ホーカー シーフュリー FB.11 製作記 その2
2018.5.25初出
|
|
上部にはあらかじめ内側に0.4mmプラバンを接着しておくことにする。 |
あとの手順は一緒。イージーサンディング瞬間は接着力が弱く、あとで割れてくる。普通の瞬間に変える。心配した白化はなし。 |
後半の平面形を、さらに直線的に絞り尻尾が尖るように削り込む。1.0mmアクリル板でヒートプレス。 |
左、前回のフード。中&右、新たに絞ったもの。1つは予備。 |
ざっと削り出して胴体に仮置きすると、やや風防後端の方が広い。フード後端の尖り具合に注意。 |
風防後端を削るため、補強として下側に曲げたプラバンを接着する。翌日、削る。 |
フードにはフレームとして0.5mmプラバンを瞬間で接着。接着面は油性ペンで黒く塗っておく。 |
フレームを削り、後半に0.2mmプラバンのフチをつける。工作具合を確認するため黒く塗る。風防は胴体に流し込み系で接着。 |
大体、工作のメドがついたかな。このあと、細かい擦り合わせをしていく。
|
|
修正前のキットのスピナ。先端が丸く、プロペラの穴の角度が立ちすぎ。2mm真鍮棒を軸にしてルーターで回転切削する。 |
穴にはプラバンを貼る。また、キットのままだと取付位置が1mmほど前すぎる。画像は正しい位置にした状態。 |
切り取っておいた機銃ブリスターを接着。透明プラバンのテンプレートでスジボリ(見えるかな?)。胴体近くのリベットも打つ。 |
カウリングを接着し、段差を修正。谷折り線なので、結構難しい。修正後にリベットを打つ。ファスナは#3たまぐり。 |
排気管はキットパーツ。エッジだけナイフで薄くする。 |
ということで、ようやく全体形が見えてきた(画像はリベット前の状態だけど)。 |
東西両展示会には、なんとかカッコがついたな。画像はないけど、風防とスライドフードの合わせも調整し、軽く磨いておく。
|
大阪レディバードのE氏作成によるサンプル品を頂戴する。1/72のコクピットが一発成形。 |
もうひとつは、私の図面を3Dデータ化したいという方が現れたこと。これは嬉しい。しかも若い。従前から表明しているとおり、当ページの図面等の著作物は、誰でも自由に無償で使って結構。必要な方には、元のベクターデータをお渡しする。早く3D画像が見たいな。
|
プラバンでブリスターを追加。ラジエータ部分のリベットはケガキ針で(一部はダブル針)。 |
エルロンヒンジ部分にもブリスターを3個追加。各ブリスターはこのあと形状を仕上げる。 |
コクピット後方に、プラバンでレール(0.3mm×2)とシール(0.5mm)を追加。 |
フード後端はレールに合わせて凹に削る。 |
もう少しで塗装だ。マーキングを決めないと。
|
風防のマスキングはセロテープ。 |
サフェーサを全体に吹いた状態。 |
|
さて、これらシーフュリーの塗装、規定により各機みな同じ・・なワケはなく、ばらばら。同一部隊内でも機体毎に違うケースもある。下画像は、これらバリエーションの一例で、VR937/106Rは同じ804スコードロン所属機で、翼の帯は左舷に示す位置。上の画像と比較すると分かるように、白黒帯の位置は変化が大きい。感じとして戦争初期は翼の帯が内側寄り、後期には外寄りが多いかな。これも下図の左右のようなバリエーション。 下面はシリアルを避けて塗られることが多いが、べったり塗りつぶしたもの、翼上面のみ帯があり下面にないもの、エルロンだけ塗られてないものもある。胴体の白黒帯は、後端が尾脚ドア直前か、またはその前方のパネルラインかの2例に大別される。これも機番を避けて塗ったり、機番は帯と反対の色だったり、機番の書体やサイズもばらばら。 一方、各ラウンデルとシリアルは基本的に工場塗装だろうから(初期の旧塗装から塗り替えた機体は別として)、大体共通している。ただし細かく見ると微妙な位置や書体にはバリエーション。ちなみに、ラウンデルは胴体30インチ、翼35インチ、翼下シリアルは高さ24インチ、白黒帯はそれぞれが12インチ幅。 |
さて、現存するオリジナルのカラー写真で見ると、シーフュリーのエクストラ・ダークシーグレイはかなり黒っぽく、ほとんどシーブルーに近い感じ。今回はこのイメージで行くことにして、1/32シーファ47と同じ明度、色相にする。レシピはC333EDSGに手近にあったC125カウリング色を少量(様子を見ながら数%程度)。長谷川寿比人君に塗ってイメージ確認。スカイもシーファ47と同色でC26ダックエッググリーンとC128灰緑色が3:1。白はGX1とC62つや消し白を半々でセミグロスにする。その他もいつもと同じで、C92半艶黒は白20%混、青はC322フタロシアニンブルー、赤は327サンダーバーズ赤。 |
不具合、工作忘れをちまちま補修中。このあと塗装下地としてのサフを吹く。 |
右舷のEDSGは1/72シーファ17で使ったもので、スケールエフェクト、ダークスレートグレイとの明度差を考慮して調色。 |
