F6F-5ヘルキャット製作記 その5
2011.5.20初出
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塗装&細部工作 |
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シャバシャバに希釈したサフを、下地の色違いが分かるくらい薄く吹く。←カウルなど注目 |
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スジボリのテンプレートをアルミ板で作る。左は内翼の空気取り入れ口、右は機銃口。 |
機銃口スジボリ。ライト追加。これらで消えた主翼前縁リベット打ち直し。 |
アンテナ柱(画像は前傾してるように見えるが直立してる)、航法灯基部、キャノピレール前方のフェアリング整形&レール後方小突起追加。 |
尾翼にもアンテナ柱。サフェーサのリブ表現もまずまず。 |
悩んだ末、ウォークウェイをとりつける。幅も写真により様々で、作品は5mmとする。 |
イモづけのエルロン・ヒンジがポロポロ取れてやり直す。今度は翼に穴をあけて埋め込む。 |
主翼分割部内側にディテール追加。 |
牽引リングのフェアリングはこのように後ろが広い。 |
補足。アプローチ・ライトの工作法はいつもと変わらず、クリアープラバンのヒートプレスに、ライトはアルミ板を凹ませポンチで抜く。その他、画像はないが、内翼前縁にエアインテイク開口。胴体下面に三色灯を追加し、その周囲にスジボリ&リベット。カウル形状の微修正。これは、上半分のアクセスパネル部分の丸みを削ぐが、本当に気持ち程度。各所のキズ、小穴をパテ埋め。動翼リブの一部がはっきりせず、再度サフで描く。忘れていたリベット、スジボリを追加。←これが結構多い。・・ふう、疲れる。
さて、サフを吹いて外翼を結合すると、それまで見落としていた(というか、見て見ないフリしてた)主翼前縁の形状不良が気になって仕方がない。これ、キットの翼厚不足を前縁の接着面にプラバンを挟んで修正した際、プラバンによる断面形状変化への対応が不十分だったため。これまでプラの色違いで目立たなかったんだね。とはいえ、完全に直すとなると前縁上下を相当削り込むことになるが、パーツの厚さに不安がある。やむなく目立つ所だけ削ってお茶を濁す。それに伴いリベットを打ち直し、結局前縁は3回打つこととなって、何やってんだか。敗因は、翼接着時にパーツの裏打ちを忘れたこと。ハセのパーツはちょっと薄すぎ。 主翼分割部などのエッジは、長い製作期間中にあちこちぶつかって、欠けたり丸まったりしてる。瞬間+プラ粉で補修。その他、表面の傷やら何やらの補修も済んで、これで本当に塗装の直前まできたぞ。
Minsiのロゴと日章旗は、コクピット付近の写真が多数あり、Minsi IIIの書体、位置、サイズ、色もばっちりだ。これらは「David McCampbell」でWEB検索すれば容易に見ることができる。ただしほとんどが右舷側で、左舷は日章旗は確認できるがMinsiは不明で(現存展示機はあてにならない)、右舷と同じと仮定するしかない。ということで、Minsi IIIをお絵かき(下図)。実機はデザイン的に垢抜けない部分があって、作図ではIIIの部分を少々アレンジ。 日章旗は、19、21、30、34個が写真で確認できる。下図では便宜上それぞれ、白、水色、黄色、ピンクで示す。エアコンバットの上記写真では19個だ。重箱の隅をつつけば、日章旗の上辺はキャノピレールに平行、ということは機軸に対し前上がりで、厳密には長方形に並んでないが、模型では無視できる範囲かな。 垂直尾翼上部には幅5インチの白帯がある。IIでは帯中にCAGの文字が入るが、IIIでは「なし」に見える(写真がやや不鮮明で汚れなのか文字なのか確証がないが、私は汚れと見る)。AMDデカールでは、主脚上部小カバーにCAGの文字が入るが、残念ながら手元写真では存在が不明。IIでは上述整備中写真でCAG文字が確認できるので、デカールはこれの類推かも? その他、スピナとプロペラハブは暗色。米海軍機はスピナを機体迷彩色で塗る例が多く、三色迷彩だとインターミディエイト・ブルーで、その類推ならシーブルーとなる。ハブは黒かな?ブルーかな? 主車輪ホイルは写真でシーブルーを確認。脚柱は陰で不明だがIIの例からシーブルーでよいだろう。 |
