スピットファイアUa(タミヤ1/48)製作記

2003.10.06初出

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<はじめに>

 当ページの蛇の目度数が低いので、スピットファイア製作開始。これも私の大好きな機体だが、このところサンダー、ドーラと気合いを入れすぎて疲れ気味。初心に戻って、少し肩の力を抜いていこうと思うが、どうなることやら。

キット評

 では、恒例のプロポーション・チェックから。以前1/72のタミヤTとハセガワ\を作り、タミヤの胴体は太いというイメージを持っている。早速ヨンパチでも検証。
 ハセガワのXと\は、胴体側面形に関して基本的に同じライン。タミヤTとハセガワを比較すると、タミヤの後部胴体は1.5mm背が高い。上述の印象でハセガワが正しくタミヤが太いという直感だが、実機写真で確認しよう。

 使用するのはインターネットで入手した画像。海外サイトでAirliners .Netというのがある。文字通りエアライナーがメインだが、ウォー・バードも膨大なストック。これらは皆レストア機か博物館所有のものだが、資料的価値はもちろん、美しい画面は壁紙にして仕事中眺めるだけでも心が和む。
 トップページの真ん中にフォト・サーチ・ページへ、というボタンがあるのでクリック。keywordsの空欄にspitfireと入力。choose fieldsはall fields、is exactlyはcontainsを選択すると、ヒットする確率が高い。あとはShow me the photoボタンをクリックすれば、山のように写真が出てくるはず。初めて知った人は、たぶん数日いや数週間は睡眠不足になるだろう。うまくいかない時は、全/半角、大/小文字を変えるなど試行錯誤して欲しい。このサーチ・ページ、時々スタイルが変わるので、上記と異なる際はご了承を。

 そこから側面形、平面形をクリーンに捉えた写真を複数枚抽出。画像ソフトなどで拡大・縮小してヨンパチ実寸に合わせる。画像ソフトはパソコン付属のMicrosoft Photo Editorでも十分だが、窓の杜などで、もっと便利なフリーソフトが入手できる。ちなみに私はvixを愛用。画面上でパーツと照合する。
 その結果、やはりタミヤの後部胴体は若干太め。ファスト・バックの背が高く、そのため、尾部が垂れ下がって見える。一方、ハセガワは正確である。断面形もハセガワの方が上。なお、写真には必ず歪みがあるからで、プロポーションチェックのときは複数の写真を参照するのが望ましい。


タミヤとハセガワを比較したところ。上がハセガワX。下がタミヤT。

パーツを合わせてみると明確に違う。手前がハセガワ。このとき、機首と垂直尾翼は、ほぼぴったり合っている。

 

 次に機首。側面形では両社に違いはない。断面形は、タミヤがキノコ型断面を少々クドめながらよく再現している。一方、ハセガワは表現不足で、その後方の燃料タンク部の断面も角張りすぎ。モールドは、タミヤの◎ビス・モールドの勝ち。小バルジに関してはどっちもどっち。機首上部のエンジン・シリンダーの張り出しは、タミヤでは少々オーバーだが、ここは各自好みに削るべし。逆にハセガワは控えめ。結論として、機首はタミヤの印象が良い。
 シリンダー部の幅は、タミヤでは16.5mm、ハセガワXはそれより若干細い。インアクションに真正面から撮った写真があり、ここから寸法を割り出すと、どう大きく見積もっても16mm。ただし気付いたのは胴体組み立て後なので、作品ではそのまま。なおハセガワ\では18mmもある。

 主翼平面形。これも両社で異なり、ハセガワはスマート、タミヤはふくよか。写真と照合した結果、正解は両社の中間。ハセガワは翼中央付近で後縁のふくらみがわずかに不足。タミヤは前後縁ともふくらみすぎ。

 キャノピ。初期型の防弾ガラス外付けタイプは、タミヤにしかないが、形状があちこち微妙に実機と異なるのが残念。クリア・パーツだけに修正は困難。あきらめるのが賢明だろう。後期型ではハセガワの方がスッキリした出来で、形状も正確。

