フォッケウルフ Fw190A 図面

2019.8.14初出

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最終更新日



■ はじめに 

 昔から、フォッケの真実の姿がずーっと気になっていた。とくに機首のイメージは、キットによって太いのやら細いのやら。一体どれが正しいのか、いつか検証したいと思っていたところ、Fw190とTa152の製造図(一部分のみ)、および製造図を基にしたと思われる図面(寸法入り)を入手する。そこで、これらをベースとして、フォッケの胴体形状に迫ってみよう。


■ 胴体コンター図

 入手図面には、Ta152およびFw190とされる胴体コンター図(フォッケウルフ社オリジナル)があり、どちらも100mmピッチでメッシュが切ってあるため、かなり精度高く形状把握できるハズ。つうことで、トレースして断面図を描いてみる。ところが、いきなり問題がががが・・。胴体の基本形状は、Fw190AもFw190DもTa152も同じだと思ってたのに、二つの図面は一致しない。とくに違いが大きいのが、防火壁の上部、ガンカバーの真下あたりで、190(赤)は線が外に膨らんでいる。



赤がFw190とされるコンター図のトレース。青はTa152。なお上画像においては、両者の断面位置は必ずしも一致していない。

ベースとなるTa152コンター図。Fw190とされる図は、不採用なので掲載しない。


 Ta152の開発経緯からして、どう考えてもTa152とFw190の胴体基本形は同じはず。だとすれば、正しいのは一つだけ。ここで、前述防火壁上部の線に着目すると、Fw190とされる方は、ガンカバーの断面形につながらない(←実際に描いてみればすぐ分かる)。さらに、別の製造図から風防後端フレームの寸法が分かるのだが、風防フレームより胴体幅が広い。ということで、Ta152のコンター図を正とする。何故Fw190とされる図面が違うのかは不明。プロトタイプか?? Ta152とFw190では主翼取付位置が異なるため、当該部分の胴体下面の高さが異なる。そこは怪しげながらもFw190とされる図面に従うこととする。

 次に問題となるのは、コンター図のそれぞれの線が、どこの断面位置を表すか。これを解明しないと図面にならない。コンター図自体は細かい文字がつぶれてしまって、読み取れない。そこで、余白に記載されている胴体各断面の座標値を利用する。これら座標値を図上にプロットしていくと、それぞれの線が示す断面が明白となる。なお、Ta152とFw190では、同じフレーム番号でも、機軸方向の位置が異なるフレームがあるようなので、若干注意が必要となる。


■ 胴体コンター図

 こうして出来上がったのが、下画像のFw190胴体コンター図だ。なお、元のTa152コンター図は、フレーム1から14までの断面しか分からず、エンジンカウル、ガンカバー、スライドフードなどの断面形は推測となる。






■ 写真での検証

 次に、上の各フレーム断面を、側/平面図における各フレームの位置に配置し、アウトラインをつなぐと胴体の基本形が出来上がる。これに、カウル、キャノピ、垂直尾翼などを描き加えると、胴体側面図となる。下画像の一枚目はこうして出来たA-5の側面形。製造図面と記載の数値データを馬鹿正直に図面にしたものだ。




 問題はこれが実機写真と整合するかどうか。そこで、条件のよい現存機写真と重ねてみる。結果は、嬉しいことにぴったんこ。スピナがちょっと合ってないけど、こういうのは交換可能だからねえ。




 しかし、喜ぶのはまだ早いぞ。現存機でフライアブルとなると、オリジナルに忠実にレストアされているかのチェックは必要。カウルとかガンカバーとか、出来の悪い新造品になってる悲しい機体も多いよね。そこで、WW2当時の写真とも重ねてみよう。当機の場合、真横遠方の全身写真は皆無。手元で一番条件のよいのは下画像。残念なことに、尾部が切れている。それでも機首からキャノピにかけてはピッタンコだ。ETCラックの取り付け不備なのか、隙間があるので翼下面のラインもばっちり。手抜き整備兵に感謝。  