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デイヴィッド・マッキャンベル(David McCampbell)は1910年1月に生まれる。海軍士官学校を卒業し、1940年、空母ワスプの着艦信号士官となる。1942年12月、日本軍潜水艦によりワスプが沈没したため本国に戻り、着艦信号士官の教官となる。戦争激化により再び前線に戻され、1943年9月、第15戦闘航空隊の司令となる。1944年春、同隊は空母エセックスに乗艦し、マッキャンベル中佐はエセックス航空団の司令:CAG(Command of Air Group)となる。 初撃墜は1944年6月11日のサイパン。6月19日にはマリアナにおいて1日で7機を撃墜しエースとなる。10月24日にはレイテ湾の戦い(SB2Cの項も参照されたい。この戦いにおけるF6Fの活躍も語られている)において1日に9機を撃墜し、30機撃墜を達成した。最終撃墜は1944年11月14日で、合計34機は米海軍で最高位であり、この栄誉によりMedal of Honorを授与される。 当時34歳とパイロットとしては高齢で、航空団司令の要職にありながらの戦績であるところが、ボングやマクガイアなど他のエースたちと異なる。戦後は海軍の参謀職などを歴任し1964年に退官、1996年に86歳で没した。 彼は少なくとも4機のヘルキャットを乗り継いだ。1機目はF6F-3 "Monsoon Maiden"で、これは1944年5月に対空砲火により失われた。次はF6F-3 "The Minsi"で、本機で初撃墜から10.5機まで。3機目のF6F-5 "Minsi II"は、あまり使用されなかった。最後がF6F-5 "Minsi III" (Bu.No.70143)で、残る23.5機の撃墜は本機によるとされる。
ついでにいうと、胴体インシグニアは、星や袖の水平線が胴体パネルラインと直角になるように記入されるが、側面図に描くとマークの水平線が機軸に対してやや前上がりとなる。胴体パネルラインは機軸に直角なので、図上ではパネルラインとマークの星や袖の水平線は直交しない。ちょっと不思議な感じがするが、どうしてそうなるかはペーパーモデルの展開図で考えると解りやすいかな。(←仮想の機軸平行線を描いてみると、これらとパネルラインは直交しない) 別の言い方をすると、キャノピ後方の胴体は斜面になっているが、胴体が尾部に向かってテーパーしてるので、機体を真横から見る者はその斜面に正対せず、僅かに斜め方向から見ることになる。そのため、その斜面上に長方形を描くとそれが平行四辺形に見えるわけ。説明が下手で却って解りづらくなったかな。なお、上図のインシグニアは実物の3D曲面上に描かれたマークの見え方を厳密に再現してないので(←やろうとすると、ものすごく大変)、位置、形状はあまり正確でない。まあ、模型のマークの位置決めには支障のないレベルではあろう。 胴体マークの位置決めをする。水平尾翼の先端と袖の位置関係を写真を見ながら合わせ、さらに袖の上辺の延長線がカウルフラップ分割部付近にくるように角度を調整する。ところが、なぜかマークと水平尾翼とパネルラインの位置関係が合わない。よ〜く見ると、水平尾翼取り付け位置が間違っている!! キットの接着位置に合わせたはずのに・・って、キットは胴体が短いので、そのせいで垂直尾翼と水平尾翼の位置関係が不正確なのだな。 |
気づいた以上は直してやろう。水平尾翼をむしり取って再接着。幸い、胴体はほとんど無傷で切り離し成功。 |
水平尾翼を正しい位置に再接着、合わせ目を溶きパテで埋めて、サンディング。サフを吹いて、ようやくマスキング。疲れるぜ。 |
上画像でお分かりのように、マーキングは突合せで塗装する。このあと白を吹き、マーキングをテープでマスクして、シーブルーを塗装する予定だが、それは復帰後となる。
塗装作業の要領はいつもどおりだが、リベットが埋まらないように、薄く希釈して、薄く何層も重ねていく。あまり薄いとパネルラインなどのエッジに塗料が乗らないし、濃いとリベットが埋まる。この中間を狙うが、本気のエアブラシ塗装が久々で、勘も鈍って今一つ思い通りになってないな。 |
退院後に白のマスクをはがす。これはこれで、ありそうな?? |
先に使ったテープの残りを使って、白い部分をマスクする。多少の歪みはテープの伸縮性でカバーするが、星は5分割した方がうまくいく。 |
銀剥がしに#8銀を軽く吹いて、シーブルーだ。コルセアはグロス仕上げだが、今回はフラットベースを少量混ぜ、1/4つや消しにする。 |
ブルー塗装後にカウルを胴体に接着したところ、予想外に合わせ目が目立つ。仕方なく、隙間にプラペーパーを挟んで修正。 |
その他にも、見落としてた不具合箇所が出てくるが、この際無視。このあと表面を軽く磨いて、仕上げのブルーを吹く。
