ファントム FG.1 エアフィックス 1/72 その2
2017.11.11初出
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![]() ノズルを接着。流し込み系で位置決めし、裏側を瞬間で補強。胴体側も微調整。 |
![]() 燃料ベントは基部ごと取り付ける。 |
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![]() 埋まるのを気にする程のリベットではないので、マーキングの突き合せ塗装はせず、一気に全体を塗る。 |
![]() 下面はこんな具合。 |
模型的には、やや明るめに調合したEDSGに赤の明度を合わせたい。大戦機ではRLM23ベースに調合した退色赤をよく使うが、戦後ジェットには似合わない。つうことで、GX3ハーマンレッドをベースにセールカラーを5%ほど混ぜる。単純に白を混ぜるとショッキングピンクになってしまう。 |
![]() マーク部分のマスキングシートを先に貼り、周囲をマスク。その後にマーク部分をはがす。 |
![]() 赤の下地を兼ねて白(GX1ビン生)を吹いて、白部分をマスク。 |
![]() 尾翼に赤、ノーズに黒(白20%混)を吹き、さらにラウンデルの青(フタロシアニンブルー)をマスクして吹く。 |
![]() マスクして白。上面はGX1ビン生、下面は迷彩色に合わせて黒10%混とする。 |
![]() ラウンデルの赤もサークルカッターでタミヤテープを切ってマスク。GX3ビン生を吹く。サンダーバーズレッドでも良かったかな。 |
![]() 段差を均す前に、全体にクリアを吹く。下面はこんな具合。シリアルもロボでシートをカットして塗装する予定。 |
次は無塗装部の塗装。←変な言い方。おっと、胴体上部と翼付け根のウォークウエイもあるな。
胴体上部のウォークウェイは基本迷彩色に白を2割ほど混ぜる。翼付け根も同色と思ってたら、写真で確認するとEDSGより暗いものもあり、黒を1割ほど混ぜる。ただしこのあたりは機体によってバリエーションがあるようだ。その周囲の黄色線も塗装。これはいつもの自作オレンジイエロー。 |
![]() マスキングして塗装中。大きい面積はキッチンラップが便利。 |
![]() スタビレータ下面のマスクはセロテープを貼ってナイフで切る。写真では見えないけど。 |
![]() こういう形もセロテープ&ナイフ方式が便利。手脂で粘着力を落としておく。 |
![]() 金属部の基本塗装終了。最後にセミグロスクリアを上吹きしておく。 |
![]() 背中のウォークウェイはマスキングシート一発。 |
![]() 主翼下面のレター。XTはヒンジの凸があるので、粘着力の強いシート、871は図形の再現性のよいシートで。 |
![]() 境界層排出穴は塗装で表現する。セロテープで仮止めしたマスキングシートを一体で貼る。 |
![]() ベーン全体は明度を下げた色で塗っておき、枠の部分をはがして全体を機体本体と同色で塗装する。 |
![]() 塗り分け塗装が概ね終了。次はインレタ。 |
![]() 下面はこんな感じ。 |
やむなく一部はデカール。黄色いコーション類(今回黄色版は作ってないのだ)、赤三角、胴体横の赤四角、キャノピの黄点線などがそれ。この黄色点線は一部の長さが不足。スタビレータと一緒にご支援頂いたデカールのニコイチにてクリア。感謝。下面は、白地でニスが目立たないし、手抜きしたいしで、コーションは全部デカール。しかも全部は貼ってないし。 以下、反省点。最初に一番目立つROYAL NAVYを貼ったら、その後のコーション類の作業中に表面を引っかけ、やむなく面相筆タッチアップ。これは最後に貼るべきだな。ラムエアタービンドアの赤線は、インレタ用意したけどスジボリジャストの位置に貼るなんて無理。結局これも塗装。 |
![]() 塗装&マーキング終了。画像はインレタ&デカールを貼って、セミグロスクリアを吹き、ラプロスで軽く磨いたところ。 |