■ A-5の全長

 A-5、A-8の全長は、多くの既存文献やWebサイトでは8,950mmとされている。この出処は知らないが、製造図を丹念に読むとこの数値にならない。ラダーの製造図に、ラダー後端の直線の延長線が胴体基準線と交差する点が、ヒンジから585.5mmと記載されている。このとおりに作図すると、ラダー後端(タブを除く)は防火壁から6,452mmとなり、防火壁からスピナ先端までの2,535mmを足すと全長は8,987mmと37mm長くなる。

 どっちが正しいか、神のみぞ知るだが、マニュアルの全長の数値がしばしば事実と違うのは、当頁の読者は先刻ご承知(疾風、隼、ワイルドキャット・・・)。実機写真との整合では、8,987mmの方がしっくりくる。既存図面(と一部のキット)は8,950mmに合わせたものも多いが、なんとなく、尾翼が窮屈なんだよね。言うまでもないが、拙図は8,987mm。



 次回以降、寸法入り側面図、上面図、断面図と進める。キットレビューもやる予定。


■ 側面図、上面図 8/25 追加

 では、寸法入り側/上面図。今回の図面は外形を表すことを主眼とするので、細部ディテールは一部省略している。側面図は、これまで公表されている既存図面と、それほど大きくは違わない。平面図も概ね既存図と近い。細かくみれば、風防、キャノピの幅が、既存図は広いかな。あと、水平尾翼の位置が違う既存図も一部に存在。




  • 図中における各種数値は、製造図(および製造図に基づき作成された既存図面)に示されたもの、およびそれらから合理的に計算されるもののみを記載する。全長など、一部の既存図面とは数値が異なるものがあるが、それは製造図などに基づく別考証による。なお、拙図においては、前後位置を示す数値は、すべて防火壁基準面(=フレーム1)からの距離として、高さの数値は全て胴体基準線からの距離として表示する。

  • A-5以降のエンジンスラストラインは、胴体基準線から10mm下に位置する。機首を上面の斜面に沿って150mm延長すると、ちょうどこれだけ下がる。

  • 側面図における主翼は、リブ1(胴体中心から水平面沿いに約671mm外側)でスパッと翼を切り取った断面として図示する。主翼翼型の座標は、前後端、主桁、翼基準線、後桁位置での翼表面の高さとして、各リブ位置毎に表に記載されている。この数値を基にリブ1における翼基準線の高さを計算すると、胴体基準線から385mmとなる。また、取付角は概ね2.0°となる(ATANにて計算するとジャスト2°にはならない)。翼端(リブ14)での取付角は0°。

  • 主翼内端のコード(仮想)は2,300mmである。ただし胴体中心ではなく、これは胴体基準線から真横に100mm外側の点より翼基準線に垂線を引いたところに位置する(←ややこしい)。この寸法は明示されないが、計算により胴体中心から約150mmとなる。この断面における前後端位置も計算により求めることができ、防火壁からそれぞれ715mm、1,585mmとなる。これと、主翼外端のコード1,200mm(仮想)を結ぶと、主翼平面形が決定される。翼基準線は防火壁から60mm後方。

  • 翼型はNACA23000シリーズ。翼厚比を前述の翼座標から計算すると、リブ1で約15.0%、リブ14で9.0%となる。上反角は翼基準線で6°12'10"≒6.2°となる。

  • 水平尾翼の取付ピン(ピボット)は胴体基準線から上に300mm(ラダー製造図に記載)、防火壁からは5,350mm。水平尾翼取付角度は2°。

  • 主翼前後桁の基準線は製造図の数値がベース。翼基準線から何ミリとか細かく計算してるが数値の記載は省略。一方、翼のパネルラインや、胴体のディテールは、既存図面を「参考」にしたものなので、精度は保証しない。(←だって、無いと寂しいじゃない?)


