M4A3E8 シャーマン イージーエイト タミヤ 1/48 製作記
2018.12.21初出
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キットの方はシリーズ通例で文句なし。チャーチルといい、私のツボを押しまくってくれて非常に嬉しい。この調子で、スチュワート(3と5両方!)とナースホルンは是非欲しいなあ。
さて、インジェクションの別売り履帯は1コマごとバラバラ。ところが光硬化3Dプリンタは若干周囲が膨れ気味に出来上がる。そのため、データ上ではピッタリはまる各コマが、出力品ではキツくてはまらない。一方、インジェクションでは抜き方向を考慮すべきところ、3Dプリントはその必要がない。したがって、出来る限り組み合わせて一発成形するのが賢い方向性だろう。 |
![]() 出来上がり最終イメージ。プラパーツだと接着誤差でどうしてもガタガタになるけど、CADだから寸分の狂いなく整列する。微妙なたるみも簡単再現。以下製作手順。 |
![]() 接地面の箱は角丸長方形をスケッチして押し出し。面上をクリックしてクランクを描き、角をフィレットで丸める。構築→パスに沿った平面を作成、台形をスケッチしてスイープする。 |
![]() 半分作ってミラーで複製すると1コマの出来上がり。センターガイドは2方向に穴が開く。こういうのは3Dプリンタならでは(完成後はほとんど見えないが)。 |
![]() 直線部分と曲線部分では、コネクターの角度を変える。起動輪は13歯なので、360÷13÷2≒13.8°曲げる。誘導輪はインスト実測で15°。 |
![]() 起動輪の外側線の円筒を作り、これに沿わせて移動/コピーで並べる。このとき「ピボット設定」をクリックすると、その位置を変えられる。 |
![]() ピボットを円筒の軸に合わせクリックで確定、再度「ピボット設定」をクリックしてボディの移動モードに戻す。回転角度として 360÷13≒27.2°を入力する。 |
![]() 挿入→下絵でキットのインストをキット実寸に合わせて貼り付け、これに合わせて並べていく。まさに、PC画面上で組み立てている感覚。 |
![]() 最後に下側を並べると、どうしてもピッタリとならない。そこで作成→パターン→矩形状パターンで丁度よい長さと数に合わせて均等配置する(沿わせるパスは「原点」での軸とする)。 |
後日追記。後になって読み返すと、設計手順がいまいち洗練されてないな。今ならこんな手順は取らない。円周上に並べるのは「パターン」が簡単。まあ、ゴールは同じでも道のりは多様。それを考えるのもまた楽しいのだよ。
後日追記。パラメータやサポートの設計を上手くやれば2°傾けなくても出力可能。まあでも、出力に失敗したら出力方向を変える、というのは有効な手段。 |
![]() 出力直後の状態。成形不良や組立時の破損等を考慮して、バラのコマもいくつか作っておく(中央部)。サポートは回転ノコで切り取るのが手っ取り早い。 |
![]() 足回りをざっと組んだところ。起動輪は内外別々にはめ込んでから互いに接着。設計誤差(?)のせいで誘導輪がちょいズレる。軸を切り取って接着する。 |
後期型は、履帯の他に後部のディフレクタ、車外電話、ファーストエイドboxなどが異なる。これらもデータ作ってプリントする予定。 組み立て上の注意(誰に?)。データ作成時の手抜きで分割部に余計な部分があるので、大胆に削り取るべし(どうせ転輪などで見えない)。起動輪をはめるときは、履帯を少し開き気味にするとよいが、あまり開くと割れるのと、一度はめたら取れないので注意。接着は基本瞬間。面が広く強度不要な箇所は普通のプラ用も可。溶けたプラが接着剤がわりになるみたい。光成形直後は柔らかいので、日光浴させて完全硬化させると吉。
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![]() T84ゴムブロックタイプ。タイムラインにバグが出るので、その修正がやや面倒。 |
※ファイルは後日修正して更新。上の画像は最新ではないので注意(そんなに変わらんけどな)。
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![]() 改修後のT80お持ち帰りデータファイル。 |
さて、しばし3Dは置いといて「手」を動かす工作。朝鮮戦争のシャーマンは防盾に布カバーが付いている。こういう布表現は、Fusion360では大学院博士課程レベルの難しさ。素直にエポパテで再現する。 |
![]() 布を止めるスナップをつけた防盾をCAD設計して出力してみるが、積層跡が目立つし、照準穴周囲のディテールが甘くて却下。 |
![]() 0.3mmプラバン細切りを緑フタで柔らかくしつつ貼っていく。スナップはあとでつける予定。 |
![]() タミヤのエポパテを盛る。私は削ってシワを造形する派なので多めに盛る。 |
![]() 半分固まったくらいで、彫刻刀を駆使してシワを彫る。1.5mm、3mmの極細丸刀(ハンズで購入)が便利。うーん、ヘタレや。 |
