フォッケウルフ Fw190A 図面
2019.8.14初出
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赤がFw190とされるコンター図のトレース。青はTa152。なお上画像においては、両者の断面位置は必ずしも一致していない。 |
ベースとなるTa152コンター図。Fw190とされる図は、不採用なので掲載しない。 |
Ta152の開発経緯からして、どう考えてもTa152とFw190の胴体基本形は同じはず。だとすれば、正しいのは一つだけ。ここで、前述防火壁上部の線に着目すると、Fw190とされる方は、ガンカバーの断面形につながらない(←実際に描いてみればすぐ分かる)。さらに、別の製造図から風防後端フレームの寸法が分かるのだが、風防フレームより胴体幅が広い。ということで、Ta152のコンター図を正とする。何故Fw190とされる図面が違うのかは不明。プロトタイプか?? Ta152とFw190では主翼取付位置が異なるため、当該部分の胴体下面の高さが異なる。そこは怪しげながらもFw190とされる図面に従うこととする。 次に問題となるのは、コンター図のそれぞれの線が、どこの断面位置を表すか。これを解明しないと図面にならない。コンター図自体は細かい文字がつぶれてしまって、読み取れない。そこで、余白に記載されている胴体各断面の座標値を利用する。これら座標値を図上にプロットしていくと、それぞれの線が示す断面が明白となる。なお、Ta152とFw190では、同じフレーム番号でも、機軸方向の位置が異なるフレームがあるようなので、若干注意が必要となる。
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問題はこれが実機写真と整合するかどうか。そこで、条件のよい現存機写真と重ねてみる。結果は、嬉しいことにぴったんこ。スピナがちょっと合ってないけど、こういうのは交換可能だからねえ。 |
しかし、喜ぶのはまだ早いぞ。現存機でフライアブルとなると、オリジナルに忠実にレストアされているかのチェックは必要。カウルとかガンカバーとか、出来の悪い新造品になってる悲しい機体も多いよね。そこで、WW2当時の写真とも重ねてみよう。当機の場合、真横遠方の全身写真は皆無。手元で一番条件のよいのは下画像。残念なことに、尾部が切れている。それでも機首からキャノピにかけてはピッタンコだ。ETCラックの取り付け不備なのか、隙間があるので翼下面のラインもばっちり。手抜き整備兵に感謝。 |
どっちが正しいか、神のみぞ知るだが、マニュアルの全長の数値がしばしば事実と違うのは、当頁の読者は先刻ご承知(疾風、隼、ワイルドキャット・・・)。実機写真との整合では、8,987mmの方がしっくりくる。既存図面(と一部のキット)は8,950mmに合わせたものも多いが、なんとなく、尾翼が窮屈なんだよね。言うまでもないが、拙図は8,987mm。 次回以降、寸法入り側面図、上面図、断面図と進める。キットレビューもやる予定。
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風防の製造図のある一枚で、557mmが正解のところ577mmと誤記されている。ま、人間だれしもよくある間違いだけどね。最初これに騙されて、図面と写真が合わなくて・・・ さて、次回は機首外形のマニアックな考察とキットレビューの予定。
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では、どうやって想像するか。左下画像をご覧いただきたい。防火壁最上部(点B)で胴体を水平にスライスすることを想定する(赤い水平線)。エンジン部の直径は既知だから、点Aの幅は自動的に決まる。また点B以後の幅も製造図から既知(結果として、B以降はほとんど直線となる)。それが右下画像。それぞれの線を真っ直ぐ延ばしてもうまくつながらない。機首に対して胴体が細いのだね。さて、その間をどうつなぐか。 |
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第1の説は、左下画像のように防火壁以降の線をカウル後端までそのまま延長し、そこから点Aまでを結ぶ。つまり、防火壁の前後での折れ曲がりがないものと想定したラインだ。しかし、これだとエンジン後端からカウル後端にかけてのクビレが顕著。点Aでの折れ曲がりもキツイし。ちょっと苦しいかな。 そこで第2の説は、右下のように点Aと点Bを直線で結ぶ。このあたりがリーズナブルかな。もちろん、実際には点A、Bではクッキリした折り目はないから、部分的に曲線が入ったS字カーブになるだろう。で、拙図は右画像の第2案がベース。これを基にガンカバーの平面形の線を決め、さらにそれに基づきカウル後端から防火壁までの断面形状を決めている。 |
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ポイントはこのS字カーブ。古いキットはこれが表現されてなく、鼻筋が太い。もちろん、カウルとキャノピの幅が正しければ、必然的にS字カーブとなる訳で、つまり古いキットはこれが正しくない。ていうかキャノピ幅が広過ぎ。このあたりは後のキットレビューで。あーそれから、点A、Bの位置(幅)が違うんじゃない?とか言う人は、自分で製造図を見て図面を描いてみてちょ。 |