■ 断面図

 続いて断面図。前出コンター図をバラして並べ、要所に寸法を表示しただけ。ともあれ、プリントアウトして切り抜いてキットに当ててみると、キットの違いがよく分かるよ。




  • エンジンカウルは、入手資料にある1,300mmを最大幅として描く(上図ピンクの線)。BMW801のエンジン直径は1,290mmであり、本当にクリアランスが5mmかという懸念あり。このあたり真実ご存知の方、情報求む。

  • カウル後端の断面(赤線)は、カウル最大断面から防火壁(=フレーム1、緑線)までをスムーズにつないだ線を想定したもの。排気管部の凹みのラインも推測。

  • フレーム14は機軸に対して7°傾いている。図の赤ラインは、この斜めの面(=実機におけるパネルライン)における断面形状を胴体基準線方向に見た形として表す。

  • 図中に示されている風防前端、同後端、スライドフード後端の座標は、フォッケ社製造図に記載されている。風防前端、風防上端、スライドフード後端の高さは、胴体基準線からそれぞれ786mm、1,050mm、620mmと記載されいる。



 風防の製造図のある一枚で、557mmが正解のところ577mmと誤記されている。ま、人間だれしもよくある間違いだけどね。最初これに騙されて、図面と写真が合わなくて・・・

 さて、次回は機首外形のマニアックな考察とキットレビューの予定。


■ A-4側/上面図 9/7 追加

 当機の進化過程を考えると、A-4以前で機首を考察すべきだろう。ということで、A-4の図面を描く。取り込んでスライドショーで見ると分かりやすいと思う。




  • フレーム10の位置(フレーム1からの距離)は手持ち資料になく不明。どなたかご存知?

  • 新たに主翼断面図も記載する。形状はNACA23000シリーズの翼断面形をベースに、前述の座標値に合わせて修正する。すると、リブ14あたりではNACA23009とは異なり、NACA23015を上下に圧縮して翼厚比9%にしたような形になる。これでいいのか?と疑問もあるが、拙図面は座標データに従う。

  • なお、NACA23009とNACA23015の形状の違いは、FM2ワイルドキャットあたりの図面を見てもらうと分かると思う。本来のNACA23009は下面がもっと平ら。


■ フォッケの鼻筋の考察

 プラモデルにおいて、Fw190の外形上の大きなポイントは、カウルからキャノピにかけての絞り込みのライン。キットによって全然違ってて、正解がどれか気になるよね。手持ち製造図は防火壁以降の胴体しかなく、エンジンカウル、アクセサリカウル(3枚のフラップのあるパネルね。以下Aカウル)、機首機銃カバーの断面形状を示すものは全くない。エンジンの直径とスラストラインの高さは既知だが、そこから防火壁までの間の形状は想像するしかない。

 では、どうやって想像するか。左下画像をご覧いただきたい。防火壁最上部(点B)で胴体を水平にスライスすることを想定する(赤い水平線)。エンジン部の直径は既知だから、点Aの幅は自動的に決まる。また点B以後の幅も製造図から既知(結果として、B以降はほとんど直線となる)。それが右下画像。それぞれの線を真っ直ぐ延ばしてもうまくつながらない。機首に対して胴体が細いのだね。さて、その間をどうつなぐか。






 第1の説は、左下画像のように防火壁以降の線をカウル後端までそのまま延長し、そこから点Aまでを結ぶ。つまり、防火壁の前後での折れ曲がりがないものと想定したラインだ。しかし、これだとエンジン後端からカウル後端にかけてのクビレが顕著。点Aでの折れ曲がりもキツイし。ちょっと苦しいかな。

 そこで第2の説は、右下のように点Aと点Bを直線で結ぶ。このあたりがリーズナブルかな。もちろん、実際には点A、Bではクッキリした折り目はないから、部分的に曲線が入ったS字カーブになるだろう。で、拙図は右画像の第2案がベース。これを基にガンカバーの平面形の線を決め、さらにそれに基づきカウル後端から防火壁までの断面形状を決めている。






 ポイントはこのS字カーブ。古いキットはこれが表現されてなく、鼻筋が太い。もちろん、カウルとキャノピの幅が正しければ、必然的にS字カーブとなる訳で、つまり古いキットはこれが正しくない。ていうかキャノピ幅が広過ぎ。このあたりは後のキットレビューで。あーそれから、点A、Bの位置(幅)が違うんじゃない?とか言う人は、自分で製造図を見て図面を描いてみてちょ。



