マクダネル・ダグラス F-4C ファントムII タミヤ 1/48 その3

2021.4.21初出

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最終更新日




■ ストライクカメラとレドーム 6/21追加

 以前に書いたストライクカメラのズルい手とは、ご推察どおり3Dプリント。しかし、私にはこの手の複雑な3D曲面を設計するスキルがない。そこでIKE氏に簡単な五面図を送って設計&プリントしていただく(大感謝)。途中、何度も注文を出し、その都度対応いただきホントに申し訳ない。出来上がったのが下画像のパーツ。おかげさまで、形状は完璧に私のイメージどおり。タミヤのレドームにぴったり合うように取付穴を採寸してあるので、少々の擦り合わせではまる。

 で、レドームに接着、塗装となるわけだが、実はタミヤのレドームにちょっと不満があって、この際それも解消する。その不満とは、後端から5mmくらいのところがゴツゴツしていて、滑らかな曲面でないのだ。また上端が平らになっていく途中のラインも同様に滑らかでない。素組みの人も、ここは要改修ポイント。パーツ状態だとあまり感じないかもしれないが、艶あり黒に塗ると目立ってくる。



出来上がったIKE氏特製ストライクカメラ。積層痕をペーパーで均し、スジボリをエッチングソーで彫り直した状態。

改修前のレドーム。写真だとゴツゴツ感は伝わらない。矢印あたりがちょっと尖っている。

ペーパーでゴツゴツを均す。上端ラインも滑らかになるように削る。写真じゃ分からんが。

ストライクカメラを接着。

再塗装して改修終わり、と思ったんだけど、まだ整形不足。再度削る。

できあがり。レドームは下半分が白20%の黒。上半分はそれにグレイを加えて明るくしたものをランダムに吹き付ける。


 以前紹介したベトナム戦当時のC型記録写真のサイト(こちらこちら)を見ていると、オールズ機以外にも、数機がストライクカメラを装着している。オールズ機だけのものではないのだね。シリアルでいうと、63-7586、64-0767、64-0813、64-0822、64-0838である。そのうちのいくつか(64-0822、64-0838)は、フェアリング前方部の形状が異なり、細長い。前方のカメラを撤去して、スパローのシーカーが装着されていると思われる。

 さて、いつもなら、ここでカメラの3Dデータをお持ち帰りいただくのだが、事情により保留。どうしても欲しい方はメールされたし。


■ QRC-160ポッド再び

 以前3Dプリントで作ったポッドに、ディテールが足りないことが分かり、データを改修する。再度プリントして組み立て、塗装。



ボルト穴の凹み(?)を追加。右舷は斜め下にあるのが確実だが、左舷がいまいち確信なし。点対称で斜め上かも??

分割ラインが穴にかかるので二分割は止め、一体で出力。ロケット発射台みたい。

できあがり。ボルト穴のほか、細部をリファイン。

先端のプロペラはブラッシンのエッチング。



■ エアブレーキ

 タミヤのはB型なので、タイヤバルジの膨らみがないし、穴の形が違うので使えない。造形村はディテールがイマイチ、全体形状もちょっと違う。ということで、やはり3Dプリントなのだ。当初は内外一体で設計するが、内面のディテール再現性を最大にするなら、内面を上(スライサ上でね)に出力となる。そうなると外面にサポートが付き、その整形が必要なのと、内面の穴の底に積層痕ができてしまう。それならいっそ内面のみ出力して、外面はプラバンを貼った方が楽。



タミヤパーツ。

造形村。どちらも穴が浅くて奥行きが足りない。

3D設計。リベットのサイズとピッチはデフォルメしている。下1/3は斜めの面で、積層痕の整形に邪魔なリベットは省略。

出力し、プラバンの外板を接着したところ。斜面の積層痕は未処理。

積層痕を削り落とし、塗装、ウェザリングまで終了。退色気味の明るい赤にしたくて、GX3赤とセールカラーが2:1程度。

0.3mmプラバンはバルジの部分で折り曲げ、瞬間で接着する。


 エアブレーキは、B、N以外の全型式に使える。一応外面も別パーツで設計してある。アップロードファイルでは非表示。

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■ ミサイルのデカール貼り

 スパローとサイドワインダーにデカールを貼る。当時の実機写真を見ると、帯の色や配置がタミヤや造形村のインストとは異なる。その色、配置の意味は分からないが、ともかく見えたとおりに貼る。位置等の詳細は甘い。スパローのフィンの黒いL字形のマークは、この頃にはない。デカールは、基本的に造形村のカルトグラフを加工して使う。ニス部は全て切り落とす。若干不足が生じて、手持ち不要デカールのベタ部を切って使う。タミヤのデカールは、発色が悪いし、硬くて厚いから使えない。



最後部のは、茶なのか赤なのか黒なのか、確証なし。先端に数字(シリアル?)が入る。このあと貼り付け予定。

当時の写真では、黒の部分が赤いものもある。



■ マーキングのインレタ&デカール

 上面側の細部マーキングは、インレタとデカールのミックス。デカールの透明ニスの段差が見えるのが嫌い。かといって、クリアを厚吹きしての研ぎ出しは、ファスナのモールドが埋まるから不可。なので、透明ニスがないものはデカール、それ以外は基本インレタとなる。

 以前の記事にも何度も書いているが、インレタ貼り付け法を再度紹介。インレタはデカールと違って、貼ってから位置を微調整することができない。だから転写する前に位置決めする。しかし、台紙があって不透明なので、微妙な位置が決めにくい。かといって台紙を取ると、位置決め中にインレタが貼り付いてアウト。そのために、マスキングテープなどで位置決めのガイドを付けておき、それを目安に位置決めするのだ。