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前回補修したカウルの継ぎ目を塗装。まずサフを吹いて一晩置き、磨いて塗膜段差の発生を抑える。こういう補修では必須の工程だよね。その他、磨きすぎて下地が出たところなどにブルーを吹き重ね、基本塗装終了。国籍マークなどのマスキングを剥がし、塗装境の段差や柚子肌をラプロス#6000で磨く。 |
修復したカウルの継ぎ目をタッチアップ。軽くラプロスで磨いたところ。 |
星を磨きすぎて下地が出る。仕方なく再度マスクして白を吹く。ま、いつものことで。 |
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ちょっと見づらいが自作インレタ。黄色はちょっとだけなので、同じネガにしてネガ代を節約。 |
大きさを合わせたハズのに、なぜか日章旗とミンシの間が狭く、パネルラインの位置をミスったかも。 |
日章旗は21枚として、1944年10月24日朝、レイテ湾の決戦にこれから臨むところという想定。その 赤部分はインレタではキレよくできないので、デカールを一枚一枚トリミングして貼っていく。一枚貼る毎に、撃墜された無名の戦士に心の中で合掌しつつ。 |
デカール終了。上述のとおり、極めて精神性の高い作業である。ちょっと列が乱れているのは気にしないことにしよう。 |
下AMDデカールと比較。かなり過大。なお、ミンシ(白)が写っているが、ちゃんと黄色もあるので心配なく。 |
1日デカールを乾かし、ガイアのクリアとセミグロス・クリアを半々に混ぜたものをオーバーコート。デカールとインレタ部分にはしっかりとクリア塗膜を作るが、やりすぎるとリベットが埋まるので加減が難しいところ。さらに1日乾燥させて、ラプロス#6000で柚子肌を磨く。 |
プロペラブレードは白20%のセミグロスブラック。ハミルトンのロゴはどっかのデカール。これもセミグロス・クリアでコートして磨く。 |
基本塗装終了。スピナのブルーは特に根拠なく、私の好み。 |
当初予定では実感重視の汚しをするつもりだったけど、磨きっぱなしの鈍いツヤが気に入って、汚しは止めようか思案中。
やむを得ない、仕上がりはシルクに敵わないかもしれないが、手慣れた方法で保険をかけておこうと、いつものアドマにインレタを発注する。翌日には届いて(\2,310ナリ)試しに貼ってみると、予想外に出来が良く、F-86などとは全然違う。理由として思いつくのは、マックスラボ各色は発色のため下地に白があってインクが2層だが(黒でさえも!)、白だけは1層なのでより解像度が高くできるのかも。また、これまではinkscape未対応で、紙プリントを郵送してたところを、svgファイルから直接製版で細線のキレ、ヌケがよくなったか。 さらに、ヘルダイバーで文字が太くて印象が悪いのは、マックスラボでなくクロマテックだからか。F-86では100%転写できず欠けがあったのに今回ほぼ完璧なのは、アルミ地肌とグロス塗装という表面の違いのせいか。ということで、お願いして使わないのは大変心苦しく、慚愧に堪えないが、インレタを使うこととする。絵富代名人、申し訳ない。 |
インレタを貼り付ける。細かい考証は後述。ハイライトで見えづらいが、防火壁前方のアクセスパネルにも1つ注意書きがある。 |
左画像の右下にある注意書きのアップ。ここまで鮮明に出来るとは全く予想外。 |
転写後そのままでは、触っただけで剥がれる恐れ。そこで、再度クリア+セミグロス・クリアを吹いてラプロス磨き。予定外のクリアで、胴体中央部のリベットが埋まり気味。う〜む。
資料では記述がないが、主脚収容部上側にある NO STEP は他より文字が大きい。正確な大きさは不鮮明な写真からは不明だが、キリのいい数字なら高さ2インチか(他の文字は文献-5では高さ1インチとされている)。胴体ステップ前方にある DO NOT STAND ON WALKWAY/WHILE WING IS FOLDING(/は改行)が文字量が多く目立つので、この横幅を基準にインレタの文字サイズを決めるが、これだと1インチよりやや大きく、もしかすると、こいつも他よりややサイズが大きいのかも。 その他、気づいた点など。胴体左右の燃料注入口は、資料では MAIN/FUEL/100/OCTANE、RESERVE/FUEL/100/OCTANE となっているが、それぞれ MAIN/FUEL、RESERVE/FUEL だけとなるのが正。資料でエレベータ下面にある長〜いコーションは上面にあるのが確認できる(文献-19)。防火壁付近のは字面からして HOISTING SLING が正かな。フラップ後端の NO STEP は「なし」。垂直安定板左舷前縁のは、存在が確認できてないが、なんとなくここに欲しくて貼る(ヲイ)。下面側は記録写真でよく分からず、貼るかどうかは気分次第で(ヲイヲイ)。 |