古いキット達は、例えればこんなイメージかな。防火壁での幅が全然ちがうでしょ。



■ A-4からA-5への変遷の相当マニアックな考察

 前項の考察はA-4をベースにしたもの。次の命題は、A-5になって機首が150mm延長されたときに、鼻筋のラインがどうなったか。D-9ドーラの後部胴体のように、平行なプラグを挟んで延長したようには見えない。かといって、胴体からスムーズな面の流れで延長したのでは、先が広がってカウル後端との辻褄が合わない。A-4とA-5の実機の寸法でも測らない限り正確な答えは分からないだろうが、つらつら考え、次の2つの説をひねり出す。

 第1の説はガンカバーのパネルを曲げたというもの。ガンカバー先端はスムーズに延長するが、パーツ自体のたわみを利用し、カウル断面に合うようにちょいと曲げて狭めて、無理やりファスナ止めする。キャノピを開けるとその幅が狭くなる設計の機体だから、こういうのもアリではないかと。ただし、単純に幅を狭めると、高さの辻褄が合わなくなるハズで、ファスナのマージンで処理か、ガンカバー下端あたりをトリミングしたか。

 このとき、Aカウルは、全体をねじる(前上端を内側に寄せる)ことでカウル後端との辻褄を合わせる。この場合、Aカウル延長部は下端では平行プラグ的に折れ曲り、上端では折れずにスムーズか。あるいは、パネル全体の取付角度を内側向きに変えて先端幅を合わせたか(この場合下端のヒンジ部にも変更が生じる)

 第2の説は、カウル後端の断面形状を変えたというもの。実は知らなかったんだけど、A-3あたりのカウル後端断面の写真を見ると、途中で凹んだように折れ曲る(情報感謝)。一方、A-5以降だとこの凹みがないような・・・(←あんまり確信ないけど) でもって、凹みの部分を外側に広げて、ガンカバー先端の広がりに対応したという説だ。Aカウルについては、基本的に第1説と同様の考え。



英軍捕獲のA-3。世傑p102より拝借。矢印のところで凹んでいる。 A-3かな。これも同じラインだけど、凹んでるのでなく、排気管部分が膨らんでるという見方もできる。


 では、この2つの説を図面にしてみる。側面図としては両者同じ。さて、どっちが正解だろう? この中間、つまり両者合わせ技というのもあり得るかな。なお、第2の説の場合、断面図を描いてみるとカウル後端の絞りがほとんど無くなる。ということで、私は第1説を有力とみる。




これが第1の説。赤がA-5、黒がA-4。ガンカバー先端幅はA-4もA-5も同じ。なお、Aカウルは全体の取付角度変更説で描く。これまで掲載していたA-5平面図はこちらの説。


第2の説。黒のA-4は左図と同じ。ガンカバーは、共通部分の幅が同じで、先端はA-5が広くなる。図には表れないが、カウル後端の面の流れが違う。




■ A-5の考察の補足 9/15 追加

 前回記事で、A-5の鼻筋ラインに関して2つの説を唱えた。どっちが正しいのか、どっちも違うのか、判断の一助とするため、A-4と同様に防火壁上端を通る水平面で切ったときの平面形を描いてみる。A-5の写真では、角度によってはカウル後端は絞られているように見え、私には第1の説の方が写真の印象に近く思える・・




こちら第1の説。


こちら第2の説。カウルの絞りがあまりない。



■ A型キットレビュー

 では空冷フォッケのキット評。あれこれ言っても何なので、鼻筋に特化してレビューする。手持ちは1/48ではハセ旧 A-4、ドラ(旧トライ)A-8、ハセ新 A-5、1/72でエデュ A-5(形状は1/48エデュ旧A-5と同じ)、エア新 A-8のみ。エデュ新 A-4は未所有だが、知人に主要寸法を測っていただく。なお、いつも言ってるが、「そんなのどうでもいいじゃん」とか「俺のフォッケはこっちだ」とかいう意見は全く否定しない。模型の考え方は人それぞれ。