レターのサイズに切ったマステで位置決め。その下にインレタのガイドとなるテープを貼る。この作業を正確にすることが重要。

ガイドのテープを頼りに、台紙と一緒に切り出したインレタの位置を決め、テープで固定し、台紙を抜いて転写。画像は転写中。

AF40もインレタ。これは台紙と一緒に位置決めした状態。隣の829がガイドになるので、マステ等のガイドは不要。

右舷も同様に貼り付ける。尾翼上部のアンテナ前方を黒、後方をやや明るいグリーンで塗る。


 注意点をいくつか。台紙を抜き取る際、インレタが台紙にくっついて剥がれてしまう場合があるので注意。フィルム、台紙、モデル表面がぴったりくっついているとそうなりやすい。転写中にフィルムが動くとうまく転写できない。とくに小さな文字などにこの傾向が顕著。これを避けるためにはテープでフィルムをモデル表面にしっかりと固定する。前述注意点と相反するので、このあたりは慣れが必要かな。

 転写した直後は、インレタがモデルに密着していないため、触るとズレることがままある。転写後には薄い紙を挟んで、その上からしっかりこすりつける。これ重要。貼り付けに失敗したら、インレタをナイフ等でこそげ落として、再度新たなインレタを貼る。このとき、モデル表面にフィルムの離型剤が付着することがある。これがあると、再貼り付けがうまくいかない。離型剤をよく落とすことが重要。ラプロス等で磨き落とすのが確実。失敗はつきものなので、自作する場合は失敗分も含めて多めに作っておくべし。



ここに写っている細部マーキングは全てインレタ。部隊マークの黒円と中の星は位置決めがシビア。

ステンシルもインレタ。文字の大きさは0.5mm以下。全部の文字が貼れてないが、大体いつもこの程度の歩留まり。

上画像から新たに加わったマーキングは、すべてfundekalsのデカール。デビルはニス部分をナイフで切り取って貼る。

右舷。RESCUEと赤三角がデカール。右舷は写真がないため、このあたりのマーキングは推測となる。


 補足。実機のマーキングは、迷彩色を薄く上塗りしてトーンを落としている。このあと実機同様に迷彩色を吹いてトーンを落とす予定。おっとその前に、フラットクリアを吹いて保護する。部隊マークは、当然デカールでも黒丸と白星はあるのだが、間のニスを避けてインレタを採用したもの。もっとも、fundekalsはフィルムも薄いので、デカールでもよかったかな。エジェクションシートの赤三角は、周囲のDANGERが黒で、三角の中の文字も「EJECTION SEAT」だけという珍しいタイプ。デカールはDANGERが赤なのでインレタに置き換える。デポでベト迷を上塗りした際、三角のみマスキングして、DANGERを後から上書きしたのかも??

 レドームの赤丸と白ステンシルはデカール。理由は、パネルラインやリベットがないので、クリアを厚塗りして研ぎ出しが可能なため。インテイクベーンのキルマークは、デカールの版ズレによる黄フチの太さのバラツキが嫌だなあと思って、赤を塗装して黄フチをインレタにする想定。ところが、いざ塗装の段になって、カッティングマシンが不調。ロボご臨終か? やむなくデカールとなった次第。貼ってみるとフチの太さも気にならず、結果オーライ。

 さて、以上でマーキングがほぼ終了。ストライクカメラも付いた。小物パーツも一部を除きほぼ出来上がる。ということで、大きな山は越えたかな。締め切りには間に合いそうで、やっと気持ちに余裕ができる。あとはウェザリング第二段階にじっくり手間をかけ、エジェクションシート、前脚ドア、キャノピ回り、アンテナ、ピトー管、小物の取り付け・・・ううっ、まだまだやること沢山あるな。


■ エジェクションシート 6/25追加

 前に書いたとおり、初期のC型、B型はマーチンベイカーMk.H5エジェクション・シートを装着している。一応、ハイパーソニック・モデルのレジンも入手し、なかなかの出来だが、やっぱここはウケを狙って3Dでしょ。ただし、シート本体までやると大変なので特徴的な金属覆いのみ3D。あとはキットパーツを使う。下の方が少々違うが、見えない。上の方は、写真を見る限りよく似ている。3D設計そのものは極めて簡単。サイズ感を把握するのが難しく、拙パーツもやや甘いかも。

 お試しプリントしてサイズ等を調整。キットのMk.7の頭のパラシュート部分を削って3Dパーツを接着する。キットパーツも各部を削って調整が必要。シートハーネスは、ファインのナノシリーズと鉛板とのハイブリッド。肩から下がるベルトの出発点がよく分からず、適当に誤魔化す。塗色はよく分からず、一部は推測。パラシュートと座面はオリーブドラブとグレイの混色。背当ては自作FS34102とグレイ。ハーネスはODとセールカラーとグレイ。一番明るいハーネスはセールカラー。頭当てはダークアースとグレイ。いずれもタバコライオンを混ぜて艶消しにする。

 フェイスカーテン・ハンドルはHMAGARAGEの3Dパーツ。エアブラシで黄色を吹き、黒をリターダーで溶いて筆塗り。製品は2個入りだが、お試しプリントが大量にあるので、何個か塗って出来のいいのを採用。それにしても目がきつい。



積層痕が目立たぬよう、出力は左右分割して側面を上にする。リベットが足りないのに後で気付き、お持ち帰り版は追加しておく。

基本組み立て終了。天辺のパーツを1つ紛失して、造形村で代用(濃いグレイ)。

塗装終了。フェイスカーテンハンドルのサイズは慎重に決定。ちなみに造形村の同パーツは大き過ぎるぞ。

コクピットに入れてみる。ちょいリベットがオーバースケールかな。


 では、お持ち帰り。


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■ 前脚ドア

 空軍型の前脚ドアは、造形村をベースに自作する。ライトの「キラリ」は絶対欲しい。0.1mmアルミ板を鉄球で凹ませ、コンパウンドで磨いて、2mmポンチでくり抜く。これを造形村パーツのライトの凹みに接着。パーツの小突起は切り落とす。周囲をエクストラダークシーグレイで塗装し、それを接着剤がわりにする。ガラス窓越しになるので、レンズのガラスは再現する必要がない。再現するなら、透明塩ビ板を2mmポンチでくり抜く。造形村パーツはフチ部分を切り落として、その分の厚みを削り落とす。凸と凹が交錯する複雑な曲面なので、結構難しい。

