フォッケウルフ Fw190D-9 ハセガワ 1/72 製作記
BACK(Drawings) Tamiya D-9 Airfix A-8
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ここを除けば側面形はイメージ的には悪くない。ただし、全長は2mmほど短く、これにバランスするように垂直尾翼が小さい。断面形では、コクピットから後方の胴体の肩が張っている感じ。細かいところでは、機首カウルの排気管下部のパネルラインが曲線。ピアノヒンジって直線でないと開閉できないぞ。また排気管が左右平行でないのも気になる。シリンダーは左右平行だから、論理的に変なのだ。 以上、かなり重箱の隅までつついたが、基本的には好キット。最大の美点は、風防、スライドフードの寸法が正確なこと。2種類のパーツがあるから、余りは他キットへの流用に重宝するかも(どこへ?) 風防が正しい幅なのに、胴体側は幅広のガンカバー付近の影響が風防部まで及んでいて、風防と胴体の合わせに段差が生じる。だから、鼻筋を細く改修すると、風防の合わせも改善されて一石二鳥なのだ。 |
キットオリジナル状態の鼻筋。 |
キットの鳩胸。仮組みなので、ちょいオーバーに見えてるかな。 |
上写真を基に、キットのラインを図化したもの。細部までは反映してない。 |
同じくキット側面形を図化したもの。一部省略。 |
実機の平面形。取り込んでスライドショーで見ると違いがよく分かる。エアインテイクは非表示。 |
実機側面形。 |
ガンカバー、キャノピを載せてみる。これ単体で見ると、そんなに悪くないのだけど・・・ |
ピアノヒンジ部(黒テープ)が湾曲。ま、僅かではある。 |
同社A型は手元にないが、おそらく鼻筋の太さや後部胴体の断面形は同じだろう。
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接着面をカットした状態。カウル先端、風防前端、防火壁下端の幅は正確なので、そこは変えない。 |
防火壁部で切断し、1mmプラバンを接着。 |
この防火壁部の断面形を図面に正確に一致させることで、出来上がりの精度が確保される。邪魔な排気管を切り落とす。 |
左右を接着。垂直尾翼も1mmプラバンを挟んで面積拡大。延長プラグ付近はやや狭いので0.3mmプラバンを挟んで広げる。 |
上から撮影。これが正しい幅だ。右画像と位置サイズを合わせてあるので、比較されたし。 |
再掲、修正前。え? 大して変わらないって? まあそこは人それぞれで・・ |
ガンカバーも接着、整形。見よこの鼻筋。しゅっと細い感じは、旧エアD-9に近いかも。 |
再掲、キットオリジナル。撮影角度が微妙に違うから単純比較はできないけど、防火壁部が膨らんでるでしょ。 |
補足。ガンカバーは当然合わなくなるから、前後にプラバンを貼り、左右幅は曲げて裾を狭める。その結果、高さが増すから下辺を削って調整。エンジン上部のパネルラインは、ピアノヒンジだから直線にする。カウルは、贅肉なく防火壁につながるように削る。ほかにも後部胴体や尾翼など、留意点があるけど、長くなったので次回に。
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左舷は、1.0mmプラバンを挟んで上下左右に拡大。左右接着前に、図面に合わせて正しい形状を出す。 |
左右パーツの間に0.3mmプラバン(グレイ)を挟んで、右舷側尾翼はそのまま接着。段差を埋めて、左舷に合わせて形を出す。 |
キットのラジエーターカウルは先端が角ばったイメージ。 |
修正後。ルータで回転切削する。ちなみに、軸はつまようじ。 |
修正としては、鳩胸を削り落とし、峰の左右を削り込んでエッジを出す。下面パーツはあらかじめガル翼になるように中央とフィレット端付近を折り曲げておく。これは翼厚や取付高さのの修正にも効果的。構造的に見ると、Fw190の主翼はフィレット境付近のパネルラインまでで終わっており、それより内側の胴体下部は外付けパネルとなっている。外形修正の際は、それを頭に入れてパーツを削る。主翼前縁での取付高さは正しいので、主桁より前方に関しては、鳩胸を削るだけでよい。 ちなみに、本キットに限らず、日本メーカーの外国機キットって、日本機のラインを引きずってるものが多い。ヘルキャットもスピットファイアもゼロ戦が入ってるんだよね。 |
切削前の主翼下面。主桁部分の峰が無い。ガル翼にはしてある。後方の胴体部は、幅を広げた関係もあり、瞬間+プラ粉を盛る。薄赤部分を集中的に削る。 |
断面コンター図で見ると、この付近はかなり丸いことがわかる。 |
断面図を変形(尺度、回転、傾斜のみの変更)させて写真に重ねてみると、こんな感じ。精度は大甘なので、イメージっつうことで。 |