右舷側は結構賑やか。風防下付近は、場所が狭くて位置がいまいち不正確で残念。 |
垂直安定板。シリアルは高さ2インチ。 |
ここの NO STEP が大きいのは、複数の記録写真で確認できる。 |
主翼中央部には GUNS、AMMUNITION/BOXES の文字が入る。機銃は真鍮パイプ組み合わせ。 |
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シートはアイリスのレジン。フチを薄く削る。シートベルトは鉛板で、バックルはアイリス付属のエッチング。 |
機体に取り付け。後方小窓が無い機体の防弾板は形状や取り付け角度が異なるので注意。 |
バックミラー(プラバンにハセガワのミラーフィルム)、照準器(アイリスレジン)を取り付け。照準器には反射ガラスがなく風防に直接投影される。 |
航法灯はクリアランナー削りだし。ホイップアンテナはギターの弦、アンテナ線は極細のテグスを油性ペンで着色。 |
尾灯はクリアランナー。ちと曇ってるな。フックもランナー削りだし。エレベータのコーション位置にも注意。 |
3色灯はアルミ板+塩ビ板にクリアー塗料で着色。手脂で塗装面がテカるので手袋着用で触る。 |
主脚後方に作動ロッド(基部も含めてアイリスレジン)を接着。ロッドの主翼側基部は複雑な形状で詳細不明。模型でもよく見えないからいいや。 |
外翼を取り付ける。翼表面の穴は既に塞いでいるので、短く切った真鍮線を上下ヒンジの隙間から差し込む。これが結構難儀。 |
ピトー管は真鍮細工。小さいのは1/72用。L字に曲げた0.8mm線の後方にもう1本沿わせてハンダ付け。突起は帯板を三角に切る。 |
右翼に接着。中空の翼端灯カバーの出来は、まあまあってところ。 |
主翼の編隊灯も作り方は他と同じ。キラッと光って、いいアクセントになってくれる。 |
最後に排気汚れ。タミヤアクリルのサンドと黒を適当に混ぜ、同社薄め液で極薄に希釈してエアブラシ。水溶きウェザマスの黒、茶で仕上げ。 |
補足。画像にないが、主翼分割部にはディテールを追加。ただし、主翼折り畳みと干渉するので、完全再現は無理。ウェザリングは、排気汚れを控えめに施し、主翼付け根付近にはがれのチッピングをダークシーグレイで描き込む。パネルライン、リベットラインには水溶きウェザマス(黒、茶、白を混色)でウォッシング。足回りも茶系のウェザマスでウォッシング。 |
完成 |
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こちら排気汚しがまだの状態。 |
ほぼ1年間に及ぶ製作期間はちと長すぎで、途中ダレたのが反省。折り畳みギミックに関しては、企画倒れという感あり。自分では段差・隙間なく作れるつもりが、出来上がってみると精度が甘く不満。原因は分かっていて、「この程度で十分だろう」と擦り合わせの手間をサボったから。もう1回作るならキチンとやりたいと思うが、可動はしばらく作る気がしない。 ヒンジの精度に関しては、ガタもなく満足している。残念ながら、動かすとエッジの塗膜に負担がかかるため、実演は回数絞って限定的にならざるを得ない。塗膜に負担がかからない作り方のコツに気づいたものの、それは製作が大分進んでからで。もう1回作るなら・・・(←やめれ) 私としては、むしろ胴体形状の徹底再現に重きを置いており、これに関してはかなり自信がある。ぜひ会場で「真実の」ヘルキャットの精悍で獰猛な姿をご覧いただきたい。従来のキットを見慣れた目には奇異に映るかもしれないが、写真と見比べれば納得していただけるはずである。
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この角度がベストショットかな。 |
ここに至るまでには、関係各位の多大なるご協力、ご支援をいただいた。これらがあったからこそ、途中で折れずに完成させることが出来た。改めて深くお礼申し上げ、またご支援に応えられなかったところはお詫びして、おわりとする。
