フォッケウルフ Fw190D-9 ハセガワ 1/72 製作記

BACK NEXT

3



最終更新日



■ はじめに 10/10追加

 いよいよモデリング開始。図面を描くと模型も作りたくなるのは自然の摂理。お題はハセ1/72ドーラだ。エア新1/72を予想した向きもあるかと思うが、理由があってハセなのだ。というのは、このハセドラ、なかなかの好キットで、発売当時は喜んで作ったけど、現在の目で見ると少々問題(いや、わりと大きな問題?)がある。ただ、素性はいいので、ちょっと切り刻んでやると見違えるほど良くなるハズ。切った貼ったの血が騒ぐぜ。エアは外形完璧なので、その辺の面白味がないのだよね。


■ ハセドラキット評

 その問題とは、鼻筋の太さ。これ、A型キット評でも書いたけど、旧来キット固有の癖みたいなもの。防火壁上部が一番顕著で、1.3mm太い。1/72の胴体幅でこの数値は大きいぞ。一方で、ラジエーターカウルの直径やコクピット部の胴体幅は正しいので、ガンカバーの付近が、まるで蛇が卵を飲み込んだように膨らんでいる。また、脚収容部付近の胴体下面は、膨らんで「鳩胸」状。これは翼下面パーツを、A型と共通パーツにしたが故のミス。A型のカウル下面から本来段差があるところ、日本機的ラインで段差なしにしてしまったため。(だからA型キットでは違和感あまりない)

 ここを除けば側面形はイメージ的には悪くない。ただし、全長は2mmほど短く、これにバランスするように垂直尾翼が小さい。断面形では、コクピットから後方の胴体の肩が張っている感じ。細かいところでは、機首カウルの排気管下部のパネルラインが曲線。ピアノヒンジって直線でないと開閉できないぞ。また排気管が左右平行でないのも気になる。シリンダーは左右平行だから、論理的に変なのだ。

 以上、かなり重箱の隅までつついたが、基本的には好キット。最大の美点は、風防、スライドフードの寸法が正確なこと。2種類のパーツがあるから、余りは他キットへの流用に重宝するかも(どこへ?) 風防が正しい幅なのに、胴体側は幅広のガンカバー付近の影響が風防部まで及んでいて、風防と胴体の合わせに段差が生じる。だから、鼻筋を細く改修すると、風防の合わせも改善されて一石二鳥なのだ。



キットオリジナル状態の鼻筋。

キットの鳩胸。仮組みなので、ちょいオーバーに見えてるかな。

上写真を基に、キットのラインを図化したもの。細部までは反映してない。

同じくキット側面形を図化したもの。一部省略。

実機の平面形。取り込んでスライドショーで見ると違いがよく分かる。エアインテイクは非表示。

実機側面形。

ガンカバー、キャノピを載せてみる。これ単体で見ると、そんなに悪くないのだけど・・・

ピアノヒンジ部(黒テープ)が湾曲。ま、僅かではある。


 同社A型は手元にないが、おそらく鼻筋の太さや後部胴体の断面形は同じだろう。


■ 胴体改修

 鼻筋を細く、長くする。ガンカバー付近の接着面を1mm強カット。こうして強引に左右を接着することで、幅を狭める算段。また、防火壁部で切断し、1mmプラバンを挟んで延長。カウル再接着の前に、断面形を図面に合わせる。このまま左右を接着するのは無理がある。適宜切込みを入れてパーツを曲げる。コクピット付近にも、変なS字カーブが入っているから、真っ直ぐに矯正。風防前下の三角部分は、上部が外側に開くように折り曲げる。



接着面をカットした状態。カウル先端、風防前端、防火壁下端の幅は正確なので、そこは変えない。

防火壁部で切断し、1mmプラバンを接着。

この防火壁部の断面形を図面に正確に一致させることで、出来上がりの精度が確保される。邪魔な排気管を切り落とす。

左右を接着。垂直尾翼も1mmプラバンを挟んで面積拡大。延長プラグ付近はやや狭いので0.3mmプラバンを挟んで広げる。

上から撮影。これが正しい幅だ。右画像と位置サイズを合わせてあるので、比較されたし。

再掲、修正前。え? 大して変わらないって? まあそこは人それぞれで・・

ガンカバーも接着、整形。見よこの鼻筋。しゅっと細い感じは、旧エアD-9に近いかも。

再掲、キットオリジナル。撮影角度が微妙に違うから単純比較はできないけど、防火壁部が膨らんでるでしょ。


 補足。ガンカバーは当然合わなくなるから、前後にプラバンを貼り、左右幅は曲げて裾を狭める。その結果、高さが増すから下辺を削って調整。エンジン上部のパネルラインは、ピアノヒンジだから直線にする。カウルは、贅肉なく防火壁につながるように削る。ほかにも後部胴体や尾翼など、留意点があるけど、長くなったので次回に。