 モールドは、好みの世界。世間一般にはタミヤのクッキリ、ハッキリ、クドめモールドが好まれるのかな? 私は、タミヤの情報量にハセガワの繊細表現が理想。
 なお、主翼上面タイヤ部のバルジは、一見タミヤの方が良さそうだが、実機写真を見ると、むしろハセガワのぼんやりしたモールドの方が正確なようである。


主翼も一見同じだが、こんなに違う。下がタミヤ、上がハセガワX。

タミヤの第1風防はハカマの形が妙で、イメージを悪くしている。素組みの場合でも何らかの対策をしたい。

 

製作構想

 両社比較したところで、実際にどう作るかパーツ片手に思案する。このあたりが一番楽しい所なんだな。さて、作りたいのは丸いスピナがキュートなUa型で、ほとんどTa型と同じ。そうすると、
@案後部胴体の正確なハセXをベースに、翼モールドを修正し、タミヤのキャノピをトレード。
A案タミヤをベースに後部胴体高さを修正。
B案タミヤ主翼にハセガワ胴体を結合。
C案タミヤベースに後部胴体のみハセガワ。
 という4案がある。

 @は、機首断面修正、翼バルジ撤去、スジ彫りがめんどくさい。Aは、削って済む太さでないので、切った貼ったが必要。キャノピにも影響するので単純にはいかない。Bは、パーツ分割位置が全然違い、全く合わない(じゃあどっちが正しいのだろう?)。Cは、断面が異なるので、これも簡単にはいかない。

 実はキャノピの問題は@〜Cすべてに共通。タミヤのキャノピは、高い後部胴体に合うように後方が高いのだ。というところで、各案の長所、短所を比較し、自分の技量、好みと相談してAが良いという結論。

 

<組み立て>

 今回の製作記では、「私はこう作る」という部分も紹介していきたい。少々くどいし、他機の製作記と重複してるので、適当に読み飛ばしていただきたい。

胴体組み立て

 まず、おもむろにタミヤの後部胴体上部をカッターで切り離し、断面を1mm削って再接着。形にならないと始まらないので、内部を自作RAFインテリア・グリーンで適当に塗装。コクピットは、胴体、主翼の組み立てに必要な部分のみ塗装し、取り付ける。計器板パーツは、胴体左右方向の変形を防ぐ重要なパーツ。胴体にしっかり接着する。これが甘いと後で上反角が狂ってくる恐れもある。他の機体では通常コクピット・フロアがの役目をはたす。

 胴体左右を接着し、整形。タミヤの胴体は、キャノピレールの所にクッキリと「くびれ」があるが、実機ではほとんど分からない程わずか。また垂直尾翼に向かって胴体の峰が立ってくるあたりも表現不足。断面は、なんとなく楕円だが、実際は上半分が三角形、下半分が楕円というイメージ。こういった所を削りながら修正。

 キャノピを閉める場合、いつもは塗装時に霧が入って窓が曇るのを防止するため、コクピット周囲をテープなどで塞いでおく。スピットは、コクピット・フロアがないので、胴体や主翼にある穴全てをテープで塞ぐ。後部胴体は筒抜けなので、サランラップを丸めて押し込む。


鉛筆書きが切り離しライン。裏からはプラ板で補強。

 

 垂直尾翼は全体に厚ぼったいので、薄く削る。実機のラダーは、後ろから見て細長い菱形の断面形。特にラダー下部を平面に削る。それにつながる胴体も削る。

キャノピの修正

 胴体後部の高さが1mm低くなったことで、キャノピとの調整が必要。まず、第2、第3キャノピの接合部を1mmカットし低くする。第1キャノピは下端のめくれを削る。第1キャノピと胴体とを慎重に削り合わせる。

 防弾ガラス部分を削ると全体のイメージに影響するので、なるべく触らないようにするが、前を下げずに後ろを下げるでは、どうしても無理が生じる。この辺はキャノピ相互の合わせなどを、あちこち少しずつ微妙に削りながら、後部での1mm下げを吸収する。窓枠は、いずれスジ彫りし直すので、フレームごとペーパーで削る。