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3D陰影は使い回しがきくので、塗り絵を替えるだけで、着せ替えごっこができる。模型の塗装は1つしか選択できないから、その欲求不満も解消できるね。迷彩のぼけ幅も数値設定一つで決まるので、エアブラシの職人技も不要。ただし、上記3機能のみだと、高度なグラデーションは難しく、フィレット下の陰影のように、1辺だけがシャープで他方がぼかしのような表現は、思い通りにいかない。陰影とカラーは機体からはみ出すように塗ってから、機体外枠線でくりぬいたマスキングのレイヤーを重ねている。 一応、塗装図の簡単な説明。1943年8月、空母チャージャー(CVE30)のVF-2所属機。ウォーペイントに左舷からの写真があり、同じレターが右舷にもあると推測して作図。赤フチのインシグニアでマーキング全体が分かるのって少なく、そういう意味では貴重だ。写真は斜め後方からで、垂直尾翼や主翼にレター類がないのは確認できるが、カウル先端は不明。これとは別に紺フチの機番2F7の右舷写真もあるが、同一機か不明。こちらにはハイフンはない。
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下は、光源の位置を少し下げ、斜めから光が当たると想定して、ハイライトの位置を変えて描いたもの。今度は点光源として胴体後半には反射のハイライトはなしとする(面が飛行機の進行方向に対して後方を向いているため)。主翼は面倒臭いので同じのを使い回し。マーキングだけは同じでは芸がないので、後方窓のない後期型-5にしてVF-17とする。当機スピナの色は不明で、同隊他機の例に倣う。なおこちらの絵は、いろんな意味で考証はやや甘いので悪しからず。 |
比べてみると、どっちもどっちか。下の方がややドラマチックな感じはする。ただ、ハイライトの描き方にもうひと工夫必要か。ともあれヘルキャット、模型作って、可動にして、図面起こして、イラスト描いて、と骨までしゃぶり尽くして大満足。
下の重ねた断面図で、鼻筋の伸び具合とか背中の斜面がキャノピに向かって微妙にくびれていくあたりを感じ取ってもらえれば嬉しい。2021/5 ver.4対応に差し替え
修正箇所はほぼ全体といってよい。とはいえモデラーがキットを製作する際に参考にする分には大きな違いはない。細部の位置、寸法を製造図にカッチリ合わせ、実機写真で確認する。図面と写真が合わないことはよくある(これは他機も同じ)。そのときは基本的に写真を優先。ただしそれが正しいレストアなのかは確認する。 防火壁以降の胴体はコンター図と座標値があって、まあ100%完璧な再現度。風防高さが胴体の座標値と微妙に合わないが、別途スライドキャノピの詳細図があり、その高さに合わせる。防火壁より前は、カウルとアクセサリカウルの正面図、側面図をトレースし、カウル開口部直径など数値が判明しているものについてはその数値に合わせる。また、BF109Gと同様に 飛行機夜話の図面、記述を全面的に参照する。
●修正上面図 図面は完璧。あとはどこか本邦メーカーが当図を元に・・・(←ヤメレ) |
では |
参考資料 |
-12はマリンコだけなのが残念だが、夜戦型の写真が結構あり、これを作るなら参考度大。-13にもそれなりに他にない写真がある。-14、22、23はハリでもリストアップしたがFAA使用機ならこちらを見るべし。-17、18のAJプレス、カゲロー本は、シリーズ他機と比べ新味のある写真に乏しく、あえて購入する価値は低い。逆に-19のアットウォーは、意外や他に無い写真が多く、F6Fファンにはお奨めできる一冊。-20、21はおなじみのカラー本。-24は製作中に購入。シリーズ通例だが、初見の写真も多い。他にも登場しているけど、代表的なところで。 |
1 | 新版 世界の傑作機 No.71 グラマンF6Fヘルキャット ISBN 4-89319-068-7 | 文林堂 |
2 | 新版 世界の傑作機 No.35 グラマンF4F,F6F,F8F | 文林堂 |
3 | 旧版 世界の傑作機 1972年2月 グラマンF6Fヘルキャット | 文林堂 |
4 | 航空ファン別冊・エアコンバット No.6 | 文林堂 |
5 | エアロ・ディテール17 グラマンF6Fヘルキャット ISBN 4-499-22663-5 | 大日本絵画 |
6 | 世界の戦闘機エース19 第二次大戦のヘルキャットエース ISBN 4-499-22777-1 | 大日本絵画 |
7 | 軍用機メカ・シリーズ9 F6Fヘルキャット/F4Uコルセア ISBN 4-7698-0639-6 | 光人社 |
8 | F6F Hellcat In Action No.216 ISBN 978-0-89747-576-1 | Squadron/Signal Publications |
9 | F6F Hellcat In Action Aircraft No.36 | Squadron/Signal Publications |