■ 続、胴体改修 10/22追加

 前回の積み残し。垂直尾翼とラジエーターカウル。



左舷は、1.0mmプラバンを挟んで上下左右に拡大。左右接着前に、図面に合わせて正しい形状を出す。

左右パーツの間に0.3mmプラバン(グレイ)を挟んで、右舷側尾翼はそのまま接着。段差を埋めて、左舷に合わせて形を出す。

キットのラジエーターカウルは先端が角ばったイメージ。

修正後。ルータで回転切削する。ちなみに、軸はつまようじ。



■ 主翼の改修

 目立たないところだが、主翼下面は大問題。前述の鳩胸だけでなく、後縁付近での翼と胴体の関係が再現不足。実機は左右フィレットに挟まれた胴体部が丸く膨らんでいるが、キットは平ら。おそらく、後縁での主翼取り付け高さが若干低いのが影響してるのか。また、脚収容部直後の主桁部分は中央に峰が立つのが再現されない。このあたり、例えれば同社1/72キ-84疾風の下面パーツみたい。でもって、これらの影響で、胴体近くの翼厚が過大。上面ラインは正しくて下に膨らんでいるイメージ。

 修正としては、鳩胸を削り落とし、峰の左右を削り込んでエッジを出す。下面パーツはあらかじめガル翼になるように中央とフィレット端付近を折り曲げておく。これは翼厚や取付高さのの修正にも効果的。構造的に見ると、Fw190の主翼はフィレット境付近のパネルラインまでで終わっており、それより内側の胴体下部は外付けパネルとなっている。外形修正の際は、それを頭に入れてパーツを削る。主翼前縁での取付高さは正しいので、主桁より前方に関しては、鳩胸を削るだけでよい。

 ちなみに、本キットに限らず、日本メーカーの外国機キットって、日本機のラインを引きずってるものが多い。ヘルキャットもスピットファイアもゼロ戦が入ってるんだよね。



切削前の主翼下面。主桁部分の峰が無い。ガル翼にはしてある。後方の胴体部は、幅を広げた関係もあり、瞬間+プラ粉を盛る。薄赤部分を集中的に削る。

断面コンター図で見ると、この付近はかなり丸いことがわかる。

断面図を変形(尺度、回転、傾斜のみの変更)させて写真に重ねてみると、こんな感じ。精度は大甘なので、イメージっつうことで。

切削後。峰が立ってる。脚収容部に関しては、今回は関心の対象外ということで、完全スルー。


 以上、いろいろ頑張ったけど、完全に修正しようとすると結構大変。どうせ下面だし、適当なところで妥協する。



ということで、士の字。キットのキャノピパーツを乗せてみる。

この角度だと、鼻筋が細く見えるね。細い胴体のせいもあって、機銃のバルジがかなり目立つ。少し削った方がよさそうだ。



■ 機銃バルジ 11/10追加

 ちょい大き過ぎるバルジを削る。写真を見ながら雰囲気で。



側面形においては、バルジの前1/3程度を削り、機銃穴からスムーズにラインをつなげる。

側方の膨らみも削る。上画像と比べると、下半の平らな部分との境のくびれが弱くなってるのが分かると思う。



■ 排気管

 機首整形に邪魔で切り飛ばした排気管、レジンパーツがお手軽だが手元にないので3Dプリンタで自作する。先日某所より入手した(感謝)排気管製造図によると、先頭から5番目までは左右平行に並び、6番目だけが外側に出っ張る(下左画像参照)。細かく見れば、2番目と5番目は前後長さが短いが、1、3、4番目を短く切ったのでなく、全体の平面形が違う。したがって、排気管パーツは片側で3種類となる。ドイツ人的几帳面さかな。3Dデータはこの図面を再現する。ただし、実物がそのとおりかどうかは、確認する手立てがなく不明。悪しからず。



