィットなのかも。「なし」で長いのは無いかな。

 この長砲身の車両って、G型? H型? タミヤ1/35「IV号H型(初期型)」ってまさにこれだよな。もっとも、wikiなどではG型の生産途中から48口径が導入されたとあるから、G型とするのが順当なのだろう(だとすればタミヤの商品名は??)。とはいえ、G型タイプの起動輪を装着したH型が存在したという説もあり、ややこしい。(←だから両者の違いって何?)

 ということで、この問題、正解をご存知の方はぜひご連絡を。


■ シグナルポートとステップ 6/3追加

 暇なのでPCモデリングが続く。シグナルポートは、砲塔上面左舷のと、操縦/機銃手ハッチのと2種類。フタ自体はどうやら同じみたいで、そのように設計する。いい写真がなくて、確証はない。ディテールも甘い。接着面は余裕を見て厚めにしているから、適切な厚さに削られたし。溝は、出力時に膨れて埋まることを見込んで太くしてあるが、お試し出力してないので適切かどうかは不明。

 ステップと履帯フックは、写真から寸法を割り出す。ただしディテール、とくに留め具は想像の産物。薄いので、出力がうまくいくかは保証の限りでない。タフレジンをお奨めするが、その場合は部材の厚さや幅を増した方がいいだろう。また、取付基部は厚さのマージンをとってあるから、最終的には薄くすべし。切り取ってプラバンに置き換えてもいいかな。






 以上で、ひとまずIII/IV号3D改造パーツシリーズは完了。これでF1まで改造できるぞ。ぜひとも、ご活用くだされ。さて、次なる3Dプロジェクトのネタは考え中。砂漠のII号戦車は候補の一つ。IV号系列もまだ余地あり(E型とかブルムベアとか)。シャーマンもやりたいことは残ってるし。


■ 続、G型砲身長 6/7追加

 前回更新後に情報を頂き(毎度感謝)、48口径長砲身のG型と、G型タイプ起動輪のH型との違いが判明する。

 IV号戦車に48口径が採用されたのはG型生産中の1943年4月で、同月にシュルツェンも標準採用となる。6月にG型生産終了。一方のH型は43年4月から生産が開始され(G型と2ヶ月ラップ)、H型から新型起動輪と減速機が採用された(この2つはペアで、H減速機にG起動輪、またその逆は不可)。つまりは、G型タイプ起動輪の48口径車両は、基本的には「G型」なわけである。GとHの区別は原則として起動輪ということになる。

 ただし厳密には、G型、H型の違いは、製造番号(Fgst.Nr.)による。生産途中の変更は、指示があっても現場ではタイムラグがあり(これは飛行機の生産現場も同じ)、帳簿上H型として生産されたG型起動輪+減速機の車両が、ごく少数存在した。記録写真ではFgst.Nr.はほとんど見えないし、外見上は48口径のG型と見分けがつかないし、少数だし。だからモデラー的には48口径のG型と見なすしかない。タミヤはこの極少数の・・・(以下略)

 一方、そうでない「G型タイプ起動輪のH型」も存在する。それが下画像。これは、前下部装甲板より側面板が突出、操縦/機銃手ハッチ跳弾板が簡略化、砲塔上面の近接防御兵器搭載準備孔、段つき転輪ハブなどから43年12月以降生産のH型後期の特徴を持つ。おそらくH型起動輪で生産され、事後的にG型起動輪+減速機に交換されたのだろう。



再掲。これでスッキリ。



■ 予告編?

 無職になって2ヶ月。断捨離と引っ越し準備だけでは毎日暇なので、PCモデリングが進む。II号Fとつぶやいたら、海外某所より資料が届く。仕方ない、やってやるか(←エラソーに)。