シワ補足。実車写真を沢山集め、できるだけ忠実に再現するよう心がける。布の内部に3つの吊り下げリングがあるので、その存在感を意識したい。角の部分は「蛇腹」を意識。布も紙も二次元だから似た現象になるだろう、といいつつ模型の方は意識が実像になってないけどな。 ライトガードは真鍮細工。0.6×0.3mm帯金を使う。キットのライトガードにタミヤテープを貼って形状をペンで写し取り、その形に合わせて焼き鈍した帯金を曲げる。はんだ付けはいつものポケトーチ。はんだの小片を接合箇所において炙る。ホーンのガイドは逆U字の中に十字が入る。こんな半田付け無理だっつうねん。 |
![]() はんだ付け手前の状態。カーブに曲げるのは画像の丸断面ペンチが便利。 |
![]() 3パーツは難易度高い。2パーツになるよう「ロ」の字の一辺の中央を切ったところに棒を差し込む。結合後に余分を切る。 |
![]() 車体に取り付け。十字と、その周囲の逆U字とは半田付けしない(私にゃ無理)。十字は車体から一本足で立ってる状態。 |
![]() 逆Uのみ真鍮でつくり、後方のステーはプラバンにした方が、仕上がりがよかったかも。履帯の成形状態にも注目。 |
もうひとつ。履帯全体が結合した状態でも、ぎりぎりPhotonの出力範囲内に入る。ただ、私の場合だけかもしれないが、外周部付近の出力は歩留まりが悪いので、ちゃんと出力できるかどうかは未確認。 |
![]() タイムラインで1ピースできた時点に戻り、足をつけて元のボディに結合しておくと、全部に足がついてくれる。 |
次回は残りの3Dプリント。なんだか普通のプラモの製作記事がないな。
ルーバーはかなり薄く出力できるが、硬化中に歪んでしまう。これは、底板の湾曲が原因の一つと思われる。プラットフォームから剥し取る際に、不完全硬化状態のレジンをヘラで無理に曲げるからかな? そこで、ある程度厚くして、なおかつ周囲を角棒で補強し、完全硬化させてから切り離す。これ、何度も、出力→設計変更→再出力のループを繰り返して学んだこと。 |
![]() ディフレクタのルーバーは、インジェクションキットの抜きテーパーのようにフチを薄く奥を厚くする。 |
![]() こんな具合に補強を付ける。このような厚い部品は硬化後も変形しない。 |
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![]() 銃弾ケースは全ての面に凸ディテール。こんなのも3Dプリンタならでは。ただし、考証はぬるい。 |
![]() 機銃スリーブの穴はダメ元で作ってみたら、意外とちゃんと成形できて感激。これは車体前面のやつ。 |
![]() データ段階で中心に穴をあけておき、成型後にピンバイスで軽くさらって真鍮線を通す。銃身は真鍮線に真鍮パイプを被せる。 |
![]() ライトはファイアフライと同じ製法。0.1mmアルミ板と塩ビ板を2mmポンチで抜いたもの。 |
![]() ハッチ類の手すりを真鍮線に置き換える。防盾キャンバスの止め具は0.3mmプラバンを緑フタで柔らかくして接着。 |
![]() 履帯上部を暗色で塗っておいて、車体上下を接着。金属部にミッチャクロンを筆塗りして、全体にサフ。 |
次は塗装。顔のデータを作らなきゃ。
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![]() ダークグリーンのビン生を吹く。車体前面はマーキングが入るから塗り残す。 |
![]() アクリルのバフを石鹸水でシャブシャブに薄めてエアブラシ。ファイアフライではダークグリーンを混ぜたが、今回は生で。 |
![]() 続いてアルコール落とし。ティッシュにアルコールを少量つけて、こすり落とす。前よりは少し上手になったか? |
![]() こんなものも作ってみる。ペリスコープガードが上手く成形できたら、データをアップする予定。 |
https://www.how-amps.org/89th-tank-battalion-rices-red-devils/ この写真をトレースし、装甲板の傾斜角で補正してカッティングシートとインレタのデータを作る。今回は粘着力の弱い緑のシートを使ったけど、下地の凸凹が大きいので、これは失敗。いつもの黒いやつにすべきだったな。 調色メモ。黒は白30%混。赤はRLM23をベースにセールカラーや黒を混ぜたりしたけど、吹いててイメージが違う気がしてきて、P-40Lの赤を薄く上吹きしたりで、結局RLM23ビン生に近い感じ。でもマスキングをはがすと、やっぱイメージ違うな。もっと明るくてもいい感じ。 |
![]() 顔のイメージはこれ。歯の数や目の位置、胴体白星の位置などがタミヤと違う。 |
![]() 黒を吹いて、赤、最後に白。この段階ではフェンダーはODだと勘違いしていて無駄にマスキング。 |
![]() 白星もマスクして塗装。白は黒10%混。 |
![]() マーキング塗装終了。目の細部、Rice's Red Devils、車両番号はインレタの予定。 |
インレタを貼ったらフラットクリアでコートして、車体前面部分はアルコール落としをかけようかな。