最後端の排気管のみ外側に突出する。これは、製造図の平面形をトレースしたもの。

左舷側排気管データ出来上がり。1/72ということもあり、形状を完全に再現するのでなく、簡便な方法で近似的に設計する。

簡便な方法とはこれ。基本形は平面形と正面形を押し出して「交差」する。まず製造図の平面形をトレースして押し出す。

正面形を押し出して交差する。正しい側面形になるように正面形を微調整するのがポイント。次に四隅をフィレットで丸める。


 上記設計法では、実物の形を忠実に再現するのは不可能。ただ、1/72であれば、実用上全く問題ないレベルで出来上がる。1.5倍して1/48でも大丈夫。補足すれば、当初は平面形と側面形の押し出し→交差としたが、それだと根元の形状の再現性が悪い。また上横前の3方向の押し出しではエッジが複雑になりフィレットがうまく使えない。試行錯誤の結果、この方法にたどり着いたわけ。

 続いて、プリントアウトして機体とのフィッティングをチェック。排気管のモールドをくり抜いたスリットは、裏側からプラバンを接着して塞いであるのだが、穴が浅くて3D排気管が外にはみ出る。仕方なくプラバンに穴をあけ、プラバンで塞ぎ直す。



プリントアウトしたもの。出口の穴もちゃんと抜けてる。

胴体前方をくり抜き、プラバンのフタをボトルシップ状態で接着する。



■ お持ち帰り

Fw190D排気管 ダウンロード


■ 風防の隅

 海外の読者より情報提供(感謝)。風防上端の隅は鋭角でなく、微妙に丸い。ただし、下まで丸いのでなく、上端近くまでは鋭角で、最上部でちょこっと丸みが入る。こういうのは図面ではなかなか表しづらいから、写真を見ていただく。







■ ちまちまと 11/18追加

 3Dデザインにかまけて亀進行。外形を煮詰めながら、並行でスジボリ。あちこち削ったため、ほとんど新規彫り直しとなる。というか、中途半端に残っているより、新たに自由に彫った方が楽だから、一部を除き、残っているのも瞬間で埋めてしまう。



スジボリがある程度進んだところで確認にサフを吹く。案の定、ミス多数。つうか、年々スジボリが下手になってる悪寒。

キットのカウルフラップを切り取り、プラバンで閉じた状態を再現する。これは私の好みで。

水平尾翼も接着。垂直安定板の延長部の屈曲ラインも一応表現するが、写真だと分からんな。

前縁のスジボリはカッティングシートを切ってテンプレートを作る。

インテイク基部には、0.14mmプラシートでフチをつける。流し込み系で接着し、翌日機体に取り付ける。

できあがり。3Dの排気管に色を塗って仮り組みしてみる。


 そろそろインレタ作らなきゃ。あ、その前にスピットか?


■ インレタ 2/5追加

 ドイツ機ファンの皆様、長らくお待たせ。二ヶ月ぶりに再開。動翼リブのインレタを貼る。今回は、初の試みとして後縁の骨を再現してみる。こうすると、サイズが合ってないと悲惨なことになるから、正しくは製作中のモデルを採寸して版下を作るべきだが、面倒なので自分の図面をそのまま使う。後端に合わせて慎重に位置決め。



その前にシート。本体はキットパーツ無加工。ハーネスはファインのナノ。シートとサイズ感が合ってないな。

風防、キャノピ、内部の防弾板まわりもキットパーツ。寸法、形状は良い。ややバブルが上へ膨らみすぎか?

インレタ貼り付け終了。こんな風に後端にもフチをつける。ズレは、まあ許容範囲かな。

はみ出しはノミでこそげ落とし、不足はサフを厚塗りする。画像は未処理。キャノピを含めた全体形状にも注目されたい。


 もう少しで本体塗装。そこまで到達すれば勢いがつくのだが。それにしても、なんでフォッケのエルロンのリブってこんなに密なんだろうね。


■ サフ吹き 2/12追加

 塗装に向けて、工作の追い込み。スジボリを追加する。まだ追加の余地があるけど、このへんでギブアップ。スピナはキットパーツ。直径、長さの寸法は正確。先が丸いので、ルーターで回転切削して気持ち尖らせる。スジボリも回転中のところにケガキ針を当てて彫る。その他、各所の突起物をプラ細工で。



サフを吹いて、本番塗装前のチェック。

ドーラの特徴的な補強板も0.14mmプラペーパーで再現。排気管の穴にも注目。

リブ表現はこんな具合。おや?スジボリが二重になってるな。直しておこう。

エレベータもこのとおり。アンテナ線基部は0.2mm真鍮板で作る。


 風防を接着したら、本番塗装だぞ。今回、キャノピはオープンにする予定。


■ お持ち帰り

 リブテープ版下のsvgファイルをご提供。1/72で作成しているが、1.5倍すれば1/48に使える。

Fw190リブテープ版下 ダウンロード






■ 参考文献

 参考文献は図面のページに記載。




前ページへ

A-5製作記へ



Wings Of Pegasus HOME