古いキット達は、例えればこんなイメージかな。防火壁での幅が全然ちがうでしょ。 |
第1の説はガンカバーのパネルを曲げたというもの。ガンカバー先端はスムーズに延長するが、パーツ自体のたわみを利用し、カウル断面に合うようにちょいと曲げて狭めて、無理やりファスナ止めする。キャノピを開けるとその幅が狭くなる設計の機体だから、こういうのもアリではないかと。ただし、単純に幅を狭めると、高さの辻褄が合わなくなるハズで、ファスナのマージンで処理か、ガンカバー下端あたりをトリミングしたか。 このとき、Aカウルは、全体をねじる(前上端を内側に寄せる)ことでカウル後端との辻褄を合わせる。この場合、Aカウル延長部は下端では平行プラグ的に折れ曲り、上端では折れずにスムーズか。あるいは、パネル全体の取付角度を内側向きに変えて先端幅を合わせたか(この場合下端のヒンジ部にも変更が生じる) 第2の説は、カウル後端の断面形状を変えたというもの。実は知らなかったんだけど、A-3あたりのカウル後端断面の写真を見ると、途中で凹んだように折れ曲る(情報感謝)。一方、A-5以降だとこの凹みがないような・・・(←あんまり確信ないけど) でもって、凹みの部分を外側に広げて、ガンカバー先端の広がりに対応したという説だ。Aカウルについては、基本的に第1説と同様の考え。 |
英軍捕獲のA-3。世傑p102より拝借。矢印のところで凹んでいる。 | A-3かな。これも同じラインだけど、凹んでるのでなく、排気管部分が膨らんでるという見方もできる。 |
では、この2つの説を図面にしてみる。側面図としては両者同じ。さて、どっちが正解だろう? この中間、つまり両者合わせ技というのもあり得るかな。なお、第2の説の場合、断面図を描いてみるとカウル後端の絞りがほとんど無くなる。ということで、私は第1説を有力とみる。 |
これが第1の説。赤がA-5、黒がA-4。ガンカバー先端幅はA-4もA-5も同じ。なお、Aカウルは全体の取付角度変更説で描く。これまで掲載していたA-5平面図はこちらの説。 |
第2の説。黒のA-4は左図と同じ。ガンカバーは、共通部分の幅が同じで、先端はA-5が広くなる。図には表れないが、カウル後端の面の流れが違う。 |
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こちら第1の説。 |
こちら第2の説。カウルの絞りがあまりない。 |
トライ 1/48 A-8 ガンカバー付近が1.5mm幅広。カウルは1mm幅広、2mm短い!。後部胴体が1mm短い。キャノピが1mm弱幅広。鼻筋が太く、またカウルが太く短い。前回記事の「古いキット達」の典型的ライン。でも、古くからのブランドイメージで、これがベストだと思う人は多いだろう(どう思うかは人それぞれで、それは否定しない)。なお、トライマスター消滅後はドラゴンから販売された。ハセ旧 1/48 A-4 ガンカバー付近が2mm幅広。カウルは1.5mm幅広、2mm短い。後部胴体が1.5mm短い。キャノピが1mm幅広。胴体の印象はトライとよく似ている。こちらも、いわゆる旧来キット。エデュ旧 1/48 A-5 カウル長さや全長に関しては正確。ただし、ガンカバー付近は1.5mm幅広、キャノピ1.5mm幅広。カウルがドラム缶のように寸胴で、そのままガンカバーも幅広寸胴。なんか、色気なくもっさりした印象。現行の1/72は、この旧1/48のスケールダウン(前述寸法は1/72キットの換算)。現行のD-9が新旧どっちがベースなのかも気になるところ。旧ベースという悪寒がするが(情報求む)。 後日、新たな情報あり。感謝。危惧したとおり、旧キットベースとのこと。つまり鼻筋は太い。残念。(10/30追記)ハセ新 1/48 A-5 ガンカバー付近は0.5mm幅広。カウルの幅は0.5mm狭い。カウル長さは正確。後部胴体長さも正確。キャノピが1mm弱幅広。鼻筋のラインやカウルの長さは、旧来キットとは一線を画すものとして高く評価できる。惜しいことに、胴体断面形の再現性がイマイチ。エデュ新 1/48 A-4 ガンカバー付近は0.5mm狭い!。カウルや後部胴体の長さは不明(情報求む)。キャノピ幅ほぼ正確。やや鼻筋の細さが強調されている感はあるが、現時点で1/48のベスト。ハセ新と比べ胴体断面形も良好とのこと。他にA-3、A-5、A-8なども出ている。なお、旧シリーズは型番が4桁。新シリーズは5桁(例:82142)なので、購入時には注意されたし。エア新 1/72 A-8 鼻筋関係の寸法、形状は極めて正確。その他、胴体の断面形、長さもばっちり。アウトラインに関しては1/72のベストキット。合わせとモールドはエア赤箱スタンダード。つまりイマイチ。これらが良ければ完璧なんだけど。エア新以外の1/72キットは、完成品を見た印象ではどれも鼻筋が太いから、皆アウト。寸法に関しては、私の計測ミスもあるだろうから、お気づきの点があればお知らせ願う。一応実機の1/48での主要寸法を記しておく。ガンカバー先端幅:18.5mm(第1の説ならA-4もA-5も同じ。第2の説ならA-5では19.3mm)、防火壁上端幅(ガンカバーのクランクの下端):16.5mm、カウル最大幅(両脇のバルジを除く):27.1mm、カウル長さ:26.3mm、風防下端幅:13.1mm、風防正面幅(フレームのエッジまで):5.3mm。それ以外の寸法は、拙図の実寸値から計算してくだされ。
