F6F-5ヘルキャット製作記 その4
2011.5.20初出
|
|
細部工作 |
まずはキャノピ。一応、開閉可(可動は無理でも選択式で)とするつもりで、キャノピ後端とファストバックの背が重なるような作りにしてある。このため、閉状態でスッキリ収めるためには、キャノピ後端を極薄に仕上げる必要がある。ここは#600ペーパーで慎重にクリアパーツの厚みを削る。 |
風防&キャノピはエデュアルドを使用。キャノピパーツは開閉2つのパーツがセットされる。右オリジナル、左厚さ半分以下に削ったもの。 |
胴体に乗せてみる。正面ガラス下部に隙間がある。キャノピ後端はもう少し下に押さえる必要あり。 |
次に風防。エデュは鼻筋の高さが1mm程高く、そのため胴体高さを正しい位置に下げると正面ガラス下端に隙間が生じる。ここは手っ取り早く、正面ガラスのみCDケースの透明プラで置き換える。 |
モーターツールを駆使してくりぬく。正面窓はこの段階でスジボリ。 |
断面を黒く塗って接着。胴体側も、プラ材で隙間を埋める。 |
風防の隙間はサフェーサで埋め、接着剤とサフが十分に乾燥したら摺り合せる。
|
前回更新は胴体に乗せているだけ。ここで胴体に接着。隙間は黒塗料+プラ粉で埋める。 |
正面のスジボリはガイドを作ってケガキ針。 |
下辺のフチは0.14mmプラペーパー。スライドレールのフェアリングも追加。接着材と溶きパテを枯らしてから整形する。 |
窓枠の境が曖昧なのでエッチングソーでスジボリし、モーターツールで磨く。薄いので割らないように細心の注意を払う。 |
エデュの風防と断面修正かましたハセの胴体との相性は悪くないが、キャノピと胴体の合わせに一苦労。クリアパーツの厚みを考えずに胴体背中を作ってたので、いざパーツを合わせてみると少々きつい。胴体背中を少し削り、キャノピは極限まで薄く削る。一方風防は気持ち幅が狭く、これに合わせて胴体上部を削る。逆だと上手く収まったのにね。この調整中にキャノピパーツをダメにして、泣く泣く一からやり直し。幸いエデュには開閉2つのパーツがセットされている。
|
表、裏、それぞれ半分弱まで削る。さらにスポークを裏から削って薄くする。右はオリジナル。 |
左修正後、厚さ4.8mm。右キットオリジナル、厚さ4.0mm。 |
|
風防下辺のフチを整形、消えた周囲のリベットを再生。あとはレール関係だ。 |
キャノピを閉じた状態。 |
画像では少々分かりづらいが、風防後縁はいつものように段差状に削り、エッジを薄く見せる。 |
胴体全景。「がっしり」と幅広な機首と、風防の立ち上がりのライン、これがヘルキャットの「キモ」だ。 |
|
キャットグリンを微調整。これだけじゃ絵にならないので、インテイク奥にエッチングのメッシュを貼ってみる。 |
キットのフック周辺の形が違う。プラバンを貼って修正。 |
|
グラスノーズが上を向きすぎ。胴体側面が平板。キャノピもF-105みたいだ。 |
その他の実機画像はこちらあたりで |
ついでに、タミイタのハリケーン。これは店頭で組み上げたのを見たが、機首断面形状がダメで、古いエアフィクス1/72に先祖帰り。胴体羽布表現は、一見良いがリブの間隔が不正確で、上半分が狭いところが再現されていない。ということで、ハセガワのベストキットの座は変わらず。
ハセガワの脚カバーは、基本形状がよく再現されている。長円のスジボリは位置がずれてるけど。一方エデュはシルエットも違うし脚柱部の膨らみもヘン。エデュは後発でハセより出来がいいと思い込みがちだが、よく見ると形状やディテールが不正確で、ハセへのアドバンテージは風防&キャノピだけ。ま、それはそれで大きなポイントだが。 脚柱もハセを使う。オレオの位置が異なるので、プラパイプなど使いながら位置を修正。脚の中心には穴をあけ、0.8mm真鍮線を通す。エデュは脚が長すぎ。トルクリンクのパーツも一見よいのだが、大きさがぜんぜん違うので使えない。ハセの脚長さは正しい。 |
左修正後。中ハセ。右エデュ。 |
左エデュ。中、ハセ。右は工作中。エデュは離陸後オレオが伸びた状態を再現するのに丁度よいな。←誰がするか |
いつもはオレオにメッキパイプを使うが、丁度よい太さがない。そこで、1.8mm真鍮パイプにハンダめっき。 |