 0.2mmの透明プラバンにエッチングテンプレートを駆使して、窓と周囲のラインをスジボリする。少し大きめに切り出して、造形村パーツに瞬間で接着。溶剤系はあとで表面がうねるので不可だぞ。プラバンとパーツとを合わせた状態で、隙間に瞬間を爪楊枝(先を尖らせる)で流す。接着後にプラバンを削ってサイズを合わせる。アンテナブレードと胴体への接着ベロはキットから。窓のマスキングはセロテープ。



基本組み立て終了。あとはアンテナブレードのみ。ライトのキラリがいい感じじゃ。

塗装して、fundekalsのデカールを貼る。マスキングはまだ剥がさず、上の塗料をこぞげ落としたのみ。



■ アクチュエータ

 前脚、主脚とエアブレーキのアクチュエータを金属化する。脚のは1.2mmアルミパイプ。中心に0.8mm真鍮線を通し、両端のプラには0.8mmの穴を開けて接着する。エアブレーキは0.5mm洋白パイプ。エアブレーキ側の端部は、3Dパーツに設計済み。いずれもコンパウンドで磨く。キャノピのアクチュエータは両端のプラ部分が細すぎるので金属化を諦め、ガンダムマーカーのメッキシルバーで筆塗り。

 主脚オレオ部にはメッキ調シールを貼る。文具店などで売ってる普通のやつ。ミラーフィニッシュはフィルムが薄くて凸凹になってしまうので。シールはあとで剥がれてこないように裏を瞬間で止める。



各種アクチュエータを金属に置き換える。併せて各部のロッド類も塗装。

主脚のオレオもキラリ。ホイルの中心部を黒+茶+銀で塗装。



■ ウェザリング第二段階

 第二段階のウェザリングその1は、エナメル系によるオイルの流れの表現。私は基本的にエナメル系ウォッシングはしないが、この流れたオイルの表現はウェザマスでは難しいので、ここだけはエナメル系なのだ。まず、実機の下面写真を集め、汚れのイメージトレーニング。これ、大事。ギリシャ空軍のファントムは、汚れ過ぎで参考にならないなあ。

 タミヤエナメルのフラットブラックとフラットブラウンを混ぜ、テレピン油で希釈。ドライブラシ用の平筆を主に使い、部分的に面相筆。描き過ぎ、失敗箇所、不要部分(パネルの上流部分とか)をテレピン油をティッシュにつけて落とす。むしろ、落としの工程で「描く」感じ。満足いく出来具合になったら、ラッカー系のシンナーにフラットクリアを微量加えてエアブラシ。これでエナメル汚しが定着する。

 第二段階その2は、ラッカーによる描き込み。チッピングや汚れを面相筆でひたすら描き込んでいく。本機はコクピットとインテイク周辺の剥がれが特徴的で、ここはしっかり描き込む。しかし、ここだけにチッピングがあるのでは全体のバランスが悪い。そこで胴体後半や主翼上面にも軽く入れてやる。この場合はライトガルグレイではなく、迷彩色より少し明度段階を上げたグレイを使い、気流や整備兵の靴による(と想定される)剥がれを描き込む。この明色系の剥がれと同時に、暗色系の汚れも点描的に加える。とくに、退色表現で明度を上げた迷彩色(これはエアブラシによるもの)の部分に、退色してない生の色を点描的に追加すると、より退色感が増す。

 第二段階その3は、ラプロス磨きとウェザマスウォッシング。塗装面をラプロス#6000で磨いたあとに水溶きウェザマス(ススやサビ)でウォッシュして拭き取ると、微妙な拭き残しが生じる。これがいい感じなんだね。残り過ぎたらその部分をラプロスで磨いてやれば落ちる。なお、ラプロスを使うと、塗装の微妙なグラデーションまで落ちてしまうから、そういう箇所はフラットクリアあたりを吹いておいて塗装を保護する。

 第一段階は、エアブラシによるソフトな境界の汚れ。そこに第二段階の筆によるエッジの効いた汚れ/剥がれが重なると効果的。



その前に、マーキングのオーバースプレーを再現。薄く溶いた迷彩色でマーキングの上から吹き付ける。

右舷はタンで。ちょい白っぽくなったので、このあと極薄レッドブラウンを上吹き。

ファントムの下面の特徴的な「オイル流れ」汚れを追加。

上面のオイル流れはフラップ、エルロンなどごく一部のみ。

インテイク上面、とくに左舷側は、搭乗員や整備兵が歩き回るから、剥がれと汚れが顕著なはず。

胴体中央部は明度を上げた退色表現に基本色を点描。ドライブラシ用の平筆を使用し、リベットラインを意識して点々と描き込む。


 ということで、第二段階ウェザリングはひとまず終了。このあと気分で追加するかも。オールズ機の実機写真と、同時代のベト迷ファントムカラー写真(汚れ・退色のイメージソース)を常に手元に置いて、そのイメージに近づくように工夫する。写真の情報を読み取り、その再現手法を考える。そのプロセスが大事だと思う。対象物が変われば、ウェザリングの方向性や使うテクニックも当然変わる。

 だから雑誌のテクニックを真似るだけで実機を見ない、っていうのはちょっと違うな。まあ人それぞれ好きにやればいいけど。やり過ぎは禁物で、全体のバランスを見ながらやり過ぎてないかチェックも必要。汚さない部分を残すことも大事かな。本作では、翼端やスタビレータの塗装部は意図してあまり汚さない。などとエラソーに書いているが、実機と比べパネルラインが目立ちすぎなんだよな・・



上面はタンの退色感が一つのポイント。金属地肌部分の表現は、このあと手を加える。

下面は、きれいなトーションボックスと、汚い胴体後半との対比を意図する。というわりには、あまり差がないかな?



