M5A1 スチュアート 1/48 オリジナル3Dモデル 製作記 その2

2022.7.6初出

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最終更新日

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■ プリント開始 11/17 追加

 長くなったのでページ替え。プリントで意外と手こずる。以下その顛末。



まず、M3A1と同じくロール15°、ピッチ0°でプリント。すると正面に目立つ積層痕が。レジンはエニキュービックのグレイ。

そこで、全くフラット(ロール0°、ピッチ0°)にすると、斜め面に「膨れ(※)」が発生。またハッチの緩斜面には積層痕。

そこで後方を上げる(ロール0°、ピッチ-15°)。今度は側面下部に斜めの凹みが発生。画像はサフ塗ってサンディング。

内部補強部材はこのような形をしている。側面部下端は、装甲板より1mm上げている(プラバンで蓋ができるように)。


 なぜ、こんな斜めの凹みが発生するんだろう。97戦車は同じエニキュの黒を使っても、このような凹みはなかったのに。

※ 膨れについては、97中戦車製作記その1「膨れの発生メカニズムと解決方法」を参照。


■ 収縮による積層痕

 この凹み線は、よく見ると内部補強壁で断面が急変している箇所で発生している。断面が大きくなる所で凹むのだ。つらつら考えるに、その発生メカニズムは、次のとおりではなかろうか。

 左画像は、2枚の壁を出力している断面の模式図である。グレイは生成した造形物でできた壁、水色はFEPフィルム、ピンクが露光によって硬化中のレジンだ。硬化によってレジンが収縮すると、赤矢印の圧縮力が働く。FEPに張り付いている間はFEPに固定され、外れるとわずかに収縮するが、個々に働くため目立たない。

 右画像は、内部部材が出現した断面。この場合は大きい面積に圧縮力が働き、すでに出力済みの壁が内側に引っ張られる。同じ収縮率でも、面積が大きくなると収縮量は無視できない大きさとなる。次の層は、収縮前のサイズで硬化し、FEPから離れると収縮する。壁同士を連結する内部部材が太くなると収縮に抵抗するので、壁は内側に引っ張られなくなる。


 実際の挙動は、たぶんもっと複雑で、収縮と同時に光漏れによる膨れも発生する。ただ、必ずしも相殺される訳ではないため、結果として凹線が現れるのだね。正面装甲板の斜め積層痕も、この収縮が主たる原因だろう。97戦車で発生しなかったのは、出力方向(ロールあり)、造形物の形(垂直面がない)などが要因と考える。


■ その解決策

 原因が推測できたところで、解決策を考える。一番良いのは、断面急変が生じないよう、内部構造や出力方向を変えることだ。しかし、補強壁を無くすと、側面装甲板が歪んでしまうから、これは不可。出力方向は、既にピッチとロールの各パターンを試行済みで、どれもどこかに問題が生じている。

 残る方策は、収縮の少ないレジンに変えること。そういえば、Sirayaのメカホワイトを使ったM3A1は、同じような出力条件でも積層痕がほとんど無い。これ、エニキュより収縮が少ないからなのかも。ただ、メカホワイトは伸びやすく曲がりやすい傾向があり、砲身が歪んだ。そこで同じSirayaのFastを試す。色はネイビーだ。


■ Siraya Navyで再プリント

 ということで、再出力。方向は、ロール0°、ピッチ-15°、ヨー15°、層厚0.025mm、露光時間2.4sだ。結果は上々。前述の問題は一応解決だ。メカホワイトと比べると、照射時間は長めにとる必要がある。短いと、ペリスコープガードやライトガードなどの細い部材が十分に造形されない。ホワイトは、若干太り気味に出る印象だが、ネイビーはそうでもない。歪みに関しては、今のところ砲身は曲がってない。

 アンチエイリアシングはホワイト同様よく効く(グレーレベル、ぼかしピクセルとも同様に2とする)。また、エニキュと比べると、FEPやビルドプレートへの吸着力が小さい。これは、斜めの部材での歪みの減少に効果があるだろう。一方で、吸着力=レジンの引っ張り強度とも考えられ、すなわち破断強度はエニキュより劣るのかな。



写真では分かりづらいが、側面の斜め凹線は全く見られない。上面と側面の角での膨れもほぼなし。正面もきれい。

転輪と履帯は、積層痕を消すために0.015mm、2.2sで出力。誘導輪だけでなく上部転輪も履帯と一体出力。


 補足。細い部材は、設計自体の数値を少し大きくする(手掛けの直径0.3mm→0.35mmなど)。また、ペリスコープガード、尾灯には細いサポートを追加。車体前下部は別パーツで出力する。予備履帯とスコップも別パーツ。あとは極力一体。車体上部下端、フェンダー下端、正面装甲板先端にはマージンを多めに付与。ヘッジローは、厚みを増やすものの、まだ歪みが出る。エニキュは歪まないから、ここだけ(あるいは砲身も)エニキュにするという手はある。


