ジェット プロヴォスト T3 (エアフィックス 1/72)製作記
2016.10.7初出
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重箱の隅をつつけば、実機のスライドフードはフレームの後ろからプレキシグラスがはみ出し、後方固定窓に被ぶさるようになっているところ、そこまでは再現されていない。もっとも、そうしようとするとプラの厚みで外形が崩れてしまうから、むしろ再現されない方が断然好ましい。設計者も、忘れたわけではなく、多分私と同じ考えなのだと思う。
塗装について。T3(およびT3A)は全面銀にディグロウか上白下赤が大多数を占め、模型的には面白味が少ないが、無改造で作れるT4まで含めるとダークグリーン/ダークシーグレイのRAF制空迷彩、バーリーグレイ、銀に黄帯、ヘンプ(?)にディグロウ、訓練部隊のアクロチーム「レッド・ペリカンズ」の全面赤など、それなりに色彩豊か。ラズベリー・リップルはT5のみ。残念。
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![]() 主翼下面パーツが胴体に潜り込むようになってたり、バルクヘッドに爪がついてたり、組み易さへの工夫が嬉しい。 |
![]() 重りはハンズの鉛板。インスト指定の2.5gだとこのくらい。精密秤がなくても厚さと面積と比重から重量を計算できる。 |
![]() コクピットはストレート。計器盤はキットデカール。胴体幅を狭める分(狭めなくとも?)アンコを十分に摺り合せる要あり。 |
![]() ライトはエデュスピのクリアパーツの不要部を使う。半球状の部分を反射板に見立てる。裏にアルミ板をポンチで抜いて接着しておく。 |
![]() 接着して削ったところ。磨けば光ってくれるかな? 実際のライトはもっと小さいから、あとでスジボリする。 |
![]() でもって、一の字。接着は緑フタなので、後からヒケてくるだろうなあ。ドーサルフィン〜垂直尾翼前縁がダルいから削るべし。 |
エンジン・エアインテイクを胴体に接着、整形して、主翼を取り付けようとすると、インテイクが邪魔をする。主翼パーツの干渉する部分を切り取って胴体側に接着。主翼と胴体の合わせがキツく、そのままだと上反角が不足する。実機の上反角は6゚。接合部分を慎重に摺り合せて主翼を接着する。ここは本キットの要注意部分。そのまま溶剤系で接着してテープで引っ張る、なんてのはオススメしない。時間が経つときっと戻ってくるぞ。私の予想では、完成作品の多数が上反角不足になるだろうな。 |
![]() 赤○部分を主翼下面パーツから切り取って胴体に接着。インテイク内側は本当は白だけど、外面色に合わせるのだ。 |
![]() つうことで、士の字。上反角はキッチリつけよう。水平尾翼は左右切り離して後付けしている。 |
キャノピは枠のモールドを落としてスジボリ。スライドフード後下隅部の形状がちょいと実機と違い、斜めの直線が正解。作品はそのままスルー。また、スライドフード上部中央の窓枠は内側にある。これは裏から黒ベタデカールでも貼る予定。素組みの人は黒く塗るだけでもいいだろう。キットは風防下辺の窓枠が明示的にモールドされてないが、実機はちゃんと枠があるのでこれもスジボリ。細かいこというとRがついて胴体と滑らかにつながるけど、そこはスルー。←またかい |
![]() ヘッドレスト付近のベルトを鉛板で追加、エジェクション・ハンドルを細く削るけどまだ太いな。 |
![]() 窓枠スジボリには、自作ダブル針が活躍。 |
窓枠を削る分を見込んで狭めた胴体、まだ若干幅広。ただし、これ以上狭めると、後方固定窓が合わなくなるから悩ましいところだ。
後日追記。初代キット入手。画像は こちら で。
さて、サフ吹きまでの細部をちょこちょこ。胴体各部のインテイク&アウトレットをプラ材で追加。背中の四角いインテイクは大小のバリエーションがあるが使い分けが不明。細部写真を見ながら各部のファスナをケガキ針で打つ。キャノピを磨いてキャノピ天井フレームのデカールを内側に貼る。胴体には木工ボンドで仮止めして、セロテープでマスキング。窓枠部に黒を吹いてから薄くサフを吹く。案の定現れる不具合を直す。 そういえば翼端灯ってどこにあるんだろう? と写真をよく見ると、翼端タンク先端の黒いところが翼端灯になっている。ただし、内側には無さそうで、外側半分をクリアランナーに置き換える。 |
![]() 背中の突起物を追加。アクセスパネルのラッチは瞬間で埋めてスジボリ。 |
![]() 翼端灯をクリアー化。実機ではほとんど黒一色に見える。断面は黒く塗っておく。 |
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![]() まず、白を塗装。#1200ペーパーで軽く研いで、再度白を上塗り。 |
![]() マスクしてライトグレイ。 |
![]() ライトグレイをマスク。赤の下地はこのライトグレイにする。白との境界部のみ、赤の滲み出し防止に薄く白を吹いておく。 |