■ アンテナ、ピトー管 6/28追加

 機首下面のブレードアンテナの位置が間違っているのに気づく。切り取って移動。垂直尾翼のピトー管はファインの真鍮挽き物。ただし、下側のものは形が違うので0.7mm洋白線。



キット(B型)はこの位置。手前のアンテナのカーキ色はRLM02グレイと白が半々程度。ここ以外はfundekalsデカール。

C型はこの位置。切り取って移設。元の場所は筆塗りでタッチアップ。

上側のピトー管はファイン。下側は洋白線。アンチコをクリアーレッドで塗装。その周囲はライトグレイに塗り残されている。

翼端灯は小さすぎてクリアー化は無理。白く塗った上からクリアーレッドを塗る。



■ 脚、エアブレーキの接着

 前後脚、エアブレーキを取り付ける。脚は、キットの取付穴を一旦プラ材で埋め、ピンバイスで穴をあけ、脚柱の真鍮線を差し込んで瞬間でがっちり固定。



アクチュエータの長さが合わず根元で切って調整。パイピングをするが、黒く塗ったら目立たない。

車輪ドアのステーにも配管するが、全く目立たずがっかり。

前脚カバーを接着し、前脚も接着。ところが・・・(後述)

エアブレーキ。穴の奥行きがイイ感じ。オーバーなリベットも、存在感があってイイかも。ところが・・・(後述)


 まず、エアブレーキに関しては、バルジのないB型からバルジのあるC型になっても、ブレーキのヒンジ位置は不変。したがって、上画像で翼の基準面(緑線)とエアブレーキ基準面(青線)は平行なのが正しい。それに気付かず何も考えずに接着したため、バルジで膨れた分だけヒンジ位置が変わってしまったのだ。そこで一旦切り離して、内側の溝を掘り込み、さらにブレーキ側取り付け部も少々削って再接着。修正後の画像は取り忘れ。

 前脚はオレオを延長した分だけ基部を切り詰めているので、トータルの脚長は変わらない。机上に置いて3点姿勢をチェックすると、尻が少し下がったファントム独特の姿勢になって、これはOK。機体と地面との間隔もOK。生きている実機の写真をトレースした拙図面と一致してるからね。ところが、前脚ドアと前脚の関係に違和感がががが。

 ドア下端とオレオ上端がほぼ揃うのが正しいのだが、モデルはドア下端の方が下にある。カバーのサイズはタミヤキットに合わせた。つまり、オレオ修正前なら相互位置は合っているのだね。間違ったキットは間違ったなりにバランスしているから、1か所だけ修正すると他との関係がおかしくなる、って自分でいつも言ってるのに、自らその罠にはまってしまったわけ。

 さて、どうしようか。脚付け根を延長すると3点姿勢が尻下がりになりすぎるから却下。目立つ場所だけに無視するのも気持ち悪い。よって、カバーを切り詰める。エッチングソーで切り離し、高さを1mm、幅を0.5mm削る。再接着は瞬間イモ付けだが仕方ない。真相はよく分からないが、多分キットの前脚ドアが少々過大なんだろう。



修正前。ドアとオレオ、トルクリンクの見え方が違うから、違和感あるのだ。

修正前。位置関係がおかしいので、ドアと脚柱をつなぐステーが取り付けられない。

修正後。ドア下まわりがスッキリ。上画像と比べると、今どきの裾の短いズボンに履き替えたみたい。脚が長く見えるでしょ。

ドアを少しだけ前方に移動。これでステーが取り付け可となり一石二鳥。なお、溝つきタイヤとホイルは3Dプリント。



■ 吊るしもの接着

 脚が付いたので、タンク、ミサイル、ECMポッドも接着。内側パイロンの塗装について書くのを忘れてたので、ここで記載。初期のC型では、海軍型パイロンは白に塗られているが、空軍型パイロンはFS36622で塗装されているとのこと。サイドワインダーランチャーもおそらく同色。ただし、空軍型でも出始めの頃は前縁がコルゲート塗装の銀色のものがあって、これは写真の感じからすると白ではないかな?

 タンクのウェザリングが悩ましい。これらは使い捨てだから、機体と同じようには汚れてないだろう。かといって、真っ新の汚れなしだと、模型的に違和感。ウソかもしれないがその中間ぐらいにしておこう。造形村のパーツを使用した内側パイロンは、タミヤの主翼と馴染みが悪い。多分、造形村の主翼翼型が間違っているんだろうな。また、パイロン、ランチャー、ミサイルと重ねて接着してるので、いざ主翼に取り付けると、4本のミサイルが揃わない。一部を切り離して再接着し、なんとか頭だけでも揃える。  



吊るしもの接着完了。センタータンクの汚しはもうちょい追加する予定。

内側パイロンはFS36622で塗装。極端に色違いは嫌だなあということで、白を少々混ぜて変化をマイルドにする。


 FS36622ライトグレイって、ベト迷に塗ると白にしか見えないのに、白の隣に置くとスカイみたいに見えて、なんか違和感なのだ。白をまぜたのは、この脳内イメージに合わせるためでもある。ホント、色って、隣に置く色によって見え方が全然異なる。だから、塗る前に色見本で各色のバランスを確認することが大事なのだ。その際、平面のカラーチップはダメ。立体の不要モデルに塗るのが一番。


■ ノズル後方パネルの塗装 7/1追加

 作業も大詰め、もう少しで完成だ。ジェットノズル後方のチタンパネルは、完成を急ぐため縞模様の再現をスルーしてたのだが、締め切りに余裕ができたので改めて模様を塗装する。この部分は表面に凸凹があるのではなく、裏側のリブの有無による熱変色の違いとして現れるものらしい。当初、フリーハンドで縞模様を描いてみるが、よれよれで全然ダメ。一旦ダークシルバーで塗り潰して、マスキングテープ細切りを貼ってエアブラシする。



マステを0.5mm幅に切って、一本ずつ貼っていく。実物はもうちょい細かいピッチだが、これ以上はテープがよれて難しい。

黒少な目の黒混タミヤ銀を吹き付ける。ちょっとコントラストが強すぎだが、想定内。

上から2色の中間の明度の黒混銀をオーバースプレーしてトーンを弱める。上端はほとんど縞模様が見えない。

ノズルも接着する。このあと、排気汚れなどを加える。


 ここは「見せ場」というほどではなく、「一応やってまっせ」程度なので、よく見ればやっと縞模様が分かるくらいに抑える。


■ スタビライザ接着(再び)