トライ 1/48 A-8

ガンカバー付近が1.5mm幅広。カウルは1mm幅広、2mm短い!。後部胴体が1mm短い。キャノピが1mm弱幅広。鼻筋が太く、またカウルが太く短い。前回記事の「古いキット達」の典型的ライン。でも、古くからのブランドイメージで、これがベストだと思う人は多いだろう(どう思うかは人それぞれで、それは否定しない)。なお、トライマスター消滅後はドラゴンから販売された。

ハセ旧 1/48 A-4

ガンカバー付近が2mm幅広。カウルは1.5mm幅広、2mm短い。後部胴体が1.5mm短い。キャノピが1mm幅広。胴体の印象はトライとよく似ている。こちらも、いわゆる旧来キット。

エデュ旧 1/48 A-5

カウル長さや全長に関しては正確。ただし、ガンカバー付近は1.5mm幅広、キャノピ1.5mm幅広。カウルがドラム缶のように寸胴で、そのままガンカバーも幅広寸胴。なんか、色気なくもっさりした印象。現行の1/72は、この旧1/48のスケールダウン(前述寸法は1/72キットの換算)。現行のD-9が新旧どっちがベースなのかも気になるところ。旧ベースという悪寒がするが(情報求む)。 後日、新たな情報あり。感謝。危惧したとおり、旧キットベースとのこと。つまり鼻筋は太い。残念。(10/30追記)

ハセ新 1/48 A-5

ガンカバー付近は0.5mm幅広。カウルの幅は0.5mm狭い。カウル長さは正確。後部胴体長さも正確。キャノピが1mm弱幅広。鼻筋のラインやカウルの長さは、旧来キットとは一線を画すものとして高く評価できる。惜しいことに、胴体断面形の再現性がイマイチ。

エデュ新 1/48 A-4

ガンカバー付近は0.5mm狭い!。カウルや後部胴体の長さは不明(情報求む)。キャノピ幅ほぼ正確。やや鼻筋の細さが強調されている感はあるが、現時点で1/48のベスト。ハセ新と比べ胴体断面形も良好とのこと。他にA-3、A-5、A-8なども出ている。なお、旧シリーズは型番が4桁。新シリーズは5桁(例:82142)なので、購入時には注意されたし。

エア新 1/72 A-8

鼻筋関係の寸法、形状は極めて正確。その他、胴体の断面形、長さもばっちり。アウトラインに関しては1/72のベストキット。合わせとモールドはエア赤箱スタンダード。つまりイマイチ。これらが良ければ完璧なんだけど。エア新以外の1/72キットは、完成品を見た印象ではどれも鼻筋が太いから、皆アウト。

 寸法に関しては、私の計測ミスもあるだろうから、お気づきの点があればお知らせ願う。一応実機の1/48での主要寸法を記しておく。ガンカバー先端幅:18.5mm(第1の説ならA-4もA-5も同じ。第2の説ならA-5では19.3mm)、防火壁上端幅(ガンカバーのクランクの下端):16.5mm、カウル最大幅(両脇のバルジを除く):27.1mm、カウル長さ:26.3mm、風防下端幅:13.1mm、風防正面幅(フレームのエッジまで):5.3mm。それ以外の寸法は、拙図の実寸値から計算してくだされ。


■ D-9図面

 ついでにD-9の側/上面図も描く。A-5からの変更点に関しては、形状、寸法などほぼ全面的に文献-3の阿部孝一郎氏の図面に従う。寸法は1mm単位に四捨五入。




  • 胴体プラグの長さは500mm。ただし7°傾いているので水平方向への延長は496.3mmとなる。また垂直安定板後方の延長は140mm(水平方向での数値。実際は斜め上方向に延長される。垂直方向へは・・・自分で計算してくれ)。合計すると、ラダー後端はA型より636.3mm後退する。なお、フレーム14と16との間隔が504mmなのは、各フレーム位置の寸法は胴体基準線との交差位置で表記されるため。←ややこしい。

  • 阿部氏の図面に従えば、水平尾翼はA型より526.3mm後退する。垂直安定板と水平安定板の取付位置がA型と同じであるならば、後退長は496.3mmとなるはずで、30mmの違いがあるが原因は不明。取付位置がAとDとで異なるのか。阿部氏の勘違いか(←失礼な!)。拙図は阿部氏図面に従う。