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以上でFw190図面シリーズは"一応"終了。下面図、正面図は、既存図面を見ていただければ十分なので予定なし。Ta152図面もあえて描くだけの材料がないので予定なし。もしかすると、1/72でモデリングするかも。あーでもまず、スピ1仕上げないと。狩人もウェイティングリストに載ったままだし。
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1 | 新版 世界の傑作機 No.78 フォッケウルフ Fw190 | 文林堂 |
2 | 旧版 世界の傑作機 フォッケ・ウルフFW190 6集 1973 | 文林堂 |
3 | モデラーズ・アイ 4 フォッケウルフ Fw190D「ドーラ」 | 大日本絵画 |
4 | Focke Wulf Jagdflugzeug Fw190A Fw190"Dora" Ta152H | Rogge GmbH |
5 | Focke Wolf Fw 190 In Action aircraft no.19 | Squadron/Signal Publications |
6 | Fw 190 In Action aircraft no.170 | Squadron/Signal Publications |
7 | Walk Around Fw 190D Walk Around Number 10 | Squadron/Signal Publications |
8 | Walk Around Focke-Wulf Fw-190 A/F Walk Around Number 22 | Squadron/Signal Publications |
9 | Monogram Close Up FW 190 F | Monogram |
10 | Monogram Close Up FW 190 D | Monogram |
11 | Monogram Close Up 24 Ta 152 | Monogram |
12 | Production Line To Frontline 5 Fw 190 | Osprey |
13 | Aircraft of the Ace 6 Focke-Wulf Fw 190 Aces of the Russian Front | Osprey |
14 | Aircraft of the Ace 9 Focke-Wulf Fw 190 Aces of the Western Front | Osprey |
15 | Aircraft of the Ace 20 German Night Fighter Aces of World War 2 | Osprey |
16 | Aircraft of the Ace 92 Fw 190 Defence of the Reich Aces | Osprey |
17 | Aircraft of the Ace 101 Luftwaffe Viermot Aces 1942-45 | Osprey |
18 | Aircraft of the Ace 116 Aces of Jagdgeschwader 3 'Udet' | Osprey |
19 | Aircraft of the Ace 134 Jagdgeschwader 1 'Oesau' Aces 1939-45 | Osprey |
20 | Aviation elite 1 Jagdgeschwader 2 'Richthofen' | Osprey |
21 | Aviation elite 6 Jagdgeschwader 54 'Grunherz' | Osprey |
22 | Aviation elite 20 Luftwaffe Sturmgruppen | Osprey |
23 | Aviation elite 27 Jagdverband 44 Squadron of Experten | Osprey |
24 | Osprey Duel 1 P-51 Mustang vs Fw 190 Europe 1943-45 | Osprey |
25 | Osprey Duel 24 Fw 190 Sturmbocke vs B-17 Flying Fortress Europe 1944-45 | Osprey |
26 | Osprey Duel 39 La-5/7 vs Fw 190 | Osprey |
27 | Monografie 01 Focke-Wolf FW 190 vol.1 | Kagero |
28 | Monografie 04 Focke-Wolf FW 190 vol.2 | Kagero |
29 | Monografie 05 Focke-Wolf FW 190 vol.3 | Kagero |
30 | Monografie 06 Focke-Wolf FW 190 vol.4 | Kagero |