胴体幅の調整

 さて今度はキャノピと胴体との幅が合わない。取り付け位置が下がったのだから、あたりまえ。コクピット前方の接着部を一旦はがして、接着面を削り約1mm幅を詰める。いかにも泥縄だが、後ろ広がりな機首上部の形状も改善され、怪我の功名。
 逆に後部では段差の整形で削りすぎたため、接着部にプラバンを挟む。このあたりの微調整がうまく納めるコツ。第2、第3キャノピが重なるようにするため、第3キャノピ取り付け位置を0.5mm前にずらす。そのため、後方の接着部にプラバンを貼る。


計器板は塗装する。私はハセガワよりタミヤのモールドが好みである。

キャノピを合わせてみたところ。キャノピは前後を接着しておくと作業しやすい。ハカマを削り、スジ彫りして磨いてある。

 

主、尾翼

 スピットのねじり下げは意外と強め。前作でハマッた上反角にも注意して主翼を接着する。今回のように合わせの良いキットの場合。翼上面パーツを先に胴体に接着する。こうすることで、フィレットとの接合部が綺麗に仕上がる。こういうときの接着剤はタミヤの緑フタ。
 主翼パーツの裏側には補強の1.2mmプラバンの細切りを瞬間で接着しておく。必要に応じてつっかい棒も入れる。

 翼パーツは曲がっていることが多い。横から見て垂れたり反ったりしないように気を付けながら、まず前縁に緑フタを流す。曲がりがひどいときはパーツ段階で矯正するが、少々の曲がりは正しく接着することで直る。次にねじり下げを付けながら後縁を接着。もちろん上反角にも気を配る。

 リブのモールドはあとで再生するので、気の済むまで後縁を削り込む。水平尾翼が厚いので薄く削る・・・・が、途中で挫ける。先端を尖り気味にしてお茶を濁す。こういう時は、定規にペーパーを両面テープで貼り付け使用している。番手は280、400、600を使い分ける。手元に霧吹きを常備して水で濡らすと、削りカスの処理も楽。同様、鉄ヤスリも水をつけて使うとよい。案外錆びない。

 キットを作り始めたら、まず真っ先に「士」か「十」の字にしてから、表面仕上げや、小物を作るのが、私の製作パターン。これは未完成病防止法でもある。コクピット内も、後で出来るものは後回し。

未完成病

 モデラーなら一度はかかるこの病気。私も重症患者だったことがあるが、最近は病気を避けるコツが分ってきた。私の場合、病気の根本的原因は、理想の完成イメージと、現実の自分のテクニックのギャップ。このギャップの前に手が重くなり、食い散らし状態で一つも完成しなくなる。

 したがって、根本的な治癒は、理想を下げるのとテクニックを上げること。対症療法的には、出来の良いキットの素組みが一番だが、これは実は根本療法に適っている訳だ。未完成病の間は塗装や仕上げのテクが向上しないからね。
 その他の防止法は・・・、同時進行は1つまで。あまりキットを買い込まない。金で買える手間には金を惜しまない。わざわざ金を払って苦労はしない。どんどん目に見える「形」にしてモチベーションを高める。人の意見には耳を貸さない。このページのキット評など、どうぞ気になさらないように。

 タミヤ、ハセガワばかり作って、さぞ軟弱なモデラーとお思いだろう。事実その通りだが、その昔、出来の悪いキットを嫌になるほど作って、ホントに嫌になってしまったのだ。

 

表面仕上げ

 機首の小バルジのモールドが眠たい。ここはスジ彫り用テンプレートから、適当な涙滴形を選んでケガキ針でグルリ。左翼付け根のガンカメラの穴は、実機では塞がれていることが多い。
 リブは例によってサフェーサで描く。スッキリした仕上がりになるので、気に入っている。技法はBf109Eを参照されたい。

 消えたスジ彫りは、トライツールのエッチング・ノコで再生。スジ彫りにはこれをお薦めする。とにかく良い。仕上がり、安定性、作業性に優れ、めくれが出来ず、下地に影響されない。特に翼前縁には最適。慣れると定規がなくてもいいぐらいだ。
 ハッチなどのスジ彫りは、テンプレート+けがき針。動翼の境はPカッターと使い分ける。
 機銃口は、一旦穴を大きくしてから伸ばしランナー等で埋め、ピンバイスで開け直す。