翼主桁の真鍮角棒に開けた取り付け穴の位置が少々ズレてて、真鍮線をこのようにハンダづけ。 |
ついでに言うと、ハセは、柱とカバーとそれぞれ単体ではいいのだが、相互の関係がダメ。カバー取り付け位置が下がり過ぎなのだ。素組みの人もカバー下端形状と取り付け位置だけは直そう。
|
手順は以前やったP-40やヘルダイバーと同じだが、とにかく精度が要求される。微妙なところは紙をはさんで調整。 |
できあがり。一番出来のいい部分が正面にくるようにする。アップだとあちこちコケてるが、このあたりが技術の限界。あきらめる。 |
タミヤのハミルトンはなかなかいい形。少々厚いので薄く削って形を整える。もっとも最初から薄いと違ってる時に修正が大変だから、パーツとしては少々厚い方が好ましいといえる。スピナはいくら何でも太すぎるな。 |
スピナを比較。左アキュのSB2C-1、中ハセ、右エデュもスピナが小さい。 |
左ハセ。中タミヤ(表)、右タミヤ(裏)←切削整形済み。 |
|
脚柱にトルクリンクを取り付け。塗装前なので使用材料がよく分かるね。左のは途中段階。エデュ(茶)は1/72に丁度よいかも。 |
実機の脚カバーは基本的に板一枚。パーツを薄く削り、裏側にディテール追加。見えないところは省略。 |
仮り組みしてみる。タイヤのボリューム感とトルクリンクの存在感に満足。このあと、ブレーキパイプや脚カバー止めなどを追加する予定。 |
脚カバーとタイヤ、トルクリンクの位置関係をチェック。脚柱上部の隙間を埋める。 |
|
尾脚もほぼスクラッチに近い状態だが、シーブルーで塗ると苦労の甲斐がないんだよね。左はハセ。 |
左はエデュの残骸。これはフォークが短いので使えない。 |
防弾板周りをスクラッチ。右はアイリスのレジンパーツ。高さが違うので使えない。ヘッドパッドも小さいし。 |
タミヤP-47のブレードをアキュSB2C-1のハブに接着。左はハセガワ。 |
小物関係も大分出来上がる。あとは脚の残り(脚上部カバーなど)、動翼のリブ&タブ、翼端灯&航法灯、着艦フック周り、アンテナ、機銃、ピトー管、排気管とカウル取り付け、シートとベルト・・・って、結構残ってるなあ。今月中に塗装に入れるか??
|
マスクして、濃いめのサフを筆で二度塗り。 |
できあがり。下描きを丁寧にすると仕上がりがきれい。 |
|
一部図面では、リブの本数やピッチが間違っているので注意。正しくはエルロン8本、フラップ15本。フラップ両端のヒンジ部のリブ間隔が狭い。 |
クローズアップ。タブの配置は-3と-5で異なるので注意。航法灯を追加。作り方はF-86の着陸灯と同じ。 |
|
ということで、いつもの透明プラバン絞り。型は製作中の翼から切り取って、カバーの厚さ分だけ削る。 |
できあがり。接着は、瞬間で曇ったり、流し込みで余計な隙間に流れ込んだりが嫌なので、通常タイプ、いわゆるタミヤの白フタ。 |
せっかくなので内部の電球の再現にも手間をかけ、実機どおりの基部を作るが、もう少し外側に出した方がよかったかな。
|
焼き鈍し真鍮線でブレーキ・ライン。正面からまったく見えず。 |
脚柱上部につく台形の小脚カバーを追加。脚カバー(大)を接着し、取り付けステー類を延ばしランナーなどで。 |
これで脚はできあがり。
●正面図(2013.6.6修正)
レールは、0.3mmプラバンに幅0.3mmのラインチゼルで溝を切って両脇を切り落とし(プラバンを黒く塗っておくと見やすい)、「凹」断面の細帯を作る。これを所定の位置に接着し、さらに高さと幅を削って狭める。コクピットの「へり」は、キットではキャノピ下端の高さになっているが、実機はレール部分がスライドキャノピと重なる。ここには2mm幅の0.8mmプラバンを接着し、高さをかせぐとともに幅広ストリンガーを再現。 |
レールとコクピットのへりを接着。実は前後のレールはつながっていない。 |
キャノピパーツ下端にもプラバン細切りで爪をつけ、レールにパチンとはめる。 |
開状態でもレール下端に爪がはまる。 |
閉状態でもレールに爪がはまってぴったり固定。 |
|
最初カウルにエンジンを接着しようと思ったが、うまくいかず。胴体内部の補強部材に台をつけてエンジンを固定。 |
排気管取り付け部を薄く削って真鍮パイプを並べる。排気管端部は完成後も後からよく見える。 |