■ 牽引フック

 牽引フックを設計。また、別出力用に予備履帯を改修する。見えないところで部材を厚くして、強度を確保。デフレクターは、まだ設計してない。



牽引フック。上の車体出力画像にもチラ見えしてるよ。

予備履帯。


 M3A3の設計も終わったけど、長くなったので次回更新で。


■ M3A3設計完了 11/24 追加

 タミヤより1/48 M8のアナウンス。ガーン! ショック! 部品割からして、M5が出るのは確実。いやあ、もう少し待って欲しかった、というのが正直な気持ち。M3は出てもM5はしばらく出ないと予想してたんだけどなあ。

 まあしかし、1) M8は当初から予定なしだから、これは正直嬉しい。2) それに私のM5の方がディテールは勝っている。3) タミヤのことだから、M5が出るのは1、2年先のはず。4) 部品割からM3までは発展しない(M3は足回りから新規作り起こしとなる)。よって、M3A1は、当分の間「世界に一つ」の座を保持できる。5) タミヤからはM3A3は100%出ない。以上5点でもって、自分を慰めよう。車体上部のみタミヤM8と交換する「コンバージョンキット」も設計しようかな・・・ ←これは現時点のリソースで簡単に出来る。

 さて、気を取り直してM3A3だ。まず、設計の考え方について。本車の最大の特徴は、斜めに張り出した側面装甲板。これは、先のサイトによると、全幅99.4"(サンドシールド含む)、装甲板角度20°、厚さ1"、とされている。これに従うと、上面幅は、M3/M5と同じとなる(厳密には僅かな差がある)。よって、これら数値を採用。正面装甲板の基本的配置と寸法(上端高さ、機銃、直視孔、装甲板分割位置、ライト類)はM5と基本的に同じ。こうすると、両脇の斜め装甲板の位置・角度は自動的に決まる。

 車体後方については、斜め装甲板の角度が59°、下側装甲板が20°で、これはM3A1と同じ。ということで、R部分を含めて側面図としての後面装甲板の位置はM3A1と同じと仮定する。上部の垂直部分の幅は、上面からの実車写真がベース。後ろ斜め装甲板の角度が悩ましい。写真によって見え方が違うのだ。ここは何枚もの写真を見て、最大公約数的に最も「らしく」見える角度にする。

 車体後方の雑具箱もまた悩ましい。メッシュ部分の下側が丸いタイプもある。ただ、丸いメッシュは設計が大変なので、これは迷わず平面タイプを選択。たぶん底もメッシュだと思うが、出力の都合で平板とする。



設計完了。操縦手バイザのブラケットを追加。バイザ本体は設計してない。悪しからず。履帯はT36E6。




後方雑具箱を追加。こちらの履帯はT55E1。砲塔は、吊り下げリング、グローサーの配置、上面のディテールがちょこっと違う、というだけだが、新規ファイルとする。






■ 履帯修正&バリエーション

 T16のディテール不足に気づき修正。また、T36E6とT55E1も追加。タミヤのニューキットにも、いいアクセントになってくれるはず。ダックビルは、M3/M5では極めてレアなのでパス。



新版T16。修正箇所は、シューとエンドコネクタの間の部分のディテール。

こちらはT55E1。

T36E6。このタイプも結構見られる。M3A3で装着している車両もある。

裏側のボルトも再現。



■ M5A1組み立て 12/13 追加

 先日、ギックリ腰を再発。恒例のライブに向け、ギター練習もせねばならぬ。今年の年末は大変じゃ。まあ、ゆるゆるいこう。さて、しばらく前にプリントしておいたパーツを組み立てる。シャシーと履帯の組み立ては知恵の輪だが、これはM3A1記事を参照されたし。履帯と一体で出力した上部転輪の具合は良好。お奨めする。

 転輪の軸穴とシャシーの軸との隙間は、メカホワイトで出力したM3A1では、設計上で0.08mm(軸直径1.2mmに対して穴直径1.36mm)でピッタリだったけど、今回のファーストネイビーではユルユル。そこで隙間0.03mmにしたのだが、それでもまだ若干の遊びがある(0.015mm 2.2秒)。また、垂直面に針で引っ掻いたようなスジができている。液晶の一部が死んでるのかも。



対空機銃を除く全てのパーツを組み立てて、表面の積層痕や歪みをサンディングしたところ。

こんなふうに垂直面に本来出現するはずのないスジが現れる。あとでサフで埋める。

クレオスのマホガニーサフェーサーで下塗り。テカテカして、私好みでないなあ。次から足回りだけにしよ。

サフで現れた不具合をさらに修正して、今度はいつもの自作グレイ(黒サフを少量添加)のサフを吹く。


 マホガニーサフェーサー、初めて使ってみたけど、表面がテカっている。ということはクリア分が多いのかな。いつもはサフを吹くと急にカッコよくなって、テンション上がるのだが、色味もあって(だってウ〇コ・・)、気分盛り上がらず。