垂直安定板、ラダーを削り込む。タブ操作ロッドは、プラ板のまま整形して切り出す。尾燈の基部はプラペーパーと伸ばしランナーで。

バルジは、まずこんな風に1.2mmプラ板を貼ってからノミなどで削る。機首上面の張り出しラインがちょっと気になる・・・。

 

小物

 T・U型でも後期になると防弾板が装着されている。ここはハセガワXから必要部分を切り取って付けかえる。ついでにシートとその背面の防弾板もXからトレード。タミヤのシートは幅が広く前後に狭い。
 シート本体は茶色。新版世傑のカラーページに修理中の機体のものが写っている。エアロ・ディティールの現存機を見ると、家電の基板樹脂のような感じ。茶、ダークイエローを適当に混ぜ塗装する。背もたれのクッションは黒。なお、シートはハセ\のものが最高。座面にディンギー・パック装着用の凹みが再現されているのはこれのみ。

 U型の丸いスピナはハセガワのハリケーンTを使用。タミヤのスピナ基部より若干径が小さいので、後端に0.3mmプラバンを貼って調整。また、機首右側面にコフマン・スターター用のバルジがある。U型の数少ない識別ポイントなので、ぜひ再現したい。

 バルジは、水滴型にプラバンを切り出し、胴体等に接着してからノミ、ヤスリ等で断面を丸く削る。その際は、周囲をテープで保護しておく。スピナのスジ彫りは、机の上で雑誌等にエッチング・ノコを挟んで高さを固定し、スピナを回しながら彫る。

 プロペラ・ブレードも同じくハリケーンTから。先端と付け根部分を丸いシェイプに削り、あわせてピッチ、翼形をプロペラらしく仕上げる。なお、タミヤのプロペラは細すぎて、およそ飛行機のペラに見えない。T型を作られる方は、他からのトレードをお薦めする。デ・ハビランド製だが、形状は零戦などのハミルトンによく似ているので、適合機はいくらでもある。プロペラはヒコーキの命。

 脚周りの出来は良い。ロック用のリングは、格好のアイキャッチとなるので、薄く削り開孔する。ブレーキパイプは、正面から見えないので付けない。
 脚柱とカバーが密着するように、接合部を削る。脚柱を削る方が早い。キットによってはタイヤと脚柱の間隔を狭めることもある。脚周りをスッキリさせると、モデルの見栄えも良くなる。なにより、脚部が翼より厚みがあるのは論理的に矛盾している。脚柱のモールドは、エッチング・ノコを軽く当てると、スミ入れも決まる。

 英軍ではGM−2、米軍ではMk.[と呼ばれる照準器は、両者名称は異なるが基本的に同じ。スピットの場合、初期はガラスが四角形、のちに楕円、最後は大型のジャイロ付きと、サンダーボルトなどと同じ発達史を辿っている。ただし、サブタイプごとに使用照準器が一対一対応してなく、レトロフィットもあるから、正確を期すなら実機写真での確認が必要。かなり後期の型で四角ガラスを装備している機もある。

 モデルは、時期的に四角ガラスとなる。キットパーツの本体に0.2mm透明プラバンでガラスをつける。タミヤのパーツは大きすぎるが、そのまま使用。レンズ代わりに1/43カーモデルのライトを付けるとさらに巨大化。う〜ん。
 透明プラ板の周囲はダークグレーで塗装すると目立たない。緑フタで一撫でという手もある。

 

サフ吹き

 大体このあたりで一度サフを吹くのが、最近のパターン。案の定、気付かなかった接着部のヒケや、キズ、スジ彫りの乱れなどを発見。溶きパテなどで修正。

 塗膜が厚くなるのでサフを嫌う人もあるが、上述の効果があるので、私はお薦めする。薄めて吹けば塗膜の問題はない。どうせ吹くなら、プラへの食いつき、その後のサンディングを考えると、サフが最適。ただしMrの白サフはヒコーキには向かない。一度使って失敗した。通常のMrカラー1000番が良い。サフ吹きの前には、全体に600番位のペーパーをかけるとよい。ヒケやうねりを直し、塗料の食いつきを高める効果がある。