サフの塗膜ができたら、スカイから塗り始める。すると新たな不具合箇所を発見。最近忘れっぽくなって、こういうの多いんだよね。歳は取りたくないのう。ともかく、補修してスカイをタッチアップ。このときプラ地が出たら、必ずサフから塗ること。これ大事。 次にスカイをマスクしてEDSG。塗膜を薄くしたいから、帯とラウンデルもマスクして突き合せで塗る。特に胴体の帯はマスクしとかないと、白が透けるぞ。 |
他色との境界はマスクせずフリーハンド。塗膜が厚くなるので100%の発色は求めず、ほんのりグレイが透けるあたりで止める。 |
補修箇所にサフを吹いたところ。これしておかないと、プラ地との境で塗膜の段差がついてしまう。 |
EDSG塗装終了。 |
キャノピとスピナも塗装。スピナにはスジボリと小穴を追加。 |
そこで重要なのがサフの下地。なぜかサフは同じ薄さでも均一な塗膜ができる(クリア分が少ないためかな?)。サフの上なら塗料も凝集しない。で、この塗り方が、結果的に最も塗膜が薄くなる。サフを吹いた方が薄くなるというのは逆説的だが、塗料のみで十分な発色を得る厚さになると、その分だけクリア層が厚くなるから、結果的に塗膜が厚くなる。薄い塗料のもう一つのメリットは雨の日でも吹けること。俗にいうカブリは全く経験したことがない。逆にいうと雨の日に塗れない人は、塗料が濃すぎるのでは? 濃度は撹拌用の筆をカップの縁でしごいて、流れる感じで調節する。だから正確な濃度が不明だが、カップが透けて見える程度。エア圧はかなり低い。ちなみに、しずか御免+付属の0.3mmダブルアクションを愛用、エア出しっぱなしで針を引いて塗料を出すから、ある意味シングルアクションみたいなもの。ノズルはあまり開かず、狭い範囲をチマチマ塗ってく。一回の吹き付け量は、塗装面がようやく濡れる程度。ドライヤーで強制乾燥して何回も重ねる。針先のガードは常に外す。長時間塗装してると内面に溜まった塗料が吹きこぼれるのだ。だから、しょっちゅう針先が曲がる。スチール定規みたいな平らな金属2枚でぐりぐりしごいて直す。普段使いはこんなんで十分。
|
青のためのマスキング。マスキングテープの端を折り曲げておくと、吹きこぼれが防げる。 |
青を吹いて白のためのマスキングをしたところ。 |
白を吹く。発色とリベットが埋まらない塗膜厚さのギリギリの兼ね合いのところで止める。 |
黒帯のためのマスクの途中。白は膨張色なので、黒より気持ち細め(0.3mm程度)にすると、見た目に等間隔になる。 |
赤丸のためのマスク。直径5.6mmなので、チューンアップしたサークルカッターでは楽勝に切れる。 |
一旦、全てのマスキングをはがす。ラウンデルと識別帯が終了。まだ段差落としなどはしていない。 |
シリアルのマスクはカッティングマシーンで作製。画像では端折ってるが位置決めは慎重に行う。 |
シリアル終了。テンション上がってきたぞ。 |
フラットクリアを吹き、塗膜境の段差、柚子肌の塗装表面をラプロス#6000で軽く研ぎ落とす。 |
展示会向けに、粉状のパステル+石鹸水で軽くウォッシング。アルミ板がナカナカ良い感じじゃ。 |
|
|
正誤を比較。側面図は上が30インチ、下が32インチ。上面図は左が35インチ、右が32インチ。塗り直しはリベット埋まるのが必至だけど、そこまでして直す価値があるかどうかが悩ましい訳で。
|
まず下面で練習。大きさの違いって、こんだけしかないんだけどな。 |
白で補修する部分の青を切出し刀でカリカリ落として白を筆塗り。次いで赤のためのマスク。 |
青と赤も筆塗りで補修。下面の反省で、あらかじめテープの境に滲み防止のクリアを筆塗りしておく。 |
1日乾燥させ、ラプロスで段差を軽く均したところ。このあとフラットクリアを吹いて(←リベットが埋まらない程度に)磨く。 |
胴体ラウンデルは小さくする方向なので、スカイのタッチアップが必要となる。これは結構目立ちそう。さらに、EDSGとの間隔を保つためには中心をズラす必要がある。塗装図でもそれほど違和感ないから、とりあえずそのままかなあ。ともあれ、下がったテンションは十分回復。次は小物だ。
|
赤版の刷り上がりは、黒版と比較してコーションなどの線がやや細い。これは版の中にある白抜きの文字をキレイに抜くため、細めに微調整してくれた結果かも。貼り付けは問題なし。今後は版の作り方にも気を付けようか。デカールでは黄色のコクピット左舷キャノピリリースのレターは、実機写真を見ると赤の機体もあるような・・(←主観的推測) スライドフードのフレームにある黄色点線はデカール。こんなのインレタでは無理。位置決めができない。スピナのコーションもデカール。インレタだと微妙な位置決めができず、不揃いになってしまうのだ。貼り付け後、全体にセミグロスクリアを吹き軽く研ぐ。 |
インレタ貼ってフラットクリア。ラウンデルはなんとかリカバリー。 |
このへんのレター、シリアルは全てインレタ。水平尾翼の赤いコーションもインレタ。 |
黄色点線はキットデカール。 |
コーションもインレタ。考証は自信なし。たまぐりリベットがあるから、デカールにクリア厚吹きして研ぎ出しは、したくない。 |
|
|