![]() この辺のマーキングは全てインレタ。ROYAL NAVYの書体はデカールよりこっちの方が正確だぞ。 |
![]() インレタのコーションはハイライトを入れても段差が目立たない。赤いハニカム、矢羽もインレタ。 |
![]() 下面はこんな感じ。クリア吹いて軽く研ぐが、スジボリが埋まるので段差が消えるまでは厚吹きしない。 |
![]() 補強板は、インレタを貼った上から塗装して表現。だからセロテープのマスキングが出来なかったのだ。(下面は手抜きでナシ) |
![]() 3Dプリントのスリットは、銀塗装するとイイ感じ。これは私には手作業では無理だわ。 |
ところで、以前に書いた外翼ヒンジライン再現のズルい手法とは、これをインレタで再現するというもの。で、上面に貼ってみたけど、目立ちすぎ。そこで迷彩色を薄く被せたら、今度は目立たな過ぎ。下面は山折り線のせいで上手く貼れない。つうことで、アイディア倒れの感アリアリ。
パイロンは、上手く出力できたら燃料タンクをやめてこれにしようかな。アークロイヤルのブリファンは、翼タンクが付いてない場合が多いのだ。ついでに内側パイロンも作っちまおうか・・ 作り方解説。本体は、前中後に三分割でスケッチして押し出し。スジボリは、基準面にスケッチして「スケッチ→プロジェクト/含める→サーフェスに投影」で投影面を選択すると、スケッチが投影される。これをパスとして円をスイープ。これが一本ずつの作業で面倒くさい。一度に処理する方法がないもんか。(←後日追記、ある。パスに沿ってパイプを作成する。)左右の翼形状はロフトで。 |
![]() この方向で出力。V字形のパーツの穴はさすがに無理かも。 |
![]() 画像の方向で出力するので、一部のサポートも一緒にデータ化する。底面のディテールは不明につきフィクション。 |
細部ディテールやスジボリの太さなど、お試し出力と手直しは必須かな。調整が済んだらデータをアップする予定。
ただし、そのままだと、パイロン本体後半のテーパー部分に縦方向の段差痕が目立ってしまう。これは、液晶の最小ドットによるものだから、積層厚さを変えても解消しない。こういう場合は、上から見て45°になるように配置すれば、多少は目立たなくできる(1段分の幅がルート1/2=3割減)。 Photonによるスジボリは、エアフィックスかマッチボックスかというほどヌルいから、エッチングソーなどで彫りかえし、段差をペーパーで削り落として塗装。正直、プラパーツから作る方が早いな。まあでも、形状寸法はバッチリだし、弾体押えがきれいに揃う点は捨てがたい。 |
![]() 出力して表面を整形して塗装。フック先端の凹ディテールもなんとか再現。前端のフラップ状のものはプラバンで追加。 |
![]() 出力、整形、スジボリさらって塗装。このあと、コーションのインレタ&デカールを貼って、クリア吹いて研いで取り付ける。 |
アークロイヤルFG.1の内外パイロンは、白一色のものと、白地に前縁が上面色の二種類がある。多数派は後者。007-XT871は前者が確認できる。
出力は同じく天地逆さ。ただしそのままだと、Photonマジックで先端が細く出力されてしまう。そこで薄板状のサポートを取り付ける。これで形状ばっちり。弾体押えは一体で出力すると、段差削りに邪魔で、そこだけ分けて出力。結局、プラで本体を作って、弾体押えだけ3D出力するのが早いな。まあ、やってみることに価値があったとしておこう。 |
![]() 先端は楕円の1/4をロフトでつなぐ。先端のプロファイルはパイロン底面より下に置き、ロフト後に不要部を切り抜くのがミソ。 |
![]() 後半のプロファイル2は1/4楕円+長方形。形が異なるプロファイルをロフトすると、途中が凹んだりするので、レールが必要となる。 |
![]() 後半は単純な押し出し三本勝負。 |
![]() できあがり。先端上部の板状サポートに注意。出力は天地逆さで。 |