※ 以下の記事はII号戦車F型のページへ移動。










■ ダウンロードファイル一覧

※ 左のパーツ名称は、パブリックリンク共有による閲覧のみ。ダウンロードはその右の「●DL」をクリック。


IV号戦車

中期型40cm履帯  ●DL

F/G型起動輪  ●DL

中期型転輪  ●DL

中期型転輪ハブ  ●DL

中期型上部転輪  ●DL

中期型予備履帯  ●DL

初期型38cm履帯  ●DL

ヴィンターケッテン  ●DL

オストケッテン  ●DL

後期型40cm履帯  ●DL

F/G型前下部装甲板  ●DL

F/G型前上部装甲板  ●DL

中期型減速ギアケース  ●DL

前期型キューポラ  ●DL

車体側面クラッペ  ●DL

砲塔ハッチストッパー  ●DL

吊り下げフック  ●DL

ピストルポート  ●DL

アンテナガード  ●DL

ライト基部等  ●DL

OVMクランプ  ●DL

発煙弾発射筒  ●DL

F2型マズルブレーキ  ●DL

砲塔クラッペ  ●DL

E/F1型主砲  ●DL

シグナルポート  ●DL

ステップ  ●DL




III号戦車

中期型40cm履帯 左  ●DL

中期型40cm履帯 右  ●DL

初期型38cm履帯 左  ●DL

初期型38cm履帯 右  ●DL

初期型38cm起動輪  ●DL

ヴィンターケッテン左  ●DL

ヴィンターケッテン右  ●DL

オストケッテン左  ●DL

オストケッテン右  ●DL

後期型40cm履帯 左  ●DL

後期型40cm履帯 右  ●DL

初期型40cm履帯 左  ●DL

初期型40cm履帯 右  ●DL



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更新履歴

 2021年2月、III号/IV号履帯を一部修正し差し替え。変更箇所は、正面から見える台形状のリブの配置を微修正、隣のシューとの隙間をクッキリ、外から見えない隙間を埋めて出力時の強度アップ、サポートと履帯を別ボディ化、38cm履帯は接地面の前後幅を拡大し台形状リブの配置も見直し、後期型履帯および初期型40cm履帯の追加、など。

 IV号履帯は左側のみとする。右側はFusionでミラーを使うか、スライサーで反転してちょ。後期型の滑り止めを除去する(=当該ボディを結合するコマンドを削除)と中期型でセンターガイドの穴の開いてないタイプ(つまりIII号キットと同じタイプ)にできる。



後期型履帯。キットパーツにもあるけど、ディテールの彫りの深さ、穴の抜けなどのアドバンテージありだぞ。

初期型40cm履帯。中央の転輪が乗る部分や接地面は中期型履帯と同じ。両端は38cm履帯に似ている。


 2021/12 ナースホルン履帯作成を機に、IV号履帯(38cm、中期、後期)を2Kモノクロ対応に差し替え(ファイル名は古いまま)。変更箇所は、両端のリング状の穴を小さく、履帯同士の隙間を狭く、表面リブの幅を狭く。




■ 参考文献

 IV号シリーズについて、全型式と自走砲、突撃砲など派生型も含め、とりあえずざっとリストアップ。モノグラフは多くないが、なにせ大戦初期から最後まで前線で活躍しただけに、モノグラフ「でない」本には必ずと言っていいほど顔を出す。コンコルドArmor At Warシリーズは主なところを拾うが、ここで力尽きてそれ以外の「でない」本はスルー。