10 | Walk Around 9 F6F Hellcat ISBN 0-89747-362-0 | Squadron/Signal Publications |
11 | D&S vol.49 F6F Hellcat ISBN 1-888974-00-1 | Squadron/Signal Publications |
12 | Night Wings USMC Night Fighters, 1942-1953 | Squadron/Signal Publications |
13 | Golden Wings 1941-1945 (USN/USMC Aircraft of World War II) ISBN 0-89747-294-2 | Squadron/Signal Publications |
14 | Fleet Air Arm British Carrier Aviation, 1939-1945 ISBN 0-89747-432-5 | Squadron/Signal Publications |
15 | Osprey Aircraft of the Aces 10 Hellcat Aces of World War 2 ISBN 1-85532-596-9 | Osprey Publishing |
15-2 | Osprey Aircraft of the Aces 84 American Nightfighter Aces of World War 2 ISBN 978-1-84603-306-3 | Osprey Publishing |
15-3 | Osprey Aircraft of the Aces 109 American Aces Against the Kamikaze ISBN 978-1-84908-745-2 | Osprey Publishing |
15-4 | Osprey Aircraft of the Aces 119 F6F Hellcat Aces of VF-9 ISBN 978-1-78200-335-9 | Osprey Publishing |
15-5 | Osprey Aircraft of the Aces 125 F4F Wildcat and F6F Hellcat Aces of VF-2 ISBN 978-1-4728-0558-4 | Osprey Publishing |
15-6 | Osprey Duel 62 F6F Hellcat vs A6M Zero ISBN 978-1-78200-813-2 | Osprey Publishing |
16 | Osprey Aviation Elite Units 36 VF-11/111 'Sundowners' 1942-95 ISBN 978-1-84603-484-8 | Osprey Publishing |
17 | Monografie Lotnicze 15 F6F Hellcat ISBN 83-86208-05-8 | AJ-Press |
18 | Monografie 10 Grumman F6F Hellcat ISBN 83-89088-49-5 | Kagero |
19 | F6F Hellcat At War ISBN 978-0-7603-3306-8 | Zenith Press |
20 | U.S.Navy Fighters Of WWII ISBN 0-7603-0559-5 | MBI Publishing Company |
21 | Carrier Air War In Original WWII Color ISBN 0-87938-983-4 | Motorbooks International |
22 | Eyes for the Phoenix Allied Aerial Photo Reconnaissance Operation in South-East Asia 1941-45 ISBN 0951989944 | Hikoki Publications |
23 | Britain's Fleet Air Arm In World War II ISBN 0-7643-2131-5 | Schiffer Military History |
24 | Warpaint Series No.84 Grumman F6F Hellcat | Warpaint Books |
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