31 | Miniatury Lotnicze 4 JG 2 Richthofen 1942-1943 | Kagero |
32 | Miniatury Lotnicze 6 JG 5 Eismeer 1942-1945 | Kagero |
33 | Miniatury Lotnicze 14 JG 1 Oesau 1944-1945 | Kagero |
34 | Miniatury Lotnicze 19 JG 301 Wilde Sau | Kagero |
35 | Miniatury Lotnicze 25 JG 26 Schlageter Vol.2 | Kagero |
36 | Miniatury Lotnicze 27 JG 1 Oesau 1939-1943 | Kagero |
37 | Miniatury Lotnicze 30 JG 11 | Kagero |
38 | Miniatury Lotnicze 35 JG 52 vol.2 | Kagero |
39 | Bitwy Lotnicze 07 Luftwaffe nad Tunezja (1) | Kagero |
40 | Bitwy Lotnicze 10 Luftwaffe nad Tunezja (2) | Kagero |
41 | Jagdwaffe vol3sec4 The War In Russia January-October 1942 | Classic Publications |
42 | Jagdwaffe vol4sec1 Holding The West 1941-43 | Classic Publications |
43 | Jagdwaffe vol4sec2 The Mediterranean 1942-1943 | Classic Publications |
44 | Jagdwaffe vol4sec3 The War In Russia November1942-December1943 | Classic Publications |
45 | Jagdwaffe vol4sec4 The Mediterranean 1943-1945 | Classic Publications |
46 | Jagdwaffe vol5sec1 Defending The Reich 1943-44 | Classic Publications |
47 | Jagdwaffe vol5sec2 War In The East 1944-1945 | Classic Publications |
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49 | Jagdwaffe vol5sec4 Jet Fighters And Rocket Interceptors 1944-1945 | Classic Publications |
50 | Nachtjaeger Vol 2 Luftwaffe Night Fighter Units 1943-1945 | Classic Publications |
51 | Schlachtflieger Luftwaffe Ground-Attack Units 1937-1945 | Classic Publications |
52 | Monografie Lotnicze 17 Focke-Wulf Fw-190 A/F/G cz.1 | AJ-Press |
53 | Monografie Lotnicze 18 Focke-Wulf Fw-190 A/F/G cz.2 | AJ-Press |
54 | Monografie Lotnicze 21 Focke-Wulf Fw-190 D,Ta 152 | AJ-Press |
55 | Flugzeug Profile 9 Focke Wulf Fw 190 | Flugzeug Publikations |
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57 | Luftwaffe At War 0 Focke Wolf 190 The Birth of the Butcher Bird 1939-1943 | Greenhill |
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61 | Aircraft of the Luftwaffe Fighter Aces I A Chronicle in Photographs | Schiffer |
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63 | Luftwaffe im Focus Edition No 1-12,16 | Luftfahrtverlag-Start |
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69 | EagleFiles #2 Yellow 10 The story of the ultra-rare Fw 190 D-13 | Eagle Edition |