 これまで書き忘れてたが、スタブは既に胴体に接着済み。工作法は、左右別々に切り離したスタブの回転軸のピンを、胴体側のポリキャップにはめ、そのままではグラグラするので、スタブが胴体と接する面に0.2mmプラバンを挟んで流し込みで接着というもの。接着部の強度がないため、案の定、作業中にぶつけてグラグラ。これは接着方式を変えて再接着するしかない。



元々はこういう機構。回転軸のピンをポリキャップに刺すのだが、遊びがあって半月板が浮き気味になってしまう。

ポリキャップ結合は放棄。ピンと半月板を切除する。スタブ本体に真鍮線を打ち、胴体の穴に瞬間で固定する。

このように接着。下反角はテンプレートを作って正確に合わせる。

半月板は後はめ方式。ピンは切り取る。これなら浮くことはない。



■ その他細部

 コクピット直後の胴体上面と、前脚カバー(後ろの方)にあるIFFアンテナ(だったっけ?)を塗装。色が悩ましい。脚カバーのは当時の写真から赤味がかった黒。上面は記録写真からは分からず、現存機写真によるが、黄土色から黒まで様々。海軍は黒が主流、空軍はもうちょい明るいイメージ。ということで茶色っぽいダークグレイぐらい。ということで、カバーはレッドブラウン+エクストラダークシーグレイ、上面のはダークアース+黒。やってみると、2色はほとんど同じ色相で明度が違うくらいの差。



サークルカッターでマステを切ってマスクして塗装。黒ではなく暗めのグレイなのだが、白の隣では黒に見える。

カバー内側にデカール。脚庫後方のブレードアンテナは、その有無、あったとしてその形状、色など不明。とりあえずこんな風に。

写真撮り忘れの修正後エアブレーキ。後ろから見ると内側(左)のステーが短く見えるのが正しい。

前から見るとこんな具合。内側(右)のステーは溝に潜り込んでいる。



■ 窓枠シールの塗装

 ジェット機の鬼門、窓枠シールを再現する。上手く出来る自信はなく、再現せずにスルーするものアリだとは思いつつ、あとで誰かにマウント取られるのも悔しいので、ここは一念発起して再現に挑戦する。問題はその方法。私に思いつくのは、1.面相筆フリーハンドで塗装 2.マスキングしてエアブラシor筆塗り 3.太めのスジボリを掘って、スミイレの要領で再現 4.細切りデカールを貼る 5.インレタ。

 このうち1.は私には筆塗りのテクがないので却下、5.も位置決めが困難で不可能。残るは2.3.4.で、タミヤの不要キャノピパーツを使って試してみる。3.のスジボリ方式は期待したほどシャープにならず却下。4.のデカールは、直線はいいのだが、風防正面窓の曲線のとおりに細くデカールを切るのが困難。また、色の問題があり、ベタデカールに塗装したものを切ることになり、これも問題。ということで、残る方式はオーソドックスなマスキングして塗装方式かあ。

 色もまた悩ましい。実物は黄土色がかったライトグレイってな色調だが、場所により、ライトガルグレイ、タン、ダークグリーンの3色と隣り合わせとなる。このいずれにおいても存在感を主張して欲しい。試し塗りの結果、実物より黄色が強い気もするが、ミドルストーン(退色風味)に決定。

 ということで、キット付属のマスキングシートを切り出して、ちまちま貼って、エアブラシは周囲のマスキングが面倒なので筆で塗る。マスクを剥がすと・・・フチはガタガタ、太さバラバラ。仕方ないので、面相筆フリーハンドで修正。手がブレるから少々はみ出す。はみ出しは爪楊枝の先を削ったものでカリカリ。なーんてやってると、結局全体を面相筆フリーハンドで塗装したのとほとんど同じ状態。これ最初に却下した1.方式だよなあ。



シール再現前の状態。このままでも悪くはないんだけど・・

こちらも同様。縦のフレームはライトグレイ、下辺のフレームはグリーンまたはタンと隣り合わせとなる。

向かって右側のようにマスクして、シールを塗装、面相筆でタッチアップした状態。うーん。

こちらも同様。うーん。


 正面窓はマスキングを諦め、直接面相筆フリーハンド。結果は見てのとおり残念賞。筆塗り名人を呼んできて代わりに塗ってほしいくらいだよ。ま、仕方ない。技術の限界として諦めよう。最初から筆塗りフリーハンドと割り切って、ファレホあたりで塗る方が良かったかも。


■ キャノピ回りの工作

 気を取り直して、キャノピ回りの細部工作を進める。キャノピ開閉アクチュエータを金属化する。0.6mm洋白パイプに0.3mm弱の金属線(ギターの1弦かな?)を通し、これを介して両端のプラパーツに接着する。キャノピの固定フックは3Dプリント。厚さ違いで何種類か作り、一番いいやつを採用。このあたりは、プリンタやパラメータによって異なる。すぐに折れたら嫌だから、実感を犠牲にして少し厚めにする。バックミラーはHMAGARAGEの3Dパーツ。取り付け部の門型ステーがいいでしょ。鏡面にはメッキ調シールを貼る。キャノピへの接着はクリアボンド。流し込み系接着剤で溶いて使う。