![]() 斜め45°に配置して出力。側面に現れる積層段差はこんな感じになる。 |
![]() 段差を削り落とし塗装したところ。こちらも白一色。 |
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![]() 前脚と主脚。グレイはハセ、水色はエア。主脚はモールドのカッチリしたハセを採用。前脚は・・・。 |
![]() タイヤはホイルの造形の良いエアにする。パーティングラインを消すついでに、トレッドをケガキ針にて回転切削。 |
![]() 主脚カバーは3点ともハセ。米海と英型は脚カバー後端の形状が異なるのでプラバンを貼って修正。 |
![]() 主翼へは、イモ付けとなるので、L形の真鍮線で補強する。 |
ろくろ細工補足。軸はつまようじを瞬間で仮固定。ルーターは左手、ケガキ針を持つ右手を左手にしっかり固定し、針先をタイヤに当てる。ある程度深くなると針先が安定するから、溝幅など微調整。位置、間隔は目分量なので、実物と違うけど、まあ雰囲気ということで。
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![]() 3Dモデリング。脚柱は太いぞ。トルクリンクの穴は、モデル上では再現できても、出力すると一番小さい穴は埋まってしまう。 |
![]() お試し出力品を白く塗装してみる。ここまで再現できれば上等でしょう。一発抜きだし。 |
![]() 車輪はハセを採用。こちら落選組。上はアカ、下はエア。 |
![]() 前方のドアはスクラッチ。ライトのキラリが欲しくて裏に凹ませたアルミ板(φ1.2mm)を仕込む。後方ドアはハセをDアップ。 |
前方ドア補足。表面は0.2mm透明プラバンで、ライトの丸と四角をスジボリして磨く。裏面はハセパーツを一回り小さく削る。ポンチで0.15mmアルミ板を抜きクリア塗料で接着。アンテナは真鍮線削り出し。機番はインレタ。三色灯に色を入れるところで断念。エナメル系で塗ってはみ出しを拭き取るといいかも。←持ってないけど。心の目で見ると色が見えてくるってか?
長くなったので、ここまで。次回いよいよ完成!
以下備忘録。主脚柱のアクチュエータはエア、車輪ドアアクチュエータはプラバン細工、前脚アクチュエータはスクラッチ。尾翼前縁のセンサーは0.6mm真鍮線のルーター細工。主脚ドアのシリアルはインレタ、これは楽。脚庫の中は手抜き。3Dプリンタで、モジュール方式の壁面ディテールを追加しようと思いつつ・・ 上面のウェザリングは、ウェザマスのウォッシング。一部のパネルライン周辺には生ウェザマスを乾いた筆で擦りつける。アークロイヤルのFG.1は、あまり汚れているイメージがなくて、この程度にしておく。下面はそれに加えて、エナメルの黒+茶をぺトロールで薄く溶き、筆でサッと撫でて油汚れを表現。失敗箇所はぺトロールで拭き取ってやり直せばよし。塗装面の仕上げに、セミグロスクリアーでも薄吹きしようかと思ったが、窓のマスクも剥しちゃったし、ラプロス#6000で磨いた状態が最終。以上で完成。 |
![]() 下面はこんな具合。上面にあわせ、汚しは控えめで。 |
図面着手から1年半、キット着手から1年余りで、ようやく完成。今回は3Dプリンターを初体験。作品のクォリティ向上には強い味方だ。素組みで満足しない重症モデラーにはお薦めしたい。模型の世界(限界線)が広がるよ。ただし、その間は本来の模型が進まなくなるけど。図面に関しては、かなり手間と時間がかかったが、その分だけ正確度の高いものが出来たと思う。そこいらの図面には負けないぞ。資料や情報を提供いただいた諸氏に改めて感謝する。それらなくして、この図面は出来得ない。EやRFのリベット、さらにJとAくらいは作図したいが、いつのことやら。まあ、気長にお待ちくだされ。あとはこの図面を使って、どこかのメーカーが・・・(←やめれ) |