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![]() こんな感じで位置決めし、下紙を抜き取って転写する。 |
![]() インレタ終了。邪魔なワイヤロープはどかして貼る(あたりまえじゃ)。フラットクリアを厚めに吹いて表面保護。 |
![]() アルコール落としのため、アクリルのバフを水で溶いて薄く吹く。 |
![]() アルコール落とし終了。さらにフラットクリア+フラットベースを薄吹き。 |
インレタの貼り方は、過去記事のあちこちに書いているが、AFVファンのため改めて。薄い下紙と一緒に切り出し、重ねたままタミヤテープで仮止めし、微妙な位置を調整。ナイフの刃先などで下紙を抜き取って転写。このときインレタが下紙に持っていかれることがあるので注意。発注するときは、失敗分、練習分を見込んで多めに作っておくべし。オリジナルインレタは、いつもアドマにマックスラボを発注している。迅速、丁寧で、技術力も高い。
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![]() こちらは成型品そのまま。上部両サイドがやや太く、またT字結合部がフィレット状に太い。これはベースにつけたまま削るのが楽。 |
![]() 車体に接着。白フタで仮止めして瞬間を流す。砲塔上面は3Dプリントてんこ盛り。機銃弾箱と放熱穴がイイ感じで嬉しい。 |
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![]() ネットから画像を拝借し、ちょい色調変換。 |
![]() 同左。背後の山々も日本的なんだよね。ここまで泥どろは勇気がなくてできない。 |
技法はいつもの自己流。AFV系の一般的テクとは違うと思うが、お手軽にそこそこの雰囲気になる。初めて当頁をご覧の方に解説。基本はウェザリング・マスター。石鹸水で溶いて塗りたくって拭き取る。まず、スス+サビを薄く全体にウォッシング。ただし今回これは失敗で、塗装時に暗調気味の赤がさらに暗く沈んでしまう。次にサンドを主にライトサンド、サビなどを濃い目のウォッシング。余剰は濡らしたティッシュや筆などで拭き取り、不足は追加したりコテコテと。 ここで一旦定着のためフラットクリアを吹く。サンド系が沈むので、もう1回軽くウェザマスのウォッシュ。エッジにダークグレイをドライブラシorチッピング。これは埃が擦れて露出した塗装肌とエッジの黒錆をイメージ。埃感の足りない部分はサンド系をエアブラシ。暗色の「締め」がほしい箇所にはダークグレイをエアブラシ。これらは基本ラッカー系(タミヤアクリルのサンドをラッカー用シンナーで希釈もあり)。履帯や砲口には鉛筆粉を擦りつける。ピグメント、ウェザリング専用塗料などは一切なし。 |
![]() 汚い手で触ってるうちにキャンバスは凸部が暗調になる。普通の技法と真逆だけど、これはこれでありそうな。 |
![]() 履帯の汚しが決まらず、ウェザマス塗って、落として、エアブラシして、鉛筆粉つけて。ライトのきらりがアピールポイント。 |
![]() 3Dプリントのディフレクタはいい感じに抜けてくれてる。お荷物は後ほど。 |
![]() 砲塔や車体のエッジはダークグレイをドライブラシ&エアブラシ。もう少し明暗のメリハリをつけてもいいかな。 |
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1 | Armor At War 7001 The M4 Sherman At War The European Theatre 1942-45 | Concord |
2 | Armor At War 7002 D-day tank warfare | Concord |
3-1 | Armor At War 7003 Tank Warfare in Korea 1950-1953 | Concord |
3-2 | Armor At War 7004 Tank battles of the pacific war 1941-1945 | Concord |
4-1 | Armor At War 7027 British Tanks of WW2 (1) France & Belgium 1944 | Concord |
4-2 | Armor At War 7028 British Tanks of WWII (2) Holland & Germany 1944-1945 | Concord |
5 | Armor At War 7036 The M4 Sherman At War The European Theater 1943-1945 part 2 | Concord |
6 | Armor At War 7045 The Battle Of The Bulge | Concord |
7 | Armor At War 7062 British Sherman Tanks | Concord |