改修前。上に見えるのが洋白パイプと金属線。

改修後。

キャノピの固定フックを3D設計。高さ1mm、基部の円筒は直径0.7mm。

キャノピフレームに0.7mmの穴をあけて、3Dパーツをはめ込む。バックミラーも接着。フレームの白い四角はデカール。

ミラー面にはメッキ調シールを貼る。オールズ機は前席にミラー2つ、後席は3つ。このあたりは機体によって異なる。

取り付けるとこんな具合。まだ両面テープでの仮り止め。


 では、お持ち帰り。厚さは何種類か用意してるので、お好みのやつで。私は2番目に厚いやつを採用。


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■ 残りの作業




IFFアンテナは前述のとおり。編隊灯はクリアランナー。ちと寄り目だな。右舷寄りにSST-181Xランデブービーコンがある。

後席左舷側壁にヒューズボックスらしきものを追加。B型の後席パーツを流用。

アレスティングフックのラッチもHMAGARAGEの3Dプリント。画像ではよく見えないが、ちゃんと穴が抜けているぞ。

逆T字形ハンドルと用途不明のパイプを追加。T字は0.35mm真鍮線はんだ付け。パイプは直径0.4mmで手持ち最小。

尾灯のみクリアランナーに置き換え。翼端灯はすぐに取れそうなのでそのまま。APR-25 RHAWアンテナ前方は黒、後方は明色。

逆T字形センサーはキットパーツ。AOAセンサーはファインの挽き物。アップで見るとチッピングが雑だなあ。

スパローにfundecalsのシリアルを貼る。搭載時のシリアルの位置は不明。前方のは胴体の凹みに半分隠れる位置にあることが多い。

実機写真だと、ノズルはかなり暗色。かつ艶消し。通常のアングルだと、後方の縞模様はほとんど見えないのが正解。


 逆T形のハンドルはドラッグシュートのポップアップドアをシュート収納時に外から開閉するためのものだそう(情報感謝)。スパローは両面テープで固定。接着剤で溝のモールドを潰すのが、なんか勿体ないんだよ。その他、ウェザリングを少々追加。レドーム上部の退色は、ウェザマスの白を綿棒で擦りつけ、フラットクリアで定着。そのあとエアブラシでダークグレイを吹いて調整。全体のツヤをフラットクリアを吹いて調整。以上で完成。


■ とりあえず完成

 以上でとりあえず完成。記念撮影。ちゃんとした撮影は作品が返ってきてから。あとは箱を作って、キャノピを接着したら発送だが、窓のシールの出来が不満なので、ここはもう少しジタバタしてみる。ここまでの製作時間をざっと計算すると、250時間。ただし、3D設計、プリント作業、考証、製作記作成は含まず。それらを入れたら軽く300オーバーだな。通常なら1年かけて作るところを2か月半の突貫工事。最初はさらっと作るつもりが、思わず力が入ってしまうのは(テレワークにも助けられ?)、割とよくあるパターン。

 それほど時間をかけた割に出来がイマイチ、という意見は甘んじて受けるが、タミヤC型世界最速の完成と、オールズ機の再現という目標はなんとか達成できたかな。塗装&ウェザリングは、今どき流行りの「映え」系デフォルメ塗装に乗り切れず、今月のスケビ作例のド派手な汚しと比べればかなり地味。まあ、自称正統派飛行機モデラーということで。製作にあたってはIKE氏には3Dパーツのプリント&設計で、J.Heilig氏にはオールズ機の考証で、多大なる援助をいただいた。それらなくしてこの作品はない。改めて深く感謝申し上げる。

 拙作はC型への改造だが、同じ手法でJ型にも改造できる。タミヤからいつ出るか分かったもんじゃないから、待つより改造して作った方がいい。ノズル前方の無塗装部分の幅が異なるが、不要部分を切り取るだけでJ型(あるいはE、EJ)になる。前縁内側フラップのモールドはキットがJ型になってるから、ここは改造不要だ。コクピットはCよりJの方がBに近いかも。ジェットノズル、主脚まわり、アンテナ類はニコイチにするキットから持ってくるか、アフターマーケットパーツを使えばよし。あとは細かいパネルラインの変更があるが、参考にしてもらえるようJ型の図面を作成中。ということで、製作記はもう少し引っ張る。



















 裏ページをいいことに、オールズ機の写真も掲載。




作品と同じマーキングの状態。この雰囲気を再現しようと頑張ったんだよ。




素晴らしい写真だね。SCAT XXVIIが記入されていないので、作品より少し前。インテイクに赤星はあるのかないのか。




ストライクカメラが分かる写真。さすがに内部のカメラまでは再現できず。
インテイク内部、翼前縁回り込み、パイロンの塗装なども分かる。




左舷の全体塗装が分かる。これも作品より少し前。Inkscapeに取り込んで、塗装図のベースとする。




ネット検索するとこれもヒットする。シリアル末尾が読めないが、迷彩パターンでオールズ機というのが確定。翼落下タンクは全面グリーン(かOD)。




作品と同じ時期。インテイクのハゲチョロが著しい。






■ 窓枠シール再び 7/5追加

 窓枠シールの出来がいまいち不満。インレタをクリアデカールに貼るという方法を思いつく。早速、いつものアドマにインレタを発注。風防正面および側面窓の曲線がポイント。正面窓は拙図平面図を側面図の傾斜角のコサインで除して出来上がり。これ実機写真ベースだから、タミヤの正面窓にも当然フィット。側面窓はキット付属のマスキングシートをトレースすればいいのだが(それをいうなら正面窓もね)、既に使用済み。そこで、マスクテープを貼って、ニードルでなぞったものをトレースする。可動部キャノピは、基本キットのマスキングシートをトレース。

 クリアデカールは持ってなく、ウェーブのものを買ってくる。インレタが届くまえに、手持ちインレタの細線で予行練習。クリアデカールにインレタを貼り付け、余白を切り取って不要パーツに貼る。貼って気づいたのは、インレタは発色を良くするために下地が白となっていて、キャノピのフチに貼ると内側から白が見えてしまう。その対策は、インレタ+デカールを貼る前に窓のフチをシール色で塗っておけばいい。って、既にやってるじゃないか。これまでの無駄に思えた作業は、このための準備作業だったわけだ(結果オーライという)。

 発注の翌日午後にレターパックでインレタが届く(早っ!)。ウェーブのデカールは厚いので、手持ちカルト製デカールの余白の大きい部分を使い、転写、貼り付ける。それが下画像。シールの太さは正面窓が0.15mm、側面窓が0.2mm。使用色はT179のベージュ。近くで見るとインレタ+デカールが優れる。ただ、遠目で見ると手描きの目立たない方がいい感じ。ということで、さらに細くしたインレタを再発注する。使用色もやや暗いT177に変更。到着まで完成はオアズケ。