  • 機首カウルの平面形状についても、阿部氏の図面と同じ解釈。胴体最大幅は防火壁でなく、ガンカバー先端付近とする。これは、可能性のある解釈の中では幅広いもの(もし私が設計者だったら、防火壁が最大幅になるように、もっとギリギリの幅に設計する)。それでも上面図で見るカウル側面はほとんど左右平行に近い。

  • モデラーズアイの阿部氏のD-9図面は、主翼基準線を原点として胴体等の寸法を表記している。拙図は防火壁が原点。その差は60mm。数値を比較する際は注意されたし。


 以上でFw190図面シリーズは"一応"終了。下面図、正面図は、既存図面を見ていただければ十分なので予定なし。Ta152図面もあえて描くだけの材料がないので予定なし。もしかすると、1/72でモデリングするかも。あーでもまず、スピ1仕上げないと。狩人もウェイティングリストに載ったままだし。




■ 参考文献

 やっとこさリスト作成。Fw190Aだけでなく、D-9、Ta152まで含める。和書はこのほかに航空ファン別冊、モデルアート別冊等多数あるけど、省略。また古いスケビには阿部孝一郎氏のドーラ図面があるが、文献-3とかなり重複してるから、これがあれば十分だろう。洋書は、手持ちをざっとチェックして当機の写真があればリストアップしている。中では-4が内容充実でフォッケファンは必携。また-12は製造中など他で見ない写真が多数。細部マニア、形状マニアは押えるべし。Jagdwaffeシリーズも、いい写真が多いし、写真とイラストがリンクしてるから、見ていて楽しい。