 -55からのアハトゥンク・パンツァーは、G型製作時には未入手。細部に関して「う、知らんかった・・」が結構あるなあ。


1 Armor At War 7013 Panzerwaffe at War (1) Nuremberg to Moscow Concord
2 Armor At War 7014 Panzerwaffe at War (2) Moscow to Berlin Concord
3 Armor At War 7015 Panzers In The East (1) The Years of Agression 1941-1943 Concord
4 Armor At War 7016 Panzers In The East (2) Decline and Defeat 1943-1945 Concord
5 Armor At War 7018 Panzertruppen at War Concord
6 Armor At War 7019 Armor Battles on the Eastern Front (1) The German High Tide 1941-1942 Concord
7 Armor At War 7020 Armor Battles on the Eastern Front (2) Downfall of the Reich 1943-1945 Concord
4 Armor At War 7021 Armor of the Deutsches Afrikakorps Concord
8 Armor At War 7022 German Self-propelled Guns Concord
9 Armor At War 7023 Panzers in Italy 1943 1945 Concord
10 Armor At War 7025 4.Panzer-Division on the Eastern Front (1) 1941-1943 Concord
11 Armor At War 7026 4.Panzer-Division on the Eastern Front (2) 1944 Concord
12 Armor At War 7029 German Sturmartillerie at War Vol. 1 Concord
13 Armor At War 7030 German Sturmartillerie at War Vol. 2 Concord
14 Armor At War 7033 Panzer-Division 1935-1945 (1) The Early Years 1935-1941 Concord
15 Armor At War 7034 Panzer-Division 1935-1945 (2) The Eastern Front 1941-1943 Concord
16 Armor At War 7035 Panzer-Division 1935-1945 (3) War On Two Fronts 1943-1945 Concord
17 Armor At War 7039 German Armoured Units At Arnhem September 1944 Concord
18 Armor At War 7041 Achtung Panzer The German Invasion of France and the Low Countries Concord
19 Armor At War 7042 Panzers of the Ardennes Ofensive 1944-45 Concord
20 Armor At War 7043 Panzers in North Africa Concord
21 Armor At War 7045 The Battle Of The Bulge Concord
22 Armor At War 7047 Panzer-Division in Russia Concord
23 Armor At War 7048 Battle on Two Fronts 1944-45 Concord
24 Armor At War 7053 Panzer Vor German Armor at War 1939-45 Concord
25 Armor At War 7055 Panzers in the Gunsights Concord
26 Armor At War 7057 Panzers in the Gunsights 2 Concord
27 Armor At War 7060 Panzer Vor 3 German Armor at War 1939-45 Concord
28 Armor At War 7064 Early Panzer Victories Concord
29 Armor At War 7065 Panzerkampfwagen III and IV 1939-45 Concord
30 Armor At War 7070 Panzer Divisions In Battle 1939-1945 Concord
31 Vanguard 18 The Panzerkampfwagen IV Osprey
32 New Vanguard 28 Panzerkampfwagen IV Medium Tank 1936-1945 Osprey
32 New Vanguard 34 Sturmartillerie & Panzerjager 1939-45 Osprey
33 New Vanguard 37 Sturmgeschutz III and IV 1942-45 Osprey
34 New Vanguard 39 Panzerkampfwagen IV Ausf.G H and J 1942-45 Osprey
35 Duel 33 Panzer IV vs Char B1 Bis France 1940 Osprey
36 Duel 70 Panzer IV vs Sherman Osprey
37 Duel 86 Cromwell vs Jagdpanzer IV Osprey
38 Wydawnictwo Militaria 4 PzKpfw IV Wydawnictwo Militaria
39 Wydawnictwo Militaria 94 Sturmgeschutz IV Wydawnictwo Militaria
40 Wydawnictwo Militaria 141 PzKpfw IV Vol.I Wydawnictwo Militaria
41 Wydawnictwo Militaria 147 PzKpfw IV Vol.II Wydawnictwo Militaria
42 Wydawnictwo Militaria 152 Panzer IV L70 Wydawnictwo Militaria
43 Wydawnictwo Militaria 150 Jagdpanzer IV L70 Wydawnictwo Militaria
44 Wydawnictwo Militaria 261 StuG IV Wydawnictwo Militaria
45 Wydawnictwo Militaria 319 panzer iv color Wydawnictwo Militaria
46 6081 Panzer IV The Panzerkampfwagen IV Medium Tank 1939-1945 Squadron/signal
47 Armor in action 2012 PzKpfw IV Squadron/signal
48 Waffen-Arsenal Band 3 Nashorn, Hummel, Brummbar Squadron/signal
49 Waffen-Arsenal 14 Panzerkampfwagen IV Squadron/signal
50 Waffen-Arsenal 104 Die Panzer IV Familie Squadron/signal
51 Waffen-Arsenal 160 Brummbar Squadron/signal
52 PzKw IV And Its Variants (StuG IV,Wirbelwind,Ostwind,Kugelblitz) Schiffer
53 Nuts & Bolts 10 Hummel Sd.Kfz.165 Nuts & Bolts
54 Nuts & Bolts 14 Nashorn Sd.Kfz.164 Nuts & Bolts
55 アハトゥンク・パンツァー 第3集 IV号戦車編 大日本絵画
56 アハトゥンク・パンツァー 第4集 パンター・ヤークトパンター・ブルムベア編 大日本絵画
57 アハトゥンク・パンツァー 第5集 III号突撃砲・IV号突撃砲・33式突撃歩兵砲編 大日本絵画





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