![]() 赤を吹いてマスクを剥がし、はみ出しを面相筆でタッチアップ。 |
インストの塗装図は、尾部上面の塗り分けが間違っているので注意されたし。それ以外は正確。まあ重箱の隅ではある。
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![]() アンチグレアのマスキング。先端の微妙なカーブは、テープを貼って細ペンで塗り分け線を描き、はがして切る。 |
![]() 黒は、普段は20%混を使うところだが、原色系の塗装なので白10%混とする。 |
![]() 尾部の銀はスーパーファインシルバー。主翼部の塗り分けは、パネルラインとは関係ない位置にある。 |
![]() 着陸灯がキラリと光ってくれて満足。裏に貼った凹ませたアルミ板が効果大のようだ。写真ピンボケだけど。 |
![]() 赤の塗り分け線を一部ミスってるのに気付く。幅で0.5mmくらいか。この程度なら面相筆タッチアップで十分。タンク先端の黒も筆塗り。 |
![]() ガイアのクリアを吹き、#1200ペーパーでマスク境段差を削る。ゴミやユズ肌も軽く研ぐ。削りすぎて一部で下地が出てしまい、吹き直し。ヘタレや。 |
塗り分けの境はクリアを吹いた後にペーパーをかける。クリア層なしだと、白が赤や黒に染まってしまうのだ。研磨後、デカール貼りに備え、極薄のクリアを吹いて表面をグロスに戻す。
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![]() 青の部分をマスク。青と白は突合せで塗装する。 |
![]() 青と赤まで終了。青はいつもの#322フタロシアニンブルー、赤は機体色と同じ(GX3ハーマンレッドと#327サンダーバーズレッドを1:1)。 |
![]() 白も塗装しマスクをはがす。フィンフラッシュの赤は、機体の赤と同じ色なのに目の錯覚で暗く見える。う〜ん、そこまで考えなかった。 |
![]() デカール終了。主翼の赤丸はキットデカールを切り抜いたもの。クリアも吹く。残るはインレタの機番のみ。 |
![]() 赤を塗り直すためにマスキング。青白は塗装だからテープを貼っても問題なし。 |
![]() ちなみに下面マーキングはこんな感じ。 |
http://18.gigafile.nu/1202-cc45f73b75dc5912b8730d8a26f38a9b2 ダウンロード期限: 2016年12月2日(金)
胴体下のアンテナの色が不明。インスト指定の赤ではなさそう。とりあえず白で塗っておく。アンチコリジョンライトはクリアランナーとポンチで抜いたプラバン。クリアーレッドで塗るから、削りっぱなしで磨く必要なし。なお、機体(あるいは時期?)により有無があり、当該機については写真の人物の陰で不明。チップタンクの翼端灯も塗装。ほとんど黒に見えるという実機を忠実に再現。←効果なしともいう。 |
![]() 脚を取り付け。主脚は横から見ると後傾、前からは逆「ハ」の字になる。アンテナはまだ。 |
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製作メモ。組み立ては完全な素組み。Dアップなし。筆でぺたぺた塗装。WW1時の正確な塗装色は知らないのでテキトーに。ちなみに羽布は#45セールカラー、金属部は#23ダークグリーン(2)、木部は自作ダークアース。デカールはキット。いつものようにクレオスのマークセッターを糊がわりに使う。固着後に軟化剤(マイクロのゾル)を上塗りしたところ、効きすぎてシワが発生。ナイフでつついて空気を追い出し、セッターを塗って押さえるが、完全には修復できず。相変わらずデカール貼りが下手。 プロヴォストのクリアのついでにフラットクリアを吹いて、水溶きウェザマスでウォッシング。ウェザマス(生)を少量つけた指で擦ってリブの峰を強調。雑な塗りを誤魔化すため、きつめの汚し。ここまでくるとテンション上がってきて予定外の張線までやりたくなる。なにしろ翼を接着した後なので、翼間支柱にバイスで穴を貫通し、ナイロン糸を結び付けて一筆書きするように張っていく。いい加減な工作だけど、案外それらしく見えるもんだ。 |
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塗&マは、箱絵の第39スコードロン所属、ウィリアム・ロビンソン大尉搭乗機で、1916年9月、ロンドン上空にてドイツの飛行船を撃墜した。
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1 | Warpaint No.82 BAC Jet Provost & Strikemaster | 9780495112822 | Hall Park Books |
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