1 新版 世界の傑作機 No.78 フォッケウルフ Fw190 文林堂
2 旧版 世界の傑作機 フォッケ・ウルフFW190 6集 1973 文林堂
3 モデラーズ・アイ 4 フォッケウルフ Fw190D「ドーラ」 大日本絵画
4 Focke Wulf Jagdflugzeug Fw190A Fw190"Dora" Ta152H Rogge GmbH
5 Focke Wolf Fw 190 In Action aircraft no.19 Squadron/Signal Publications
6 Fw 190 In Action aircraft no.170 Squadron/Signal Publications
7 Walk Around Fw 190D Walk Around Number 10 Squadron/Signal Publications
8 Walk Around Focke-Wulf Fw-190 A/F Walk Around Number 22 Squadron/Signal Publications
9 Monogram Close Up FW 190 F Monogram
10 Monogram Close Up FW 190 D Monogram
11 Monogram Close Up 24 Ta 152 Monogram
12 Production Line To Frontline 5 Fw 190 Osprey
13 Aircraft of the Ace 6 Focke-Wulf Fw 190 Aces of the Russian Front Osprey
14 Aircraft of the Ace 9 Focke-Wulf Fw 190 Aces of the Western Front Osprey
15 Aircraft of the Ace 20 German Night Fighter Aces of World War 2 Osprey
16 Aircraft of the Ace 92 Fw 190 Defence of the Reich Aces Osprey
17 Aircraft of the Ace 101 Luftwaffe Viermot Aces 1942-45 Osprey
18 Aircraft of the Ace 116 Aces of Jagdgeschwader 3 'Udet' Osprey
19 Aircraft of the Ace 134 Jagdgeschwader 1 'Oesau' Aces 1939-45 Osprey
20 Aviation elite 1 Jagdgeschwader 2 'Richthofen' Osprey
21 Aviation elite 6 Jagdgeschwader 54 'Grunherz' Osprey
22 Aviation elite 20 Luftwaffe Sturmgruppen Osprey
23 Aviation elite 27 Jagdverband 44 Squadron of Experten Osprey
24 Osprey Duel 1 P-51 Mustang vs Fw 190 Europe 1943-45 Osprey
25 Osprey Duel 24 Fw 190 Sturmbocke vs B-17 Flying Fortress Europe 1944-45 Osprey
26 Osprey Duel 39 La-5/7 vs Fw 190 Osprey
27 Monografie 01 Focke-Wolf FW 190 vol.1 Kagero
28 Monografie 04 Focke-Wolf FW 190 vol.2 Kagero
29 Monografie 05 Focke-Wolf FW 190 vol.3 Kagero
30 Monografie 06 Focke-Wolf FW 190 vol.4 Kagero
31 Miniatury Lotnicze 4 JG 2 Richthofen 1942-1943 Kagero
32 Miniatury Lotnicze 6 JG 5 Eismeer 1942-1945 Kagero
33 Miniatury Lotnicze 14 JG 1 Oesau 1944-1945 Kagero
34 Miniatury Lotnicze 19 JG 301 Wilde Sau Kagero
35 Miniatury Lotnicze 25 JG 26 Schlageter Vol.2 Kagero
36 Miniatury Lotnicze 27 JG 1 Oesau 1939-1943 Kagero
37 Miniatury Lotnicze 30 JG 11 Kagero
38 Miniatury Lotnicze 35 JG 52 vol.2 Kagero
39 Bitwy Lotnicze 07 Luftwaffe nad Tunezja (1) Kagero
40 Bitwy Lotnicze 10 Luftwaffe nad Tunezja (2) Kagero
41 Jagdwaffe vol3sec4 The War In Russia January-October 1942 Classic Publications
42 Jagdwaffe vol4sec1 Holding The West 1941-43 Classic Publications
43 Jagdwaffe vol4sec2 The Mediterranean 1942-1943 Classic Publications
44 Jagdwaffe vol4sec3 The War In Russia November1942-December1943 Classic Publications
45 Jagdwaffe vol4sec4 The Mediterranean 1943-1945 Classic Publications
46 Jagdwaffe vol5sec1 Defending The Reich 1943-44 Classic Publications
47 Jagdwaffe vol5sec2 War In The East 1944-1945 Classic Publications
48 Jagdwaffe vol5sec3 Defending The Reich 1944-1945 Classic Publications
49 Jagdwaffe vol5sec4 Jet Fighters And Rocket Interceptors 1944-1945 Classic Publications
50 Nachtjaeger Vol 2 Luftwaffe Night Fighter Units 1943-1945 Classic Publications
51 Schlachtflieger Luftwaffe Ground-Attack Units 1937-1945 Classic Publications
52 Monografie Lotnicze 17 Focke-Wulf Fw-190 A/F/G cz.1 AJ-Press
53 Monografie Lotnicze 18 Focke-Wulf Fw-190 A/F/G cz.2 AJ-Press
54 Monografie Lotnicze 21 Focke-Wulf Fw-190 D,Ta 152 AJ-Press
55 Flugzeug Profile 9 Focke Wulf Fw 190 Flugzeug Publikations
56 Flugzeug Profile 45 Focke Wulf Fw 190 Varianten Flugzeug Publikations
57 Luftwaffe At War 0 Focke Wolf 190 The Birth of the Butcher Bird 1939-1943 Greenhill
58 Luftwaffe At War 18 Luftwaffe Over Finland Greenhill
59 Luftwaffe At War 19 Luftwaffe Aces of the Western Front Greenhill
60 Focke Wulf Ta 152 The story of the Luftwaffe's Late-War, High-Altitude Fighter Schiffer
61 Aircraft of the Luftwaffe Fighter Aces I A Chronicle in Photographs Schiffer
62 Aircraft of the Luftwaffe Fighter Aces II A Chronicle in Photographs Schiffer
63 Luftwaffe im Focus Edition No 1-12,16 Luftfahrtverlag-Start
64 Luftwaffe im Focus Edition Spezial 1-2 Luftfahrtverlag-Start
65 Broken Eagles 1 FW190D Fighter Pictorials
66 History, Camouflage, and Markings of JV 44 and JG 6 Focke-Wulf 190 D-9s No.72-1 Exparten Decals
67 History, Camouflage, and Markings of JV 44 and JG 6 Focke-Wulf 190 Ds No.3 Exparten Decals
68 EagleFiles #1 Doras-of-the-Galland-Circus Eagle Edition
69 EagleFiles #2 Yellow 10 The story of the ultra-rare Fw 190 D-13 Eagle Edition







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