切削後。峰が立ってる。脚収容部に関しては、今回は関心の対象外ということで、完全スルー。 |
以上、いろいろ頑張ったけど、完全に修正しようとすると結構大変。どうせ下面だし、適当なところで妥協する。 |
ということで、士の字。キットのキャノピパーツを乗せてみる。 |
この角度だと、鼻筋が細く見えるね。細い胴体のせいもあって、機銃のバルジがかなり目立つ。少し削った方がよさそうだ。 |
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側面形においては、バルジの前1/3程度を削り、機銃穴からスムーズにラインをつなげる。 |
側方の膨らみも削る。上画像と比べると、下半の平らな部分との境のくびれが弱くなってるのが分かると思う。 |
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最後端の排気管のみ外側に突出する。これは、製造図の平面形をトレースしたもの。 |
左舷側排気管データ出来上がり。1/72ということもあり、形状を完全に再現するのでなく、簡便な方法で近似的に設計する。 |
簡便な方法とはこれ。基本形は平面形と正面形を押し出して「交差」する。まず製造図の平面形をトレースして押し出す。 |
正面形を押し出して交差する。正しい側面形になるように正面形を微調整するのがポイント。次に四隅をフィレットで丸める。 |
上記設計法では、実物の形を忠実に再現するのは不可能。ただ、1/72であれば、実用上全く問題ないレベルで出来上がる。1.5倍して1/48でも大丈夫。補足すれば、当初は平面形と側面形の押し出し→交差としたが、それだと根元の形状の再現性が悪い。また上横前の3方向の押し出しではエッジが複雑になりフィレットがうまく使えない。試行錯誤の結果、この方法にたどり着いたわけ。 続いて、プリントアウトして機体とのフィッティングをチェック。排気管のモールドをくり抜いたスリットは、裏側からプラバンを接着して塞いであるのだが、穴が浅くて3D排気管が外にはみ出る。仕方なくプラバンに穴をあけ、プラバンで塞ぎ直す。 |
プリントアウトしたもの。出口の穴もちゃんと抜けてる。 |
胴体前方をくり抜き、プラバンのフタをボトルシップ状態で接着する。 |
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スジボリがある程度進んだところで確認にサフを吹く。案の定、ミス多数。つうか、年々スジボリが下手になってる悪寒。 |
キットのカウルフラップを切り取り、プラバンで閉じた状態を再現する。これは私の好みで。 |
水平尾翼も接着。垂直安定板の延長部の屈曲ラインも一応表現するが、写真だと分からんな。 |
前縁のスジボリはカッティングシートを切ってテンプレートを作る。 |
インテイク基部には、0.14mmプラシートでフチをつける。流し込み系で接着し、翌日機体に取り付ける。 |
できあがり。3Dの排気管に色を塗って仮り組みしてみる。 |
そろそろインレタ作らなきゃ。あ、その前にスピットか?
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その前にシート。本体はキットパーツ無加工。ハーネスはファインのナノ。シートとサイズ感が合ってないな。 |
風防、キャノピ、内部の防弾板まわりもキットパーツ。寸法、形状は良い。ややバブルが上へ膨らみすぎか? |
インレタ貼り付け終了。こんな風に後端にもフチをつける。ズレは、まあ許容範囲かな。 |
はみ出しはノミでこそげ落とし、不足はサフを厚塗りする。画像は未処理。キャノピを含めた全体形状にも注目されたい。 |
もう少しで本体塗装。そこまで到達すれば勢いがつくのだが。それにしても、なんでフォッケのエルロンのリブってこんなに密なんだろうね。
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サフを吹いて、本番塗装前のチェック。 |
ドーラの特徴的な補強板も0.14mmプラペーパーで再現。排気管の穴にも注目。 |
リブ表現はこんな具合。おや?スジボリが二重になってるな。直しておこう。 |
エレベータもこのとおり。アンテナ線基部は0.2mm真鍮板で作る。 |
風防を接着したら、本番塗装だぞ。今回、キャノピはオープンにする予定。
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スライドフードの窓枠モールドは、後端のみエッチングソーで彫り、上と下はカッティングシート(黒)をガイドにする。 |
いつものようにセロテープでマスキング。タミヤテープは内側の吹きこぼれ対策。 |