■ M3A3組み立て

 さらにM3A3も組み立て。



組み立てて表面をサンディング。車体をピッチ-10°で出力したら、ハッチ上面に目立つ積層痕発生。面倒なのでそのままいっちゃう。

荷物箱のメッシュはこの通り抜けている。ちょい歪んでいるのはバトルダメージということにしておこう。

ペリスコープガードは一体出力。中央の細棒は、当然あとで切り取る。これがあると上の横棒が真っすぐ同じ太さで出力される。

こいつにはT36E6を履かせる。ディテールの出具合もいい感じじゃ。あ、サポート痕の整形忘れてるな。


問題:ペリスコープガード中央の細い縦棒があると、何故横棒の太さが均一になるのか?

解答:横棒がフィルムから剥がれる際、フィルムに引っ張られて横棒が歪む。歪んだまま次の層がプリントされると、歪みの分だけ太さが不均一になる。細い縦棒があると歪みが抑制されるので、太さが均一になる。


■ 新プロジェクト

 スチュアートシリーズの設計はひとまず終了(M8ハルは考え中)。次のプロジェクトに取り掛かる。アイテムは、年末といったらアレでしょ。お父さん、当たったら芦屋に豪邸よ!! なお、Kerr氏による北アフリカのハニーも進行中。しばし待たれよ。


■ M3ハニー 1/1 追加

 謹賀新年。今年もペガサスの翼を宜しくお願い申し上げる。

 さて、Kerr氏によるM3初期型北アフリカバージョン「ハニー」が到着したので、早速アップする。これは、従前の初/中期型ファイルにサンドスカートや雑具箱などが追加されたものだ。同時に従前の初/中期型部分にも改良が加えられている。ファイルは、砲塔で一つ、車体で一つ。これらに初期から中期までのバリエーションが詰まっている。

 で、自分の欲しい型式に合わせて、バリエーションパーツの表示/非表示を変更すればいいのだが、バリエーションが非常に多く、場所が分かりづらいので(これはこういう展開を予想してなかった私のせい)、初期型、中期型それぞれの砲塔ファイル、車体ファイルを別個にアップロードする。中身自体は同じで、表示のオンオフを変えているだけなので、例えば中期型にサンドスカートを履かせることも可能だ(こういうバージョンも存在する)。

 初期型砲塔/車体ファイルは、北アフリカをデフォルトとしている。ここから、「North Africa Parts」というコンポーネントを非表示にして、ボディから「Fender front M3 R/L」「rear fender R/L」「mud flap R/L」をオン、さらにコンポーネント「m3_parts」の中の「雑具箱」をオンにすると、ノーマルな初期型となる(操縦席横の機銃は好みのパターンを選択)。



初期型「ハニー」バージョン。




後ろ側。




初期型は、前照灯が大きく、車幅灯がない。

後方雑具箱は、2分割のバージョンもある。

右前フェンダー雑具箱のバリエーション。

同じく、バリエーション。

サンドスカートのバリエーション。前端が延長されている。

前端が延長されさらに角型になったバリエーション。


 参考のため、中期型とノーマル初期型のレンダー画像を再掲。



M3中期型。




M3初期型。画像は改良前のもの。






■ 塗装開始

 サフ吹いて随分放置しちまったなあ。ようやく塗装開始。調色メモ。基本塗装は、C309ベト迷ダークグリーンに白20%。足回りはC309にC22ダークアースをテキトー混色。シェーディングはC522土地色の細吹き。この色は汚しに便利だね。黒でシェーディングすると青っぽくなるんだけど、これはイイ感じで油やサビの汚れ感がプラスされる。おすすめ。

 シェーディングのやり過ぎは、基本色で補正。ついでに「の」の字塗り(ハリアーGR7製作記参照)を少々。さらに筆塗りで細部(画像ないけど)。履帯はゴム部がC333 EDSG、エンドコネクタは土地色とDE半々、転輪のゴムは自作タイヤブラック。工具の金属部はEDSG+土地色、木部はC526茶色。日本戦車色は便利なのだ。



エアブラシで基本色とシェーディングまで。お嬢らが戻ってきたから、暫し中断。







■ 3Dデータファイル

 M5のお持ち帰りファイルは、M3A1のページにまとめて掲載

M3データファイル一覧


■ For foreigners who use machine translation

This article is written in colloquial Japanese, therefore it cannot be correctly translated into English by machine translation such as Google Chrome. In particular, a subject is often omitted in Japanese, so "I" may be mistranslated into "you", "we", "he" or "it", and vice versa. Also, there is no distinction between the singular and the plural in Japanese, so the two may be confused in translation. Other terms that are often mistranslated are shown below.

body / car body / chassis = hull, starter wheel = drive sproket, guide wheel / induction wheel = idler wheel, rolling wheel = road wheel, upper wheel = return roller, etc.




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