8 | Armor At War 7068 Armor At War British Armor in Sicily and Italy | Concord |
9 | New Vanguard 73 M4 (76 mm) Sherman Medium Tank 1943-65 | Osprey |
10 | New Vanguard 141 Sherman Firefly | Osprey |
11 | Vanguard 15 The Sherman Tank in British Service 1942-45 | Osprey |
12 | Vanguard 26 The Sherman Tank in US and Allied Service | Osprey |
13 | Vanguard 27 Armour of the Korean War 1950-53 | Osprey |
14 | Vanguard 30 polish armour 1939-45 | Osprey |
15 | Campaign 145 Battle of the Bulge 1944 (2) Bastogne | Osprey |
16-1 | Duel 2 Sherman Firefly vs Tiger | Osprey |
16-2 | Duel 13 Panther vs Sherman, Battle of the Bulge 1944 | Osprey |
16-3 | Duel 43 M4 Sherman vs Type 97 Chi-Ha | Osprey |
16-4 | Duel 70 Panzer IV vs Sherman | Osprey |
17 | Modelling 35 Modelling the M4 (75MM) Sherman | Osprey |
18 | Armor Color Gallery 3 Camouflage & Markings of the Sherman in New Zealand Service 1943-45 | Progres |
19 | Armor Photo Gallery 11 M4A2 Pt.1 | Progres |
20 | Armor Photo Gallery 13 Sherman VC Firefly | Progres |
21 | Armor Photo Gallery 21 Sherman IC Firefly | Progres |
22 | Armor in Action 2016 M4 Sherman | Squadron/signal |
23 | Walk Around 5701 M4 Sherman | Squadron/signal |
24 | Squadron 6021 British Tank Markings and Names 1914-1945 | Squadron/signal |
25-1 | Squadron 6038 Armor in Korea | Squadron/signal |
25-2 | Squadron 6090 US Armor Camouflage and Markings World War 2 | Squadron/signal |
25-3 | Squadron 6096 Tank Warfare on Iwo Jima | Squadron/signal |
25-4 | British Tank Markings and Names 1914-1945 | Squadron/signal |
26 | Waffen-Arsenal 45 Sherman | Squadron/signal |
27 | Wydawnictwo Militaria 13 M4 Sherman | Warszawa |
28 | Wydawnictwo Militaria 99 M4 Sherman vol.II | Warszawa |
29 | Wydawnictwo Militaria 124 polish sherman vol.I | Warszawa |
30 | Wydawnictwo Militaria 216 Francja 1944 vol.II | Warszawa |
31 | Wydawnictwo Militaria 308 Tank Power vol.LXXIII M4 Sherman | Warszawa |
32 | Sherman A History of American Medium Tank | Presidio |
33 | M4 Sherman at war | Zenith |
34 | Sherman Tank Production Models 1941-1945 | Almarks |
35 | History & Model 1 Sherman Ic Firefly | Rossagraph |
36 | Jungle Armour Shermans | Factory Publishing |