使用前。面相筆フリーハンドによる手描き。

使用後。エッジのシャープさが断然違う。ただ、0.2mmでも太いかな。ちょっと目立ちすぎるのがNG。


 そもそも、私がデカールを使わずインレタを愛用するのは、デカールの余白ニスが嫌いなため。だから、インレタにクリアデカールを組み合わせるのは意味がないと思っていたわけ。しかし、位置決めが微妙過ぎてインレタを躊躇するような場面では、この方式は極めて有効。英軍機のキャノピ周囲の黄色点線なんかは、絶対コレだね。レターのフチドリなど、2色以上の版を重ねる場合にも使える。ただし、シルバリングや、全体の厚みが増えるというデメリットがあるから、デカールなしで決まるならその方がよく、いわば失敗したときの最終兵器。


■ 窓枠塗り直し

 待っている間に一部修正。



修正前。胴体の迷彩境と不連続になってるのだ。

修正後。エアブラシのフリーハンドで。



■ 箱

 発送&保管用の箱を作る。造形村キットの良い点は、箱が保存にジャストサイズ。多分考えて作ってあるのだろうね。ロングノーズは斜めに入れるのかな。各面に段ボールを貼って補強。蓋も同様に補強。いつものように、発泡スチロールで受けをつける。宅配業者に落っことされても大丈夫なように、通常より頑丈にする。画像にはないが、蓋にもスチロールを貼って、逆さまにしても動かないように上から押さえている。

 ちなみに、同じような方式で保管しているEEライトニングを、先日棚の上から落としてしまった。一部のスチロールが折れて、脚カバーが外れたが、本体は無事。なお、塗装後あまり時間をおかずにスチロールに長時間触れると、塗装面が付着する。濃い塗料を厚塗りする人は注意。数日経って十分乾燥していれば問題ない。心配ならティッシュなどを挟めば大丈夫。



重量は、主翼中央、ノズル前、レドーム、内翼端のスチロールで受ける。タイヤは接地させない。

前後の移動はインテイク前と主翼後縁で受ける。左右は機首とノズル後方で受ける。



■ 窓枠シール三度目の正直 7/8追加

 新たなインレタが届き、窓枠シールをやり直す。色はT177。ベト迷タンにかなり近いが、風防の3枚の窓の見え方最優先なので、これはやむなし。クリアデカールは、カルトグラフの余白部分。幅コンマ数ミリのデカールなので、貼り付け強度が非常に弱く、ちょっと触るだけで剥がれてくるのが問題といえば問題。やり直しのために、前に貼ったシールを剥がすのも簡単。かといって、これといった定着方法が思いつかない。



再掲。やり直し前の状態。正面0.15mm、サイド0.2mm、色T179。

やり直し後。正面0.1mm、サイド0.13mm、色T177。写真だとあまり変わらんなあ。肉眼だと結構効果あるんだけど。

やり直し後の前席キャノピ。全て0.15mm。

やり直し後の後席キャノピ。全て0.15mm。


 やってみようという方のため、貼り方インストラクション。
  • インレタの必要な分を切り出してクリアデカールに貼る。
  • 薄紙をかぶせ、その上からこすってしっかり定着させる。
  • インレタに沿ってデカールを切る。このとき、窓枠と接する側には余白があると、余白が邪魔をして窓枠ピッタリに貼れないので注意。ガラス側は、多少の余白はそれほど目立たない。気持ちとしてはインレタの境界の0.1mm外側を切る感覚。
  • あとは普通のデカール貼りと同様。私はクレオスのセッターをメイン、要所でマイクロゾル。
  • 余分は十分に乾燥後にナイフで切る。
  • インレタの上から強くこすると傷がつくので注意。
  • インレタにクリア等を上掛けするのは問題ない。
  • 失敗はつきもの。インレタは予備を作っておく。本番前に不要と思われるインレタで練習してみることを推奨。
  • 当然ながら、細くなればなるほど難易度は上がる。
 私が使ったデータを整理してご提供。黒い図形は面データ(直線は細長い長方形となる)、右下の赤い図形は線データなので、ストローク幅の編集で任意の幅にできる。発注時には、ストロークをパスに変換で線データを面データに変換すべし。一部の図形は少し長めなので、貼り付け後に余分をカットする必要がある。このサイズだとアドマに発注して約2400円。

窓シールSVGファイル ダウンロード




■ 今度こそホントに完成

 可動部キャノピを機体に接着。仕上がり不満箇所や、ウェザリングをもう少し追求したい気持ちもあるが、これ以上手を入れると、逆に悪い方に行きそうでもあり、このあたりで打ち止め、完成とする。箱に詰めてスケビ編集部に送る。無事着いてくれよー。4/15にキットが到着、すぐに製作を開始し、完成が7/7。実製作日数は約75日で、平均すれば1日あたり3時間20分。実際は土日とテレワーク日は6、7時間、出勤日は1、2時間くらい。普段の3倍のペースで、ほとんど仕事している感覚。大変だったけど、いい経験をさせてもらった。でもしばらく作例製作は遠慮したいなあ。






■ タミヤBの間違い要注意点 7/8追加

 後部胴体の部品番号L3、L4のアクセスパネルは初期のB型にはない。B型でもShoehorn改修を受けた機体にはある。N型にはある。コクピットについては、S9、S16は少なくともB型の当初にはない(マニュアルのB型コクピット図にはこの2つの機器がなく、N型図にはある)。参考サイトはこちら。情報感謝。(7/25内容訂正)






タミヤ ファントム B型 製作上の注意点


■ 記載漏れあれこれ(随時更新)

  • コクピット左舷の黄色いハンドルはデカールを凹みの形に切って貼る。

  • レドームのゴツゴツは、修正したけどまだ不十分。クリアパーツの胴体前上部も含めて滑らかな曲線になるようにサンディングするのが正解。これからキットを作る人はぜひ注意してほしい。タミヤだから間違ってないだろう、という思い込みとクリアパーツのせいで気付かずにスルーしてしまった。