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![]() 実機。キャノピの平面形に注意。現状でこれが反映されているキットは、エア72ブリファンとモノグラム(48、72)のみ。インテイク前端が丸いのは、正面形における側面カーブが図に表れているためで、水平面で切った断面で見れば側面はこんなにカーブしていないので念のため。 |
![]() キット。図面のページで指摘した「よくある間違い」とよく似ている。 |
![]() 重ね合わせ。インテイクベーン付近の胴体幅、インテイク部の最大幅に関しては、キットと実機は同じだが、インテイク開口部は内側に寄っている。そのため、インテイク先端部分が内側に丸くカーブしている。 |
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![]() FS132.2(後席キャノピ前端より少し後ろのあたり)の断面で比較。キットの各部の高さに関しては実機どおりとの仮定で作図。 |
![]() これは実機の断面。それぞれ、単体で見ると違いはあまり分からないかもしれない。 |
![]() キット。胴体が狭い分だけインテイクが中に寄っているので、あまり違和感ない。しわ寄せはキャノピ幅に出ている。 |
私の言っていることが信じられない人にはこちらを見ていただこう。 |
![]() キャノピの平面形がよく分かる。画像はブリファンなので、風防やインテイクは異なる。 |
![]() こちらはF型。前後キャノピの幅はこんなに違うのだ。 |
胴体後部の断面形の違いはこんな感じ。黒の実機はマクダネル社の製造図面のトレース。キットの赤線はあくまで実機との比較のイメージ。矢印部分のクビレが強い。 |
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美点にも触れないといけない。ライバルはハセになるけど、アドバンテージは、風防がロングノーズらしく短くなり、それに伴い機首側面形が改善、インテイク内部の再現、コクピットなどのディテール、といったところ。外形のアドバンテージが少ないのは、ハセとゾウケイのミスをそのまま踏襲しているから。組立て難度はハセといい勝負かな。 噂では、ファインは全型式展開するそうだが、できればキャノピと機首だけは改設計してほしいところ。ついでに、私ならこう設計する、と妄想。機首と胴体は完全な左右分割にする。型式展開をするなら、機首は別パーツでもいいかも。この場合はハセと同じくFS249.65で分割。胴体後部は分割してはいけない。型式の違いは、贅沢にまっさら別パーツで表現したい。コストが厳しければ金型コマ差し替えはありかも。共通パーツにするなら、パネルラインの違いは、全部彫っておいてモデラーが不要を埋める。 キャノピは、コストが許せばスライド型でΩ断面を再現したい。風防は当然胴体と一体。主翼は完全な上下分割。後縁の厚みは不可避だが、ここはモデラーが自ら削るべき箇所だ。こうすることで、前後フラップの境目の段差・隙間の整形が不要となるから、製作の手間は逆に少なくなる。もちろん、フラップは別パーツにせず一体とする。垂直尾翼は左右完全に一体か完全なる左右分割かのどちらか。 型式によってアンテナやセンサーなどの小突起のバリエーションが多いが、ハセのようにパーツを細かく分割するのではなく、基本のパーツから突起を削るか付け加えるかで再現する。インテイクベーンは、モールドなしにしてアミ点のデカール表現。下地色の明度に応じて明るいのから暗いのまで3種類。 後日追記。九州方面のご厚意で、ファインモールドの社長に私の思いを伝えることができた。とても嬉しい。関係各位に感謝。今後の同社の展開に期待大大大だ。 さらに追記。ショートノーズはキャノピ全体が新規設計でイメージばっちり。こちらは、F-4E製作記参照。
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