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画像を拝借。 |
同じく拝借。これを見るまでは黒と信じてたんだけど。 |
これら既存の解釈で概ね一致する部分は以下のとおり。まず、ラダーはベンダーによる別塗装でRLM76。他動翼下面も同様。胴体の側面と下面はスカイに似た新塗料。主翼下面の前半は、脚カバーを含めRLM81、後半は無塗装銀(ただし胴体部と動翼を除く)。この下面塗装は末期のD-9で他にも見られるらしい。機首上面は緑系。尾部胴体上面も同じ色に見える。胴体中央部上面はRLM81。主翼と水平尾翼の上面はRLM81と76。ただしパターンは資料により異なるものもある。
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キャノピ部分に黒サフを吹いてから、グレイのサフを吹いて下地終了。 |
主翼上面と動翼の76から始めて、動翼をマスクし灰緑色。 |
主尾翼の塗り分けはMr.ペタリ。パターンは既存解釈の多数派に従う。胴体はフリーハンド。こちらの境界線は写真のイメージで。 |
下面の塗り分けラインは既存解釈の公約数に従う。 |
さて、塗ってみると、主翼上面にやや疑問。81と76のコントラストが強く、写真でチラ見えする主翼上面の感じと違うような・・ 76の代わりに75グレイバイオレットあたりでもいいかな。81にしたって、胴体と同じかどうか、私には確信がない。もし、翼と胴体は別々の工場で製作&塗装し、最後に組み立てたのであれば、違う色、例えば緑系もありうるか。カラー写真で脚カバーは茶系に見えるが、単に汚れただけとか? 逆に、主翼と胴体が同じ工場なら、少なくとも76でなくスカイ系でしょ。わざわざ違う色にする理由が見当たらない。それを言うと、水平尾翼も疑問。作品の塗りはどっちにしたって矛盾してるな。実は主翼同様に水平安定板下面は無塗装だったりして??
資料本はヤフオクで売ろう。というのも前から捨てろと言われる度「売れるから」と言い訳してたので。キットは箱デカールなしビニール袋入りだから売れない。一生作る見込みのないやつは、この際きっぱり捨てよう。問題は旧作。これも捨てるしかないけど、心情的に忍びず、もし引き取ってくれるならお譲りしたい。断捨離は本宅に戻ってから実行する。引き取りのお願い、オクの実施などは、今後随時当ページにてお知らせする予定。
次に小物の塗装。脚柱とカバー裏側は、カラー写真から02グレイとする。確信があるわけではない。プロペラとスピナは黒(白20%混)。先に白を塗り、渦巻きをマスク。次にウェザリング。本機の胴体はかなり汚れており、エアブラシ細吹き+面相筆で汚れを描き込む。ここまでが引っ越し前。 次にインレタ。機番の白フチは位置決めがシビア。慎重に上下左右を確認する。最後にWNrを貼ろうと思ったら、版下のサイズを間違えている。何やってんだよ。仕方ない、作り直そう。主翼上下の十字もインレタ。 |
あ、スピナが無いな。脚のオレオはメタルフィニッシュ。 |
上下左右のマスクテープは位置決め。インレタを少しズラしては確認する。このあと台紙を抜き取って転写。 |
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赤(RLM23)が入ると、本機のヤレた感じが出てくる。 |
実機写真と見比べると、主翼の76の見え方はやはり疑問。 |
WNrは、頼まれ物のインレタの片隅に紛れ込ませて新たに作り直す。胴体機銃は真鍮パイプ。先に穴だけ開けてあって、単純に接着しようとするとパイプが胴体内に落ちてしまう。手ごろな金属線にパイプを通して仮固定してプライマーを流して接着。 |
WNrはインレタ。書体がちょっと違ったかな・・・ |
機銃を接着中のところ。左右平行な排気管にも注目。多くのキットは後ろ広がり。 |
脚カバーのスジボリ忘れは、マスクシートをガイドにエッチングソー。後で面相筆でタッチアップする。 |
ループアンテナは0.2×0.5mm洋白帯金。基部は1mmプラバンを水滴状に削る。 |
残る細部工作はあとわずか。面相筆ウェザリングを追加したら完成だ。
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丸棒ヤスリで凹みをつけて、透明な延ばしランナーを差し込み、面相筆でタッチアップ。 |
排気のベーンはプラバンで。 |
モラーネアンテナは0.8×0.2mm洋白帯金を削る。76で塗るけど、実機がどうだかは知らん。 |
エルロン操作ロッドのフェアリングはエデュから切り取ってくる。 |
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