  • ゴツゴツといえば、ノズル後上部付近にもゴツゴツがあるから、滑らかに削るべし。これもこれから作る全ての人にやってほしい。

  • C型のオプティカルサイトのガラス板形状はB型と違い、下の直角の角が落とされた8角形のようだ。場所が場所なので修正は無理。

  • サイドワインダーの取り付け角度は、もう少し前下がりが正解。うーん、やり直そうかどうしようか。(きっとそのままだな)

  • また、サイドワインダーとランチャーは前から見たときやや「へ」の字になる。これは後のタイプと同じ。

  • 右舷主脚を取り付ける際、ピンバイスの穴が主翼上面に貫通。何という初心者ミス。プラ棒で塞いで、サフふいて、レタッチ。

  • ドッグハウスの配線は、気休めに少し追加。

  • インテイクベーンは切り取って後付けするのが正解だな。その方が内側の塗装がやりやすい。なお、キットは前半穴なし部と後半穴あき部のところにわずかな段差が生じるから、接着前にすり合わせるべし。作品は気づかずそのまま。

  • スタビレータを左右切り離した結果、かなり苦労を強いられた。キットどおり接着するのが正解かも。ただし、胴体との段差には要注意。

  • 外翼上面には、下面別パーツ境の部分に微妙なヒケがある。元々パーツにあって気づかなかったのか、下面を溶剤系で接着したために、後からヒケが生じたのか不明。塗装がだいぶ進んだときに気づいたので、残念ながらそのまま放置。

  • 機体を後方から眺めるとスパローの後端が結構目立つ。プラバンを2mmのポンチで抜いてグレイで塗って貼る。

  • 胴体下面補助インテイク前方のパネルラインはBとCで異なるが、その事実をすっかり失念。作品未修整。痛恨。


■ 公開にあたり 10/2追加

 以上は、裏ページで「個人的メモ」という形で掲載していたもの。スケビの発売から随分経ったので、表に出す。スケビの記事に関しては思うところあるけど、ここでは言わない。人より早く(キット発売前に製作開始)、自分の好きなように作れて、モデラー冥利に尽きる。この機会を与えてくれたことに、スケビ編集部に改めて感謝したい。

 ちなみに、原稿料を製作時間で割って時給を計算すると300円未満(考証、3D設計・出力に割いた時間を除く)。お金のためにやってるわけではないから、全く問題ない。「プロ」ではないので。

 ちゃんとした写真撮影はまだ。製作終了から作品返却まで時間があって、冷めちゃったかな。これを機に、気持ちを暖め直して撮影するか。ということで、本記事、もう少し引っ張る。


■ テイルパイプライナーの色 

 知人より、空自でファントムのエンジンを20年以上担当してきた整備員の方のお話しを教えていただく。以下その要旨。情報感謝。

 ファントムのテイルライナーは、新品のときにはかなり光沢のあるグリーン。それが、焼けてくると少しずつくすんだ色になるが、グリーンが全て落ちることはない。自衛隊では色が落ちた頃には取り替える。ライナーはキットのモールドのように3枚に分かれており、1枚ごとに取り替えるので、同一機体でもグリーンとくすんだパネルが混在することがある。これは自衛隊機に限った情報なので、ベトナム戦争当時の機体がグリーンだったかは断定できない。

 さらに、別の知人よりエンジン(何の?)を整備してたという方のお話を教えていただく。以下その要旨。情報感謝。

 ファントムの排気口の色は、使い込まれる前のオーバーホール後の色は、緑の防錆塗装がされていて、何回かのエンジンの使用によって、完全に黒い煤色になる。米国の博物館などに展示された機体は、オーバーホール後、試運転程度しかエンジンを稼働していない様で、ノズルの内部にフラッシュを焚くと、緑色が写る。岩国や横田、ミラマーなどの基地で展示された機体のエンジンのノズルは、全くの黒で、一部、赤茶けたさび鉄色のような色になっていた。博物館で見るとターボ ジェットのエンジンの内部は、緑の色が残っている感じ。嘉手納で見たF-4Gは、稼働している機体と言うことで、ほとんど黒。


■ 続、テイルパイプライナーの色 10/11追加

 読者の方から、自衛隊航空祭で撮影したJ79の写真をいただく(感謝)。従前の記述を裏付けるものだが、この画像で実際の色をイメージしやすいだろう。生きている機体の写真なので、参考度は高い。フラップ(アイリス板)内側の色にも注意。ベトナム戦当初のJ79エンジンは、黒煙を吐いたらしいから、その頃は煤でかなり黒かったと思う。エンジンが改良されるにつれ、黒から白っぽく変わっていったのでないかな。



2007年百里基地航空祭にて、エンジン単体で展示されていたもの。新品に近く、緑色がはっきりしている。

2010年航空祭のRF-4EJ(57-6376)。だいぶ焼けて白くなっているが、うっすら緑がかっている。

2016年航空祭のRF-4EJ(67-6380)。ずいぶん焼けて白っぽくなっている。ノズル後方の無塗装外板が2枚ほど交換されている。

2019年航空祭のRF-4EJ(07-6433)。かなり焼けて、白というより褐色のよう。


 模型的には、緑、黒、灰色、褐色の範囲内で好きに塗ればいいかな。


■ 完成写真 12/15追加

 ようやく完成写真。F-4Eやメッサーと一緒に撮影してたんだけど、選別に手間取って。1/48ジェットになると、いつものセット(模型用の机にA0サイズの色画用紙)は手狭で、手前に地面が入るように位置取りすると背景に影が映ってしまう。だからチョット変な写真になってるのは許してちょ。

 ともあれ、これにてファントムプロジェクト終了。次はタミヤからJが出た時かな。













































■ 3Dパーツ ダウンロード一覧

 ※ 左のパーツ名称は、パブリックリンク共有による閲覧のみ。ダウンロードはその右の「●DL」をクリック。


前車輪 ●DL

主車輪 ●DL

QRC-160-1 ●DL

着艦フック ●DL

前脚機器 ●DL

エアブレーキ ●DL

シート上部 ●DL

キャノピフック ●DL

J79ノズル ●DL





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■ 図面

 図面はブリファン製作記で。


■ 参考文献

 参考文献はこちらに記載。






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