機首の修正

 やはり、機首上面、エンジン・シリンダーの張り出し部分のラインが気になる。スピナ後端からシリンダー・ヘッドに向けて、もっと直線的に広がるように削り込む。ハセガワ\のラインが参考になる。修正を終えたら、水洗いしてキャノピ取り付けに備える。


修正前。ラインが丸い。エンジン上部の小エアインテイクは、モールドが甘くプラバンで作り替える。

修正後。あまり違わない?。ともかく、シリンダー部まで削らないように。消えた◎モールドは0.9mm真鍮パイプで再現。

 

キャノピ取り付け

 まず第3キャノピから。頂部のフレームのモールドは削り、かわりにプラ棒でフレームを作る。キャノピを胴体に接着し、表面を面一に削る。このとき胴体背のラインを微修正。実機のラインは微妙に猫背。丁度ラウンデルのあたりに屈曲点がある。

 第1、2キャノピを接着する。「儀式」はいつものとおり。第1キャノピの下部には、プラペーパーでモールドを追加。
 タミヤのキャノピには若干不満。側面がピシッと平面になってない。防弾ガラス部の厚み、角度、高さ。レンズ状の歪み。側面形も全体的にいまいち。一体パーツが欲しい。枠モールドが甘い・・・。言い出すとキリがない。でもまあ我慢の範囲内。  


スジ彫りは、2枚重ねのマスキング・テープをガイドにエッチング・ノコ。そのあと磨く。

第1、2キャノピを接着し、ポリパテを盛る。目立たぬように黒い塗料を混ぜる。

プラペーパを貼る。マスキング・テープを貼り、ナイフで形をなぞると「型紙」が出来る。型紙に合う「定規」でプラペーパーを切り出す。

プラペーパを貼ったところ。シートベルトの取り付け方法を間違え、すごく気になるが、後の祭り。横方向のフレームの下側に取り付くのが正しい。フレームの位置も、正しくはもっと下。

 

 胴体との接着面を丁寧に処理し、マスキングして塗装に備える。その時気付いたが、一部窓枠が太い。キットのモールドを信じたのが間違い。直そうとしたがスジ彫りが深く、断念。
 ワンランク上の仕上がりを目指すなら、やはりキャノピ先付け。窓が汚れるリスクは伴うが、それは「儀式」で下げられる。後付けでは胴体との合わせがきれいに仕上がらない。胴体と色が揃わないことも。

続、キャノピ 11/4追加

 キャノピのマスキングは、「セロテープ法」と「細切りマスキング・テープ法」がある。市販のエクスプレス・マスク等は、まだ試したことがない。
 セロテープ法は、窓枠のモールドがしっかりしており、窓の形が不整形のときに有効。メリットは、仕上がりが非常にシャープ。作業時間が短い。デメリットは一発勝負でリスクが高いこと。
 クリア・パーツにセロテープをぺたっと貼り、窓枠モールドに沿ってデザイン・ナイフで切り抜くだけだが、コツはある。少々の曲面にはテープの伸縮性で密着させる。それがだめなら切り込みを何箇所か入れるか、何枚かに分ける。

 力を入れて切る必要はなく、刃先に行き先を聴きながらなぞる感じ。デザイン・ナイフはおろしたてより、少し先が鈍ったほうが、かえって脱線しづらい。テープを貼る前に、ナイフでスジ彫りをなぞっておくのも有効。少々脱線しても、爪で押さえると結構目立たない。なお、よく似たテクにマスキング・ゾル法があるが、切るのが難しいのでお勧めしない。

 細切りテープ法は、文字通り細切りにしたテープを、ちまちま貼っていくもの。リスクを避けたい、窓が四角い、枠モールドが甘いといった場合に有効。これもいくつかコツがある。複雑な形の窓は、まずマスキング・テープを貼り、窓枠モールドをデザイン・ナイフでなぞると形が写せる。あらためてカッターマット上で切り出す。四角い窓なら、このように貼っていくと作業性がよい。テープをはがすときは、境目をナイフで軽くなぞるとシャープになる。今回は、第1キャノピ側面がセロテープ、残りはマスキング・テープである。

 

次は塗装と仕上げ

 

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